劇場公開日 2024年3月8日

ゴールド・ボーイのレビュー・感想・評価

全300件中、21~40件目を表示

4.0テンポが良くって見やすかった。

2024年7月17日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

知的

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ケイゾク

3.5最終的には面白かった

2024年7月13日
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途中から青の炎のパチモンみたいになって来て正直微妙だったけど
ラスト30分くらいの怒涛の展開はかなり面白かった

子供達の演技はイマイチだったけど

後、日本のコレ系の作品でいつも思うんだけど
日本の警察の捜査能力舐めすぎだと思うんだ

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龍神

5.0恐るべし黄金少年

2024年7月10日
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沖縄スポーツの新聞記事では、この資産家一家殺人事件は犯人も含め8人が死亡したことになっている。唯一生き残った14歳の少年Aこと安室朝陽が本物の悪魔であることを知っているのは、いま、映画館で観客として観ている私たちだ。
自殺したとなってた打越晶も朝陽が殺してたので結局死亡者は9人になる。サイコパスの東昇を超えた恐るべし「黄金少年」である。大人は完全に舐められた。
夏月との1日デートが唯一の青春のシーンであったが、朝陽にとっては親殺しに対するお礼のようなもの。図らずもその夏月からの手紙により母親に全てバレてしまい、横断歩道のラストシーンになる。
そのラストシーンに観客として観てる私たちはこの「黄金少年」に更なるどんでん返しを期待してしまうのでした。

めちゃくちゃ面白いクライムサスペンスでした!
沖縄に行ったらこの映画のことを思い出しちゃうんだと思います。

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アベちゃん

5.0二度観に行った!傑作!

2024年6月14日
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鑑賞方法:映画館

何を言ってもネタバレになりそうで内容は言えない、でも見てほしい…
なのに言わずにこの映画の面白さを伝えられる自信は無い、けど誰かと語り合いたい…
「お願いだから観に行って!」と思わず言ってしまう作品。
映画館で同じ作品を再び観に行くなんてことを普段しない人間が、我慢できずに足を運んで鑑賞してしまう作品。
もちろん2度目も満足度は高い。

岡田将生くんの悪役、本当に最高です。
美人が悪い顔をすると怖さが引き立ちます。
そして羽村仁成くんをはじめ少年少女達の演技も素晴らしかったです。
羽村くんはこの年代の俳優さんの中でも異質な魅力があると感じました。
これからが楽しみな俳優さんです。

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きり

4.5心理、考察、行動。どの視点からの描写も見事

2024年6月3日
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岡田将生 の”悪役”への化けが
控えめに言っても最高of最高過ぎて、正直驚いた。
子供たちとのやりとりのバランスも本当に絶妙で
ゾッとするほど恐ろしく狂気でサイコで
したたかで冷酷

何かのインタビューでこの《東》という男を演じるうえで
『品よく美しく』を常に意識していたと話していたが
指先の使い方、立ち姿、振り返り方、目線の流し方∙∙∙
まったくもって、その『品よい美しさ』が
《東》という男の奥に潜む 戦慄さをより倍増させていた。

ストーリーは淡々とスピーディーに進むのに
俳優陣それぞれの表情や駆け引きが大胆なのに繊細で、
複雑に絡む人間対峙の展開は
先が読めずハラハラしっぱなしだった。

最近観た作品の中でも
頭一つ飛び出す面白い作品だった!

そういや、何かで聞いたことがある

「大人を舐めた賢い子供ほど 大人に利用されやすく
子供らしい子供に 賢い大人ほど簡単に足をすくわれる」

∙∙∙らしいそうです。
なるほど。納得。

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甘酒

4.5原作も素晴らしいのだろうが、実によく出来た脚本だと思う。無駄なシーンが全くと言ってよいほど無い。

2024年6月2日
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興奮

エンドロールを見るまで原作が中国人だとは知らなかった。勿論原作も素晴らしいのだろうが、実によく出来た脚本だと思う。無駄なシーンが全くと言ってよいほど無い(130分と長い作品なのだが全く長さを感じさせなかった)し、俳優陣が素晴らしい(特に子役の女の子、星乃あんな)。北村一輝も江口洋介も沖縄出身の人に見えるのが不思議。一つ引っかかったのは皆が標準語を話すことくらいか?原作は悪童達、となっているが映画では悪童は1人なのでその辺りは変更したのかもしれない。

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Yohi

4.0「沖縄」の暗黒面?

