若き見知らぬ者たちのレビュー・感想・評価
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浅瀬で撮った映像
潮干狩りよりもさらに浅瀬。
インターナショナルビジュアルのメイキングを見て一抹の不安を抱えながら(内心はダサ過ぎて恥ずかしいと思い)横浜で鑑賞。
インターナショナルメイキングで映っていたくらいの希薄な問題定義がそこにはあった…
過剰な演技に、過剰なカメラワーク。意味のないオシャレな雰囲気。その全てが浅はかな作り手の意図なのか…それともオシャレ映像が好きなだけのクリエイターなのか?
佐々木インマイマインもその気があったが、まだ企画した俳優たちが内容に対してしっかり向き合っていただけあって作りあがりも良かったが、それが今回の若き見知らぬにはなかった。てか、タイトルもちょっと恥ずかしくないか?
薄いと言うか浅い。そんなラーメンを食べた気がしています。
一番苦手だったのはお母さんが叫ぶあの場面でした。ちゃんとなんか調べてからやろうよ。
救いようがない
なんかズーと重苦しい映画。どこをとっても救いようがない。どのテーマも、中途半端感が、否めない。ズーと救いを求めて観ていたが、何も起こらない。いや、勝利は手にしたが。格闘シーンだけは、迫力あった!
幾つものアンコンシャスバイアス
知り合いの話だが、短期間に三度「職質」を受けた人がいる。
2008年に起きた「秋葉原通り魔事件」をきっかけに休止されていた歩行者天国が、
2011年にテスト開催されたとのタイミングで。
本人の迷彩ズボンにリュックを背負っていた外見も
疑わしかったのかもしれない。
警官側からはけして触れようとはせず、
自らリュックを開けて中を見せるよう(強く)促すところは
本作で描かれている始終と共通。
勿論、やましいことは無いので唯々諾々と従い、
直ぐに解放された由だが、それにしても
「続けて三回かよ!!」と憤慨していた。
ただ、その「職質」が、後々の悲劇を呼び込む契機になることも。
警官だった父親は、ある事件で手柄をたてたものの突然に退職、
カラオケバーを開く。
が、何故か莫大な借金を残し突然自殺。
それを見た母親は正気を失う。
兄の『彰人(磯村勇斗)』は昼には工事現場で働きながら
夜は父が遺したバーを開け、背負った借金を細々と返済する。
弟の『壮平(福山翔大)』はMMAのプロとなり、
階級のチャンピオンを狙えるランキングにいる。
兄弟二人と『彰人』の恋人で看護師の『日向(岸井ゆきの)』で
母『麻美(霧島れいか)』の面倒を見るが、
家の内外での奇矯な行動に身も心も休まる暇はない。
社会情勢を扱った昨今の作品同様、
ここでもやはり幾つかの課題が提示される。
一つは公助に頼らず、自助に閉じてしまう介護の問題。
一旦沈んでしまえば、再び浮かび上がるのは困難で
「親ガチャ」とか「社会格差」で片づけるには
余りにも理不尽な。
または、一たび面倒を起こすと、それが常について回るラベリングの問題。
周囲も色眼鏡で見てしまい、それが命を脅かすのに直結するケースがあるのは
由々しき事態。
或いは公的機関が、時として権威を振りかざすことも俎上に乗る。
直近でも「大川原化工機事件」があったばかりだが。
疑いをかけられた側だけでなく、
かけた側の一部にも心に傷を負う者はおり、
それが『風間』家の悲運につながるのは、
なんともやりきれない連環だ。
終盤の盛り上がりに寄与する迫力満点のMMAの試合シーンは、
『壮平』が我が身に降りかかった不運の鬱憤を晴らす場として機能するかと思っていたら
然にあらず。
あくまでも肉体と肉体の純粋なぶつかり合いとして描かれる。
暴力とは異なるすがさがしさに、
鑑賞者は僅かながらの光明を見ることになる。
壮絶な暗さ…⭐︎
磯村勇人演じる風間彩人の日常を描く。
精神的な病気を患う母、格闘技に没頭する弟、看護師の恋人、親友らしき人。
過去と現在が時々入り乱れて物語が進み、途中と最後あたりに何かの象徴として
