劇場公開日 2024年4月19日

異人たちのレビュー・感想・評価

全84件中、21~40件目を表示

3.5弔い

2024年5月1日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

日本版は見たことありません。主人公以外皆幽霊なのは日本もなんでしょうか。両親と対話することで成仏へ導き、やっと心を許せる恋人に出会えたと思ったら、その人もすでにこの世にはおらず…これって癒し系エクソシストなん?アダムはいつ救われるの?救われなくて泣けてきた。

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印刷局員

4.5原作を読みたくなる作品。

2024年5月1日
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鑑賞方法:映画館

主人公の苦悩と救い、解放をスピリチュアルな文脈で心豊かに、かつストレートに描かれた作品。主人公、家族、恋人との関係性が徐々に明らかになる展開は心地よい。
ただ、現在進行形では語られない作品の悲哀さが胸に沁みる。

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ラーメンは味噌。時々淡麗醤油。

4.5新しい作品として観る、かなり沁みる

2024年5月1日
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鑑賞方法:映画館

あらすじ省略
最初はデカいビルに住んでるのが2人だけとか、なんのコッチャで始まる。
進むにつれアダムの心の隙間を埋めた幻の時間軸のズレが分かった時にうるうる止まらない。

ゲイ自体は本題ではないと思いたい。日本ですら性の問題はオープンになったが、カミングアウトできるのはごく一部(と思う)私なら絶対しない。これは母親の表現がまだまだ一般的と思う。
そのなか本人にしか分からない心の揺れがよく表現されていた。特にクラブでの吹っ切れた(うたかたの)幸せや最期のレストランシーンは悲しいが、泣くより頑張ってと思った。最後のハリーはちょっと悲しすぎる。
主役のアンドリュー・スコットは47歳みたいだが、役にピッタリ、可愛い?少年顔から疲れたオッサンまでうまく演じてました。

どうしても山田太一原作につながるのだが、インスピレーションを受けた全くの別物として観るのが正解と感じた、観る人で賛否分かれると思うがかなりオススメです。

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JAG

3.5「BL描写いい」

2024年4月30日
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知的

今年67本目。

大人のBL描写いい。
音楽がゆっくりで話しもゆっくりでこう言う映画あるんだ。アダムが昔から一緒に寝たりお世話して貰っていた女性とどうなるの、本筋とまた違った流れで好き。
追記
その女性は死別した両親だと記事読んで確認しました。自分の解釈と違う発見嬉しい。

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ヨッシー

3.5監督は山田太一の原作読んで映画化決めて大林宣彦の『異人たちとの夏』...

2024年4月30日
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鑑賞方法:映画館

監督は山田太一の原作読んで映画化決めて大林宣彦の『異人たちとの夏』は後になって観たということなので比較してもしょうがないかもしれないが、アメリカンダイナーをコンセプトにしたファミレスみたいな店では今半のすき焼きには勝てないと思うが、大林版にあったホラーバトルは踏襲しなかったのでそれは良かったと思う。

『リトル・ダンサー』の男の子が鶴ちゃんと同じ役をやってるというのに月日の流れを感じさせられた。

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teraox

4.5幻想的なケアの時間

2024年4月29日
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主人公に訪れる死者との再会と癒し、そして別れを描いた作品。原作既読で鑑賞。
1980年代に書かれた原作から舞台は現代のイギリスに移り、主人公の年代やセクシュアリティも変化させてある。この主人公のパーソナリティの変更や、映像に漂う幻想的なテイストは監督の作風によるところが大きそうである。
ここまで変更が大きいのなら原作と比べるのは野暮な気がしたが、自分は脚色に40年を隔てた時代や社会の変化を感じた。

原作の主人公・英雄はアラフィフの男性で、自身の心の傷を自覚しながらも「傷など誰にでもあるもの」となおざりにしている。自分の心の傷とそれがもたらす孤独を理解し、傷の手当てに踏み切れず、人生へ諦観すら抱いている本作の主人公・アダムとは出発点が異なる。
英雄は戦前や戦中世代の祖父母や父母の下で育っており、彼が育った時代の社会の関心は、個人の傷よりも社会が負った傷、そしてそこからの成長と価値観の激動による痛みに集中していた。現代では、メンタルケアの考え方は当時よりもずっと個人の経験に踏み込んだものになっており、その重要性も認識されている。それがアダムと英雄の出発点の違いや、アダムが両親との再会で向き合う問題のシリアスさに繋がっているのだろう。