2024年5月23日
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怖い

「バッド・キッズ 隠秘之罪」としてドラマ化され大ヒットした中国の人気作家・紫金陳(ズー・ジンチェン)のベストセラー小説『悪童たち』を、舞台を沖縄に移し、「ガメラ3 邪神<イリス>覚醒」「DEATH NOTE デスノート」の金子修介監督が映画化したクライム・エンタテインメント・・・ってことなんだけど、日本オリジナルじゃないのが悔しい(笑)

 沖縄のことをディスるわけじゃないんだけど、離婚率が一番だったりして、この映画の舞台はやはり沖縄がふさわしいかな・・・って、やはりディスってるかも(汗)

 とても恐ろしい話で、余り書くとネタバレになるので、詳しくかけませんが男の子2人は撮影時15歳以上だったからいいんだけど、女の子は役柄通り13歳。。。あまりこういう役を演じさせたくはないと思いました。

 でもね・・・面白かった。
主人公を演じた羽村仁成クンは旧ジャニーズのアイドルなんだけど、さすがに俳優歴10年の演技力でした。どこかでみたことあるなぁと思ったら「リボルバーリリー」の少年でした。

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邦画好き

3.0私的感じたこの映画の良さと弱点

2024年5月8日
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komagire23

4.5子供の荒んだ心のまま、いま大人が社会に跋扈している

2024年5月5日
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悲しい

怖い

知的

あまりの衝撃に頭がクラクラしました

マーラーの曲で涙が出て仕方がなかった
沖縄の太陽が、海の青さが
人の内側をあらわにしているようだった
それは美しく、哀しい

ドラマはお茶の間でみるように
映画は暗闇で体験するように
全く別のモノとして
すぐれた出来栄えだと思います

地下の映画館を出て、夏日が差し込んできて、ああ、闇を抜けたんだ、真っ当に生きて行こう、そんな気分になりました

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青樹礼門

3.5主演の演技とテンポも良いが、もっと怖さがほしい。

2024年5月4日
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岡田くんの表情は惹きつける。
なまじ顔がキレイすぎると色々と役作りとか難しいのかなとも思うが、狂気さは堂に入ってた。
少年少女の危うさも良い。
特に夏月役のコが良い。情感を高めていた。
脇を固める役者も豪華。
松井玲奈も良かった。最初松井玲奈と確信が持てないほどに自然で驚いた。気づけば30代人妻かぁ。

ストーリー展開はテンポも良く、飽きさせない。
沖縄の風景も良い。
国際協同製作?の賜物みたいなコメントを散見するけど、確かにアジア映画のミステリーっぽい空気感はあった。
ただ、肝心のネタについては、ふーんという印象。
二転三転みたいなのが好きな方には良いのかも。
個人的にはテンポが良すぎたのか、画面から伝わる緊張感や悲壮感、みたいなものが全体的に少し薄味に感じた。

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肉玉ぶっかけうどん

4.0痛くてイタくて、いたたまれない。

2024年5月3日
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悲しい

怖い

難しい

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のりたまちび

4.0原作が中国に納得

2024年5月3日
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沖縄を舞台にしたことでストーリーにさらに陰影がついた。容赦ない展開もエンドロールで中国が原作と分かり納得。タイトルからスティーブンキングのゴールデンボーイを思い出したが、作者もそれを意識していたとのこと。岡田将生はこういう役が似合う。中学生役の3人をはじめとして役者がみんな適役で良かった。続編があるのかな?

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poke143

3.5ヒロシです ヒロシです ヒロシです

2024年4月30日
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カールⅢ世

5.0人間の多面性に触れられる2時間

2024年4月28日
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めっちゃおもろかった!表面だけみてもその人間の本質には決して触れることができない。そもそもひとりの人間の本質とは何か?
それらについて存分に考えさせてくれる。

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アキラ

4.5凄い作品!もっと脚光を浴びせてあげたい!!

2024年4月28日
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岡田将生氏は好きな俳優さんではあるものの、この映画はあらすじを見てもぼんやりしてるように感じられたため後回しに。そしたら参加した映画好きオフ会イベントでご一緒した方からオススメだとご紹介頂いた💛タイミング逃したし上映してるところなんてないでしょ〜と思ったら根強い人気と口コミのおかげで上映館増とか延長決定とかで観られるように!それならば早速💜と行ってきた (*´∀`*) ノ

ナニコレ。スゴイ。
日本映画でこんなストーリー展開初めて!と興奮気味に観終わって調べたら『中国のベストセラー作家紫金陳(ズー・ジェンチェン)の代表作の一つである小説「坏小孩」(The Gone Child)を原作に舞台を沖縄に移して映画化』とな。なるほど、日本では無かった……無念。主演の岡田将生の演技は『ゆとりですがなにか』とか『大豆田とわ子と三人の元夫』で見せるハイテンションキャラでありながら、役ところがサイコパスということもあってこれまでに観たことがないほどの快演がキラキラ光ってる。
沖縄の中学生男女のひと夏の甘酸っぱい恋模様を描く胸キュン映画かしら?と一瞬でも思ってしまった自分が恥ずかしい。ヤバメンタルのサイコパスが完全無双する痛快アタオカムービー。余韻に浸りながらシアターでたらパンフレット買い忘れてしまったよ😅💦

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らまんば

4.0どいつもこいつも

2024年4月23日
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見事なくずっぷり。しかし、正義はなった・・・のかな?

