ゴールド・ボーイのレビュー・感想・評価
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私的感じたこの映画の良さと弱点
(完全ネタバレですので必ず鑑賞後にお読み下さい!)
映画の後半になって、いやこれで父親を殺すのは動機が薄すぎないか?と思われたのですが、なるほどこういう映画ですか‥
それで話自体は納得感はあったのですが、であるなら主人公・安室朝陽(羽村仁成さん)と上間夏月(星乃あんなさん)との関係性は、ミスリードでももっとしっかりと描く必要はあったと思われました。
安室朝陽と上間夏月との描写の浅さが、この映画の残酷さを軽くしてしまっていると思われました。
もっと主人公・安室朝陽と上間夏月との関係性が丁寧に積み重ねられて描かれていれば、全く救いのない上間夏月に対する感銘がラストで深くなり、傑作になり得た作品だと思われました。
金子修介監督の、恥ずかしさからか、(善悪の心情が割と平たんに分かれて描かれていると感じ)人間の複雑矛盾に満ちた深淵から目を逸らしてしまう問題が現れてしまっている作品だと、僭越ながら思われました。
作品内容的にはなかなか日本映画ではないストーリーで、個人的には好みの題材であっただけに、大変惜しい作品になっていると思われました。
俳優陣に関しては、東昇を演じた岡田将生さんは相変わらず不気味さが見事で、上間夏月を演じた星乃あんなさんは存在感があり、主人公の母・安室香を演じた黒木華さんはさすがの話の締めの説得力だったと思われました。
その他の俳優の皆さんも随所に素晴らしい演技を見せていたと思われます。
そして主人公・安室朝陽を演じた羽村仁成さんは、『リボルバー・リリー』に続き存在感ある新人俳優の出現だと今回も強く思わされました。
子供の荒んだ心のまま、いま大人が社会に跋扈している
あまりの衝撃に頭がクラクラしました
マーラーの曲で涙が出て仕方がなかった
沖縄の太陽が、海の青さが
人の内側をあらわにしているようだった
それは美しく、哀しい
ドラマはお茶の間でみるように
映画は暗闇で体験するように
全く別のモノとして
すぐれた出来栄えだと思います
地下の映画館を出て、夏日が差し込んできて、ああ、闇を抜けたんだ、真っ当に生きて行こう、そんな気分になりました
主演の演技とテンポも良いが、もっと怖さがほしい。
岡田くんの表情は惹きつける。
なまじ顔がキレイすぎると色々と役作りとか難しいのかなとも思うが、狂気さは堂に入ってた。
少年少女の危うさも良い。
特に夏月役のコが良い。情感を高めていた。
脇を固める役者も豪華。
松井玲奈も良かった。最初松井玲奈と確信が持てないほどに自然で驚いた。気づけば30代人妻かぁ。
ストーリー展開はテンポも良く、飽きさせない。
沖縄の風景も良い。
国際協同製作?の賜物みたいなコメントを散見するけど、確かにアジア映画のミステリーっぽい空気感はあった。
ただ、肝心のネタについては、ふーんという印象。
二転三転みたいなのが好きな方には良いのかも。
個人的にはテンポが良すぎたのか、画面から伝わる緊張感や悲壮感、みたいなものが全体的に少し薄味に感じた。
痛くてイタくて、いたたまれない。
岡田将生さん、「僕の初恋をキミに捧ぐ」の頃からすっかり変わりましたねー。
