「なぜか、むかし観た『夢の島少女』を思い出した。」西湖畔(せいこはん)に生きる Haihaiさんの映画レビュー(感想・評価)
なぜか、むかし観た『夢の島少女』を思い出した。
2023(日本は2024)年公開、中国映画。
115分。
【監督】:グー・シャオガン(顧暁剛)
【音楽】:梅林茂
※羽生結弦が使用した『SEIMEI』により、中国ではかなり著名らしい。
主な配役
【⽬蓮/ムーリエン】ウー・レイ(呉磊)
【母・苔花/タイホア】:ジアン・チンチン(蒋勤勤)
【銭/チェン】:チェン・ジエンビン(陳建斌)
【万晴/ワンチン】:ワン・ジアジア(王佳佳)
◆美しい風景と対極にあるストーリー
原題は『草木人間』。
公式サイトによると、「人の世は自然の中にある」というような意味になるらしい。
原題のままだと内容が誤解される、ということで
別途、邦題を用意した。
ややこしいのだが、邦題は英題『Dwelling by the West Lake』の直訳だ。
さすが、原題に違わず、作中での自然の描き方は神秘的で秀逸だ。
自然の美しさ、だけでなく、
遠くに見えたり、近くに見えたりする大都市・杭州とのコントラストも鮮烈な印象を残す。
なぜか、
昔むかしNHKで観た『夢の島少女』を思い出した。
なんでかな?
古代から息づく大自然と、
いまを生きる人間とのギャップが強烈。
◆拝金主義者を嘲笑えますか?
超絶親孝行のムーリエン。
自らも怪しげな会社に就職するが、まもなく辞める。
社内研修で「だます」とかエグいワードが出てきたら
悪い会社だと分かりやすいですね。
母(タイホア)が関わった会社は、悪徳感を一切ださず、「運命、人生を変える」「1080万元(日本円で2億くらいか)稼ぐ」と、おカネを前面に出してくる。
そりゃ、おカネは欲しいよね。。。
タイホアはマルチの鬼に向かいまっしぐら。
ムーリエンはタイホアの洗脳を必死で解こうとする。
心配しつつも遠巻きに見守るしかないチェンとの違いが面白い。
タイホア本人は、「私はいま幸せだ」と言い、
チェンも、「どんなビジネスでも、そういう(詐欺っぽい)側面がある」という。
私も程度は別として、チェンと同意見だ。
歳を取りすぎたかもしれない。
併せ呑んではいけない「濁」だと確信するムーリエンの行動は、母を救ったのだろうか??
◆親子の姿
まさに支え合い生きている2人。
私もそうであるべきだった。
◆まとめ
生きるって大変だよなぁ。( ´Д`)=3
マルクスが看破した通りになってる感のある現在ですが、共産主義にも希望を感じないんですよね。
☆3.5