頭に銃で撃たれるシーンが入る。
何かと言うことはわかるけど何⁇言われのない暴力?、父親がいなくなるシーンも突然
現れてどうなったと思い、彩人の店が荒らされて その後友人や弟が現場を
見ても完全スルーするのはどうして⁇と自分にはわからないことだらけの映画だった。
ただ、前編通して全く救われない気持ちになる。
母親があれだけ重症の病なら、病院からも何らかのフォロー出来る施設への提案も
あると思うし、自立支援の相談もある。
店を荒らした半グレ三人組には目もくれずに彩人だけを連行する警察もありえない。
社会的にこぼれ落ちた人々、今の日本のある状況を描いているのだろうけど
あまりにも辻褄が合わないことが多すぎて、自分には物語として受けとれなかった。
⭐︎はやはり磯村勇人、母を演じる霧島れいかの「ドライブ・マイ・カー」の真逆の演技、
岸井ゆきの、染谷将太の存在に。
楽しい映画ではないことはわかった上での鑑賞だったけど、あまりに暗い内容で
来週はもう少し明るい映画を見ようと思いながら映画館を出た。
率直に言えることは、エピソードを詰め込みすぎで、何を伝えたいのか主題がぼやけてしまいました。
『佐々木、イン、マイマイン』(20)が評判を集めた内山拓也監督が日本、フランス、韓国、香港合作で手がけた商業長編デビュー作。語り口は辛辣でも、全てを包む温かなまなざしを感じさせます。あらゆる理不尽にまみれても、自分の正義を守り懸命に生きようとする、名もなき人々の魂の叫びをスクリーンに焼きつけました。
●ストーリー
風間彩人(磯村勇斗)は、亡くなった父亮介(豊原功補)の借金を返済し、 血管性認知症を患う母、麻美(霧島れいか)の介護をしながら、 昼は工事現場、夜は両親が開いたカラオケバーで働いています。借金返済に追われて精神的にギリギリの状態でした。恋人の日向(岸井ゆきの)や親友の大和(染谷将太)の支えで、何とか持ちこたえていたのです。
若くして一家を背負った彩人はサッカー選手として将来を有望視されながら、夢をあきらめ、人生を家族にささげてきたのでした。
そして弟の壮平(福山翔大)も兄と同居。父の背を追って始めた総合格闘技の選手となっても、同じく借金返済と介護を担いながら、練習に明け暮れる日々を送っていたのです。そんな息の詰まるような日常のなかでも、恋人である日向との小さな幸せを掴みたいという思いが、彩人のかすかな希望でした。しかし、大和の結婚を祝うつつましくも幸せな宴会が開かれた夜、思いもよらない暴力によって、彼らのささやかな日常がもろくも奪われてしまうのです。
●解説
彩人の苦労がいつか報われてほしいという淡い期待は打ち砕かれ、事態は悪い方へと向かいます。現実世界もまた同じように理不尽で、不条理だからとでも言いたげな展開です。でも不遇続きの彩人を人生の敗者として描いてはいません。とっくに押しつぶされていてもおかしくないのに、彩人はたまに達観した態度で哲学的なセリフを吐くのです。納得できないことには毅然と筋を通してしまうこと。それがあだとなるのですが、強く、気高い人なのです。その存在感は物語から退場する後半に、より際立ちます。
後半には、総合格闘技のタイトル戦に臨む弟・壮平に焦点が移り変わります。長回しで捉えた肉弾戦のシーンはほの暗く、乾いたタッチの前半と打って変わって、目もくらむ明るさ、むせ返る熱気です。
彩人が望んでもかなわなかった若さと感情の発露として、壮平が屈強な肉体をリングで躍動させます。共演シーンこそ多くありませんが、磯村と福山が魂のバトンをつなぐ兄弟役を対照的なアプローチで演じました。弟が兄の人生を内在化したように、兄もまた亡き父親を慕い、面影を追いかけていたのです。心の中にいる絶対的ヒーローの存在、その鮮やかな交代劇は、爆発的なエネルギーが渦巻く内山監督の「佐々木、イン、マイマイン」とも通じます。
