ゴールド・ボーイのレビュー・感想・評価
全321件中、1~20件目を表示
これはあくまでエンタメ映画、現実になったら絶対ダメな奴
ネタバレになるので、なかなか感想を書きづらいのですが、少しの違和感を持ちながら最後まで鑑賞しました。その違和感の正体をエンドロールで回収。なるほど、中国小説が原作なのか…。中国のベストセラー作家・紫金陳(ズー・ジンチェン)の 「坏小孩」 (悪童たち)が原作とのこと。国民性の違い?と言い切ることができるのかは分かりませんが、日本の映画でここまで少年少女の悪を全面に押し出したクライムサスペンスはなかったのではと思います。
主役は、岡田将生さん?と思いきや、はい、子どもたちです。特に羽村仁成くんのサイコパスな演技は素晴らしかった。というかリアルに怖かった…。あんな化け物を産んでしまった黒木華ちゃんの心中はいかに?です…。同じ年頃の息子を持つ母親なら背筋が一瞬で凍ります。少年少女の犯罪が時に世間を騒がせますが、知りたいのは彼らのココロ。なにが彼らをそこに導いてしまうのか?そこの描き方は少し弱かった気はします。
とはいえ、これはエンタメ映画だからこそ楽しめる作品。いい子のみんなは、こんなこと絶対に考えたらダメ〜〜〜!!!
映画はエンドロールの最後までじっくり、席を立たずにご覧くださいね♪
その美しさで冷血が際立つ、悪人岡田将生の魅力
登場人物の背景やら行動やら、どんどん人が死ぬ流れやらヘビーな要素が多い話だが、沖縄の風景の情緒と岡田将生の神がかった美しさに支えられて楽しめた。
ポスタービジュアルと、朝陽が知能の高い子であるという設定から、夏月と浩も朝陽に踊らされていて、朝陽は昇と悪知恵対決するんだろうというおおまかな流れは序盤で何となくわかった。父親と再婚相手の殺人において朝陽が自らの手を汚さない、というところでそれは確定的になった。
であれば、大人vs子供で大人が勝ってもエンタメ的に面白くないので朝陽が勝つだろうなどと、何とも野暮な視点でつい見てしまったのだが、展開が二転三転するので退屈はしなかった。
岡田将生の冷血漢ぶりが輝いている。魅力的な悪役は物語を引き締めるが、彼の演じた昇は身の毛のよだつような非情さと、つい引き込まれる美しさが共存して何とも蠱惑的だった。脚本の港氏が「岡田さんが女性俳優のように撮られていて見とれた」と言っているが、まさにそんな感じ。
ワルい岡田将生と言えば、古くは「悪人」の最低なプレイボーイ・増尾が印象的だ。また悪役以外でも、「告白」でのちょっと空気の読めない寺田先生、「ドライブ・マイ・カー」では主人公の妻を寝取る高槻など、一癖ある役がはまる。
一方で、コメディをこなす演技の幅広さも彼にはある。だが、無実の家族を装って人を殺しても眉ひとつ動かさない昇のような人間に、演技とビジュアルの両面で説得力を持たせ、なおかつ美しさでも観客を魅了するという個性は、今の邦画界では唯一無二ではないだろうか。私はこちらの岡田将生の方が好きだ。
朝陽の人物造形には、正直違和感を覚える部分もあった。一番ピンと来なかったのは、当初昇にふっかけた6千万円と引き換えに殺人テクニックを教授してもらった上で、再婚相手だけでなく実の父親まで殺したことだ。
娘の死に関して嫌がらせをしてきた再婚相手への殺意はまだわかる。しかし、父親を殺したいほど憎んでいるというのは唐突に見えた。
確かに、黒木華演じる温厚そうな母親が、息子に対して実の父親を悪く言っていたのは多少気にはなったし、母子家庭で寂しい思いや不自由もあっただろう。だが、父親もまるきり朝陽を捨てたわけではなくたまに顔を合わせている風情だったし、恨みはあれどそれが殺人の動機にまでなる経緯がよくわからなかった。
