台北アフタースクールのレビュー・感想・評価
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飯島愛さん
青春映画と呼ばれるジャンルは僕の弱点で、ここを押されると少々雑な映画でもウルウル来てしまいます。特に、「歳をとってからあの頃を思い出す」と言う設定はそれだけで涙腺が緩みます。 本作はまさしくその路線で、大学受験を控えて予備校でバカな大騒ぎを繰り返していた3人組が、大人になってから昔の予備校を訪れるという台湾作品です。「これは僕の弱点ど真ん中か」とウルウルの準備までしたのですが、中盤から意外や意外そんな方向にテーマが広がるのかと虚を衝かれました。しかし、幾らでも暗く描けるその社会的問題を明るさと軽やかさを失うことなく王道を進んだので、やっぱり最後にはウルウル来てしまいました。日本映画的な湿度がなかったのがよかったな。 ちなみに、1994年が舞台の本作中で、飯島愛さんがTバック・グラビアアイドルとして描かれ、吉川晃司さんの「モニカ」がテーマ曲並みに流れていたのに驚きました。
切なくて苦しくて愛おしい
若かりしあの頃の、バカな毎日が楽しかった青春映画。 と思っていたら、途中からLGBTを強く練り込んだ青春恋愛映画でした。 それは成功三剣士+1、四人の物語。 それぞれの想いがあり、それぞれの葛藤があり、それぞれの光がある。 後半からは、何度も何度も涙しました。 94年の背景を考えればLGBTに対する考えは明るくないでしょう。 特に中華圏の「子孫繁栄」を誉とする中で、主任の気持ちは痛いほどでした。 そしてレスリーチャンの「モニカ」や飯島愛など、サブカル面で日本人には面白いシーンも多いです。 切なくて苦しくて愛おしい、とても素晴らしい作品ででした。
同性愛が苦手な人は観ない方がよい?
私は同性愛者ではありませが、映画やドラマは観ます。単純に人間として切ないと思います。 新宿三丁目の映画館でこの映画を見ながら、それに意味があるのかな、とかも考えてしまいます。 同性愛者へのメッセージがとても真っ直ぐです。逆に傷つけてしまわないか心配になる表現もあります。簡単に言うと「気持ち悪いとか差別はやめましょう」なんですが、気持ち悪いと思われる前提、差別されている前提だったり。当時を考えればこれでも凄いストーリーなのだと思いますが。 隣のおじさんが、何度も大きなため息を付いていましたが、無意識なのか、映画が嫌いなのか、同性愛が苦手なのか分かりませんが、私も気持ちが冷めていきます。友人にもいますが、普段からため息ばかりつく人がいますが苦手ですね。 それでも良い映画は良い! この映画はさすが日本まで届くだけはあって、笑えるし感動した。両親との関係には涙。単純に、肯定と否定だけではなく複雑な優しさに涙してしまいます。 最後のエンドロールで、実際の恩師との話が元になっていることを知りまた涙。 日本人には吉川晃司のモニカのカバーが流れるところだけは、変な気分になります。 また、オープニングと最後に、大人になった主人公達が出てきますが、学生時代と同じではダメなのか、、、眉毛が気なって誰が誰だか混乱します。 多分、台湾人から見ると、この俳優にこの年齢、とかあるのだと思うけど。ちょっと残念。
チャン・ジェンハンもなかなか罪な男
