ゴールド・ボーイのレビュー・感想・評価
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大人を見限った子供たち
だから、自分の力で生きていくしかない。判断基準は、自分にとって得か、損か。東もきっとそんな子供だったんだろうと思いました。
子供たちの演技が素晴らしかったし、岡田さんも、ヤな奴の演技は観たことがありますが、今回は本物の悪人でした。
Stay Gold
今週気になる作品少ないなぁと思いながらも、興味があり前評判の良かった今作に飛び込み鑑賞。
実写版「デスノート」の金子監督というのも興味をそそるものでした。
中々にスリリングな作品でした。役者陣の濃密な演技合戦に騙し騙され、欺き欺かれの怒涛の展開にドーパミン大量放出でした。
序盤は殺人現場を遠目で見てしまった中学生たちがどう解決するのかというものかと思ったのですが、初っ端から脅して金を取ろうと言い出したあたりから、これはまともに終わらないなと直感で感じてしまいました。
浩と夏月は父親、そして朝陽と自殺した同級生の母親と確執があり、そこからの脱却も兼ねてお金を集める模様と同時進行で昇を脅したりもしますが、そこは冷静な昇が駆け引きを持ちかけたりと、頭のキレる者同士のバチバチは見応え抜群でした。
子供が明確な悪意を持った瞬間は本当に恐ろしくて、しかもそれが演技という見る側も大人も分かっているはずなのになぜか見抜けない、いや信じたくない様子に緊張感が走りまくりでした。
朝陽が全てを掌握しているかの如くコントロールし出したのが鳥肌もので、自殺した子は普通に朝陽が殺していて、うまいこと昇に誘導させて邪魔者になりそうな父親と再婚相手を殺させて、自分は動画に入ってないからといって友人たちも遠回しに殺すというえげつないムーブをかましていったのは予想を超えるものがやってきた…と驚かされました。うまく橋渡りしてきた昇ですら欺いて首を刺して5分以内に殺すという常習犯ですか?ってくらいの手つきの良さもサイコみに拍車をかけていました。
終わり方もかなり好みで、事件全体を有耶無耶にするのでもなく、かといって最後まで残った朝陽を逃すわけでもない、真実が明らかになってしまった顔を映して終わるという程よい余韻を残しての終わり方がとても秀逸でした。
黒木華さんの息子を裏切ってしまったという切ない表情がこれまたいい…。黒木さんは邦画に欠かせない人だなと再認識しました。
役者陣はもう最高としか言いようがありません。
どう見たって悪人の匂いが隠しきれていない岡田くんの作り笑顔や世渡り上手っぷりがもう最高でしたし、子供たち、特に羽村仁成くんが素晴らしすぎました。「リボルバー・リリー」の時はそこまで印象に残っていなかったのに、今作でガラッと雰囲気もセリフも変わっていて痺れました。星乃あんなさんは「キングオージャー」で拝見していましたが、王道ヒロイン×切なすぎるラストや後日談がビシッとハマっていてこれは今すぐにでも大化けするなと思いました。すでに次回作が楽しみです。
生ぬるい邦画では体験できない完成度の高い作品でした。少々安っぽさがあるのは否めませんが、こういう心を抉る作品はなんぼあってもいいなと思いました。原作未読なので2があるなら喜んで観に行きます。
鑑賞日 3/8
鑑賞時間 11:40〜14:00
座席 G-3
プロットが素晴らしいだけに、惜しい
悪の渦
終始、不穏な雰囲気が支配
現代の沖縄が舞台。美しく清い海に囲まれた土地柄であるのとは対照的に、ドロドロと黒く畝る複雑な人間関係が、徐々に明らかになっていくクライムサスペンスです。
沖縄の政財界を事実上牛耳る実業家の入婿が、義父母を事故に見せかけて殺害・・・ひょんなことからその証拠を掴んでしまった不良?少年少女が、金目当の脅し目的でその入婿に接触することになります。
冷酷そして狡猾で計算高く、かつ人心掌握術にも長けた入婿の東昇役を岡田将生さんが演じますが、表の顔と裏の顔のギャップが激しすぎてまるで別人格の様に怪演!仮にこんな奴に理不尽に目をつけられ狙われたらと思うと、怖さで縮み上がりますよね。
また、少年少女らの中心人物・・・というより主導者の様になって上記の怪物に正面から対峙し、心理戦で互角以上に渡り合う安室朝陽を羽村仁成さんが好演!中学生の設定なのに頭脳明晰、大胆不敵さは群を抜いてました。
このいわば新世代の怪物同士?のせめぎ合いに、江口洋介さんが演じる刑事が単身で事件に介入します。彼も実業家の一族の一人という訳ありではありますが、事件の現場で積み上げた経験や知識を軸に刑事の直感を前面に押し出した行動が目だちます。
どちらが勝るというのではありませんが、机上の論理が優先する新世代と、現場叩き上げ経験重視の旧世代との対立構造が鮮明となっていて大変興味深かったです。
そして何よりこの作品の特徴的なのは、映画冒頭からラストシーンまで続く「不穏な雰囲気」と「なんともいえない違和感みたいなもの」でしょうね。言葉選びが適当ではないかもしれませんが。
事件は無論簡単には収束していかず、思いもよらない方向に加速していきます。ちょっと想像の斜め上を行くイメージで個人的には唖然としてしまいました。まあ、良い意味ということにしときましょう。でもラストシーンは切なさで胸がいっぱいになりましたよ。
なかなか重い話ですが、見応え十分な良作です。ぜひ映画館で!