日本を含めて四つの国と地域による共同制作。異論を力で封じ込める風潮や、前世代のツケを払わされることへの次世代の怒りが伝わってきます。国や言語を超えて共感を呼びそうなメッセージも声高には訴えません。フラッシュバックか。妄想か。時折、遊び心のある演出が差し挟まれて、後味も意外に軽やかです。
●主演磯村勇斗について
インタビュー映像で、主演の磯村は、介護や家事を日常的に担う「ヤングケアラー」を演じる磯村は「社会の理不尽さなど、日々感じることとリンクすることが多い」と撮影を振り返りました。
磯村はこれまで、知的障害者施設の殺傷事件が題材の「月」、特殊性癖者の孤独を描いた「正欲」など、近年、社会の問題を突く作品で難役に挑んできました。本作で演じる彩人は、若くして家族の呪縛にとらわれ、貧困と母親の介護負担にあえぐ。夢も等身大の幸せもあきらめ、生きながら死人のようです。「親の介護以外に意識を持っていけない。ただ息をすることしかできない。そこは彩人をやるうえで優先したところ」SNS社会で自己表現の場は表向き増えたように見えるが、「何かしたくてもできない。声を上げられないというところは結構、今の時代にマッチしている」。と語ります。
俳優デビューから10年。作品ジャンルや主演、助演を問わない活躍ぶりですが、当初は脚光を浴びる同世代の活躍に焦りを感じていたそうです。「なぜ俺はそこにいないんだろうと思っていた。すごいな、なんか、むかつくな。自然と生まれるハングリー精神みたいなものは絶対なくしてはいけない」と強調します。自身の俳優としての強みを「普通なところ」と言いきります。「白いパレットでありたい。様々な色をのせて、作品ごとにカラーが変わっていく。普通は僕にとってはうれしいこと」
そういう点で本作の彩人が抱える苦悩と希望の複雑な心境を磯村は演じきっており、当たり役になっていたと思います。
●感想
ただ率直に言えることは、母親の介護とか貧困、将来有望だったサッカー選手としての挫折、彩人のまっすぐな正義感、それに弟・壮平の総合格闘技選手としてのサクセスストーリーが絡んで詰め込みすぎで、何を伝えたいのか主題がぼやけてしまいました。
そして時折挿入される登場人物が拳銃で自殺を図るシーン。これも誰が妄想しているのかすらわからなく、唐突に挿入されるので混乱しました。まるで『ジョーカー2』みたいです(^^ゞ
それに加えて、本作での警察への反感が異常なくらいの描かれ方をしているのです。
劇中彩人が遭遇する通行人の若者への職質質問が以上にしつこく、人権無視な対応として描かれています。疑問を感じた彩人が警官に詰め寄ると、問答無用で無関係な彩人まで逮捕されて警察署まで連れて行かれるのです。
それだけではありません。別な日によぱっらいにからまれて大けがを負った彩人に対し、たまたま現場に駆けつけた先日と同じ警察官は、なんと彩人を介抱もせず、病院にも連れて行かず、ただ警察署に連行するだけでした。
警察に対する余りの権力乱用な描かれ方に驚きました。監督は余程警察に恨みを持っているようです。
上映時間 :119分
劇場公開日:2024年10月11日
演者の力では作品の酷さはカバーできない、最大の戦犯は上映館だ😡
自宅介護の実態を全く理解してない脚本、冒頭からその薄っぺらさが瞬時に分かる。万が一分かっていたなら自宅介護者への冒瀆で指摘したらキリがない。ネグレクトでない自宅介護に献身した主人公(と思ってた)は中盤で呆気なく死亡、その顛末の酷さは他の方のコメント通り。そこから荘平が父の記憶とともに突如メインになり長回しの格闘シーン展開には全く付いていけないし、勝ち負けも何か意味があったのか。ラストの2人の警察官の処理は観客の溜飲を下げるサービスのつもりなら火に油でふざけすぎだし、何日経ったのか不明だがひなが母親と食事してる→面倒見てるならムリ→要介護5クラスを看護婦といえどヘルパー等無しでワンオペ出来るわけないので。
磯村、岸井、染谷など中堅ところを集めて演者は良かったと思うが、鶴も掃き溜めでは泳げない見本です。監督、脚本とも若い方はもっと社会勉強してください。何より新宿P館、ふざけるなです。