とはいえ原作・本作共に、一つの空間で共に過ごす家族の団欒が心を解す点や、心を開くことに必要な勇気、伝えられなかった思いを言葉にし心が通った時のカタルシスを丁寧に描いていることは変わらない。さらに、打ち解けて関係が深まった後の時間が長く続かない哀しさも同じだ。
アダムと両親の再会、ハリーとの出会いはより彼のケアにフォーカスした出来事になっており、別れなおす過程は彼にとって一種のグリーフケアにもなったのではないだろうか。

原作から大幅に脚色が成されているため、鑑賞直後には「原作が必要だったのか?」という疑問が過ったが、原作の主人公の心の変遷を思い返しながら本作を振り返ると、本作が原作の癒しの機微を踏襲した上で現代によりマッチさせるべく練り込まれていることがわかった。
原作からの変更点は大きいが、原作への愛やリスペクト、そして監督の作家性もしっかり感じられる作品だった。また、少々幻想的・感傷的な色が強い気はするが、強さを是とする作品がひしめく中で、本作の様に弱さに寄り添い無償の癒しが降り注ぐ作品に出会えたのも良かった。

ノスタルジーのポイントが、原作では下町で過ごす真夏の午後の団欒、本作ではクリスマスの団欒になっているのはお国柄の違いなのだろう。現代の日本でも、扇風機で昼間の熱気をかき回し、甲子園中継をBGMにする郷愁はどの世代まで通じるのだろうか。

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うぐいす

2.5いまいち

2024年4月29日
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映画館で洋画が観たい気分だったけど、東京中の上映時間調べてもこれしか観れる物がなかった。

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よっしーな

4.0私にはリアル

2024年4月29日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

親から否定・拒否されるのは、子にとって何よりも辛いことで、父親との和解シーンは堪らんかったです。声が出そうになるのを我慢して泣きました。

私自身も中年独身ゲイですから、主人公の感じる孤独はよく分かりますが、ストレートの方でも孤独死しているので、なにもクイアだけの問題ではないですよね。未婚化が進む日本では、これから大きな課題になるのではないでしょうか。

同じ監督の映画「ウィークエンド」もそうでしたが、ゲイらしい仕草がリアルで相手の体への触れ方など「こんなだよな」とドキドキしました。
アメリカ人と一年半ほどお付き合いしたことがあるのですが、映画の中でセックスの前に相手の意志をくどいくらい確かめるところなどは、本当にあんな感じで、そのお付き合いした人も「キスしていい?〇〇していい?」とその都度確認してくる(初めての時だけじゃなく、二回以降も)。日本でも性的同意が話題になってますが、この映画も参考にされたら良いのではと思います。

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平田隆文

3.5夏の要素は大切だったかも

2024年4月29日
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「異人たちとの夏」の設定を借りた別の話だと思いました。

私はLGBTQの映画もよく見ますし、偏見はありませんが、今作に限っては家族・親子の話にフォーカスした方が良かったのでは?という気がしました。

また、主人公アダムが、異人たちと関わることでどのように変化したのか、最後にもう少し明るい兆しを描いて欲しかったです。

なんとなく悲しく寂しい印象が残る作品でした。

キャストでは、友人役ポール・メスカルの、優しく繊細な表情が良かったです。

『アフター・サン』は2023年のフェイバリットの一本ですが、あの映画のように、夏の終わりの郷愁が漂っていれば、もっと評価を上げたと思います。

季節って大切です。

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ほりもぐ

2.5大林宣彦監督「異人たちとの夏」と同じ山田太一原作 なれど、亡くなった両親に果たせなかったカミングアウトで心を救われたかった男の話 という全く別物になってしまった。しかもドラッグを使って!

2024年4月28日
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私の大好きな大林宣彦監督作品で、公開後、確かLDを買って観て大泣きした「異人たちとの夏」と同じ、山田太一原作の海外での再映画化と聞いて、長らく期待していた作品がようやく公開!
予告編で、主人公カップルが同性愛と知り、全く偏見はないが、頭をかすめた嫌な予感が、見事的中!

亡くなった両親に果たせなかった「カミングアウト」が心残りだった主人公が、両親と再会し、その心の内をわかってもらうという、全く別物になってしまった!!
しかも、ドラッグを使って!(←ここも許せない)
既存の名作を、自分の想いを表現し伝えることに「利用した」ことにすぎない。

大林宣彦監督作「異人たちとの夏」は、下町情緒を背景に、大人になった今、両親の無条件の愛の温かさに包まれて、改めて生きていくことを受け入れる話でした。
パンフレットで、片岡鶴太郎X秋吉久美子対談(同じ歳だったんだ)は必読です!