『藍色夏恋』や『あの頃、君を追いかけた』など、台湾の青春映画は初々しさとちょっと懐かしさもあって好き。こちらもまたなかなかの良作。 冒頭、昔の仲間が集まった時に、思わず声が出てしまった、おぉチェン・ボーリン。出てるって知らなかったからびっくり。 三剣士といいつつ、なんで男2女1なのかと思ったら、そういうことだったのか。 ちょっとおバカで軽いノリの青春映画かと思っていたら、恋や友情だけでなく、親子関係や性転換の問題など、真面目でちょっとヘビーなテーマにも突っ込んでいて予想外に興味深い映画だった。 中高生の頃、あんな先生に出会っていたら今ごろは...吉と出るか凶と出るか。 『モニカ』のカバーがあるなんて初めて知った、しかもレスリー・チャンだとは。
愛ちゃんはセクシー女優です
1994年台北の補習塾「成功補習班」で三剣士と呼ばれた悪ガキ三人組の話。 数年後、入院して逃亡中の恩師を見舞いに行った帰り、塾だったビルを訪れて振り返る体でみせていく。 和尚とラブレター王と俺、そして俺の好きだった気の強い前髪パッツン少女と臨時講師でやって来た恩師を軸に展開して行くけれど、…1人は巻き込まれただけという感じで実質メインは2人という感じ。 愛だ恋だの恋愛話しに友情に、正に青春ストーリーではあるものの、警察沙汰以降は展開にあまり波がなく、恋の大騒ぎ以外はクドく感じて冗長気味だし、なんだか随分狭いところでLGBTQの話ししてますね…。 青春ストーリーは嫌いじゃないけれど、ちょっと恋愛や性自認の話しに偏り過ぎていて、あまり自分にはハマらなかった。
青春は焼きチン
なのですか?笑笑 くだらないことで思いっきり盛り上がったり笑ったり、まさに青春‼︎ が詰まりに詰まっている作品。 青春の風がこちらまで吹いてきました。 アイデンティティを大切にする事を教えてくれて、多感な時期に「恋をしろ」と言ってくれる恩師に涙 予期していなかった展開に色々と驚かされウルウルさせられました。 友達、いいですね。
Diversity of 台湾
世界的な流れとなっているLGBT問題を中心に悪友三人と女の子一人(高校生かな?)で繰り広げる、青春ロードムービー 一度の人生自分の好きなように生きようという個人主義的な風潮は否定しないが、我慢するということは学べないし、どうしたら自分の好きなよう(自分の目標の達成)に成るかを考える力がつかないような感じがして… 考えさせられる内容でした
実話だったとは……
等身大の青春の全力感とその後おとなになってからの少しつかれた感じと昔を懐かしむノスタルジックな感じ。日々の生活の中では特に感じることがないのに、ふと昔の熱量高めにキラキラしていた時代を思い出すと急に今の自分がなんだかポッカリ穴が空いているかのように感じる不思議。 この映画ではその感覚を強く感じられて、まさしく『映画のおかげでの追体験』ができたー! “学生”である時間はきっと誰もが通る道なんだけど、その時期の過ごし方は人によって異なる。先生との出会いも異なる。友人との出会いも然り。『老後は一緒に過ごそう』なんて思え友に学生のうちに出逢えるなんて羨ましい💜 一瞬一瞬を大切に生きることに大切さ✨ エンドロールまでしっかり観て欲しいな(*´ω`*) あと………… 飯島愛ちゃん!
コメディタッチな恋愛映画だと思って見たら、LGBTQ絡みの作品で、...
コメディタッチな恋愛映画だと思って見たら、LGBTQ絡みの作品で、なかなか奥深く面白かったです。 温かな気持ちになれるメッセージ性ある作品でした。
たくさんの要素が詰まった、てんこ盛りの映画だった 映画としての扱わ...