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satsuん

5.0さすが金子修介監督。これは凄かった! 迷ってたが、観て本当に良かった! 羽村仁成・星乃あんな が素晴らしい! 凶悪な岡田将生、愚かな母 黒木華も好演

2024年4月16日
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ITOYA

5.0キャスティングがいい!

2024年4月12日
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知的

とにかくドキドキ
岡田氏のヨージの衣装が素晴らしい

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ひなぞう

4.0全編マーラー交響曲第5番まみれ!「悪」対「悪」のピカレスクな秀作ノワール(特撮風味)。

2024年4月12日
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半月ぶりくらいの映画鑑賞。
ようやく仕事のピークが落ち着いて、観に行く時間が作れた。
敢えて久々の映画に選んだのは、『オッペンハイマー』でもなく、『ドル三部作』でもなく、当初はまるで観るつもりもなかった『ゴールド・ボーイ』!
実は、映画.comのコメント欄で某氏から「全編でマーラーの5番が使われていますよ」との抵抗しがたいお薦めを頂いており、それならばとマーラーオタクの僕としては足を運ばざるを得なかったのだ。

まずは、エンタメ映画として、ふつうに面白かった!
金子修介って平成ガメラとか庵野のシン・シリーズしか観たことなかったけど、こんなクライム・サスペンスも撮れるんだな。
まあでも、ネタバレ無しだとあまり中身に踏み込んではいけない映画なんだろうね。
番宣で明かしてある程度まではしゃべっていいのかな?

内容的には「沖縄を舞台とした中華風ノワール」といっていいだろう。
「悪」対「悪」の高濃度のピカレスク・ロマン。
かなりどぎつめのアンファン・テリブルもの。
青春映画×犯罪映画。大人を舐めるなVS.子供を舐めるな。

原作は中国の2014年の小説で、向こうではドラマ化もされているらしい(未見)。
こういう座組で邦画が撮られるのって、今までに前例あったっけ?
ちなみに、御大スティーヴン・キングには『ゴールデン・ボーイ』という有名な中篇があって(映画化もされている)、こちらは「元ナチス高官である老人の正体を見破った子供が、老人を脅迫して言いなりに動かす」という話。間違いなく本作の原作は影響を受けているはずだし、今回の映画タイトルもキングへのオマージュとしてつけられているらしい。

とにかく、第一印象としては「容赦がない」(笑)。
これに尽きる。そして、そこがいい。
僕は、(『バッド・ルーテナント』の感想でも書いたけど)悪党が活躍する映画が大好きである。
それも、どうせ「悪」を描くなら、そう簡単に改心なんかしてほしくないし、情にほだされたりもしてほしくない。視聴者の反応を気にしてマイルドにされた悪なんて見たくない。徹底的に冷徹で、気持ち悪くて、私利私欲のために人を害することをまるで厭わない、正真正銘の腐った悪が跋扈し、勝利する様を見たいと思う。
その意味では、この映画はじゅうぶんに清々しく、また潔い作りとなっているのではないか。少なくとも本作に出て来る「悪」は、『バッド・ルーテナント』のハーヴェイ・カイテルなんかよりはずっと性根が腐ってるし。

この映画では、ふたつの悪がせめぎ合う。
『ジェイソン対フレディ』とか、『エイリアン対プレデター』みたいに。
あるいは『ゴジラ対キングギドラ』とか。
昔、『ストーカーズ』という、ひとりの女性に付きまとう複数名のストーカー同士が女性の占有権をめぐってお互いに殺し合うという、最高にイカした小説があったが、本作でも、ろくでもない悪が登場したかと思いきや、その悪を食い物にしようとする別の悪が登場して、壮絶な裏の読み合いが展開する。
さらに、ここに「そこまで悪に徹しきれないちょいワル」が複数名絡んできて、悪に徹しきれないゆえに、それぞれがかなり悲惨な末路を迎えることに。
圧倒的な悪の前に、ちょいワルはただ利用され、消費され、しゃぶりつくされる。
このあたりの弱肉強食ぶりが、実に爽やかですっきりしている。
悪は、常に「上位の悪」に支配されるものなのだ。