彼のクズ男っぷりを観たくて出かけました。
「JOKER」の時ほどじゃないけれど、殺害シーンがめちゃ多くて、何度か飛び上がりました。
刺すシーンや殴るシーンがあるので、苦手な方はご注意を。
自分ファーストで、他の人を犠牲にすることをなんとも思わない人…いるんですね。
昇さんも朝陽くんも、途中からアンドロイドに見えてきました。
朝陽くんの母親が、真相を知って、隠すのではなく刑事に知らせるところ、よかったです。
社会に出た時必要なスキルを子どもに身に付けさせるのは、親の役目です。
それに、朝陽くんが拘束されなければ、次に殺されるのはこの母親だったでしょう。
彼にとって、自分の思い通りに動かない人間は邪魔なのですから。
昇さんや朝陽くんのような人は、社会にとっては脅威です。
我が子が彼らののような人に殺されたり傷つけられたら…と考えると、背筋が凍ります。
けれど、彼らを死刑にしたり、生涯刑務所に入れることが正解なのか分かりません。
「死刑とは、マジョリティが合法的にマイノリティを殺すことである」という言葉を知って、ショックを受けました。
根本的な性格矯正をするのか、それても生活空間を分けるのか、いっそ命をなくすのか、多様性とはどこまで違いを許容できるのか、人権はどこまで守られるべきなのか、社会への問いかけのようです。
私は、自由とは、法律と公共の福祉、他者の人権を侵害しない範囲のものと思います。
小さい頃からスマホを操作して、友だちともSNSでつながる時代。
乳母車を押しているお母さんも、赤ちゃんに話しかけずにスマホ見ながら歩いてます。
なんだか、直接人とかかわる機会が急激に減っている気がします。
昇さんや朝陽くんのような人が増えると怖いなと思いました。
原作が中国に納得
沖縄を舞台にしたことでストーリーにさらに陰影がついた。容赦ない展開もエンドロールで中国が原作と分かり納得。タイトルからスティーブンキングのゴールデンボーイを思い出したが、作者もそれを意識していたとのこと。岡田将生はこういう役が似合う。中学生役の3人をはじめとして役者がみんな適役で良かった。続編があるのかな?
ヒロシです ヒロシです ヒロシです
東野圭吾的。
だけど少しだけコメディ調。
配役のさじ加減がよろしい。とくに黒木華ちゃんが出るとキリッと締まる。
舞台は沖縄でお墓のシーンはちゅらさんを思い出した。
おばばに叱られるさ〜
原作は中国の紫金陳(ズージンチェン)の悪童たちという小説。悪いことは彼らにはかなわないね。
チャイニーズノワール。
チャイニーズのワル。
ほんとに悪い。
おまけに中1か中2で高校の数Ⅲの数学わかるなんてしゃくにさわる。
Uber Eatsとるのもしゃくにさわるが、
氷に混ぜたのはわかったよ。えへへっ。
星乃あんなちゃんはきっと奈緒みたいな役者になりそう。奈緒もうかうかしてられないね。しかし、純愛とみせかけてあの展開はないんじゃない。いつから計画してたのか?ホントにおそろしい。
サプリメントのカプセルに覚醒剤のカプセル入れるのはとても参考になった😎
岡田将生は悪役が似合うね。
岡田将生は確か芦田愛菜ちゃんの星の子で意地悪な数学教師役だったのが印象に残っている。黒木華ちゃんもこわーい教団職員役だった。
凄い作品!もっと脚光を浴びせてあげたい!!
