リンダはチキンがたべたい!のレビュー・感想・評価
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今回も映画評風に書きました。
今回も映画評風に書きました。
次回からはちゃんと書きます。
映画評『リンダはチキンが食べたい!』:印象派アニメーションの可能性
1. 印象派アニメーションの可能性
近年、アニメーション表現の可能性は大きく広がり続けている。
その中でも、印象派の絵画のようなタッチを取り入れたアニメーションは、独特な魅力と可能性を秘めている。
高畑勲の『かぐや姫の物語』や圧倒的画力の『プロメア』は、
抽象的な設定や色彩を用いることで、
観客が作品世界に入り込みやすい環境を作り出し、
高い評価を得た。
『リンダはチキンが食べたい!』は、
日常の現実的な物語を舞台にしながらも、
ゼネストという非日常的な設定を取り入れることや、
パブロ、フィデル、カストロ、という名の、
登場人物を配置する事で、
印象派的な表現と物語を巧みに融合させている。
2. ゼネストと印象派表現の親和性
本作におけるゼネストは、
単なる舞台設定としてではなく、
印象派的な表現と密接に結びついている。
『地下鉄のザジ』に代表される、
フランス映画でよく見られる、
「時が止まっている」ような表現は、
印象派絵画の特徴である時間や瞬間を切り取ったような描写と共通している。
また、ゼネストによって社会の秩序が乱れた中で、
(あるいは秩序を取り戻そうとする状況の中で)
自由奔放な登場人物たちが繰り広げる騒動は、
アニメやCGであれば、
だれもいない世界や、
人々が静止している空間、
または、
宇宙船が目の前に浮かんでいる、
あるいは、
7つの穴等、
印象派絵画の色彩や構図の自由さと呼応している。
3. 計算された色彩と表現
本作は、カラフルな配色と彩色の細やかな計算によって、
印象派的な世界観を更に深めている。
特に後半の、声と歌、明と暗、点と線、配色と彩色が織り成す表現は圧巻で、観客を作品世界に引き込む力を持っている。
4. まとめ
『リンダはチキンが食べたい!』は、
印象派的な表現と日常的な物語を巧みに融合させた、
独創的で魅力的なアニメーション作品である。
本作は、アニメーション表現の可能性を広げると同時に、印象派絵画風アニメーションの新たな魅力を提示していると言えるだろう。
子供には絶対見せられないアニメ。買えないなら盗む。フランスでは常識なのか?
「リンダはチキンがたべたい」、でもストでどの店も閉店でチキン買えない。
じゃあ、盗んじゃおう!!じゃないよ!!
いきなり鶏を盗むからビックリ!
勝手に持ってっても、せめて代金を置いてくべき!
これがフランスの子供もみるアニメの基準なら、絶対許せない。
世の中には最低限のルールがある。
フランスなら許されるのか?
たかがアニメじゃん、とはいかない。
子供が観るからなおさらちゃんと作るというのは、日本の業界では常識。
それを破るなら、大人向けアニメにしないといけない
フランスではどうでもいいのか?
スト同様に自分の欲求のためなら、他人の迷惑は無関係化?
それだけではない、こどもにはみせられない、不愉快なシーンの連続。
忍び込んだ他人のトラック一杯の積み荷のスイカを、勝手にばらまいてみんなで食べたり、
鶏を締めるために他人の家におしかけて、協力をお願いする先の家をめちゃくちゃにしたり、
倒したタンスを鶏のせいにしたり、
大騒動にして話を盛り上げるために、やりたい放題。
父親が亡くなっていて気の毒だからって、何してもいいわけではない。
自分の欲求のために何してもイイわけでないし、他人に迷惑かけてはいけない。
他の映画がやっている、そうしてもいいような理由を用意したり、許せる範囲の行動にするという配慮が足らなすぎる。
絵柄がアートっぽいとか、ミュージカル仕立てとか、そんなこと以前に、映画人として、クリエイターとしての”衿持”がたりないのが許せなかった。
最初に、チキンではなく、生きている鶏を盗んだ時点で、
日本では、生き物を命をいただくことの意味がでてしまう。
フランスでは、生き物でも平気で殺して食べるだけの単なる「食材」だという教育が行きとどいているのだろうか。
本当に観なければよかった。
寝ちゃいました、ターゲットは誰なのかな?
