リンダはチキンがたべたい!のレビュー・感想・評価
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自由が過ぎる!
とにかくストーリーが破天荒というかハチャメチャ、めちゃくちゃ・・・正直、酷いと思ってしまいましたが、自由で色彩豊かな絵づくりにやられてしまった感じです。作品全般に渡って貫かれていた自由な精神は、まさにアニメーションの力を存分に見せつけていたように思います。
はじめは・・・テキトーな絵と、酷い話で・・・もううんざり!となりそうなところだったのですが、目眩く線と色味が見事で、視点とかカットとか、そんなのアニメには関係ないんだよと言わんばかりの世界観にどっぷりと浸かった印象です。
最初から最後まで徹底されたコンセプトがにじみ出ていて、感銘を受けました。
まさしく味わい深い作品でした。
飴ちゃんはコミュニケーション・ツール
鶏・スト・自転車レース・「記憶にない人は存在するのか?」みたいな哲学的問い等フレンチてんこ盛りの伝統人情噺。
画面を構成する人・物・色が上手く省略されているお陰で、「生意気な少女」「不器用な母」「がっかりした表情」「郊外の農家」などについて鑑賞者各自の抱く典型像や理想像を容易に当てはめることがきて楽しい。比較することが適当か否か判らないが、◯タジオ◯ブリの精緻な動画表現には感嘆するしかない一方、鑑賞者の想像力をほぼ排除しているようにも見える。優劣を論じるつもりはないが、アニメーションの本質にかかわるような気がする。
想い出のレシピが心をつなぐ人情アニメ
娘に約束した想い出のチキン料理を作るために、ゼネスト中の街を母娘でチキンを探し回るコメディアニメです。スラップスティック・コメディ的な展開はアニメより実写向きのような気がするけど、原色の絵の具でサッと描いたようなタッチは、日本のアニメとは違った味わいがあり独特の世界観で楽しませてくれます。一方で、ゼネストやシングルマザー、バンリューの人々などフランスの格差社会を背景に、レシピの再現によって親子の情愛や近所の人々とのつながりの大切さをしっかり描いているのは、昔ながらのフランスの人情劇みたいでいい感じです。後半で少しお話がダレて分かりにくくなる所もあるけど、思い出のメニューの歌のシーンにはジーンときました。映画館の入口でもらった作品カードにレシピが載ってたんで、今度作ってみようかな。
楽しいビジュアルだけど、内容は気になるところも…
ポスタービジュアルから映画祭でも気になっていたけど見れなかった作品をやっと鑑賞!
ビジュアルはポスター通りでアートっぽいけど、とっつき易く楽しく見れる。
内容も全体的にはおもしろおかしい感じもあり、はちゃめちゃな楽しさ溢れる作品。
全体はそんな感じだけどもう少し内容に寄ると文化の違いかな??なんだかそれはないだろ…と思ってしまうような事も多かった気がする…そのあたりがなかなか受け入れ難い。
特に主人公リンダの母の発想はなかなか理解し難い…
シングルマザーとしての必死さみたいなものもあるんだろうけど、とは言え鶏盗むって発想やらシメ方がわからない〜、放置した車を〜、このあたりの行動はいかがなものかと…
まぁその他こんな事なっちゃいます???って事てんこ盛りだけど、そこはコメディって事でスルーでいいのかな?