岡田将生氏は好きな俳優さんではあるものの、この映画はあらすじを見てもぼんやりしてるように感じられたため後回しに。そしたら参加した映画好きオフ会イベントでご一緒した方からオススメだとご紹介頂いた💛タイミング逃したし上映してるところなんてないでしょ〜と思ったら根強い人気と口コミのおかげで上映館増とか延長決定とかで観られるように!それならば早速💜と行ってきた (*´∀`*) ノ
ナニコレ。スゴイ。
日本映画でこんなストーリー展開初めて!と興奮気味に観終わって調べたら『中国のベストセラー作家紫金陳(ズー・ジェンチェン)の代表作の一つである小説「坏小孩」(The Gone Child)を原作に舞台を沖縄に移して映画化』とな。なるほど、日本では無かった……無念。主演の岡田将生の演技は『ゆとりですがなにか』とか『大豆田とわ子と三人の元夫』で見せるハイテンションキャラでありながら、役ところがサイコパスということもあってこれまでに観たことがないほどの快演がキラキラ光ってる。
沖縄の中学生男女のひと夏の甘酸っぱい恋模様を描く胸キュン映画かしら?と一瞬でも思ってしまった自分が恥ずかしい。ヤバメンタルのサイコパスが完全無双する痛快アタオカムービー。余韻に浸りながらシアターでたらパンフレット買い忘れてしまったよ😅💦
さすが金子修介監督。これは凄かった! 迷ってたが、観て本当に良かった! 羽村仁成・星乃あんな が素晴らしい! 凶悪な岡田将生、愚かな母 黒木華も好演
それは完全犯罪のはずだった。少年たちに目撃されていなければ。
少年たちは、沖縄有数の事業家の婿養子である男が、義父母を崖から突き落とす姿を偶然にもカメラでとらえた。
それぞれ問題を抱えていた彼らは、その男を脅迫して大金を得ようとするのだが。
予告編を観たときから、観るかどうか結構迷っていたのですが、監督が金子修介と知って慌てて鑑賞。
結果、本当に観て良かった!
予告編では、少年法のため捕まらないことが印象に残ったのですが、観たら、そんなことはどうでもよくって、とにかく凄かった。
本作の肝は、少年法どころではない、本当の主役の少年の闇、凶悪さにある!
少年知能犯、羽村仁成の普通の少年っぽさを面影に映しながら、内面では凶悪なクールさを宿す、しかもそれをごく普通と思っているような演技、容赦のない冷酷さが素晴らしい。
「リボルバー・リリー」での木偶(でく)の坊とは大違い!(演出力の差か?)
そこら辺の日本映画やドラマなら、それほど尖らずにソフトにしてしまいがちなところですが、ちゃんとクールなまま突っ走ったのが本当に良かった。
特に、何回も畳みかける終盤の展開が面白い!
対面する二人のラスト・シーンでは、少年は真実がばれて絶望的になったのではなく、ここからさらに頭脳を駆使した戦いが始まる予感で終わる!
少年の嘘も超越した想いを持つヒロイン、星乃あんなの純粋さとその表情が強く印象に残る。
(「王様戦隊キングオージャー」でも光ってた!)
さらに、少年を溺愛、妄信する普通で愚かな母親役の黒木華も良かった。特にラスト!
少年と対峙する岡田将生のクールさ、安定した演技もいい。
全編マーラー交響曲第5番まみれ!「悪」対「悪」のピカレスクな秀作ノワール(特撮風味)。
半月ぶりくらいの映画鑑賞。
ようやく仕事のピークが落ち着いて、観に行く時間が作れた。
敢えて久々の映画に選んだのは、『オッペンハイマー』でもなく、『ドル三部作』でもなく、当初はまるで観るつもりもなかった『ゴールド・ボーイ』!
実は、映画.comのコメント欄で某氏から「全編でマーラーの5番が使われていますよ」との抵抗しがたいお薦めを頂いており、それならばとマーラーオタクの僕としては足を運ばざるを得なかったのだ。
まずは、エンタメ映画として、ふつうに面白かった!
金子修介って平成ガメラとか庵野のシン・シリーズしか観たことなかったけど、こんなクライム・サスペンスも撮れるんだな。
まあでも、ネタバレ無しだとあまり中身に踏み込んではいけない映画なんだろうね。
番宣で明かしてある程度まではしゃべっていいのかな?
内容的には「沖縄を舞台とした中華風ノワール」といっていいだろう。
「悪」対「悪」の高濃度のピカレスク・ロマン。
かなりどぎつめのアンファン・テリブルもの。
青春映画×犯罪映画。大人を舐めるなVS.子供を舐めるな。
原作は中国の2014年の小説で、向こうではドラマ化もされているらしい(未見)。
こういう座組で邦画が撮られるのって、今までに前例あったっけ?