発想、題材は興味深いのに勿体ない
若くして母親の介護をしながら苦悩の日々を描いた今作。
磯村さんの熱演が堪らない。
献身的に支える恋人役の岸井さんも流石の一言。
しかし、残念なのが、警察への描き方があまりにも、、、
そのせいでたのシーンのインパクトだったり心情が非常に薄れていった。
この映画の伝えたかったのは警察ではないとは思うのだが。
そのまま王道で進めたパターンが見たかった。
あまりに共感しづらい
まとまりのない群像劇とでも言おうか。
要するに何だったのか、とにかく分かりにくいという印象しか残らない。観る側に解釈を委ねるというニュアンスなのかどうかすらよく分からないほど、この物語の主軸を定められなかった。つまり本来この作品の主題である「何が彼を殺したのか?」に対する解答を僕は最後まで見つける事が出来なかった。
彩人の死によって途中で主人公が弟へ交代するというアイデア自体は決して悪いとは思わないが、結局それが映画に何をもたらしたのか僕には正直あまり伝わって来なかった。もちろん僕の読解力の責任でもあるが、とは言え弟の背景がほぼ描かれていないので、そもそも感情移入出来るわけがない。なので後半は主人公が交代すると言うよりも主人公不在のまま話が進んだだけなのでは、と言わざるを得ない。だから主人公を交代させた意味は結局何だったの?となるわけだ。
最後の格闘技も、ワンカットで撮るという大胆さで素晴らしいシーンだったとは思う。ただその生々しさや迫力が映画をより「高み」へと導くという役割をまるで果たしてないように感じられた。ワンカットであろうかなかろうが、そのシーンが映画の中で効果的に生かされなければ何の意味もないわけで、もしかしてワンカットで撮る事自体が「目的」になってしまったのではと感じた。この映画のこの場面でこの長回しの格闘技シーンは本当に必要なのか?とさえ思ってしまうほど意味が全く見出せないのだ。だから非常に素晴らしいシーンであると同時にとても残念なシーンであるとも言える。でもこれだって要するに弟の人物像をしっかり描いてないからこういう事になるのではないか。
各登場人物も一人一人を見れば良かったとは思うが、基本的に描写や表現が少な過ぎて個々の人間性や心の動き、それぞれの関係性などが分かりづらく、想像するにしても振れ幅があまり大きいためひたすら戸惑ってしまう。例えば彼女が食べ物を吐くシーンも過食なのか妊娠なのかよく分からない。また母親をどう描きたかったのか、難病や貧困や介護の問題、父親の存在が兄弟に与えた影響、兄弟間の葛藤、友人との絆、それら全ての描写に何らまとまった方向性を見出せず、非常にストレスが溜まる形になったと言わざるを得ない。
そして何より警察官の対応や事件の処理の仕方などリアリティに欠ける表現がさすがに限度を大きく越えていて、それ以降の話がどうにもこうにも入って来ない。この作品に限らず意外にありがちだと思うのだが、世の中の「悪意」というものを表現する際に誇張が過ぎると逆効果というか「そんな事あるかい」とすごく冷めてしまうのだ。デフォルメの全てがいけないとも思わないが、少なくともこの作品においては彩人の死に直結するエピソードだけに、警察官との絡みはリアリティがとてつもなく重要ポイントだったはずだ。なので途中からすっかり気持ちが離れてしまったのは否定出来ない。
ただ唯一、彩人の死後に親友の大和が警察署へ出向いて警察官を問い詰めるシーン。「人なんて曖昧で不確かなものですよ」「だから信じるんですよ」このやり取りは良かった。これがこの映画のハイライトかなと思う。またチャンピオンになった弟がお店のカウンターで茫然と佇むラストカットもとても良かったと思う。ただこれも直前の格闘技シーンがいまいちハマってないから結局あのラストが生きて来ないのだ。本当はもっと圧倒的に良いシーンに出来たはずなのに。