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ITOYA

3.0ちょっともったいないかも

2024年4月27日
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これは大林版『異人たちとの夏』のリメイク、ではなく、山田太一の「異人たちとの夏」の再映画化なんだろうけど、どうしてもこの原作設定の良さは「夏」だったんだな、そして大林宣彦はそこを映画にピックアップしたんな、というのがよくわかった。もっと言うと失った昭和の再現と対比。だからと言ってこの映画をそれと比較してもしょうがないけど何をみてもぼんやりイメージしてしまうほど大林版は魅力的だったんだな、という怖さ。逆にいうとあの昭和のランニング姿からゲイのネタに変わるのは隔世の感があった。

映画はトップカットの実景からまるで大林版などを弾き返すかのような現代映画のルックですっかり何の話かも忘れそうな勢いだけど、お国柄とはいえかなりナイーブな感じで孤独感強め。それと、ご両親があまり時代感をせおってない感じもある。亡霊に取り憑かれるのはこちらのほうがナチュラルな感じはするけど、今はもう会えなくなった両親との再会、それも自分と同じくらいの歳の両親との再会という最大の特徴が活かしきれてたかどうかはわからない。自分にとっては亡霊であれなんであれ、今と同じ年くらいの両親が自分を疑いもせず、その家庭に上がり込ませてくれ、そこが光に溢れているのがこの怪談のコアだと思うのでちょっともったいなく感じた

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ONI

3.5思ってたのと違った

2024年4月27日
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2024年劇場鑑賞92本目。
山田太一原作ということで日本に来た外国人、異人さんたちのカルチャーショックの話かなと思っていたら全然違ったし、途中でも思ってた話じゃなくなったぜ!

しかしそうなるとそれまでのってなんかヘンじゃない?と思ってなんかいまいちでした。地味だし。自分文学だめだ(笑)

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ガゾーサ

3.5評価難しいな……

2024年4月27日
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大林版はずっと以前に見ていたので、本作を見る前に大まかな話の流れはわかっていました。
が、比較的あっさりとした描写が多く、原作や大林版を知らない人は、どんな話なのか少なからず戸惑ったのでは?

また、セクシャリティの話が入ってくることで、本題といえる「会えるはずのない両親との再会」がボヤけてしまっている気もします。加えて、このプロットでドラッグの要素を入れることで、すべてが孤独なアダムが見た妄想なのか、原作同様のファンタジーなのかも理解しにくくなっています。

バブル期の日本の小規模マンションに居住者が二人なのと、少なからず大規模で古くはないアダムの住むマンションで他の居住者がハリーだけなのでは、飲み込みにくさも違います。

突きつけてくるメッセージのシビアさに比べると、お話全体がやや消化不良だった気がします。

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よして

3.5クィアな蹉跌の苦悩

2024年4月27日
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難しい

前触れもなくいきなりゲイの世界が展開され正視できなかった。
中座したいところを山田太一とアンドリュー監督の作品だと言い聞かせ、
伏目しながら聴き耳を立てて鑑賞した。

残念ながら、英国はできないので卑猥な音声がなくなったらスクリーンを目を写しながらの鑑賞なので正確な鑑賞ではないことをお断りしておく。

幼少の頃からゲイと見破られるアダムが、12歳の頃、両親を交通事故で無くしてしまう。
その後は祖母に養育され、40歳となりロンドンの高層マンションに住むが、そこには殆ど住人は居なく近所付き合いもなく過ごしていたある日、6階の住人らしき青年が訪ねてきた。

二人とも髭面の四十過ぎの外人に見えるが、初老と青年と言う大事な設定には見えないのは私だけだろうか?

そんな中、クィアな世界は一瞬で見破られる。
そして、数日後には目を伏せるようなそんな関係となり、アダム大兄さんに幻影が出始める。

そして、生まれ故郷である実家に帰省したら、あのまま残っていて、家に入るとあの頃の両親が、年取ったアダム大兄さんを迎えて、事故以来の生活や一緒に住んでいた頃の話を沢山するのだ。

あの頃の両親と年取ったアダム大兄さんの対話で、
両親の自分へ思いや考え、自分がゲイで虐めにあっていたことや、こんな自分をどう思うか?

