西湖畔(せいこはん)に生きるのレビュー・感想・評価
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静けさと狂騒を併せ持った美しき怪作
鑑賞中に生じた感情を率直に表すなら、それは驚きと混乱だった。まずは静かな幕開けと同時に突きつけられるドローン撮影。これには度肝を抜かれたし、前作「春江水暖」と同様、水辺の絵画的美しさに留まらない、映画ならではの動的魅力を盛り込んだシャオガン監督の芸術性に圧倒される。かくもマクロ的な視点で観客を驚かせたかと思うと、その後、物語は一転して狂騒的なまでの世俗感へ。物静かな母親が劇的に変わりゆく心情と相貌をミクロ的に捉えたカメラワークは、今こうして思い出すだけでも胸のザワめきが止まらなくなるほどだ。本作は釈迦の弟子が地獄に落ちた母を救おうとする故事に着想を得ているらしいが、だとすればこの翻案的な展開は現代中国の生々しい投影なのだろうかと感じたりも。好き嫌いはあろうし、母の辿る運命はやや先が読めるという難はあるものの、前作とやや異なる境地へ野心的に踏み出した本作を、私は「怪作」にカテゴライズしたい。
面白映画
と最初に書いてあったんだけど、全く逆の、見ていていやになるような映画だった。面白映画って中国語でどんな意味なんだろう?
「西湖畔に生きる」という題名にも騙された感が強い。
オープニングだけ見て眠りに落ちて、最後15分くらい前で目覚めれば、とてもよい映画だと思ったかもしれない。
3の21乗で100億人を超えるので、どんなに上手い具合に親になっても20世代までしか行かないよな。
山水画の世界を味わう穏やかな映画と思いきや・・・・・・・
まずは中国映画もだいぶ様変わりしたなぁというのが第一印象!
山水画の哲学を追求した作品との事で、チャン・イーモウ作品のような中国の美しい原風景を描く作品と思いきや、これが大外れ↓
なんとテーマとなるのは違法ビジネス=マルチ商法の話とは・・・・・・・
目覚ましい経済発展を遂げる中国でも根源的な問題というものは日本と変わらないのだなぁと実感。
バブル経済が終焉を迎えようとする中国も数十年前の日本をそのまま繰り返していることを実感させられる1本!!
個人的には中国の田舎の長閑な原風景を描く作品の方がより中国を感じられ好きなのだが・・・・・・・!?
日本にもつながる点があるので見てわかりやすい作品。
今年380本目(合計1,472本目/今月(2024年10月度)31本目)。
※ (前期)今年237本目(合計1,329本目/今月(2024年6月度)37本目)。
※ お手洗いトラブル(扉が閉まらない)で最初の5分くらい抜けている部分があります。
最初こそ、中国のお茶の産地かいわゆる「山奥の田舎」が映し出されて、タイトルと関係はあるかは不明としてもいわゆるヒーリング映画かなとおもわせつつ、ここからいわゆるマルチ商法にはまっていく話に飛ぶのが、やや「突飛なところ」もあって、「わかりにくい」点はないのですが(いわゆるマルチ商法は日本でも問題視されているし、この映画でマルチ商法にはまったであろう理由については映画のストーリーから推知可能)、趣旨的におそらく後者の問題提起型の映画であろう点を考えれば、そちらにフォーカスを当てるべきだったのでは…とは思えます。
中国映画というと、放映前に突如「放映許可番号」と出てきたり、「中央のご意向」が強い映画が多い(実際には日本でも見られる作品はそういった事情からある程度は絞られてはいるんでしょうね)ところ、この映画は製作者の意図は微妙としても「国(行政)の言い分」は当然、結局のところ「マルチ商法はやめましょう」につきる部分があり、特に中国国内の政治や制度について批判している部分はほぼなく(まったくないわけではないが、許容範囲レベルだったのか)、中国映画としてはまぁ「大歓迎」的に「許可」された(上述の通り、正規の中国映画には放映許可番号というものがでてきてそれが表示される)のだろうといった、政治的思惑も見えないわけではないといったところではあります。
映画内ではいわゆる「マルチ商法」の制度の破綻の問題(マルチ商法がそのシステム上必ず破綻をきたすことは知られている通り)等に関する説明は少ないのですが(主にそれに熱中する行為それ自体が問題視されて描かれている)、普通に見ても理解できる範囲でしょうし、日本国内においてもいわゆる「マルチ商法」について「免疫」がない方(最近の10~20代の方だとあまりこの点表立って学習はしていない??。それより年上の方は実際に社会問題になったことを経験したことがあるので知っている方が多い)もいるので、不特定多数がこられる映画館ではよかったなといったところです。
一部、字幕抜けかなと思えた点などはあったものの、中国映画であり推測が容易につくことなども考慮して特段スコア上考慮しませんでした。迷ったらおすすめといったところです。
なかなかの力作で引き込まれて観ましたが、そもそも母親の自己肯定感の...