ちなみに、御大スティーヴン・キングには『ゴールデン・ボーイ』という有名な中篇があって(映画化もされている)、こちらは「元ナチス高官である老人の正体を見破った子供が、老人を脅迫して言いなりに動かす」という話。間違いなく本作の原作は影響を受けているはずだし、今回の映画タイトルもキングへのオマージュとしてつけられているらしい。
とにかく、第一印象としては「容赦がない」(笑)。
これに尽きる。そして、そこがいい。
僕は、(『バッド・ルーテナント』の感想でも書いたけど)悪党が活躍する映画が大好きである。
それも、どうせ「悪」を描くなら、そう簡単に改心なんかしてほしくないし、情にほだされたりもしてほしくない。視聴者の反応を気にしてマイルドにされた悪なんて見たくない。徹底的に冷徹で、気持ち悪くて、私利私欲のために人を害することをまるで厭わない、正真正銘の腐った悪が跋扈し、勝利する様を見たいと思う。
その意味では、この映画はじゅうぶんに清々しく、また潔い作りとなっているのではないか。少なくとも本作に出て来る「悪」は、『バッド・ルーテナント』のハーヴェイ・カイテルなんかよりはずっと性根が腐ってるし。
この映画では、ふたつの悪がせめぎ合う。
『ジェイソン対フレディ』とか、『エイリアン対プレデター』みたいに。
あるいは『ゴジラ対キングギドラ』とか。
昔、『ストーカーズ』という、ひとりの女性に付きまとう複数名のストーカー同士が女性の占有権をめぐってお互いに殺し合うという、最高にイカした小説があったが、本作でも、ろくでもない悪が登場したかと思いきや、その悪を食い物にしようとする別の悪が登場して、壮絶な裏の読み合いが展開する。
さらに、ここに「そこまで悪に徹しきれないちょいワル」が複数名絡んできて、悪に徹しきれないゆえに、それぞれがかなり悲惨な末路を迎えることに。
圧倒的な悪の前に、ちょいワルはただ利用され、消費され、しゃぶりつくされる。
このあたりの弱肉強食ぶりが、実に爽やかですっきりしている。
悪は、常に「上位の悪」に支配されるものなのだ。
とくに、あれだけ甘酸っぱい演出とかしておいて、そこそういう扱いかよ??ってのは、結構本当に容赦がなくて笑ってしまった。こいつにとって、そのあたりはマジで「それはそれ」「これはこれ」ってことなんだろうな……すげえサイコパス(笑)。
あまり言うとただのネタバレになってしまいそうだが、この映画、なにかにテイストが似てるなあと思ったら、最近リメイク作が上映され始めた某有名ホラー映画に近いのかもしれんね。育ててくれた親に対する無慈悲な姿勢とか、目的のためなら手段をいっさい選ばない(あるいは目的達成のために徹底して手段を選びまくる)姿勢が●●●●そっくりなんだよな、こいつ。
エンド・クレジットのあとに●●ネタが出て来るのも、それっぽいし(笑)。
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ただし完成度の高い映画かというと、意外に適当に作ってある感じもあって、むしろ全編に漂う「B級感」こそが、特徴的といえば特徴的かも。
出だしに出て来る被害者の老夫婦役の三文芝居からして、深夜の健康食品のCMみたいな素人ノリで、違和感がマジで凄い。他にも「普通の映画だったら猛烈に陳腐かもしれない」俗っぽい演出や品のない撮り方が、比較的無造作に、そして頻繁に差しはさまれる。
おそらく、これらは「敢えて狙われた」キッチュ感だ。
この作品は意図的に「B級」ノワールを目指して作られている。