また、ラストで都合が悪くなると躊躇なく母親にナイフを向けたのも、あれっそういうキャラなの?という感じだった。確かに、親友のふりをして同級生を使い捨てる冷たさが朝陽にはあったが、一緒に暮らしてきた母親に対しては葛藤するとか、そういう多面性はないのだろうか。
そういった違和感を、彼はサイコパスだから、という万能フレーズで片付ける解釈には、あまり面白みを感じない。仮に生まれつきのサイコパスだとするなら、観客に対してはもうちょっと一貫した人物描写を見せるべきだろう。朝陽があのような人間になるまでのドラマをもう少し知りたかった。
中国を舞台にした原作は未読だが、もしかしたら原作の方ではそのあたりについての描写がもう少しあるのだろうか。舞台となる国の違いで登場人物の背景が変わり、見え方が違ってくるということもあるのかもしれない。
考え出すと他にもツッコミどころは多いのだが、それが物語の勢いに繋がっている面もあるので、犯行の段取りに関しては細かい粗は許容範囲。
あと、音楽の使い方が大仰なところがあり、ちょいちょい火サスのような安っぽい雰囲気が出てしまっているところが惜しかった。岡田将生に突然叫ばせることでサイコパスっぽさを出す、というのも邦画の悪癖。
とは言え、朝陽たち子供が、一筋縄ではいかなそうな大人の昇と駆け引きを繰り返す様子は、なんだかんだ言ってハラハラさせられた。
子供が大の大人とあそこまで渡り合うことは非現実的だと思いたくもなるが、そうも言っていられない世の中だ。最近、うちの近所でも中学生の美人局に引っかかって追い詰められた大学生が転落死する事件があったし、小学生が同級生から100万円近く騙しとるなんてニュースもあった。
子供は社会の映し鏡なのだ。
ウェルメイドでは収まらないミステリー映画の傑作
金子修介監督作をすべて観ているわけではないのだが、和製ドラキュラ映画の『噛みつきたい』みたいな危なげな企画を面白く仕上げてみせる手練れであり、平成ガメラ三部作や『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』のみごとさもあって、日本屈指の職人監督という印象を持っていた。なので、中国の犯罪小説を翻案した本作も、手堅く面白い映画に仕上がっているはず……なんて予想は、当たっていたと同時に、失礼でもあったと反省している。というのも、「職人監督が作るウェルメイドなジャンル映画」なて枠ではとても括れない、どこかハミ出し感のあるパワフルなシーンが矢継ぎ早に訪れるスリラーだったから。
二転三転する物語なのでネタバレなしに書くのは難しいので具体的な中身について書くことはやめておくが、ほとんどの登場人物の倫理観が当然のように歪んでいるのが実にいい。日本映画というより表現のひとつひとつに情け容赦がない韓国ミステリーの手触りに近いが、それでもなおどこに向かっているのかわからない強烈なオリジナリティがあり、ストーリーも面白いけれど、それよりもひとつひとつのシーンの不穏な空気に惹きつけられる。
人でなしのイケメンを演じさせたら相変わらず天下一品な岡田将生はもちろん、出演者はおしなべて素晴らしい。特に愛情深いが生活苦で余裕がない母親を演じた黒木華は、登場シーンのすべてに張り詰めた緊張感と現実感をもたらしていて、相変わらずの天才っぷりに震えました。
新しい座組で開けた可能性
中国原作でチームジョイが製作に加わっていて、日本のスタッフ・キャストで長編映画を作るという座組は新しいのでとても興味深く観た。座組が変わると新しい可能性も拓けるのだと改めて思う。少年少女が犯罪を目撃して大人から金を脅し取るという内容の、強烈な青春映画なのだが、なかなか日本の会社だけでは企画しづらそうな感じはある。とにかく3人の少年少女の危なそうで純真そうなたたずまいが素晴らしくて、イノセントさと狂気が薄皮一枚の差しかないことを思い知らされる名演技を見せてくれる。