なかなかの力作で引き込まれて観ましたが、そもそも母親の自己肯定感の低さが何からきてるのか分からないのがどうも食い足りないかな。
ビギナーズラック?
春江水暖が良かったので、本作も期待したが、殆ど刺さらなかった。70歳男性ですが、大学1年生の時、ネズミ講(当時は、マルチレベルマーケティングと称した)に誘われ、少し手を出した経験があります。商品はBP (British Petrolium)のモーターオイルとオイル交換器でした。虎ノ門のダイヤモンドビルの説明会では、自称明治大学4年生の男性が皆の前で、アタッシュケース一杯の万札を披露し、MLMに参加して子供を二人作れば、後はその子供達が孫、ひ孫…を増やしていくので、直ぐに現金が増えて行くと言う謳い文句でした。しかし、私は始めて直ぐに、コレでは親族、友人達からの信頼を失う事に気付き、手を引きました。なので、本作では、その箇所は肌感覚で伝わって来ました。
現代中国の神話
2023年。グー・シャオガン監督。西湖のほとりで細々と暮らす母と息子。ふとしたことから母が地元の茶摘みからのけ者にされ、誘われて参加したセミナーにはまってしまう。自己啓発とマルチを組み合わせた組織にのめり込む母を息子は説得しようとするが、、、という話。
現代中国を舞台にしながらも描かれているのは俗世にまみれて堕落していく母親とそれを救おうとする信心深い息子の神話。「堕落」もやりすぎだし「救出」もやりすぎだが、神話なのだから仕方がないのかも。
悪くはないんだけど、
予告で観たもの以上に得るものがなくて残念。
強いて言うなら中国の山間が見られる特別感。
中国ドラマ『清越坊の女たち〜当家主母〜』で主役を張ってた蒋勤勤(ジアン・チンチン)がドラマでの役どころと一変したはっちゃけ哀れなるオバちゃんを演じてたのが観られて良かった💜
そして息子役の呉磊(ウー・レイ)がcuteで。
それくらい……かな😅
65点ぐらい。西湖畔の自然
地獄に堕ちた母を救おうとする仏教の話にインスパイアされたオリジナルストーリーだそうです。
中国にある西湖の畔で茶摘みをして暮らす母親と息子、母親は違法ビジネスに、のめり込んでいき…
西湖畔に住む動物や虫、美しい自然など、カメラで捉える目線が、純粋さ繊細さ優しさを感じさせます。
たぶん監督は、純粋で繊細で優しく知的な人なんだろうな…
映画スコアは、65点ぐらい。
西湖畔が美しかった。
演出のせいで笑ってしまう
何の前情報もなく突発的に鑑賞。
物語序盤は山や茶畑、そこに住む虫や動物たちなどの美しい自然が舞台。主人公の母子も家族思いで、ああきっと心が洗われるような映画なんだと思いました。
しかし、お母さんがマルチ商法セミナーに参加して雰囲気が一変。金銭欲や承認欲求に振り回される人間の様子を嫌というほど見せつけられます。
文化の違いだと思いますが、全体的にセリフや演出がくどく感じられ、そのせいでシリアスなシーンなのについ笑ってしまいます(実際吹き出している人もちらほら)。
また、カメラアングルが高速でグルグルするので眩暈がします。劇場や大画面で見る人は要注意です。
くどい演出の影響で、人情物語ではなくコメディのように見てしまいました。
お母さん役と王晴(ワンチン)役の人が綺麗でした
奥行きがあり、思ったよりも難しい映画。
西湖のほとりの茶摘み農園で、季節労働者として働いて、自慢の一人息子を育てた母親が、あろうことかマルチ商法にはまってしまい、その母親を息子が身を挺して救おうとする物語。
最後に、山水映画の第二巻との文字が出た。山水映画となると、伝統と現実を対比していることは容易に想像がつく。両者を繋いでいるものの一つがマルチ商法であることも判ったが、元になっている中国の物語があるはずだ(仏教故事「目連救母」と知れた)。しかし、それだけでは、まだ何か足りない感じがしたのだ。
脚本・監督のグー・シャオガンは、取材でマルチ商法の現場を見たようだ。その時、商法の手法は先端的な中国企業の運営方針とも同じと気づいたのだろう。そうだ!この映画は、暗に現在の経済優先社会を批判しているのだと思われた。