ストーリーも凝りに凝ってはいるのだが、いろいろ穴もあって決してウェルメイドではないと思う。アイディア優先で突き進んでいて、登場人物の心理描写だとか行動原理に関してはツメが甘いと思われる部分も多い。犯行計画に関しても、「そんな簡単にはいかないだろう」みたいな、適当にまあいいやで済ませているようなところが散見される。
毒の入手方法や効き方の適当さ、無能な警察捜査のステロタイプな描写などもひっくるめて、「敢えてチープに作ってある」感じはどうしても否めない。
ラストに至る展開にしても、『レザボア・ドックス』じゃないけど「全員●●」ってのは、どこか子供の書く脚本みたいっていうか、厨二病的なところはあるんだよね(笑)。
この作品は、そういう適当さ、チープさを「テイスト」として間違いなく必要としていて、だからこそ、そこに過剰で漫画チックなまでの「悪」対「悪」の壮絶な鍔迫り合いを導入しても、浮かずにしっくりフィットしているということだろう。
要するに、この作品はクエンティン・タランティーノやブライアン・デ・パルマや三池崇史あたりのおバカサスペンス映画と同様、B級感たっぷりの「品のないフィルム・ノワール」を敢えて模して、殊更「露悪的」に作られているのだ。
あるいは、もっと正確に言うと、「東映の平成仮面ライダーシリーズのような演出で」ピカレスクのノワールを撮ろうとしている、とでもいうべきか。
そうそう。このノリ。配役含めて、なんか東映特撮っぽいんだよね。
ときどき素人演技も混じって、あざとくて、割り切ったチープさがあるんだけど、そんなことがどうでもよくなるくらいに、とことん過剰で、カッコよくて、刺激的で、首根っこ持って引きずりまわされるような感じって、まさに『龍騎』とかの醸し出してる魅力になんか近くないすか??
ED曲が倖田來未ってのも一瞬なんで??って思うけど、そういや庵野の『キューティーハニー』とか『仮面ライダーギーツ』の主題歌歌ってたし。
そう考えると、一見そうでないように見えて、やっぱり「特撮出身」の金子修介らしい映画なんだよね、すっごく。
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で、肝心のマーラーの交響曲第5番はというと……。
確かに全編を通じて使われていました!!
まさにマーラーの5番まみれといっていいくらい。
4楽章のアダージェットを用いているドラマ/映画というのはときどき見かけるが、他の楽章も含めてBGMに使用しているケースというのは結構珍しいのでは?
ルキノ・ヴィスコンティの『ベニスに死す』はマーラー・リヴァイヴァルの立役者として有名だが、アダージェット以外は交響曲第3番と第4番と歌曲から断片的に使用しているくらいか。ケン・ラッセルとパーシー・アドロンによるマーラーの伝記映画は使っていて当然だけど、意外に使用は限定的である。あとアニメだと『涼宮ハルヒの憂鬱』での交響曲第8番の使用とか。
最近だと『TAR』(交響曲第5番の演奏シーン)と『マエストロ』(アダージェット&交響曲第2番の演奏シーン)も印象的だったが、どちらもBGMとしての使用は限定的だったと思う(前者はオリジナル・スコア、後者はバーンスタインの自作曲がメイン)。
なんにせよ、こういうクライム・サスペンスとかノワールでマーラーが鳴り続けてるってのは、なかなか新鮮な体験だった(山場での使い方としては『野獣死すべし』のショスタコーヴィチに近いか)。
しかも、通例はオケがきちんと弾いたスコアどおりの演奏から「切り出して」BGMにつけるケースが大半だが、今回はなんと場面に合わせて自在に編曲して、曲ピタで合わせてある! 映画音楽でのクラシック使用において、あまり例のない実験を行っているのだ。
