「いろいろな観点でフェミニズム思想を考えることができる映画。」ラ・メゾン 小説家と娼婦 yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
いろいろな観点でフェミニズム思想を考えることができる映画。
今年5本目(合計1,097本目/今月(2024年1月度)5本目)。
結局のところ、国は違っても、女性が「つきたいと思う職業に就けるか」というと、その前提としての大学進学等で「下地があるか」という点の有無について、「教育格差」が存在します。そのため、女性が「仕方なく」この手の「あまりするべきものではない」とされる(職業に貴賤はないというけれど)職業に入ってしまう、という類型は日本であろうがどこであろうが一定数存在します。
映画もこういった事情を裏に持つため、R18指定の扱いではありますが、こういった部分について、「お客さん」としてくる方(事実上、性別は特定できるが…。1人だけ「性別違い」の人もやってきます)の悩みつらみは、(お金を払って)近い位置で接しあうというこの類型では「こういうことなのかな?」ということも見えてきます(中には映画内でもそういうことで悩んでいるの?というようなものがある)。
つまり、本映画は日本の「一般的な性表現の考え方や実際の描写」から考えるとR18にせざるを得ないのですが、フランス映画では珍しい「問題提起がしっかりしているタイプ」で(トリとロキタくらい?)この点共感が持てました。
映画「そのもの」で言えば確かに「ヘンテコ」な映画なのかもしれませんが、登場する女性がいかにこの職業を選んだのか、また関係のない人が「その職業」の貴賤を論じることができるのか…という意味において、フェミニズム思想を強く感じた映画です。
減点に関しては特に気になる点まではなかったので、フルスコアにしています。
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