たくさんの要素が詰まった、てんこ盛りの映画だった 映画としての扱われ方は控えめな気がするけど、 切なくてやるせなくてあたたかくて、 私はすっごく好き 隠れた名作 最後の方で撮影始めてまず告白したとき、 一気に涙が溢れた 先生役の人がとにかく魅力的 他のキャスティングも良いと思う 予想外に遥かに良くって、 その高低差があまりに激しいので思わず、5 思っていたのとはちょっと違ったけど、それが良かった ここまで学生ものだと知ってたら、見に行かなかったと思うから それにしても監督さん、 こんな作品作っちゃったら、 この先これを上回るものはきっともうできないと思う あと、日本語のタイトルがちょっと悪いかな、 全然この作品を表し切れていない
恋と友情と日本文化
冒頭で流れてきたインスト曲が聴いたことあるなと思っていたら、吉川晃司の「モニカ」だと気付いた(後にカバー曲も使われる)。それだけじゃなく、スラムダンクとか飯島愛とか高橋由美子とか中山美穂のポスターが貼られていて、日本文化がとても近いことがわかる。ちょっと驚いた。 肝心のお話しだが、大学入学前の高校生が、先生にちょっと刺激を受けながら恋と友情にまみれる話と思っていた。たしかに大筋そうなのだが、思っていたと違うことがある。それはLGBTQのこと。1994年当時の台湾ではまだまだ偏見が強かっただろうし、当事者は生きづらかったと思う。ここまで突っ込んだ話だと思わなかった。 「成功三剣士」たちの友情や好きな女の子へのアプローチとか、青春だなぁーとニヤニヤする場面が多かったし、若干自分の時代に近いのもあって懐かしさも感じた。意外と面白かったし、日本文化の登場も楽しかった。なかなかの掘り出し物と言える。ただ、登場人物の背景があまり描かれていなかったり、結局勉強なんかしていないのに大学どうしたの?といった疑問に感じるところもちらほらと。細かいことを気にしてはダメな映画だと思うが、性分だから仕方ない。 それにしても台湾も良い社会になってきたなぁと感じてしまうのは、前日に「流麻溝十五号」という台湾映画を観た影響だ。社会主義者を弾圧使用する社会から、台湾もずいぶんとやさしい、そして成熟した社会になった。2日連続で観る台湾映画としてはふさわしくなかったかもしれないが、いろいろと考えさせられた。
今どき…? 違った…
今どき馬鹿な青春コメディ!?と思ってたけど違いました… いや…そのトーンはありながらも、LGBTQってかジェンダー論にグッと踏み込んだ着地。後味も良くって素晴らしい!主役の4人も可愛くて、目が離せない。 気になったのはいわゆる「当事者キャスティング」だったのかな?ってこと… でも、パンフにもそういったことは書いてないくらいだから違ったのかな。 でもそれを差し引いても素晴らしい青春コメディ。いいね…
ジェンダーレスな青春映画
内容知らずに台湾映画というだけで鑑賞したら、そういうやつか!中々面白い。友情以上、恋人未満だね。若い男子って単細胞だからバカで可愛いなーって観てたら、後半まさかの展開でした。これはこれで良かった。 エンドロールで知りましたが、実話が元なんですね。 塾が舞台だけど、あんな塾あったらいいね!ほぼ学校じゃん! モニカは引き継がれてましたね。あれは今なんだろうか?当時カバーされたんだろうか。吉川晃司のモニカを久しぶり聴きたくなった。
台湾の近況がよくわかる良作。おすすめ。
今年269本目(合計1,361本目/今月(2024年7月度)32本目)。 ※ (前期)今年237本目(合計1,329本目/今月(2024年6月度)37本目)。 (前の作品 「もしも徳川家康が総理大臣になったら」→この作品「台北アフタースクール」→次の作品「お隣さんはヒトラー?」) …ということで、大阪市でアジア映画見たいならシネマート…のはずですが、シネマートは10月24日だったかで閉館のお知らせ…。アジア文化という観点だけでいえば東京をしのぐほどの文化圏を持つ(三ノ宮の中華街しかり、大阪市の鶴橋のコリアタウンしかり)関西ではちょっと厳しいですね。ミニシアターもどこも大変でしょう。「観て残そうミニシアター」なんて、コロナが緊急事態宣言で全部しまっていた2020年ごろは本当に言われていたんですが、実際そうなんだなって強く思った事態でした。 さて、こちらの作品です。 もちろん作品としては架空ですが、台湾の文化や近況がよく伝わる良い作品だなといったところです。