劇場公開日 2025年4月25日

「故人の人生を言語化すること」来し方 行く末 ihatakaeightさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5故人の人生を言語化すること

2025年4月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

難しい

癒される

脚本家としての夢に破れ、弔辞の代筆業で生計を立てるウェン・シャン。さまざまな依頼人との交流を通じ、自身の夢に再び向き合うまでを描いた中国ヒューマンドラマ。

主人公ウェン・シャン演じるフー・ゴーの心の灯火が鎮火したお疲れ演技は魅力的。男前なのでずっと観ていられる。また不思議同居人演じるウー・レイも出演。昨今の中国映画の人気俳優二人だ。

さて、私なりの考察を。テーマの深堀は難しい。故人の人生を言語化することに加え、他省から来た主人公ですら北京語慣用句に戸惑う描写があり、普通話が出来たとて微妙に伝えたい事が違う。これで彼が真意を汲み取るのは困難だ。また葬儀慣習における弔辞(悼词)の重要性が分からない。弔辞は第三者に執筆してもらうのが慣習なのか。更に中国社会に生きる人しか理解しえない複雑な空気感のサインが時折あり、それを読み取る事は極めて難しい。
よって、映画としては、表層の会話・映像、漂う透明感ある雰囲気を楽しむ程度となってしまった。原題「不虚此行」(無駄足ではない)が割と的を得ていたというのが私の感想。挫折したウェン・シャンが再び情熱を燃やす様をご鑑賞ください。

ihatakaeight
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