岡田将生はこういう狡猾な男役が本当に上手。脚本の運びも秀逸で全く飽きないで見られる。沖縄を舞台に選んだのも良かったと思う。東京の郊外でも成り立つ話ではあるけど、風光明媚な風景の美しさと人間の狡さのミスマッチがいい。
こういう可能性が開けるなら、どんどんアジアで国際共同製作をやっていくべきだ。国内興行は苦戦気味のようだけど、海外市場でうまいこと活路を見出してほしい。
秀逸な中国発原作と、手練れの脚色、演出。日中の歴史が混ざり合う沖縄を舞台にした点も巧い
題名と概要を最初に見た時、スティーヴン・キングの小説「ゴールデンボーイ」を思い出した。資料によると脚本の港岳彦のアイデアで、キングへの敬意を込めて「ゴールド・ボーイ」としたのだそう。両作品は実際、世代は異なるがそれぞれ“悪の資質”を併せ持つ主要人物たちが邂逅し、年少者が年長者の弱みにつけこんで自らの要求を通していく、という序盤の筋が共通する。
それにしても、嫉妬してしまうくらいによくできた、先の読めないストーリーだ。1986年浙江省(せっこうしょう)生まれの紫金陳(ズー・ジンチェン)が2014年に発表した小説が原作で、2020年にはドラマ化された(現在日本でも複数の配信サービスで視聴可能)。
殺人という行為についての、ある種の突き放した感じというか、ドライなセンスが、日本人の肌感覚とは異なるような気もする。とはいえ、明・清時代の中国の影響が大きかった琉球王国から日本の県になった(さらには戦後の米占領下の時代も経験した)、歴史的・文化的レイヤーが複雑に混ざり合う沖縄を舞台にしたことで、日本人の登場人物たちが関わる物語なのにどこか異国の出来事のような、特別な映画世界が生まれたように感じる。
二枚目俳優にはサイコパスの殺人者がよく似合う。甘いマスクの明るい岡田将生が裏の顔に豹変する瞬間に震撼した。「悪の教典」の伊藤英明、「脳男」の生田斗真に匹敵するイケメンサイコパスではなかろうか。
怪獣映画だけでなく、子役や美少女アイドルの演出でも評価の高い金子修介監督は、羽村仁成、星乃あんな、前出燿志人の自然な演技を引き出しただけでなく、変化していく3人の関係性も効果的に描いてみせた。映画が陰惨にならず爽やかさと切なさを残しているのも、青春物語としての側面が活きているからだろう。特に星乃が演じた夏月の純粋さと、ある場面での震える手に、胸が締めつけられたことがずっと忘れられない。
よく練られたサイコサスペンス
サイコの2人の駆け引きが、面白かった。
抜けてるように見せるのも、計算ずくで伏線回収されてる。
最後、14歳の、母親への心の甘さがでてしまったところも良い。
あらっぽ過ぎてついていかれへん
一言で言えば、ウエルメイドな「火サス」という感じ
中国のドラマのリメイクで、制作にも中国資本も加わっているよう。
金子修介監督作品と知って見に行った。
いわゆるクライムサスペンスで、一言で言えば、ウエルメイドな「火サス」という感じ。
出てくる役者は子役も含め上手いし。適材適所だし、金子修介の安定した緻密な演出も楽しめた。カット割がさすがで、とても滑らか。久々にまともな映画を見たような印象。
ただ、前記したようにとてもよく出来た「火曜サスペンス」という感じ。
なんていうか、映画的な広がりに欠ける気がする。悪い訳ではないけど。
それと、あのマーラーが音楽に使われている。「ベニスに死す」の。この音楽が効果的に使われていた。
前半はいいが
前半はいいが、後半の展開が強引というか・・・
一番肝心な少年が如何にして怪物になったかの描写がないので
全く物語の展開に説得力がない
肝になる殺人シーンの演出力がちょっと・・・
軽く重厚感が全然感じられない
最後の展開もバレバレ。普通出された飲み物飲むか??
