「採用理由は制服のサイズ」ゴンドラ uzさんの映画レビュー(感想・評価)
採用理由は制服のサイズ
最初の乗客が棺桶という、まさかのスタート。
先任が亡くなった(?)ことによりイヴァが採用され、先輩のニノとの関係性を中心に展開してゆく。
チェスのやりとりなんかは『PERFECT DAYS』を彷彿とさせるが、この辺まではやや退屈。
悪ふざけがエスカレートしてからが、本作の本領だろう。
飛行機や船、ロケットなんかに“改造”してゆくあたりは、コメディ的な面白さがあって好き。
同性愛的な要素は個人的には不要だったが、それでも主演ふたりの美しさで場がもっていた。
しかし、サスガに後半はやり過ぎだろう。
勝手にゴンドラを止めてセッションしたり、夜間に運行したり、挙げ句は車椅子を吊って走らせてしまう。
本人は大喜びだったが、落ちたりどこかに引っ掛かったりしないか気が気じゃなかった。
最後は売り上げ金までバラ撒くし。
駅長に腹が立つ面はあるにせよ、あれは怒られて当然というか、普通にクビだし下手すりゃ逮捕だよ。
ピッキングや弁当のすり替え、ストーキングに不法侵入に覗きなど、犯罪行為もオンパレード。
気付かなかったり、何故か好意的に受け止めたりするけど、冷静に恐いわ。
最初にイヴァが疎まれていた理由や、ニノが受け取っていた封筒の中身(転職の採用通知?)も不明。
ふたりが喧嘩してから仲直りまでの描写も雑。
メインのみならず小さなふたりのやり取りも可愛らしいし、景色や色彩も美しかった。
セリフ無し(オーケィだけハッキリ喋ってたけど)が生み出す雰囲気も嫌いじゃない。
でも、もう少し後半やりようがあったのでは。
イヴァとニノが駅の両側に住んでいて、終盤までゴンドラ越しにしか絡まない方がよかったかも。
高所は苦手なので、つらいシーンもあり、おっしゃる通りやりすぎも目立ちましたが、途中から、これがこの監督の持ち味なのかも、と達観して見ていたら、見終わって幸せ感だけが残りました。不思議な映画でした。
ほぼ同じような感想を持ちました。笑いましたが、やりすぎですよね。
ニノが受け取っていた封筒ですが、ニノはCA採用を目指していたのではと思いました。最初の方で、ジョージア・エア宛に封筒を投函するシーンがありました。