「なんやねん!というしかないドタバタ劇」毒 村山章さんの映画レビュー(感想・評価)
なんやねん!というしかないドタバタ劇
ウェス・アンダーソンには、昔は大好きだったけど、もうとっくについて行けなくなり、でもわが道を脇目も振らずに突き進んでいらっしゃるのだから素直に畏敬の念を感じたりもしていて、ただ作品と向き合うとなると、もはや昔のように観客を楽しませてはくれないことへのもどかしさみたいなものが勝つことが増えていた。
が、Netflixで発表した4本の中短編は、アンダーソンの強固すぎる作家性が時間の短さによってほどよく見やすくなっていて、どれもこれも楽しめる。中でも一番のお気に入りがこの『毒』で、行ってみればなんやねん!というしかないドタバタコントなんだけど、それがアンダーソンのおシャレ感やとぼけたユーモアと合致していて最高。
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