若き見知らぬ者たちのレビュー・感想・評価
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内山拓也監督と俳優陣•スタッフの皆様、良かったです!
レビューで、暗いという投稿を見て、見に行くかどうか迷ったのですが、見に行って本当に良かったです。
重い部分はありましたが、見た後まで、どんよりとするなんてことは、ありませんでした。
2時間、飽くことなく、見応えのある映画でした。
まさに名もなき若者、借金、病んだ親の世話•介護を背負い、理不尽な世間の仕打ちに巻き込まれた若者の話ですね。
可視化されない人々の苦しみ、重荷、問題解決能力を持たない、持つ気力さえ失った人間を描いたものと思いました。
限界に達したなかでも、主人公の彩人の母への愛、それを受け継いだ恋人の日向には、人としての素晴らしさを感じました。
しごく勝手な解釈ですが、彩人がなぜ、お母さんを病院に入院させず家で世話していたのか。それは、今の日本の精神科医療が貧困で監獄に送るようなもの、そんな場所に母を入れられないという、深い愛情からだったのではと想像していました。
表面化されない苦しみにあえぐ人たちを救うための対策を行政がもっと立てて、相談できる場所作りをしなければならないし、我々の意識変革、温かい目を持つことも重要と思いました。
見終わった後、重さで鬱々することなどなく、むしろ、こういう映画を制作できる内山監督が存在することに嬉しくなってしまいました。今後も頑張っていただきたいです!
日本の俳優陣の質の高さも感じることもできました。各役者さんの思いのこもった演技も見応えがありました。
なお、私は女性ですが、問題なく見れましたよ。暴力シーンもありましたが、えぐさで見るに耐えないとは感じませんでした。
注意: べた褒めになってしまいましたが、私は映画関係者でも、インフルエンサーでもありません。
初めてレビュー投稿するので、皆さんみたいに気の利いたレビューは書けませんが、映画素人の素直な感想です。
製作意図…
とにかく、重く、息苦しい。
今この作品を作る意図はなんなのか、考えるが分からない…
行き過ぎた日本的な自己責任論の行く末か、社会的なセーフティネットの不備か…どれも違う気がするし、弟の試合をあんなにちゃんと描く意図も不明。
面白くもなかった…
警察官の悲しき終末
日本の警察官はアホが多い(警察官を全て敵に…)職質や公務中に触れる話を遮るだけで公務執行妨害(実際にやられましたけど…)や頭の中まで筋肉の為なのか、先輩の命令には絶対服従といった軍隊の面影を未だに残しているアホの集団である(今回出てくる警察官もしかりで、袴田さんなんて警察 検察の犠牲者) 主人公の父親(拳銃自殺)も元警察官で配偶者を精神的に追い詰め、子供二人まで… 長男の彼女は実に良い(過食症気味ではあったものの)キャラで彼女にするには最高😃⤴️⤴️だと思います
かなり複座で難しい
背景の変化が激しくストーリーについていくことが大変でした。
最後まで人物像がつかみきれず、よくわからないまま終わってしまった感じです。
警察の悪さを露呈する、ありえないことが起こっている恐ろしさを感じました。
不可解、不愉快なことばかり
不可解な殺人に、不可解な殺害幻想が警告なのか?
何故背後から拳銃や自動車で、何度も何度も何人も繰り返し殺害映像を幻影を映し出すのか?
殺人がそんなに日常的にあるとは思えないのだけれど、どうだろう。
そんなことより、このストーリーが不可解だらけだ。それを手段にしては困るのだけれど…
どの様に父親は死んだのか
父親の退職金は何故何時受領したのか
父親は元警察官なのか、犯罪者なのか
障害年金とは誰の何の障碍なのか
父親の借金は何時、何に使ったのか
父親は何故そんなに暴力を嫌い身を守るためにK1を息子に教えるのか
母親の難病の原因はなのか
母親の難病はいつから発病したのか
母親はなぜそれなりの施設に収容されないのか
母親は公的福祉をなぜ給付を受けていないのか
母親は何歳なのか
母親は車の運転が出来るのか
彩人は父親の死亡現場で何を見たのか。
これ以上は省略するが、その他いくらでも説明不足がある。
不明確な不可解なことばかりが噴出する。
それがこの映画の主旨なのかも知れない。
状況省略劇か?
最後にご時世で、あれだけの暴力事件が街頭カメラに収まっていない訳がないし、
目撃者や騒音を聞いていない人がない訳がない。
自然死で終わる訳がない。
そして、2台のパトカーが出れば、ケガ人のために救急車を出動要請するのが常套なので、これまあり得ない場面だらけ。
なんだか不自然で、結論や感想を抽出するにはこれでは至らないなぁ
ましてや、出したらダメでしょう…
そう、無関心社会に蔓延る不条理放置社会の警句か?