それにしても群像劇がまとまる事なく最後までバラバラだと、結局何がしたかったん?となってしまう。改めて言うが僕の読解力の問題も否定は出来ない。ただ公平に見ても非常に伝わりにくい作品だと言うしかないだろう。基本的に監督は観る側に媚びたりせず、思うように好きなように作れば良いと個人的には思っている。とは言えただの「自己満足」になってしまってもいけないと思うのだ。
ああ無情
2点台は滅多につけないんですが……
認知症の母を抱えて生活が苦しく、夢も諦めてそれでも何とかギリギリ生きている青年に、次々と不運が重なる話。
表現したかったことは分からないでもないですが、観る側は、それで?と思います。
ドラマティックな悲劇というより、生活感のある災難が続きますがリアリティに欠けるから、共感できません。警察に怒られそう。何でも食べてしまうのに、テーブルの上に食べ物や調味料を置きっぱなしにはしないですよ。映像もわざと不快な感じにしてますね。
大変な役を演じた磯村勇斗さんと霧島れいかさんにはお疲れさまでしたと言いたいです。
カラオケの選曲、あれは無いですね。歌ってる場合じゃないところで敢えて歌うなら、私だったらTRAIN-TRAINにするかな。それとも、昔みんなで盛り上がって歌った曲。あの歌よりはリアリティがあると思います。
若い監督が撮ったとは思えない古さ
陰々滅々とした話が延々続く。ツッコミどころだらけ。
不幸ばかりに見舞われる一家が主人公だが、被虐的な演出が過剰では
露悪的でもあり、若い監督が撮ったとは思えない昭和的な古臭さを感じました。
自分を抑えて恋人とその家族に尽くす日向、恋人が死んでもまだまだその家族と家に尽くすんだ、日本の伝統的家族制度の「嫁」ですか。こんなところも古い。
神奈川県警のあれはヒドイ
住民の通報があったなら目撃者だっているだろうし、なんで救急車を呼ばないのか、どこに連れて行こうとしたのか、何がしたかったのか、町中には防犯カメラだってある。検死すれば死因も明らかになるし、それら全部をもみ消せるっていうことですか?
世間では「神奈川県警」といえば〇〇と言われているけど、神奈川県警から苦情来なかったんだろうか
ほぼ動きのないひとつのシーンが長回しで延々続く、それが多用され、視線の先になにがあるのか、次にどうなるのか、なかなか表れなくてフラストレーションが溜まる。そのくせ、肝心なことを明らかにするかしそうな場面は一瞬でぱっと切り替わる。これ、監督的にはスタイリッシュなのでしょうか?
あんな母がいるのになんで公的扶助を受けないのか
母の病気は何なのか、いつからなのか、きっかけはあるのか
アヤトは難病らしいがどんな病状なのか
父親は退職金その他をどうしたのか
父親はなぜ死んだのか
スナック花火の血まみれの床を見て、なぜ誰も何とも思わないのか
などなど、疑問と不可解と不明解ばかりなのに説明がまったく足りていない。
ツッコミどころも満載。
後半、唐突に弟主観の話になり、それまで弟をほとんど掘り下げてないのに唐突すぎて今までのは何だったんだろうと思った。
そして、予想はできたが格闘技の場面を延々と編集なしワンショットで見せられる。
なんとか最後まで見たが苦痛だった。
今後、内山拓也監督の映画をみることはないと思う。
映画ならではの良さ
9:25から観ました。観ようかどうか迷っていましたが、王様のブランチの映画コーナーに、磯村と岸井が出てて、感じが良かったので観ました。レビューの評価が良くないので、あまり期待していなかったのが、良かったのか、映画作品として、良かった!自分の母親の介護などテレビで、描ききれないところが秀逸です。親の介護はとても大変です。特に認知症があるとものすごく大変。私も母親の介護を経験してるので良く分かります。結局私は施設に入れましたが、本作は、磯村が精一杯面倒をみている姿に感動しました。警察の対応は良くないが、ありそうな感じが描かれている。暴力はいけないというメッセージが感じられました。岸井が素晴らしい!こういう彼女がいると救われます。染谷の演技も良い。格闘シーンもgood!やっぱり映画はいいね~観て損しない作品です。
傑作になり損なった凡作?