とくに、あれだけ甘酸っぱい演出とかしておいて、そこそういう扱いかよ??ってのは、結構本当に容赦がなくて笑ってしまった。こいつにとって、そのあたりはマジで「それはそれ」「これはこれ」ってことなんだろうな……すげえサイコパス(笑)。

あまり言うとただのネタバレになってしまいそうだが、この映画、なにかにテイストが似てるなあと思ったら、最近リメイク作が上映され始めた某有名ホラー映画に近いのかもしれんね。育ててくれた親に対する無慈悲な姿勢とか、目的のためなら手段をいっさい選ばない(あるいは目的達成のために徹底して手段を選びまくる)姿勢が●●●●そっくりなんだよな、こいつ。
エンド・クレジットのあとに●●ネタが出て来るのも、それっぽいし(笑)。

― ― ―

ただし完成度の高い映画かというと、意外に適当に作ってある感じもあって、むしろ全編に漂う「B級感」こそが、特徴的といえば特徴的かも。
出だしに出て来る被害者の老夫婦役の三文芝居からして、深夜の健康食品のCMみたいな素人ノリで、違和感がマジで凄い。他にも「普通の映画だったら猛烈に陳腐かもしれない」俗っぽい演出や品のない撮り方が、比較的無造作に、そして頻繁に差しはさまれる。
おそらく、これらは「敢えて狙われた」キッチュ感だ。
この作品は意図的に「B級」ノワールを目指して作られている。

ストーリーも凝りに凝ってはいるのだが、いろいろ穴もあって決してウェルメイドではないと思う。アイディア優先で突き進んでいて、登場人物の心理描写だとか行動原理に関してはツメが甘いと思われる部分も多い。犯行計画に関しても、「そんな簡単にはいかないだろう」みたいな、適当にまあいいやで済ませているようなところが散見される。
毒の入手方法や効き方の適当さ、無能な警察捜査のステロタイプな描写などもひっくるめて、「敢えてチープに作ってある」感じはどうしても否めない。
ラストに至る展開にしても、『レザボア・ドックス』じゃないけど「全員●●」ってのは、どこか子供の書く脚本みたいっていうか、厨二病的なところはあるんだよね(笑)。
この作品は、そういう適当さ、チープさを「テイスト」として間違いなく必要としていて、だからこそ、そこに過剰で漫画チックなまでの「悪」対「悪」の壮絶な鍔迫り合いを導入しても、浮かずにしっくりフィットしているということだろう。

要するに、この作品はクエンティン・タランティーノやブライアン・デ・パルマや三池崇史あたりのおバカサスペンス映画と同様、B級感たっぷりの「品のないフィルム・ノワール」を敢えて模して、殊更「露悪的」に作られているのだ。
あるいは、もっと正確に言うと、「東映の平成仮面ライダーシリーズのような演出で」ピカレスクのノワールを撮ろうとしている、とでもいうべきか。
そうそう。このノリ。配役含めて、なんか東映特撮っぽいんだよね。
ときどき素人演技も混じって、あざとくて、割り切ったチープさがあるんだけど、そんなことがどうでもよくなるくらいに、とことん過剰で、カッコよくて、刺激的で、首根っこ持って引きずりまわされるような感じって、まさに『龍騎』とかの醸し出してる魅力になんか近くないすか??
ED曲が倖田來未ってのも一瞬なんで??って思うけど、そういや庵野の『キューティーハニー』とか『仮面ライダーギーツ』の主題歌歌ってたし。
そう考えると、一見そうでないように見えて、やっぱり「特撮出身」の金子修介らしい映画なんだよね、すっごく。

― ― ―

で、肝心のマーラーの交響曲第5番はというと……。
確かに全編を通じて使われていました!!
まさにマーラーの5番まみれといっていいくらい。

4楽章のアダージェットを用いているドラマ/映画というのはときどき見かけるが、他の楽章も含めてBGMに使用しているケースというのは結構珍しいのでは?
ルキノ・ヴィスコンティの『ベニスに死す』はマーラー・リヴァイヴァルの立役者として有名だが、アダージェット以外は交響曲第3番と第4番と歌曲から断片的に使用しているくらいか。ケン・ラッセルとパーシー・アドロンによるマーラーの伝記映画は使っていて当然だけど、意外に使用は限定的である。あとアニメだと『涼宮ハルヒの憂鬱』での交響曲第8番の使用とか。
最近だと『TAR』(交響曲第5番の演奏シーン)と『マエストロ』(アダージェット&交響曲第2番の演奏シーン)も印象的だったが、どちらもBGMとしての使用は限定的だったと思う(前者はオリジナル・スコア、後者はバーンスタインの自作曲がメイン)。