困ったものだ。
( ̄∀ ̄)
若き見知らぬ者たち
劇場公開日:2024年10月11日 119分
「佐々木、イン、マイマイン」が評判を集めた内山拓也監督が日本、フランス、韓国、香港合作で手がけた商業長編デビュー作。
亡くなった父の借金を返済し、難病を患う母の介護をしながら、昼は工事現場、夜は両親が開いたカラオケバーで働く風間彩人。
父の背を追って始めた総合格闘技の選手となった弟の壮平も、借金返済と介護を担いながら、練習に明け暮れる日々を送っている。
そんな息の詰まるような日常のなかでも、恋人である日向との小さな幸せを掴みたいという思いが、彩人のかすかな希望だった。
しかし、彩人の親友である大和の結婚を祝う幸せな宴会が開かれた夜、思いもよらない暴力によって、彼らのささやかな日常がもろくも奪われてしまう。
彩人役を磯村勇斗、日向役を岸井ゆきの、壮平役を福山翔大、大和役を染谷将太がそれぞれ演じるほか、霧島れいか、滝藤賢一、豊原功補らが脇を固める。
若き見知らぬ者たち
字幕メガネマーク 音声ガイドマーク
劇場公開日:2024年10月11日 119分
絶望の中にも一筋の光
こんなに絶望的な映画はなかなか類を見ないと感じました。
前半と後半で主人公が変わります。
前半:彩人
後半:壮平
とにかく前半はもう絶望しか感じられず、気持ちもヘビーになり落ち込みました。
一方、後半は一筋の光が見えるような展開、ラストです。
生きるということを真摯に描いた作品であると同時に、
死についても真摯に描いていると思います。
また、彩人の病気になった母親への深い愛情には心を打たれましたし、
自分はあそこまで家族を愛せるか?を突きつけられたような気持ちになりました。
本作を観て何を思うか・感じるかは人それぞれだと思いますが、
私にとって、物語をなぞるというよりは、死生観を考えさせられる作品でした。
それにしても俳優陣の演技が素晴らしいですね。
主役の磯村勇斗をはじめ、岸井ゆきの、福山翔大、染谷将太、桐島れいか、という
錚々たる面子の圧倒的な演技に感動しました。
思っていた以上にヘビーで憂鬱になりながらも、やはり一筋の光を感じられるところが
救いですし、本作を観て良かったと思わせてくれたラストでした。
質が高い最低な物語。演出も嫌い
静か~な感じなところでいきなり、バーン!と発砲する最悪な演出があります。個人的には、びっくりさせるこの手法、嫌いです。これだけも、見たくないのに、知らなかったから見てしまった・・・最悪です。
内容も酷いものです。別に清き良き物語だけを求めているわけではありませんが、よくもまぁこんな悲惨な事柄ばかりを並び連ねて創造したものだと。
確かに質はいいです。でも、格好ばかりつけたような印象で、正直、わざとらしさが目に付きます。もっともらしい社会的な問題が含まれていて、あたかも真実っぽいような雰囲気を作ろうとしていた気がしましたが、全部が全部ウソっぽく見えました。別に映画だからウソで結構なんですけど、これほどまで内容が浮き世の写しだと、この世の出来事、団体、人等々に対して揶揄するようなところも感じたので、どうなのかなと・・・肯定的な表現が少なかっただけに─。
とはいえ、かなり思い切った表現でダイナミックに展開するので、結構刺さるのかなー・・・
言葉の重み
完成披露試写会に参加をし、監督や俳優さんの言葉を聞き、この映画は監督が役者の力を信じ、役者は監督の言葉に身を寄せて出来上がったのだと感じました。
磯村勇斗さんの演技力は、社会問題が絡めば絡むほど深く沁みる。演技なのか?本心なのか?役という枠を通り越してスクリーンから伝わる言葉ひとつひとつが、重く苦しい。
兄から見る母、弟から見る母、兄の彼女から見る母、社会から見られている母。
どの描写もすごく綺麗で、美しいく、悲しい。
内容は割愛させていただきますが、興味を持ったら見ておくべき映画です。
3.2ぐらい
これでもかって悲惨な出口の無い毎日。
で?おかしくないか?
お母さんの病状から入院とか福祉サービスとか受けられるでしょうよ。家族がいたって介護しきれないのだし。お母さんの所業によるお店や近所の対応も変、いやもうお金とか賠償とかそうゆう問題じゃなくて、福祉に相談しなよ。
挙句にあの警官の所業。先ずは怪我してんだから救急車呼ぶでしょ。なんで犯人はお咎めないの?おかしい、おかしい、防犯カメラ、通行人だっているんだから目撃者多数よ。おかしいって。特にお店の血溜まり、おいおいスルーなのか?