悲しき傑作
目まぐるしく展開して満点の着地。
人の欲や恨みによって、なるべきして迎える悲しき結末。
いい話では無いけれど、人の心理を奥深く描写した素晴らしい作品でした。
1番響いたのは、良くも悪くも人の心の強さ。
愛した者へ
『これでいいの、何があっても一生許す』
たとえそれが悪と知りつつも
自分の行く末、そして命さえも捧げる潔き強き心、それも尊き命の証。
24-035
この映画をより良く鑑賞するトリセツを知りたく無いですか‼️❓
ネタバレ厳禁🚫、それはこの映画では特にそう、出来るだけ、ネタバレのレビューは見ないでください、ほとんどですが。
この映画は、どんでん返しに脚本上、穴が少なからずありますが、私は、ただ一つに着目して回避しました。
少女の演技と演出には、映画史に痕跡を残す凄みがあります、映画史上最高のボーイミーツガール、😆そのひたむきさ、破壊力、魅了的、だからこその、どんでん返し、驚愕してして、無常、無情、無慈悲、可憐な姿だけでなく、ただ、その人生を生きる彼女がいるような存在感。
岡田将生はその完全無欠ととぼけた存在感は見事です。
計画的殺人の現実的な人間的破綻、少年犯罪の少年法との現実、さまざまなことが明らかになるでしょう。
トリツクの破綻は、人間性の破綻といい意味で解釈しました。
いやまだ、破綻してないようです。
エンドロール後に続編が宣言されました、乞うご期待。
完璧犯罪はこの世にない
💰あらすじ
・沖縄県を支えるグループ企業東ホールディングスの婿養子である東昇は完ぺきな計画犯行で一族の資産を狙っていた。しかし、その映像は偶然にもとある3人の少年少女に見られた。母の再婚相手に性的暴力を振られる夏月、家が貧乏でグレた浩、そして父が再婚したことに根を持っている朝陽。3人はお金で現在の個々の持ってる問題をお金で解決しようとして、一攫千金を狙った昇との交渉を始めようとする。
少し題材が重い話であったが、親としてのあり方、生きていくうえで、一番大事なのは何か?お金があれば幸せになれるかを考えさせられる映画でした。
💰良かったところ
・中国原作ながら、沖縄の貧困化や若者が島への期待がないなどの社会問題をしっかり描いている。東ホールディングスが沖縄の収入元である観光業をメインに行っている企業であるところもよい。
・天才なサイコパス、離婚を気にして息子の為に一生懸命に働く母、優等生ながら人の苦しみに快楽を得る中学生、ビビりな不良中学生など難しい役が多い中、キャストがフィットしていてよかった。岡田将生さん、黒木華さん、江口洋介さんの演技よかった。
💰学び
・どんな完璧な犯罪も結局いつかばれる。偶然が重ねあう。
・血が繋がっている父と母にどんな恨みがあっても、被害を与えてしまったら
💰考察
・巌さん沖縄で刑事勿体ない。
・朝陽のお父さんただのいい人。
・昇が自己満足してなかったら、お母さんが手紙を開封しなかったら、また違うエンドロールだったらどんな結果になったのかを考えてしまう。世は以外にも予想外の偶然と重ね合う。
・夏月が朝陽に手紙を書いた理由は辞めてほしかったからだと思う。
・登場人物誰も幸せではないバッドエンドが沖縄の現状、日本の課題であると思う。
超面白い‼️
悪、悪、悪のクライムサスペンス
上手に怖い
高い評価と金子修介ブランドを信頼して予告編も見ずに鑑賞。タイトルから勝手に陽気なピカレスク物を想像していたが、開始数分でいきなり、そして最後までどんどんと人が居なくなる、シリアスな怖い話で驚いた。流石金子修介、ウェルメイドにまとまった作品等なっておりました。
岡田将生始め大人の役者は皆上手かった。黒木華の母親は若すぎかな。松井玲奈はこういう役だとちょっとやり過ぎちゃうかも。最初の夫婦が矢島健一と美しい中村久美。子供たちは、主役の子はリボルバー・リリーの子とのことだが全く華がないことがフックになるという…。女の子はおどおどしてたのが腹が据わってくるところやラストに繋がる揺らぎも可愛くて良かった。
ところで本作、台湾と香港やタイの資本で原作は中国の小説とドラマの様子。どういう成り立ちか興味があるが、パンフは買いませんでした、失礼。海外でも上映されるかな。
ファンですので
行ったった、オシャレして行ったった。
え?誰のファンって?
