しまねこのレビュー・感想・評価
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猫語の教科書
最初にココアという猫に捧げる献辞があったので、監督の飼っていた猫なのだろうか。
三人の女の子の猫の鳴きまねはあまりうまくないが、ずっとニャーニャーだけ言わされていた撮影風景を想像すると笑えてくる。最初はナメてるのかなと思ったし、よくこんな企画が通ったなとも。とは言え、三匹の猫の来歴は結構ハードで、人間の贖罪がテーマなのかもしれないが。(おそらく亡くなったと思われる)ココアの消息をはっきり見せないのも、せつない。まだ見ぬ桃源郷にあこがれる猫という設定は、大島弓子の「綿の国星」を思い起こさせる。
今関監督の近作の舞台は、釜石、桜島、北木島と続いて何だか「遠くへ行きたい」みたいになってきて、風景がきれいなのはいいけど物語性が弱い印象は拭えない。
ココア役の女の子のぷにぷにした唇が印象的。ミントのキャラクターは「りぼん」の“さやか”と共通する気がした。佐伯日菜子と利重剛は最近よく今関監督の映画につきあってくれていて、ありがたいことです。そう言えば、佐伯日菜子は大島弓子原作の「毎日が夏休み」がデビューで、当時16歳だったことを思うと感慨深いものがある。
あと、猫は一匹水に落ちたからといって、ほかの二匹が心配して戻ってくるなんてことは、たぶんしないと思う。
p.s.別の映画館では「ねこしま」というマルタ島の映画を上映していて、紛らわしい。
猫ってところがミソ
にゃあ!
北木島に行きたくなる
瀬戸内海の島に住む野良猫のチョコ、ココア、ミントは、ひなたぼっこや毛づくろいをしたり、船で昼寝をしたり、そして時には店や釣り人から食料を調達したりして、のんびり暮らしていた。そんな猫たちだが、ココアは交通事故で怪我をし、ミントはかわいがってくれた家族から捨てられた悲しい過去があった。そしてチョコは海に飛び込んで泳ぐのが好きだが、飼い主に虐待されてた過去があった。そんな島の3匹の野良猫を擬人化した作品。
今関監督、美咲姫、大島葉子などの舞台挨拶の回を鑑賞。
擬人化したネコ、ミント役の美咲姫は劇中より実物は数倍可愛かった。
チョコ役の鎌田らい樹とココア役の増井湖々も見たかった。
セリフはすべて猫語とのことで、字幕つき、というのも珍しかった。適当にアドリブで話してるのではなく、ちゃんと猫語の台本が有って、それを3人が一生懸命覚えたとのこと。
擬人化成功で、なかなか面白かった。
北木島は千鳥・大吾の実家のある島とは知ってたが、美しい島で、近いし、行ってみたくなった。
北木島の風景がすごい!
フレッシュな女優3人が猫語で喋るファンタジー映画。
その猫語はすぐ慣れるというか字幕があります。
この映画の最大の魅力はなんといってもロケーションです。
黒澤明監督作品「夢」の水車の村に匹敵する非現実感。こんな風景がまだ日本にあったとは!
と唸りました。調べたら千鳥大悟の故郷らしいですね。秘境だというネタは知ってますが、ここまで現実離れした風景だとは思いませんでした。
映画自体は明るいおバカ映画と思いきや、少し切ないストーリーです。尺もちょうどよく、もう一回みたいなと思わせる素敵な映画でした。
憧れの永楽の国
島の景色と猫たちと、少しの人間
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