落ち着くところはトリがトリもつ縁のお話でした
手書き風の描線とビビッドな色使いで、ストーリーも絵面もフランスを濃厚に感じさせる世界観が構築されててとても楽しい。お母さんを線画だけであんなにムッチリ色っぽく描写できるって、さすがスケベではどこに出しても恥ずかしくないフランス人
そもそも鶏肉が手に入らないのがストのせいっていう設定自体フランスっぽいし、だからといって農家から生きた鶏をパクってくるって強引なストーリー展開は日本人の考え及ばないとこ。日本でこんなアニメつくったら大炎上や。
さらにその鶏を見て、早く締めて、とか、締めるとこ見たい、という子供の反応も我が邦とのメンタリティの差を感じて面白い。生きたニワトリを見て「食べちゃうのかわいそー、もうチキンいらない」なんて甘ちょろいことを言わないのがたのもしいです。食育とはこうありたい。
お母さんだけでなく、叔母さんやら警官やら登場人物みんなひとクセあって、自己主張がすごく強い。フランススタンダードの人物像をカリカチュアライズするとあんなふうに描かれるんだろうね。
でもって、最後はお母さんやら叔母さんの恋愛の芽生えを匂わせてのエンディングに持ち込むんだから、サゲまでしっかりおフランスでした。
ファッキンリンリ
何だか珍しいタッチのアニメ映画だなぁと惹かれるように劇場へIN。特典はレシピカードでした。
アニメーションは最高!でも話はあんま好きじゃない!
そんなタイプの作品でした。
アニメーションは線と色で構成されており、これをちょこまかとちょこまかと動かすの相当大変だったろうなと思いましたし、上空から団地を見下ろすシーンなんかは絵本の世界に入り込んだような感覚でワクワクしました。
この難しいであろうアニメーションに挑戦してくれたアニメーターの方々には感謝が尽きません。
今作の気になった点はブラックすぎるコメディにつられてキャラクターがイカレまくっているところだと思います。
まず主人公のリンダは最初はお父さんを早くに亡くしてしまっているし、お母さんから厳しくしつけられているしで、大変な子だなぁと思っていたんですが、叔母さんの家に放り込まれたあたりからどんどんワガママな面が出てきて、出された料理に文句を言い、下品な遊びをしたりと後々この子がこうなのも親のせいか…と味わうことになりますが、まだこの段階ではまぁ子供だしなぁでギリ許せていました。
そこからチキンが食べたいの一点張りで行動していくので、周りなんてお構いなしに狂ったようにチキンを食べようとする様子ばかりで、タイトル通りっちゃタイトル通りなんですが、このクソガキ…!って何回も思いました。
直近で観た「リトル・エッラ」の主人公も紛れもないクソガキだったので、改めてこのくらいの歳の子供は苦手だなぁと思いました(全ての子がこんなに自由なわけではないんですが)。
しっかしお母さんがそれ以上にヤバいやつでコメディで進んでいるはずなのに笑えずに引いている自分がいました。
勘違いしたまま姉の元に娘を預けて、そこから勘違いを謝ったと思ったら、ストライキ中の街中からニワトリを奪うというシンプル犯罪をやってのけたり、姉に再び迷惑をかけたり、反省する様子なんて全くなく責任をなすりつけまくっていたりと、顔がピキピキってなるくらいにはこの70分でお母さんを嫌いになりました。ここまで不快指数が高いキャラクターは久々かもしれません。
ずっと振り回されっぱなしのお姉さんが不憫でなりませんでした。
妹からの詫びは言葉ですら無いし、姪っ子は駄々をこねるし、頼まれごとなんでもやるもんだと思われてるしで、これ邦画だったら絶縁してもおかしくない話だよなぁとお姉さんに同情しっぱなしでした。
住民たちは抜けている方々が多いので、そりゃ誰も止められないよなぁと遠い目で観ていました。
最後はハッピーエンド風に終わっていますが、お姉さん引き摺り込まれたのにその後何事もなく地上に戻ってるし、お母さん何も反省してないし、リンダはチキン狂いのまんまだしで、ハッピーさについていけずにポカーンとしていました。
倫理観の崩壊したクレヨンしんちゃんの世界という文言が自分の中でぴたーっとはまりました。あのラインだからこそクレヨンしんちゃんは面白いんだなと再確認するきっかけにもなりました。うーん難しい。
鑑賞日 4/13
鑑賞時間 14:50〜16:15
座席 I-12
みんな傍若無人がすぎる!