ストリングス以外にバンバン、シンセサイザーっぽい電子音も使用してるし、徹底的に「クラシック楽曲」としてではなく「映画音楽」として「加工しまくって」メロディを利用している。
好き嫌いはあると思うが、個人的にはこれはこれで面白かったので、いいんじゃないかと。
昔からフィギュアスケートの試合を見ながら、ろくでもない曲接ぎの連続に唖然とし、これならだれかにうまく編曲してもらって4分で自然に終わるように作ればよいのにといつも思っていた口なので(とくに浅田真央選手とか)。
僕の愛するアニメ『プリンセスチュチュ』で和田薫がアニメ向けに全曲振り直したように、「映画の意図に合わせてかっちり当て込む」ためには、ちゃんと音源は既存の演奏ではなく「映画に合わせて用意する」のがむしろ本筋なのではないか。それに、「狙ったチープさ」や「B級感」に、「シンセとかで適当にいじったクラシック」の俗な加工感はむしろマッチしている気もする。
楽曲使用としては、マーラーからアルマへの愛のテーマとされる「アダージェット」はちゃんとデートシーンなどで用いられていたし、冒頭の4連音はきちんと「運命の動機」として機能していたし、いろいろと考えて当ててあったように思う。主人公の少年が第一楽章のトランペット主題を歌いながら沖縄の街を歩いていくシーンを見つつ、「この曲がこんな使い方されるとかマーラーもよもや思ってなかったろうなあ」と(笑)。
マーラーは美メロの宝庫だから、今後ともぜひ皆さん映画やドラマで使っていただけることを希望する。とくに交響曲10番(クック編曲版)の終楽章のフルートの奏でるメロディあたりは、まったく人口に膾炙していないので超おすすめです!
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まあとにかく岡田将生くんは、相変わらず最高だった。
昔は顔に演技がついてきていない印象もあったが、NHKで『昭和元禄落語心中』を観て以来、この人使い道次第ではマジで日本最強の美男俳優なんだなとその魅力に開眼し、キャリア形成を本当に楽しみにしている俳優さんのひとり。ゲスい役やらせるとホントうまいよね。
羽村仁成くんは旧ジャニーズJr.なのか! 番宣とかで強調してないから気づかなかったよ(笑)。いやあ目つきがいいねえ。とにかく繊細な演技を貫いてて素晴らしかった。出だしと終盤で演じ方と空気感を激変させる必要があるわけだが、そこを本当に「さらっと」こなしていた感じで超優秀。
個人的に注目したいのは前出燿志くん。普段の雰囲気とはまるっきり違う、少年時代の山崎裕太みたいなキャラを器用に作り上げてて、この子結構出来る子じゃないか!と。
あと松井玲奈は、なんかドラマや映画で観るたんびに●されてて笑う。江口洋介はちょっと見ない間にずいぶんと老け込んでいた(見栄晴みたいになってたw)。星乃あんなちゃんは千葉県出身なのにFolder顔でなんか沖縄感あったな。なお北村一輝は相変わらずいっこく堂に似ていた。黒木華はいつもながらの芸達者ぶり。終幕まぎわの「まだ早すぎるでしょ!」って台詞に場内で僕一人がゲラゲラ大爆笑していてちょっと顰蹙ものでした(笑)。
あと、中華スタッフが多数関与しているからか、全体に画面の色調が日本にはない感じで独特というか、沖縄らしい極彩色はとらえながらも、総じて「スミっぽい」(印刷用語で4色印刷でブラックが勝っていること)雰囲気があって、いかにもノワールっぽくてうまくハマっていたように思う。
これだけ面白い映画が撮れるのなら、今後も中国との合作映画にはぜひ期待したいところだ。
黄金少年!
