「群像劇として面白い」ダム・マネー ウォール街を狙え! kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
群像劇として面白い
株式だけではないが、一般人もいろんな投資に手を出す今の世の中。株は儲けることもあるが、ある程度のリスクもあるというのは常識だが、個人的には本当に儲けられるのは一部の投資家と企業のみという感覚がある。
本作では、個人投資家がオススメした株について、乗っかる多くの個人投資家と、個人投資家の愚かな投資と捉え空売りした資産家たちの対立を描いたもの。SNSの広がりと、株式投資の広がりが背景にあることはわかるのだが、個人投資家たちに「ウォール街ふざけんな!」という感情があったことが面白い。実際に資産家たちが大損しそうになってゲームストップ株の高騰を妨害しようとする流れは苛つくものだった。あいつらなんでも思い通りなると思いやがって!
実際にあった出来事をベースにしているのだが、本作が面白いと思ったのが個人投資家たちの群像劇になっているところ。いろんな年代、人種、職業の人たちがゲームストップ株を購入し、ウォール街に対抗していた様がいい。ここらへんがフィクションだから腕の見せ所ってこと。ちなみに株の知識なんてないけど楽しめたんだから、そこらへんの作り方もうまかったと思う。
最後のテロップはやはりというか、そうだったんだとやるせなさを感じる。あいつらはまったく! でも、スッキリするところもあるから暗くはならない。目立っていないけど面白い映画だった。
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