「シンプルであたたかい」ロボット・ドリームズ chibirockさんの映画レビュー(感想・評価)
シンプルであたたかい
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音楽を本当に好きな人が作っているのだなという印象でした。
そもそも、嫌いな人がいるのか?という名曲Septemberがテーマ曲なので、もうそれだけでじんわりなのですが、犬がソリで木に突っ込むときのドラムとシンバルとか、効果音の使い方も巧みです。主人公は冴えない犬ですが、ベッド上のポスターとか、部屋に散らばるレコードとか、音楽はそこそこ好きらしいということが垣間見れるのも面白い。
キャラクターの描画は単純だし、サイレントだから言葉はかわされないのに、感情表現の演出が上手。かといって複雑なものではなく、嬉しい、楽しい、悲しい、淋しい、シンプルなのです。にこっと笑う、それだけで、心がこんなにあたたまるとは。
犬とかロボットとか鳥とかアヒルとか、性別とか種類とか面倒なことは全部気にせず、偶然出会って、あたたかい交流が生まれる世界。現代社会ではいろんなところで分断、分断と言われているけれど、ほんとはみんなが仲良くするってそんなに難しいことではないのかも?
ラストは元通りになって大団円、ではありませんが、それぞれの新しい道を行きつつ、お互いの胸に、そしてわたしの胸にも、2人の楽しかった日々はいつまでも残るのだろうと思います。ああいい映画だった。
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