勿論監督ですよ金子修介監督!行ったりましたよガメラ3邪神覚醒のTシャツ着て。
いやー良かった面白かった、原作のチカラなんだろうけど、思ってた予想の外に連れてかれるシナリオ運び、ふとキャラクター心情を示すも観客の気持ちまで揺さぶるような沖縄らしい絵の差し込み。
ふらっとパーンさせたカメラの先に飛ぶ飛行機、印象に刻み付く沖縄の海。
決して誇らしくも咲かないハイビスカスの切なさよ。
やー金子監督上手い、嫌味も無くサラッと心に残る風景と芝居を切り取る。
キャストも最高やったでー!新人ばっかで誰も知らんけどティーンの儚さ、十代の頭の悪さ純粋さ、二度と帰らない一夏の沖縄にここにしか無い青春が描かれてた。
主演の3人良かったねー。
芝居が上手いとか下手とかじゃ無い、この時のあの瞬間しかカメラに残せない、あそこにだけ生きてる若者達だったなあ。
人を信じても、信じられなくても、裏切っても、裏切られても、あそこに心預けられる十代の若者像はキミらにしか出来ないよ。
してから青春ノワールどんでん推理劇、若者のキラメキ愚かさズルさにまとめた金子修介さすが信頼出来るよ!
ガメラの頃から信じてたぞ、あんたは人間と冒険と心を描けるって。
もう全ての邦画は全部金子修介に撮らせるべきだわ。
【”真の極悪者。”家庭に問題ある中学生男女3人と、沖縄随一の事業家東家の入り婿の男とのブラックダークな駆け引きと数々の非人間的行為を行う一夏を描いたクライム映画。今作は重い余韻を残す作品でもある。】
ー エンドロールで気付いたのだが、今作は中国の人気小説を基に、舞台を沖縄に移した物語だそうである。ー
◆感想
・東昇(岡田将生)は、義理の両親を二人の思い出の地であるという崖から突き落とす。昇と妻、静(松井玲奈)との関係は冷え切っていて静は彫師の愛人がいる。
そして、静は叔父で東一族で唯一信頼している警察官の東厳(江口洋介)に”私が死んだら、昇に殺されたと思って。”と告げるが、その通りに昇が細工した静が毎朝呑むアプリに、少しづつ入れていた麻薬によるオーヴァードーズで事故死する。
ー 端正な顔の岡田将生の計画性在る極悪さが際立つ。だがその上を行く極悪者が登場する・・。-
・朝陽(羽村仁成)と、夏月と浩兄妹は、家庭に複雑な事情がありつつも、仲が良い。そして、ある日海岸で朝陽が間違えて撮った動画で、東昇の行為を知りつつ警察に届けずに彼に一人2000万×3人の6000万を寄こせと、恐喝する。
ー この全ては、朝陽が提案している。彼の異常性が少し垣間見えて来る。-
・東昇に対し、朝陽は”自分と母を置いて出て行った父(北村一輝)と、その妻になった女を殺してくれ。それで、チャラにする。”と持ち掛ける。
東はそれを飲み、ウサンミに来た父と、その妻になった女に供え物の餅を夏月と浩兄妹を使い、毒殺し予め掘って置いた穴に埋める。
ー ここでも、朝陽は表には、巧妙に出ない。-
・朝陽の父とその妻になった女には朝陽と同級生の女子が居たが、期末試験の結果が出た日に首を吊っている。
ー 再後半に真実が分かる・・。-
・東昇の家で、朝陽と、夏月と浩兄妹は浮かれ気味にデリバリーで食事を摂るが、東昇が飲み物に仕込んだ毒で、夏月と浩兄妹は毒殺されるが、朝陽は危機一髪でそれをハンカチに吐きながら、倒れた振りをする。
ワインを飲みながら海を見ながら寛ぐ東昇の首筋に朝陽が突き立てたナイフ。そして朝陽は血だらけの東昇に”引き抜いたら、死ぬよ。”と冷酷な顔で言い、彼が息を引き取ると”あ、死んじゃった。”と言い、自分の両腕を自分でナイフで切り警察に助けを求める。
ー この時点で、朝陽が頭の良い冷酷な真なる極悪な少年である事が明らかになるのである。-