何を言いたいかは分からなくはないが、常識ある設定にして下さい。雰囲気だけで作られた感があるが、嫌いではないので、3.2。
壁一枚隔てたすぐ傍で起こっている
「お願いだから気づいて!!」
「お願いだから見過ごさないで!!」
気づくと、カラオケバーの床を祈りながら見ていました。
観客は真実を知っているからそう思うだけで、実際には私自身もいろんなことを見過ごして生きているに違いない。
そう気づかせてくれる映画でした。
窓の向こうから、楽しそうに遊ぶ声が聞こえるシーンが素晴らしい。
映像に映っていない、フレームの外側を感じさせる演出が大好きなので、てっきり後からつけた音声だと思っていましたが
実際にあの家の前が公園なのだそうです。
家の壁を一枚隔てたすぐ隣りで起こっている現実。
街並みのロングショットでも、同じように並んでいる一軒一軒に、表からでは見えないSOSが隠れていると感じました。
ある出来事を境に多角的な群像劇に広がります。
権力と暴力についても考えさせられました。
先入観の恐ろしさ。
無意識にこれまでの成功体験が先入観となって判断してしまう。
でも、だからと言って、それを責めることができるのか?
警察の廊下のシーンには鳥肌が立ちました。
銃が暴力の象徴であると同時に死をもたらすものとしても描かれます。
現実が重くのしかかって、何も感じないようにしないと生きていけない極限の状況では、自分の心を殺すしかない。
でも、心の自殺は社会からの抹殺でもあり、やはりその引き金を引くのは他者の手なのだ。
岸井ゆきのさんの演技が素晴らしい。
横顔から匂い立つエロス。
私も妊娠中は寝ても寝ても眠かったなぁ。
スプーンを頬張る仕草や笑顔に、彼の面影を見ていたのかもしれない。
そして、畑のシーンは芹澤興人さんですよね?
ほとんど顔が出てないのに、人柄が伝わる。
家族愛が強い人ほど犠牲に
今日もあんな風に声を押し殺して泣いている人達がどこかにいるのかもしれない。
日頃悲しいニュースを聞くたびに、家族愛が強い人ほど犠牲になる事が多いなと感じてたけど。
背負ってるものを減らす方法がもっと簡単にわかりやすく表示されるといいのに。
みんな声を押し殺して泣くから、どうしようかと思った。
色々行政が助けられる事も多いのではと思ったけど、自分たちで何とかしないといけないと思ってる所に、きっと他にもこういう方々がいるよという監督のメッセージが込められてるのかなあとぼんやり思ったり。
あ、あと私今回の作品で磯村勇斗君の良さにちょっとハマったわ。
良いわね、彼。
小汚い格好させてもカッコよかったわ。
めちゃくちゃ優しい役ってのもポイントが高かったのかな。
『波紋』も『渇水』も『正欲』も観てたんだけど、なんか今回のが一番グッときました。
『月』観てみるわ。
助けてが言えなくて頑張ってしまう人達が、少しでも減ると良いなと思いました。
『あんのこと』も思い出したけど、本当に若い時は一瞬なので、幸せな時代を送って欲しい。
子どもが子どもで居られない姿をみるのは本当に毎度しんどい。年齢的に成人になっても出口のない家族の問題に自分を捧げ続けてしまうのは、多分家族という他人が入りにくい場所というのもあるんだろうな。
難しい密室だと思う。
色々考えた映画だった。
ひたすら堪え忍ぶ、見知らぬ者たち
Fan’s Voice試写会にありがたいことに当選。監督のお話もたくさん伺えて感無量。
自分ではどうすることもできない現状を、ひたすらじっと堪え忍び、小さなことで少し救われ、そしてまた理不尽な暴力にさらされる。そんな人が、日本にはどれくらい、世界にはどれくらいいるのだろうか。
日本・フランス・韓国・香港合作。監督は最初からそのスタイルで行くことを決めていたそう。その意味を考える。
生きるということに命をかける
被写体の感覚を、
舐め回すように捉えるカメラワークが光っている。
匂いたつようなリアリズムがスクリーン全体に浸透し、
その気持ち悪さすらも、
目を逸らすことなく、
ずっと見続けていたいという衝動に駆られる。
空間設計が巧みだ。
カメラの奥行きを活かし、
地面の感触までもが伝わってくるような設計だ。
芝居場にいる人物たちはもちろん、
背景を行き交う人々や車の動きすら、
リアリズムをさらに強化するものに仕立て上げている。
この手間ひまを惜しまない贅沢な空間設計の丁寧さは、
予算がいかに潤沢であっても真似する事は難易度が高い。
重要なのは、この意識と具現化するチームの技術こそが、
リアリズムの本質を舞台に、各役者に宿らせている事だ
ボロボロの靴や、演技の隅々まで生き生きと表現されており、
その正確で真摯な設計は、
過酷で苛烈な現実と観客との緩衝材ともなり得る、
と同時に、
母親や亡き父親、主人公の兄弟をはじめとする登場人物たちが、
この設計によって包み込まれる愛情そのものの空間にもなっている。
しかし、このような愛情のツケは、セリフでもあるように、
いつしか溜まっていくばかりだ。
現実の厳しさと対峙する瞬間が、何度となく訪れる。
それでもなお、信じるしかないと、そう思わざるを得ない。
震えるような良いカットがあまりにも多く、
その一つ一つが生きることへの凄まじい覚悟を突きつけてくる。
ブルーハーツの、
生きるという事に
命をかけてみたい、
が8角形のオクタゴンに響いていた。
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