判りやすいマルチ商法を前面に出すことで、真のメッセージがすぐに判らないようにしているのではないか。巧妙な筋立ての映画。中国では、土地の私有を禁ずることで、逆に土地を中心とした不動産に無尽蔵に価値を見出し、利用している。結果的には、どこかの国の都市部の不動産バブルと同じ。
母親は、マルチ商法に接して、何とも言えない高揚感をえる。自己実現を果たしたのだが、本人も経済的な代償を払わざるを得ない可能性は感じていた。マルチ商法の場合でも、末端では(失礼!)経済的な損失を被るのみで済むが、中枢に行って利益に近づけば、損害はそれだけでは終わらない。
それでは、息子は母親を必死になって救って、どこへ行こうとしたのか。息子が見出した帰るべきところは、自分の木があるところ。そこは豊富な水と自然、密林の王者によって、守られていた。
ただ、現実も生き抜く必要がある。息子が自分にとっての最適な仕事を探しながら、日々できることは、失踪した父親を捜すことだったのだろう。
では、この映画を観た我々は、成長が止まったこの国で、一体どうすればよいのか。目標も現実の過ごし方も必ず、見つかるはずだ!そのことに気づかせてくれた映画だった。
滝藤賢一さんがオススメされていたので
見どころはジアン・チンチンの演技と山水画のような田舎の美しい茶摘み風景かな。
マルチの高揚感はよく表現できてる。見下される惨めな存在でなく自立した女になれた(と錯覚できる)なら騙されてもかまわないという趣旨の言葉がとても印象的だった。
周りが止めても「推し」にあり得ないくらい金を注ぎ込む人も似たような心理なのかもしれない。夢が弾ける経緯は物足りなく惜しい。どこかで見た俳優と思ったらThree Kingdomsの曹操だ。
絵に描いたような勧誘手法
どこかで聞いたような見たような勧誘手法。
宗教にハマって貢ぎ破滅していくのと同じ構造ですね。
お金、幸せ、承認欲求などなど、欲がらみ。
強ければ強いほど洗脳されやすく、解けにくいのかな。
人のこと言えたがらではないが、身の丈と日々に感謝。
ここで終わるの?って思ったけど、 すっかりはまってしまった いい息...
ここで終わるの?って思ったけど、
すっかりはまってしまった
いい息子だなってずっと思ってて、
終わってから説明読み直したら、
仏教故事からヒントを得たんですね
目連救母、読んでみたい
騒がしいシーンと静かなシーンの差が激しすぎる映画だった
最後の方の蓮が良かった
マネーと虎
10年前に旦那が行方不明になり、茶摘みの仕事で息子を育てた母親が怪しい仕事にハマる話。
ガッツリのどかなお茶の産地で暮らす母親と息子のヒューマンドラマかと思ったら、茶畑を持つ雇い主の息子と良い仲になり再婚を考えるようになった母親が、雇い主に追い出され巻き起こるストーリー。
足裏シートと友人からの繋がりはあるけれど、結構急にマルテな展開であーそういう感じ!?
どっぷり洗脳された母親と助けたい息子の構図はわかるけれど、内容の割に長く感じたし、最後はちょっとファンタジーじみた上にはっきりしないしで、もう一声という感じかな。
ネットワークビジネスにハマった母
お母さん、可哀想に、、、ネズミ子になってしまうなんて。息子がもっと可哀想だった。
人間は同じ境遇になったら誰しも可能性あるよね。
ビビリの人の方がハマらない気がするけど。
家族ドラマみたいで映像や景色など良く、とても面白かった。こちらは予告で観た印象通りだしたね。
カネで喜びを買う人々
中国杭州にある世界遺産である西湖。
その周辺にある龍井茶の茶畑は神々しく、なんだかミステリアス。
何かしらコンプレックスがあり、人生に勝ちたいと願う人々が徐々に洗脳されていく様はとてもリアリティがあって分かりやすかったです。
タイホア(お母さん)が行くところまで行った瞬間は中国版女ジョーカー誕生かと思いました…
中盤までとっっても面白かったのですが、後半はなんだか惜しく感じてしまいました。でもとても好きなテイストの映画です。
初日入場者プレゼントで龍井茶が当たったので飲みながら映画の余韻に浸ります🍵
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