劇場公開日 2024年9月27日

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「なぜか、むかし観た『夢の島少女』を思い出した。」西湖畔(せいこはん)に生きる Haihaiさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 なぜか、むかし観た『夢の島少女』を思い出した。

2025年11月1日
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鑑賞方法:VOD

悲しい

癒される

2023(日本は2024)年公開、中国映画。
115分。

【監督】:グー・シャオガン(顧暁剛)
【音楽】:梅林茂
※羽生結弦が使用した『SEIMEI』により、中国ではかなり著名らしい。

主な配役
【⽬蓮/ムーリエン】ウー・レイ(呉磊)
【母・苔花/タイホア】:ジアン・チンチン(蒋勤勤)
【銭/チェン】:チェン・ジエンビン(陳建斌)
【万晴/ワンチン】:ワン・ジアジア(王佳佳)

◆美しい風景と対極にあるストーリー

原題は『草木人間』。
公式サイトによると、「人の世は自然の中にある」というような意味になるらしい。

原題のままだと内容が誤解される、ということで
別途、邦題を用意した。
ややこしいのだが、邦題は英題『Dwelling by the West Lake』の直訳だ。

さすが、原題に違わず、作中での自然の描き方は神秘的で秀逸だ。
自然の美しさ、だけでなく、
遠くに見えたり、近くに見えたりする大都市・杭州とのコントラストも鮮烈な印象を残す。

なぜか、
昔むかしNHKで観た『夢の島少女』を思い出した。
なんでかな?

古代から息づく大自然と、
いまを生きる人間とのギャップが強烈。

◆拝金主義者を嘲笑えますか?

超絶親孝行のムーリエン。

自らも怪しげな会社に就職するが、まもなく辞める。
社内研修で「だます」とかエグいワードが出てきたら
悪い会社だと分かりやすいですね。

母(タイホア)が関わった会社は、悪徳感を一切ださず、「運命、人生を変える」「1080万元(日本円で2億くらいか)稼ぐ」と、おカネを前面に出してくる。

そりゃ、おカネは欲しいよね。。。
タイホアはマルチの鬼に向かいまっしぐら。

ムーリエンはタイホアの洗脳を必死で解こうとする。
心配しつつも遠巻きに見守るしかないチェンとの違いが面白い。

タイホア本人は、「私はいま幸せだ」と言い、
チェンも、「どんなビジネスでも、そういう(詐欺っぽい)側面がある」という。

私も程度は別として、チェンと同意見だ。
歳を取りすぎたかもしれない。

併せ呑んではいけない「濁」だと確信するムーリエンの行動は、母を救ったのだろうか??

◆親子の姿

まさに支え合い生きている2人。
私もそうであるべきだった。

◆まとめ
生きるって大変だよなぁ。( ´Д`)=3
マルクスが看破した通りになってる感のある現在ですが、共産主義にも希望を感じないんですよね。
☆3.5

Haihai