原作がいいんでしょう、リメイク頑張った監督もいいんでしょう!冒頭から流れる弦楽器をバックに美しい海、宮古島の八重干瀬(でなくて沖縄本島だったみたいですね)を見るだけで幸せになりました。でも沖縄のことをまたよく考えた。空を飛ぶあれは何だ?オスプレイ?いやだな。うまい役者が脇役固めるとお芝居がしまる!リメイクであれこういう邦画があることに喜びを感じた。こういう邦画なら沢山見たい
おまけ
家庭環境、年頃の不安定さもある。頭もいいし数学も理系の勉強もいいよ。なら文系への関心ももって欲しかった。大人もね。
完全犯罪にどんでん返しに少々疑問符はあるが傑作
実際、そんなに上手く完全犯罪出来ないと思いました
松井玲奈が自動車事故で死んだのも、「覚醒剤入りの錠剤が車の運転中に解けてオーバードーズになったのは偶然」と岡田将生が言っていた通り、偶然に頼っちゃって完全犯罪が成立しているんですよね
そこがやっぱり引っ掛かって、実際はこんな上手く出来ないだろ、と少しだけ白けて観ていました
しかし、岡田将生は魅力的な悪を演じていました
星乃あんなは広瀬すずを初めて見たときより輝いていました
将来が楽しみな逸材を発見できてラッキーです
完全犯罪のロジック破綻に目をつぶることができれば、2024年のだいぶ上位にいる映画でしょう
最後まで気が抜けない
東と朝陽のやり取りが緊張感あって、ずっとハラハラ、、
子供たちが遊んでるシーンは安心して観られた笑
そして、全て最後の岡田将生と羽村仁成のシーンに持ってかれた。
最後子供3人死んだ後、東は後ろからいつ殺されるんだと身構えてたら案の定…
その後結末までがスピード感あってドーン!!っと終わった感じ嫌いじゃないです。
日本と中国が合同だったからか映像が邦画と違って面白かった!!
子役の演技が未熟過ぎて…
資産家の婿養子が義父母を殺害、その犯行現場を3人の中学生に目撃されたことから巻き起こる殺人犯vsクソガキ3人組のリーダー少年による腹の探り合い。
ストーリーはつまらなくない。でもだいたい予想通りの展開に終始するので意外性はない。なのでこの2時間超えの尺はダレてきてしまいます…。
演出面がとにかく古臭くわざとらしく、演技が上手い人も下手に見える不思議。なぜ…?
そして肝心の中学生3人組が…。浩くんはわりと影が薄いので置いとくとして、朝陽くんと夏月ちゃん。もうちょっと演技ができる子はいなかったのか…。特に朝陽くんは、全然賢そうに見えないのです…大人を言い負かす程の頭の回転の速さや論理的な思考を持つようには全く見えないので、台詞感ありまくり……。
楽しみにしてただけに、期待はずれ感が凄かった…残念。
思い通りにならない、のがいい
頭上を軍用機が飛ぶ基地の島。
蒸し暑くイラつく空気感が上手く描かれて
いる。
義親を殺す美しい婿、それを目撃してしまった少年達。話はここを軸に進む。
美形の岡田くん、冷酷な殺人者役、見事でした。彼を脅す羽村くんもとても良かったです。
というかキャストの全員とても良かったです。
WinnerのはずがWinnerじゃなかった。
最後、羽村くんが空を見上げるシーンが
とてもいい。
この作品でこのキャストの布陣、
スタッフ。
吉田p、さすがです。
大人達の都合により苛まれた子供達の精神崩壊
予想打にしない展開に驚きながらも、よくできたサスペンス。
とても怖い流れだがストーリーとして面白いあっという間の2時間でした。
白夜行のテイストを感じたのは私だけでは無いはず。
子ども達を追い込むのはいつも大人達の身勝手で、結果子供達の心は壊れていく悲しい現実。
映画としてキャスティングが絶妙、特に夏月がとても良い。
サスペンスが好きな人には是非観ていただきたい映画です。
邦画でここまでしっかり作り込まれたサスペンス映画は珍しいような。
エンドロールあとの映像の意味がわからなかったので、わかる方はコメントで教えて欲しいですね。
人間の本質は?
最後のほうで展開する少年のサイコパス具合は予想がつかなかった。周囲の正常心理が少年の秘密を明らかにし、結果的にサイコパス部分が露呈するというのは、現実的なのかどうか考えさせられた。そうではない世界があるなら、怖いな。
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