主人公だけ飲んでないのも予想がついた
死体を掘り起こした訳を
「どうしてもお父さんの顔を見たくて・・・」
そんな言い訳で納得できるか!(苦笑)
そんな事で死体を掘り起こす奴いないだろ(笑)
最後の落ちが手紙に全部書いてあるという
夢落ちのようなよくあるやつ
女の子も分かっててやったなんて、いくら好きだからって
それはちょっと・・・説得力に欠けるなぁと
作品の話は重いのに、画面に重厚感があまり感じられず
最後まで緊張感が持続出来なかった
全体的には良く出来てはいるが、惜しい作品
岡田将生は良かった
やや中途半端な。
構成と展開は良いと思う。
ただ、浅い。個々の背景に全く感情が乗らないまま終了してる。説明がない分本来もっと不気味でもいいはずが、登場人物に均等に光を当てすぎてることで、ぼやけてる。
最初の崖のシーンは、ヒッチコックまがいの火曜サスペンスなの?と思うほどアングルが古臭い、演出の不味さがでて、俳優陣の努力が勿体無い。
サイコパス作品は、恐怖と冷徹さ、それらが引き寄せる不穏さでゾクリとさせればさせるほど、その殺人がさも仕方ないように見える怖さが増すというものだろう。サイコパスが待つ魅力(悪魔的)は、なかった。そうなると何のためにこれを映像化してるのか。。。
2時間に収めるために背景を描かないなら、純愛からの裏切りにもっと焦点を当てて、絶望感を味合わせる演出にしないと、客観的に鑑賞してしまい、先読みできてしまうという、冷めた鑑賞になってしまうのではないだろうか。それでは、原作が勿体無い。
思っているよりも
ある日撮った映像の一部に写り込んでしまった。それは、殺人をしている姿だった。殺人を犯した犯人を脅して、隠蔽工作を図ろうとお金を譲りにかける。
前半から後半へかけてするりと展開が変わっていく所が見応えがある。
主人公のが弱そうなすかたからは、想像がつかないような悪魔の表情を浮かべる姿が印象的に残っていた。
中国の脚本も捨てがたいくらいに面白い作品でした。それぞれの子役の演技も迫真の迫るものがあって良かったです
歪みはどこから
賢い人は強い
最後あの少年が母親までも殺そうとするのがびっくりした。サイコパスの思考は分からないから怖い
少年が仲間を裏切るんやろなと思ってたけど、
仲間に犯罪をやらせるのが強制的じゃないのに恋心を利用して動かしているのが怖いしあんなに純粋に自分の事を信じて裏切られても良いと思っている女の子を利用するなんて私には到底出来ない
最後なんの躊躇いも無くその子からの手紙を燃やすのもこの人には人の心が無いんだなと
こんな人だから成功するんだなと思った。
私もこんなに人の気持ちを考えない人間になりたい
生きてるの楽そう
賢い人は周りに協力させる力があるからやはり強い
面白かった
Amazonプライムで観た
子供と大人
子供、大人、虐待、相続、進学、復讐、恋愛。
いろんなものが絡み合っている。
皆、愛し合って、憎み合って、裏切り合って、殺し合う。
観てて、どこか爽快感もあり、悲しい物語。
せめて子供たちの恋だけは本物であってほしかった。
僕にとってはつらいストーリーだ。
とても面白い
良い子は真似しない様に。無理だから。
あえて、共感させていただきます。
脚本!?
何なんだこの脚本!
ぶっ壊れすぎ。
何故?完全犯罪ぽく見えるか?
それは脚本、若しくは原作がぶっ壊れているから。こんな話で緊張感を持続させるべきでは無い。
火曜日なんて程遠い「日曜サスペンス劇場」まだ、55分。
民事不介入!?
この話の展開は『地獄の黙示録』
複雑怪奇!
魑魅魍魎!
トラウマになりそうなイカれた話だ。
マーラーの5番はなかろう!
あり得ない。逆転劇。何となく結末は分かった。
犯罪に動機が無い。だから、完全犯罪が成立する。
ガメラが日本演劇界を焦土に焼き尽くす。
終わった。見なけりゃ良かった。
あの「原⭕️アイドル」か!なるほど。
仮面の下…
朝陽が全て仕組んでいるのは分かってはいたが羊の皮を被った狼とは当にこのこと。あまりにも爽やかな好青年でギャップが恐ろしい。全てを分かっていた夏月の気持ちが可哀想でならない。しかし、東昇にしても少年少女達にしても人を簡単に殺し過ぎて、無感情。敢えて過剰な演出をしていないのが逆に恐ろしい。
全てが完璧
全321件中、1~20件目を表示