案外、両親は知らなかったり、少し気づいていたり、慰めて貰いたかったり、なかなかの本音での対話をしながら妄想の中で三人家族の交流を深めて行く解決案が提示されていたりする。

そうクィアな世界について、
死んだ両親との告解がアダムの好きなクリスマスを通して行われるのだ。

いや、勉強になりました。
この両親との対話は実に良かった。
特に、ゲイをよく思わない母親との対話とこの役者は最高に良かった。

当然のことなのだが、
原因には触れことなく、全ての結果に寛容だった。
何しろ自作自演なのだからだ。

また、この映画は、懺悔であり告解なのだから、生きとし生きるものには慈悲があるのだ。

死んでしまった両親にゲイであることを告白でき理解されたアダムはマンションに帰宅し、
パートナーの青年直ぐにこの喜びを伝えるべく部屋に入ると、
彼にもこの廃墟のような高層マンションでの出来事を告白しなければならない懺悔が待っていたクィアな世界が始まる。

( ̄▽ ̄)

異人たち
劇場公開日:2024年4月19日 105分

日本を代表する名脚本家・山田太一の長編小説「異人たちとの夏」を、「荒野にて」「さざなみ」のアンドリュー・ヘイ監督が映画化。
1988年に日本でも映画化された喪失と癒やしの物語を、現代イギリスに舞台を移してヘイ監督ならではの感性あふれる脚色と演出で描き出す。

12歳の時に交通事故で両親を亡くし、孤独な人生を歩んできた40歳の脚本家アダム。
ロンドンのタワーマンションに住む彼は、両親の思い出をもとにした脚本の執筆に取り組んでいる。

ある日、幼少期を過ごした郊外の家を訪れると、そこには30年前に他界した父と母が当時のままの姿で暮らしていた。
それ以来、アダムは足しげく実家に通っては両親のもとで安らぎの時を過ごし、心が解きほぐされていく。
その一方で、彼は同じマンションの住人である謎めいた青年ハリーと恋に落ちるが……。

「SHERLOCK シャーロック」のアンドリュー・スコットが主人公アダム、
「aftersun アフターサン」のポール・メスカルがハリー、
「リトル・ダンサー」のジェイミー・ベルと「ウーマン・トーキング 私たちの選択」のクレア・フォイがアダムの両親をそれぞれ演じた。

異人たち
劇場公開日:2024年4月19日 105分

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カール@山口三

3.5亡父を思い、主人公の孤独に共感

2024年4月26日
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12歳で両親を一度に喪うという強烈な体験は想像すらできませんが、私も数年前に父を亡くしたので、意外にも外国人で異性の、さらにゲイである主人公が身近に思えました。
いじめに遭っていた主人公に歩み寄れなかった過去を悔い、涙する今は異人の父親。これは切ない話で少しホラーではあるけれど、癒やしの物語でもあるのですね。
今の自分と同じ年齢の父と映画を見に行きたかったなという思いがこみ上げてきました。疎遠であったのに。映画なんて生前は思いつきさえしなかったというのに。
異人なのに息子がゲイと知って普通に動揺したり、毛深くない息子を観察する母親が面白かった。死は解脱ではなく、伝統や慣習にこだわらなくなるわけではない。現代のハリーの母も反応は変わらないのですね。
中年男性が郊外に家族と暮らすという枠から離れ、都会のタワーマンションに独り暮らしというのも、今では珍しくもないでしょう。
しかしラストでそんな暮らしの目を逸らすことのできない現実を知らせたところがさすがだと思いました。

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みる子

2.5悲しい結末に思えて

2024年4月26日
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興味深く鑑賞できました。
が、自分にはあのラストが何処となく後ろ向きな印象を受けたので少し低めの星になりました。
作品全体に漂うなにかが非常に内向的に感じられたので・・
時間を遡るように、主人公が逆行する列車に乗って空洞を埋めていく行為は良いのですが
異人との触れ合いでこれから何処へ向かうのか、向かおうとするのかを見たかったです。
この作品の場合、主人公が癒やされるだけでは何故か満足できませんでした。
あと、対面した父親が勧める紙タバコなんかは、すでに時代を表現するアイテムになっているところは少し感慨深いかったです。

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asa

4.0見事なリメイク

2024年4月25日
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泣ける

原作小説は山田太一の『異人たちとの夏』で、1988年に脚本・市川森一、監督・大林宣彦ですでに映画化されている。このリメイク作品を劇場で観てから本家の邦画をアマプラ・ビデオで観比べた。順序が逆になったけど。

先に邦画の話をしてしまうと、当時の主役は風間杜夫、同じマンションの別室の恋人を名取裕子、浅草に住む両親を片岡鶴太郎と秋吉久美子が演じていて、さすがにみんな若いなー。

脱線しますけれど何と言ってもお母さん役の秋吉久美子が素敵すぎる。

確か僕が高校生の頃に『赤ちょうちん』(1974年)でブレークしてて、4歳年上の元祖プッツン系で個性的な女優さんはかなり気になった。

その後の作品は全然観ていなかったけれど、今回、34歳の彼女を観てちょっとクラクラ来ましたねー。
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さてイギリス版の今作では、アンドリュー・ヘイ監督は原作のストーリー展開とエピソードをかなり忠実に辿っていて、原作をとてもリスペクトしていることが良く分かる。