■物凄く怖かったシーン。
病院から家に戻った朝陽と母(黒木華)。
出掛けようとした母が郵便受けに入っていた夏月からの手紙と写真を見た時の表情。
夏月は自分達が行ってきた事を全て書いていたのである。更に、朝陽が書いていた嘘に塗れた日記の存在も・・。
朝陽は、包丁を握り命乞いする母に近づき、”自分が告白し、振られた同級生の家を出た父と新しい妻との間の女子をも縊死させた事”を淡々と話すが、”母さんは俺の側だから・・。”と言って包丁を降ろす。
そして、母の代わりに買いものに出掛けるが、交差点の向こうで警察官の東厳が、厳しい表情で立っている。<暗転>
<今作は、家庭に問題ある中学生男女3人と、沖縄随一の事業家東家の入り婿の男とのブラックダークな駆け引きと数々の非人間的行為を行う一夏を描いたクライム映画であるが、その中で最も極悪だったのは誰かを描いた作品である。
実に恐ろしいが、大スクリーンに引き込まれた作品でもある。>
“黄金少年”
岡田将生さんを楽しみに観てきた。
予告の時点で今回はサイコな役かー、珍しいし楽しみやなぁーくらいで観にきたらここまでとは笑。
いやー、怖かったな〜。PG12も納得。
全く予想できない展開。面白かったけど、怖いが完全に勝ってしまった。クライムサスペンスってあんまり自分の得意分野じゃないもので。
最初にめっちゃ強い字面の“黄金少年”って出て、そういえば、岡田さん主演?少年?って小さい疑問抱きつつ見進めていくと、なるほど。謎が解けた。
羽村くん、リボルバーリリー以来だったけど、よく頑張ってたなぁ。
夏月役の子は可愛かったし、浩役の子も上手だった。
そういえば、そこまで大々的に宣伝してないのに脇のキャストもかなり豪華だったな。でも観終わってから今までそんなこと忘れちゃってたくらいストーリーが衝撃的だった笑。
ちょっと評価が難しい
こちらの事前(試写会?)評価が高かったので騙されたと思って鑑賞。
画質も内容もひたすら重くシリアス一辺倒で、出演者の迫真の演技も手伝ってちょっと疲れました。
実は早い段階でなんとなく黒幕は想像できてしまったのですが、その黒幕が物語の顛末にどう絡んでくるのかを知りたくて没入できました。
作中で頻繁に行われる犯行そのものは単純かつ上手くいき過ぎて拍子抜けですが、全体を覆う大きなミステリー部分(実はこれもそこまで周到に準備して上手く実行できるものなか?とも思いましたが)の真相はそれなりに衝撃的です
ただ、前述通り重苦しい画面と内容が2時間超続くため、もう少し編集などで端折って2時間以内に収めても良かったのではと感じました。
あと、一点どうしても腑に落ちない意味不明なシーン(観た人はわかると思いますが4人が車内で初めて出会うところ)があって、そのシーンが後々のタネ明かしに効いてくると踏んで期待たんですが、結局どこにも繋がらなくモヤモヤしっぱなしでした。
タネ明かしに繋がらないのであれば、この部分を確認するために映画館にもう一度観に行く必要性も無いため、配信とかテレビとかで気軽に観られるようになれば、このシーンの意味するところを検証してみようと思ってます。
ただ逆にこのシーンがかなり重要で、私がその意味するところを理解できなかったということなら、自身の理解力のなさにかなり落ち込むと同時に、不親切極まりない作りとも思います。
というわけでどうにもモヤモヤが収まらず、騙されたとは思いませんが大満足というわけにはいきませんでした。
ゴールドじゃないドス黒い大人と子供
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