「設定の細部が気になってしまった」ロボット・ドリームズ ボイボイさんの映画レビュー(感想・評価)
設定の細部が気になってしまった
「3回見て3回泣いた」という知り合いのオススメで見てきた。
無声映画として、キャラクターの表情で動かしかたや70年代〜80年代のニューヨークを描いた世界観などは楽しめた。ただ一方でストーリーの展開や細かい内容に違和感を覚えながら見てしまった。
一番の疑問点はロボットの燃料切れの表現である。
どこかで燃料切れになって動かなくなるなというのは予測していたので、ずっとメーター部分をチェックしていたのだが、海にいくまでにメーターが徐々に減っているという描写ではなくていきなり動くなってしまった。そもそも結局燃料切れなのか機械の不調なのかもちょっとわからない。燃料切れだとしたらエンプティー直前で1年近く動いていたことが謎だった。
あと足を折っていった集団も行動原理が不明すぎた。あの足の指だけでよかったのであればあんな重いものをわざわざもっていかなくてもいいのではと思った。
そしてあのロボットが重くて運べないという描写も結構マチマチ。ドッグが少しも動かせないぐらい重いわりに、廃品回収の人が運べていたりしている。あとそもそも警察の人が動かしてやれよとも思った。
ドッグの生活環境もわからない。働いているわけでもないし学生というわけでもなさそう。そもそもなんで孤独なのかの描写もない。他のキャラが結構働いているシーンがあるのに、ただ1人で家にいる。スキーにいったり買い物したりする財力がある理由もわからず親と死別したとかの描写もない。そのあたりのバックボーンがないからイマイチ感情移入ができない。
伏線っぽいものもいくつもあった。たとえば最初の公演で踊っているときにわざわざビデオを撮影しだしているシーンとか、鳥のパートもあとでロボットを助けてくれるために長尺をとったのかと思ったらそういうわけでもなさそう。
そもそもあんな優秀なロボットならほかの人もたくさんもっててよかったと思ったりした。あのロボットがなにかしらの理由で突然変異したのかとおもったら、後半にでてきたロボットもわりと同じぐらいのスペックをもっているのではと思う。
そういった細かいシーンや設定が気になってしまい楽しめなくなってしまった。