なんにせよ、こういうクライム・サスペンスとかノワールでマーラーが鳴り続けてるってのは、なかなか新鮮な体験だった(山場での使い方としては『野獣死すべし』のショスタコーヴィチに近いか)。
しかも、通例はオケがきちんと弾いたスコアどおりの演奏から「切り出して」BGMにつけるケースが大半だが、今回はなんと場面に合わせて自在に編曲して、曲ピタで合わせてある! 映画音楽でのクラシック使用において、あまり例のない実験を行っているのだ。
ストリングス以外にバンバン、シンセサイザーっぽい電子音も使用してるし、徹底的に「クラシック楽曲」としてではなく「映画音楽」として「加工しまくって」メロディを利用している。
好き嫌いはあると思うが、個人的にはこれはこれで面白かったので、いいんじゃないかと。
昔からフィギュアスケートの試合を見ながら、ろくでもない曲接ぎの連続に唖然とし、これならだれかにうまく編曲してもらって4分で自然に終わるように作ればよいのにといつも思っていた口なので(とくに浅田真央選手とか)。
僕の愛するアニメ『プリンセスチュチュ』で和田薫がアニメ向けに全曲振り直したように、「映画の意図に合わせてかっちり当て込む」ためには、ちゃんと音源は既存の演奏ではなく「映画に合わせて用意する」のがむしろ本筋なのではないか。それに、「狙ったチープさ」や「B級感」に、「シンセとかで適当にいじったクラシック」の俗な加工感はむしろマッチしている気もする。

楽曲使用としては、マーラーからアルマへの愛のテーマとされる「アダージェット」はちゃんとデートシーンなどで用いられていたし、冒頭の4連音はきちんと「運命の動機」として機能していたし、いろいろと考えて当ててあったように思う。主人公の少年が第一楽章のトランペット主題を歌いながら沖縄の街を歩いていくシーンを見つつ、「この曲がこんな使い方されるとかマーラーもよもや思ってなかったろうなあ」と(笑)。
マーラーは美メロの宝庫だから、今後ともぜひ皆さん映画やドラマで使っていただけることを希望する。とくに交響曲10番(クック編曲版)の終楽章のフルートの奏でるメロディあたりは、まったく人口に膾炙していないので超おすすめです!

― ― ―

まあとにかく岡田将生くんは、相変わらず最高だった。
昔は顔に演技がついてきていない印象もあったが、NHKで『昭和元禄落語心中』を観て以来、この人使い道次第ではマジで日本最強の美男俳優なんだなとその魅力に開眼し、キャリア形成を本当に楽しみにしている俳優さんのひとり。ゲスい役やらせるとホントうまいよね。

羽村仁成くんは旧ジャニーズJr.なのか! 番宣とかで強調してないから気づかなかったよ(笑)。いやあ目つきがいいねえ。とにかく繊細な演技を貫いてて素晴らしかった。出だしと終盤で演じ方と空気感を激変させる必要があるわけだが、そこを本当に「さらっと」こなしていた感じで超優秀。

個人的に注目したいのは前出燿志くん。普段の雰囲気とはまるっきり違う、少年時代の山崎裕太みたいなキャラを器用に作り上げてて、この子結構出来る子じゃないか!と。
あと松井玲奈は、なんかドラマや映画で観るたんびに●されてて笑う。江口洋介はちょっと見ない間にずいぶんと老け込んでいた(見栄晴みたいになってたw)。星乃あんなちゃんは千葉県出身なのにFolder顔でなんか沖縄感あったな。なお北村一輝は相変わらずいっこく堂に似ていた。黒木華はいつもながらの芸達者ぶり。終幕まぎわの「まだ早すぎるでしょ!」って台詞に場内で僕一人がゲラゲラ大爆笑していてちょっと顰蹙ものでした(笑)。

あと、中華スタッフが多数関与しているからか、全体に画面の色調が日本にはない感じで独特というか、沖縄らしい極彩色はとらえながらも、総じて「スミっぽい」(印刷用語で4色印刷でブラックが勝っていること)雰囲気があって、いかにもノワールっぽくてうまくハマっていたように思う。
これだけ面白い映画が撮れるのなら、今後も中国との合作映画にはぜひ期待したいところだ。

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じゃい

2024年4月9日
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…僕も頑張ろ。

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YaSu