日本では「今では」レベルさえどうこう言わなければ大学へは行けるとはよく言ったものですが、学歴による競争が激しい、韓国台湾など(日本の影響を受けた国)ではそうではなく、努力しないと本当にどこにも入れない国がこの日本の影響を受けた2国だし、また日本の影響を受けたように、大学以上卒にしか資格試験の受験資格がない国家資格というのもあり、それは韓国台湾も同じなので、大学に入学することはかなり重要で、この予備校もそのためのものですね。 ※ 日本では、意外にも社労士試験がそれにあたります(ただし、行政書士試験は学歴不問で、行政書士試験合格者は(学歴に関係なく)社労士の受験資格があります)。 もう一つは、他の方も書かれている通り、日本以上に行政をあげての取り組みがすすんでいる、多様な性の在り方を認める文化の存在で、このことが真向から取り上げられていた意義は大きかったんじゃないかな…といったところです。それを肯定することも否定することもなく、一つの「あり方」として自然に受け入れられているのが良かったです。 なお、台湾映画あるあるですが、「日本文化をリスペクトする」というか「日本文化を拾う」というシーンがしばしばあり、この映画でも「日本のエッチなビデオ」とかという語が出ます(まぁ、主人公たちは高校生の子ばかりですから、程度の差こそあれ興味はわくんでしょうね)。ちなみにそのシーンはモザイクがかかっていますが…。 日本の2つのお隣の国(便宜上の国扱い。以下同じ)の韓国台湾は日本と似たところも違うところもありますが、日本以上に大学に入ることが優先され予備校(塾)もあって、さらに塾の制服もある(日本から見ると、通塾する場合、各学校の制服に合わせるというのが普通だと思いますが、そうではないらしい)模様というように違ったところがあったのが良かったです。 採点に関しては以下を気にしました。 -------------------------------------------------------------- (減点0.3/字幕が読み取りづらいところがある) 映画の趣旨的に高校生が多く出てくる映画ですが、上記に書いたように制服着用になっています。このため、カッターシャツでもブラウスでも白が基調であるため、字幕が同化して読み取りづらいところがあります。また、看板などで日本語字幕がないところもあります。ただ後者の「看板の字幕がない」は本質論ではない看板なら翻訳しないでしょうし、仮になくても「禁煙」って書いてあれば「禁煙」でしょうし、多少の部分は類推が効くので、この点の指摘は「セリフ自体が読み取れない」(いくら漢字文化圏でも、聞いて理解できるほどの相互理解度はない)という部分になります。 --------------------------------------------------------------
タイトルなし
TIFF2023にて。 愛や友情、生きることをテーマにしたLGBTQ映画。94年の当時の台湾をモチーフにしていて、懐かしさ然り。 まずは劇中歌『モニカ』に度肝を抜かれる 。こちらはレスリー・チャン版だが。 当時のレコメンドインパクトが凄すぎる…(苦笑)。 さらに追い打ちをかけるようにラストで、も一回流れて、もう、家に着いても、モニカが忘れられなくなります。 実在した監督の恩師である、塾講師のミッキー先生。90年代だとかなり前衛的な思考の刺激的な存在であったろうと思う。 そして、こういう個性的な人を1人の人間として好意的に受け入れる監督の感性もまた素敵だなぁと思いました。 アイデンティティを探している10代の頃は、没個性にしたがる大人に反発して、未知の世界へいざなう大人が、とても羨ましくて魅力的に感じたが、この作品も、テーマこそLGBTQだが、目線はジュブナイルなので、こういう自分探しの旅というのは、どこで生まれて、どんな環境で育っても、同じなんだなぁ〜と、甘酸っぱい気持ちにさせられる映画でした。見て良かったです。
思春期男子の悩みは万国共通
個人的にブロマンス映画の最高傑作と思っている『スーパーバッド/童貞ウォーズ』よりもさらに踏み込んだ、自分はゲイなのかと悩む男子学生を描いている。友情なのか愛情なのか分からなくなる心情は、たぶん男子なら共感できるはず。要は思春期男子の悩みは万国共通なのだ。台湾が舞台という事もあって、90年代の日本芸能がチラつくあたりも興味深い。 それに併せて、昨今のダイバーシティを反映したLGBTQ+事情にも触れる。それを象徴する曲としてレスリー・チャンの『モニカ』を引用しているのに唸らされた。吉川晃司の原曲とは大きく違う歌詞、それを歌うのがレスリー…切なすぎる。アジア映画界は本当に偉大な才能を夭折させてしまった。
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