かつ、今作で翻案している重要なところは、主人公アダムをゲイ、恋人は男性という設定とし、性的マイノリティとしての少年時代のつらい過去や両親との複雑な思いを見事なトーン&マナーでストーリーに溶け込ませていて、比較鑑賞してみると今作のほうが良かったのではないか、とも思える。

これは、ヘイ監督自身がゲイであり、実際に自分が体験したであろう両親へのカミングアウトに伴う恐れや、自分は期待されたセクシュアリティとして愛されていなかったのではないか、という不安について繊細なタッチで演出しているからだろう。

そのセクシャリティについての両親への思いと両親からの愛情の確認が、「12歳のときに亡くなって以来断ち切られたまま」だった親子関係に重層的に込められていて、胸を打つ。

その点、原作小説に存在するかどうかまだ確認していないけれど、邦画での恋人・名取裕子との別れのシーンはちょっと安っぽいB級ホラー的な演出になり過ぎていて残念でならない。

この部分は間違いなく今作のイギリス版のほうが良い。
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ただし、『哀れなるものたち』や『オッペンハイマー』とも同じく、今作でも割と激しいセックスシーンが表現されているが、異性であろうが同性であろうが、どうにも僕はこうした映画の流れの中であからさまなものは苦手だし、そこまでの表現が本当に必然なのか疑問に思う。

例えば今年に入って観た作品で言えば、俳優が同じように裸になるシーンだって『ピアノレッスン』ほど綺麗でエロチックで胸がざわざわするものは他にない。

それは「あからさま」とはちょっと違うもので、語られていることの深さが違うからだろう。
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ともあれ、邦画も今作も、両親との最期の食事シーンは泣けてしまった。参った。
ここはやっぱり普遍的なものなんだろう。

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ricky_o

3.5同性愛者であるが故の孤独

2024年4月25日
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悲しい

難しい

"異人たちとの夏"という古い日本映画は僕にとって気になっている未見の作品の一つである。この映画はその作品のリメイクということである。
自分の人生がうまく回っていないと感じている主人公は、既に亡くなっている両親のことを題材にした話を書き始めた(主人公は脚本家である)。そして両親と一緒に過ごしていた懐かしい家を訪ねてみることにする。
彼は12才の時に交通事故で両親を同時に突然失っていた。また学校でゲイであること(女っぽい男の子だったようだ)が原因で酷い苛めを受けていたが、苛めを親に打ち明けることができなかった(本当は両親に助けてもらいかったに違いない)。同性愛という事実が親との溝をも作っていた。大人になったアダムは両親に自分がゲイであることを打ち明ける。両親はその事実に傷つくが、それ以上に自分達の息子が社会の差別や偏見に晒されるのではないかと心配している。これに対しアダムはLGBTに対する考え方が親が生きていた頃と今は違うんだよと発言している。当時の社会ではゲイであることの孤立感は今よりも深く酷かった。
しかし、同性愛者が生きずらいというのは今も同じである。現代に生きるアダムもまた同性愛者であるために家族との平穏な生活を営むことができず孤独であり、またパートナーになったハリーは孤独のなかで自ら命を断っている。「同性婚も認められるようになり子供も持てる」ともアダムは親に語っているがなかなかハードルは高いのだろう。
セクシャリティが原因ではない孤独な人は世間にはいくらでもいる。だからゲイというセクシャリティを特別視せずに孤独を抱えながら生きる者と死別した親や恋人との交流をテーマにした映画ととらえればいいのかもしれないが、この映画では同性愛というセクシャリティの部分はとても大きい。だから同性愛者が主人公ではない"異人たちとの夏"とこの映画はまったく別の映画だと僕は思っている("異人たちの夏"は未見ですが)。

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ゆみあり

3.5心のうち

2024年4月25日
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アンドリュースコット演じるアダムが
長年クィア性というアイデンティティを抱えてきた様子が、言葉に、行動になって、立ち現れてくる。

母と父との会話、
カミングアウトから、受け入れる姿、
クリスマスの時の歌まで。
すべて宝物のようにみえた。

ポールメスカル、とても愛おしい
どんどん好きになっていく

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JYARI

2.0なぜこんな設定にしてしまったのか?

2024年4月24日
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文化の違いか?
やはり男女で絡んで妻と子供をつれてきました 今は立派にやってますみたいな作品にして欲しかったがこの中身では感動も半減‼️

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ゆたぼー