フランスのイマを活写しながら明るい未来の寓話に広げて行く
『リンダ』は母親の『ポレット』と郊外の大規模団地に住む活発な女の子。
父親は彼女が一歳の時に、食事中に突然亡くなり、
記憶はほぼほぼ無いに等しい。
が、その時の、父親が作ってくれた夕食だけはしっかり覚えている。
ある日、大事な指輪を失くしたと母親から疑いを掛けられるも、
結局は誤解とわかり、お詫びにと件のメニュー《パプリカ・チキン》をリクエスト。
ただ、約束の日は全土的なストライキでお店は全てお休み。
母娘はチキンを手に入れるために雨の中を右往左往。
果たして『リンダ』は思い出の《パプリカ・チキン》を食べることができるのか。
二人が住むのは、停電や漏水が頻繁に起こる古びた団地。
オマケに住人は移民も含めた多人種に及び
イマイマのフランス映画でも描かれる典型例。
母親は暮らしに余裕がなく、ついつい娘に辛く当たってしまう。
これも現代的な問題の一つ。
もっとも、物語りの発端である広範なストライキも
日本では今では見ることもなくなったが、
彼の地ではしっかり残っている。
こうした社会的な問題が、愉快な画面から透けて見えるのが特徴の一つ。
もう一つの特色は、太い線にべったりと単色で塗りつぶされた人物の絵柄。
精緻なリアルさを善しとするイマドキの日本のアニメとは対極。
にもかかわらず、表情は豊かで表現の躍動感も相当のもの。
全体を貫く{スラップスティック}なトーンにも合っている。
また、なんとしてもチキンを食べたい『リンダ』が繰り出す
子供らしい残酷さには驚きもする。
本来なら日延べをすれば良いのに、
娘の「どうしても今日食べたい。そう約束した」との強い意志に
母親は真摯に向き合う。
普段なら軽く一蹴するだろうに、
今回会議りは指輪を失くしたとの疑いで手を上げてしまったことや、
日頃の自身の言動の贖罪の面もある間も知れない。
勿論、父親を懐かしむ娘に応えたいとの気持ちも有ったろう。
結果引き起こされる騒動は、
警察を呼び寄せ、しかし地域住人も協力することで奇跡を生む。
その場面がなんともすがすがしい。
外へと飛び出した大騒ぎは団地の中へと収斂し、
新たな関係性も幾つか芽生える。
子供らしい純真さと、
それに報いる親の愛情が産んだ美しい寓話。
自由が過ぎる!
飴ちゃんはコミュニケーション・ツール
想い出のレシピが心をつなぐ人情アニメ
娘に約束した想い出のチキン料理を作るために、ゼネスト中の街を母娘でチキンを探し回るコメディアニメです。スラップスティック・コメディ的な展開はアニメより実写向きのような気がするけど、原色の絵の具でサッと描いたようなタッチは、日本のアニメとは違った味わいがあり独特の世界観で楽しませてくれます。一方で、ゼネストやシングルマザー、バンリューの人々などフランスの格差社会を背景に、レシピの再現によって親子の情愛や近所の人々とのつながりの大切さをしっかり描いているのは、昔ながらのフランスの人情劇みたいでいい感じです。後半で少しお話がダレて分かりにくくなる所もあるけど、思い出のメニューの歌のシーンにはジーンときました。映画館の入口でもらった作品カードにレシピが載ってたんで、今度作ってみようかな。
楽しいビジュアルだけど、内容は気になるところも…
ポスタービジュアルから映画祭でも気になっていたけど見れなかった作品をやっと鑑賞!
ビジュアルはポスター通りでアートっぽいけど、とっつき易く楽しく見れる。
内容も全体的にはおもしろおかしい感じもあり、はちゃめちゃな楽しさ溢れる作品。
全体はそんな感じだけどもう少し内容に寄ると文化の違いかな??なんだかそれはないだろ…と思ってしまうような事も多かった気がする…そのあたりがなかなか受け入れ難い。
特に主人公リンダの母の発想はなかなか理解し難い…
シングルマザーとしての必死さみたいなものもあるんだろうけど、とは言え鶏盗むって発想やらシメ方がわからない〜、放置した車を〜、このあたりの行動はいかがなものかと…
まぁその他こんな事なっちゃいます???って事てんこ盛りだけど、そこはコメディって事でスルーでいいのかな?