実際その突飛な感じにいクスっとするシーンがいくつもあった。
そんなこんなで気がつけばハッピーエンドになってる作品。
個人的には思ったほどの感動とかはなく、
恐らくリンダの母の行動に割と序盤でやや引いてしまったのが原因かもしれない。
結構コメディな割に人間関係の描き方に妙なリアルさがあるので、どういうスタンスで見たらいいのか途中で見失ってしまった気がする。
76分のサクッと見れる作品だけど、内容はギュッと詰まってる感じがするし、ビジュアルもとても楽しい作品だけど、倫理観とか一旦飲み込めないとなんだかモヤっとしてしまうかも…
フレンチコメディ
幼い頃の微かな記憶
今は亡き父親の得意料理パプリカチキン🍗
がどうしても食べたいと、リンダは言い出す。
それは母親の勘違いにより、その代償としてお願いする。だが、その鶏肉を買いにいくがストライキによりお店は閉まっている。
母親は養鶏場から鶏を盗み警察から追われる
はめに。警察や街中の人々を巻き込んだ珍道中。
リンダを含めた子供達は自由奔放。
子供目線で心情と行動、性質を上手に
描いている。
色彩も華やかで自由に創られていて
カラフルでキュートで綺麗。
ドダハタ喜劇の連続だがユーモアたっぷり。
鶏肉を食べる前に滅茶苦茶になっていたけど
キャラクターが生き生きしてたから善し。
父親はイタリア人でローマの方だったんだね。
Pollo alla romana ローマ風鶏肉とパプリカの煮込み。美味しそうだね。一緒にスイカも食べれて
良かったよ。
ナゲットも思わず買って食べたし。
心温まる映画でした。
DQN母娘とポンコツフランス人たち
ストライキで鶏肉が手に入らない中、パプリカ・チキンをつくる為に騒動を巻き起こす母娘の話。
母親の勘違いというか決めつけだったとはいえ、言うこと聞かないワガママ娘が、ちゃんと指輪をしまわなかったことで監獄に送られ、そして濡れ衣が晴れた際のお詫びに亡き父の得意料理だったパプリカ・チキンをつくることになって行くけれど…主だった登場人物の言動がムチャクチャで倫理観崩壊しまくり。
まともなのは伯母さんとギター兄ちゃんぐらい?
常にどう話しが転がっていくのかという期待値はあったけれど、同時にイライラがついて回る。
そんなものすらぶっ壊す愉しさ満点のドタバタ劇でもないし、かと言って教訓的なものを投げかけるでもなければ、可愛らしい話しでもなく物足りなかった。
外国人の方が多かったのが印象的(字幕版)
今年144本目(合計1,236本目/今月(2024年4月度)18本目)。
(前の作品 「貴公子」→この作品「リンダはチキンがたべたい!」→次の作品「クラユカバ」)
今週は名探偵コナン祭りなんでしょうか…。1日に26上映とかすごいです…。
ただこの映画は1日3上映でしたが、字幕版・吹き替え版ともに選べるようになっていてよかったです。字幕版でみましたが、フランス・イタリアの方など外国人の方が多く見に来られていたのが印象的でした。
ジャンル分類としては「アニメ」になるのでしょうが、ギャグシーンなどはなく、フランス(一部イタリア。フランス・イタリア合作の模様)において「パブリカチキンが食べたい」といったものの、食材を食べに行くその日は労働者デモ(ストライキ)でどこもあいておらず、何とか「生きたニワトリ」だけは確保したものの、それをどうやってチキンにするか…などを描いた作品です。
アニメとはいえギャグシーンはほぼなく、「フランス・イタリアほかでのアニメタッチの描かれ方」に専ら力点があたると思います(映画の公式サイトで独特なタッチが見られます)。アニメといえばギャグシーンという向きもあろうと思いますが、フランスといえば「おフランス」という何かと色々「高貴な国」で、このような作品を見ることができた機会は、日本からみてほぼ反対側にあるフランス・イタリアという国のアニメ事情について触れられる機会があったという点で、映画という媒体はすばらしいなと思ったところです。
一応、法律系資格持ちとしては、「デモの自由は無制限に認められるか」「スーパーなど、生活必需品を売る店においてデモの自由は一定程度制限されるべきか」といった憲法論的な観方もしたものの、そこは日仏(あるいは伊も含めて)においても「乱用しない限り労働者の権利」として保障されるべきものでありますし、この映画はそれを論点にしていないものと思います。
独特なタッチ(公式サイト等で予告編が見られます)が好きで、日本から離れたフランス・イタリアという国のアニメ事情について知りたい方にはぜひ、といったところです。
採点に関しては特に気になる点まで見出せなかったのでフルスコアです。
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