映画鑑賞中から???だった点を順不同で書いてみた。
①若い方の警官が良心の呵責から告発、或いは最低限の再調査を行うように警察内部での問題化、もしくは遺族に上司の隠蔽のことを教える等の行動はなにもしないまま?
②①がなかったとしても、医師の判断で彩人の飲酒量の検査結果や酒瓶による傷であることは分かるから司法解剖になりませんか?
(あの警官二人はそれをもみ消せるほどの大物ではまったくない!)
その結果、あのカラオケスナックでの調査が本格化するのでは?
③父親が「誤認逮捕で責められたことを苦に自殺」(という理解で合ってる?)という経緯があったことから、彩人の家族にとって警察は悪代官のような存在=滝藤賢一はその象徴のように描かれていたが、この警官が本当の悪者である3人を放ったらかしにしてまで救急車を呼ばない理由がまったく理解できない
④いやいや、この映画のテーマは警察の闇を浮き彫りにすることなんかではなく、もっと深い社会派ヒューマンドラマじゃなかったっけ?
不運な境遇にあっても、心はとっくに絶望でほとんど折れているのに、それでも公助に頼ることをせず(もしくは頼る方法を知らない)、自助努力でなんとかしようと真面目に働き、かろうじて生きている人。そんな人に追い打ちをかけるように襲いかかる不幸。
周囲にはそれを支えようとしてくれる人だっていたのに。日向=岸井ゆきのは彼の子を授かるほど愛していたのに(トイレのシーンはそういうことですよね?)。
これでもかというほど徹底的に報われることのない『若き見知らぬ者たち』。
穴だらけの設定は、それなりに意図的なものだとは思うのですが、ことごとく裏目に出てしまった。
そんなふうに感じました。
苦痛であり不快
鑑賞することが苦痛であり、不快でもある。不幸を凝縮したような家族を被写体にしたのは、わずかな幸せの光でも眩しく感じる効果を期待してだと思うが、露悪的というか被虐的な演出が過剰で、ゲンナリする。
中盤終わりで、最大の事件が発生するが、いくらなんでもそれはないでしょ。興醒めするリアリティのなさ。
ラスト20分は、やっと見れるようになったが、伝統的家族観に答えを見出そうとするあたりに、この作品の古さが垣間見える。
前半がとても良かった。 前頭側頭型の若年性認知症の母を諦めた視線で...
前半がとても良かった。
前頭側頭型の若年性認知症の母を諦めた視線で懸命に介護する息子。
辛さを一人で抱えて、昼夜働いて頑張っている。
お金がなければ介護サービスも使えない。家族で介護するしかない。
幸せになって欲しいと願いながら観る。
中盤、理不尽な暴力に晒される。
これについては他の方も書いてるように胸糞が悪いの一言。映画館で叫び出したくなるほどの胸糞の悪さ。
ここからはだいぶツッコミたくなることのオンパレード。
弟の試合のシーンは格闘技に興味のない私は長いと感じた。
それでも私はこの映画を観て良かったと思った。
舞台挨拶にて鑑賞 テーマ、ストーリー共に重い重い。 途中で帰りたく...