実際その突飛な感じにいクスっとするシーンがいくつもあった。
そんなこんなで気がつけばハッピーエンドになってる作品。
個人的には思ったほどの感動とかはなく、
恐らくリンダの母の行動に割と序盤でやや引いてしまったのが原因かもしれない。
結構コメディな割に人間関係の描き方に妙なリアルさがあるので、どういうスタンスで見たらいいのか途中で見失ってしまった気がする。
76分のサクッと見れる作品だけど、内容はギュッと詰まってる感じがするし、ビジュアルもとても楽しい作品だけど、倫理観とか一旦飲み込めないとなんだかモヤっとしてしまうかも…
フレンチコメディ
幼い頃の微かな記憶
今は亡き父親の得意料理パプリカチキン🍗
がどうしても食べたいと、リンダは言い出す。
それは母親の勘違いにより、その代償としてお願いする。だが、その鶏肉を買いにいくがストライキによりお店は閉まっている。
母親は養鶏場から鶏を盗み警察から追われる
はめに。警察や街中の人々を巻き込んだ珍道中。
リンダを含めた子供達は自由奔放。
子供目線で心情と行動、性質を上手に
描いている。
色彩も華やかで自由に創られていて
カラフルでキュートで綺麗。
ドダハタ喜劇の連続だがユーモアたっぷり。
鶏肉を食べる前に滅茶苦茶になっていたけど
キャラクターが生き生きしてたから善し。
父親はイタリア人でローマの方だったんだね。
Pollo alla romana ローマ風鶏肉とパプリカの煮込み。美味しそうだね。一緒にスイカも食べれて
良かったよ。
ナゲットも思わず買って食べたし。
心温まる映画でした。
DQN母娘とポンコツフランス人たち
ストライキで鶏肉が手に入らない中、パプリカ・チキンをつくる為に騒動を巻き起こす母娘の話。
母親の勘違いというか決めつけだったとはいえ、言うこと聞かないワガママ娘が、ちゃんと指輪をしまわなかったことで監獄に送られ、そして濡れ衣が晴れた際のお詫びに亡き父の得意料理だったパプリカ・チキンをつくることになって行くけれど…主だった登場人物の言動がムチャクチャで倫理観崩壊しまくり。
まともなのは伯母さんとギター兄ちゃんぐらい?
常にどう話しが転がっていくのかという期待値はあったけれど、同時にイライラがついて回る。
そんなものすらぶっ壊す愉しさ満点のドタバタ劇でもないし、かと言って教訓的なものを投げかけるでもなければ、可愛らしい話しでもなく物足りなかった。
外国人の方が多かったのが印象的(字幕版)
今年144本目(合計1,236本目/今月(2024年4月度)18本目)。
(前の作品 「貴公子」→この作品「リンダはチキンがたべたい!」→次の作品「クラユカバ」)
今週は名探偵コナン祭りなんでしょうか…。1日に26上映とかすごいです…。
ただこの映画は1日3上映でしたが、字幕版・吹き替え版ともに選べるようになっていてよかったです。字幕版でみましたが、フランス・イタリアの方など外国人の方が多く見に来られていたのが印象的でした。
ジャンル分類としては「アニメ」になるのでしょうが、ギャグシーンなどはなく、フランス(一部イタリア。フランス・イタリア合作の模様)において「パブリカチキンが食べたい」といったものの、食材を食べに行くその日は労働者デモ(ストライキ)でどこもあいておらず、何とか「生きたニワトリ」だけは確保したものの、それをどうやってチキンにするか…などを描いた作品です。
アニメとはいえギャグシーンはほぼなく、「フランス・イタリアほかでのアニメタッチの描かれ方」に専ら力点があたると思います(映画の公式サイトで独特なタッチが見られます)。アニメといえばギャグシーンという向きもあろうと思いますが、フランスといえば「おフランス」という何かと色々「高貴な国」で、このような作品を見ることができた機会は、日本からみてほぼ反対側にあるフランス・イタリアという国のアニメ事情について触れられる機会があったという点で、映画という媒体はすばらしいなと思ったところです。
一応、法律系資格持ちとしては、「デモの自由は無制限に認められるか」「スーパーなど、生活必需品を売る店においてデモの自由は一定程度制限されるべきか」といった憲法論的な観方もしたものの、そこは日仏(あるいは伊も含めて)においても「乱用しない限り労働者の権利」として保障されるべきものでありますし、この映画はそれを論点にしていないものと思います。
独特なタッチ(公式サイト等で予告編が見られます)が好きで、日本から離れたフランス・イタリアという国のアニメ事情について知りたい方にはぜひ、といったところです。
採点に関しては特に気になる点まで見出せなかったのでフルスコアです。
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