舞台挨拶にて鑑賞
テーマ、ストーリー共に重い重い。
途中で帰りたくなったくらい胸糞悪かった。
お母さんを施設になんで入れないのかずっと分からなかった。
生半可な気持ちで観に行く映画ではなかったなと後悔。面白くない映画ではないけどどんよりした気持ちで帰りました。
覚悟して観に行った方がいいかな…。
ご都合主義。だから、撮り手の撮る動機の浅さが分かる。
非支持。
出た、これぞご都合主義。
思い当る世の不幸要素を主役周りに並べ置き、
不埒な酔客と悪徳警官を偶然に最適時に会わせる。
野暮を言うが、
家にその症状の病人が居るなら、
食材と卓上調味料は毎回全部片付けるだろ。
そういう脚本と描写の浅さから、
撮り手の撮る動機の浅さが分かる。
取って付けたかの拳闘試合長回しも宙に浮く。
次作には期待。
わかりにくいのがもったいない
悲壮感漂う予告から話の結末が気になり、公開2日目に鑑賞してきました。予想どおり観客はまばらでしたが、それも頷ける感じの作品でした。
ストーリーは、病気で自身の行動も制御できない母・麻美と格闘技で頂点を目指す弟・壮平の三人で暮らす青年・風間彩人が、母の世話をしながら昼は工事現場、夜はカラオケバーを経営して生計を立てる一方、母の不始末の謝罪と弁償に奔走する毎日を送っていたある日、バーに現れた理不尽な客とのいざこざから事件に巻き込まれてしまうというもの。
こう書くと事件ドラマに思えるかもしれませんが、そういう類の話ではありません。全方位にわたって救いのない彩人の生活が、序盤から終盤に差しかかる頃までずっと続き、とにかく胸が苦しくなります。こんな生き地獄のような生活の中で、人間らしさをかろうじて失わない彩人の姿が沁みます。理不尽な職質を受ける若者を見過ごせずに警官との間に入ったのは、警官だった亡き父の「あらゆる暴力から自分の範囲を守るんだ」という教え、その父が誤認逮捕を犯してしまったことから狂い始めた人生を思ってのことでしょうか。
また、母への接し方にも胸を締めつけられるものがあります。スーパーの商品を勝手に持ち帰る、近所の畑を荒らす、台所にさまざまな物をぶちまける、しまいには水道を出しっぱなしにして水浸しにするといった奇行を繰り返す母。実の親でも殺意を感じるレベルの壊れ具合を見せる母に対して、怒りをぶつけることなく穏やかになだめる彩人の姿には、優しさを通り越して、心を無にする諦めの境地が見て取れます。途中で描かれる自殺を思わせるシーンは、その表れでしょう。
そこへ追い打ちをかけるような酔っ払い客、さらに理不尽な警察の仕打ちに、はらわたが煮えくり返る思いがします。友人の大和が詰め寄るも、保身を図ってのらりくらりの対応を見せる腐った警官と警察組織に吐き気がします。壮平と仲のよい警官が辞めたのも、そのあたりが理由なのでしょうか。
本来なら、そんな彩人と支え合わなければいけないはずの壮平さえ、彩人との確執もあり試合を優先して自宅を離れます。格闘家の彼も、父の教えを受けてリングに立ったように見えますが、本作における存在意義がイマイチ見出せません。壮平は辛くもベルトを手にしますが、彩人を亡くした今、暴力ではない格闘能力で彼が守ったものは何だったのでしょう。とはいえ、タイトルマッチでのワンカット長回しのファイトは圧巻です。普段は格闘技を見ることがないので余計にそう感じたのかもしれませんが、福山翔大さんの役者魂がビンビン伝わる迫真のファイトが秀逸です。
ただ、全体的には悲壮感が漂うばかりで、本作のテーマがどのあたりにあったのかはよくわかりません。彩人と壮平がそれぞれの信念に基づいて“自分の範囲を守る”ために奮闘する姿を通して、現代の若者が抱える悲しみや怒りを描こうとしたのでしょうか。だとすると、回想シーンから父への尊敬や思慕を感じさせるものが少なすぎたように思います。いずれにせよ、悲惨な末路への切なさと理不尽な暴力への胸糞の悪さが印象的な、苦味の残る作品です。
主演は磯村勇斗さんで、これまでの役とは異なる抑えたトーンが印象的です。脇を固めるのは、岸井ゆきのさん、福山翔大さん、染谷将太さん、霧島れいかさん、滝藤賢一さん、豊原功補さんら。中でも、霧島れいかさんの壊れっぷりが凄まじいです。
全78件中、21~40件目を表示