劇場公開日 2023年11月3日

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私がやりましたのレビュー・感想・評価

全116件中、1~20件目を表示

3.5サン“ライズ”大通り

2025年4月21日
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本作監督のフランソワ・オゾンはゲイである。故に女性一般に対しあまり好感を抱いていないのが普通だ。が、トランプ大統領就任までの映画界は、ハリウッドはもちろんEUでこさえられた作品もほとんどLGBTQ礼賛一辺倒で、私が記憶しているかぎり、フェミニズムに反旗を翻したのはこのオゾンとヨルゴス・ランティモス、そしてルカグアぐらいのものだろう。特に本作の監督であるオゾンの場合、過去作の中でバチカンの“幼児性愛”体質を攻撃した映画も撮っており、優男の風貌からは想像もできないほど強気な監督さんなのである。

私が初めてオゾン作品にふれたのは確か2003年公開の『スイミング・プール』だった。創作に行き詰まった女流作家が、編集長の別荘で夢とも現実ともつかない経験をするミステリアスな展開が魅力の傑作サスペンスである。劇場の隣席で、ランプリングのオール“熟年”ヌードをご覧あそばして「すごいわねー」と口走ったオバサンには絶体にわからないオチが、『スイミング』には隠されている。すべては編集長が仕組んだ“やらせ”だったのだが、主役のランプリングを含む女性の軽率な行動をせせら笑った、ゲイ監督ならではのエスプリが実に効いていた作品だ。

評論家の皆さんがこぞって指摘しているとおり、この法廷劇の狙いはまぎれもない#ME-TOO運動批判であろう。やってもいない殺人を自分がやったと自白して世間の注目を浴びる、売れない女優とその友達の弁護士が仕掛けた“炎上商法”を、クラシカルなコメディタッチで描くことにより、その“毒性”はかなり中和させられている。しかし、おそらくレズビアンだと思われるこの女性2人に向けるオゾンの目線は実に冷ややか。

この映画、フランスの古典演劇やビリー・ワイルダー監督『深夜の告白』にも言及されているらしいのだが、すっかり売れっ子に出世していた女優のもとに訪ねてくるユペール演じる老女優をご覧になって、皆さんはある傑作サスペンスを思い出さなかっただろうか。同じビリー・ワイルダーが監督し、デヴィッド・リンチをはじめとする名匠たちがオマージュを捧げている『サンセット大通り』である。

サイレント時代には名声をはせたが、トーキー全盛になってからはすっかり忘れられ存在になっていた元大女優の設定が、グロリア・スワンソンが演じた『サンセット』の主人公にクリソツなのだ。その現実を受け入れられず、浮気した若い脚本家を思わず撃ち殺してしまう元大女優。ユペール演じる老女優もまた、自分の存在を無視して、若いパツキン女優をレ○プしようとしていたプロデューサーをどうしても許すことができなかったのであろう。

結局は、(女性を中心とした)世間の同情を浴びて“無罪”を勝ち取った女優たちの姿が、ワインスタインをハリウッドから追放することによって注目を浴びた(売れない?)女優たちと重なった方も多かったのではないだろうか。ラスト、ゴシップカメラマンの炊くフラッシュを浴びながら狂気のサロメを演じ続けたスワンソンとは対照的だ。もはやDEIの巣窟と化して治療不可のアイビーリーグに引き続いて、ハリウッドにもトランプのメスが入るのか。それを楽しみながら心待ちにしているオゾンの姿が目に浮かぶ。

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かなり悪いオヤジ

5.0こんなに笑えるコメディが撮れるなんて

2025年4月16日
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フランソワ・オゾン監督といえば、シリアスでエロティックなサスペンスを作る人というイメージだ。そんなに多くの作品を観ていないので間違いかもしれない。いや、本作を観れば間違いだったと言わざるを得ない。

元々オゾン監督はそんなに得意ではない。しかし、この作品がポップなコメディに見えたから鑑賞した。
事前に「軽そう」と思っていたとしても驚くほどにコメディで、驚くほど笑えた。

特に予審判事のシーンはぶっ飛んでる。この人の言っていることのメチャクチャさといったらない。
一応、本人は真剣だというところも笑える。

少し古い時代の物語で、女性が立ち上がって当時の社会の常識に抗うという意味ではオゾンらしいともいえる。特に必要ではなさそうな女性のヌードシーンもあり、これもオゾンらしい。
そういった視点から見れば、元々自分が考えていたオゾン像とそんなに違わなかったのかもしれない。ただ、こんなに笑えるコメディが撮れるとは思ってなかっただけで。

割とシュールなコメディが多い印象のフランス映画の中にあってストレートに笑えたというのも良かった。
今年のベスト、とまではいかなくとも、それに準ずるくらい面白かった。

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つとみ

5.0これビックリ!!!

2025年3月29日
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興奮

知的

見始めは単なるアンティークムービーへのオマージュかなんかかと思ったら、一級品のミステリーラブロマンスであった。とにかくシナリオが秀逸。俳優陣もみなチャーミングで映画愛満載の作品。欠陥が全くない。オシャレで華麗。しかもこのコンパクトさ。映画におけるありとあらゆる技法が詰まっている。一見難しいような展開もあれよあれよと物語が回収されていくのである。もう魔法と言って良い。これはひとえに監督の技量に帰すところが多いのだろう。

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mark108hello

4.0楽しく鑑賞できました。

2025年2月21日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

有名プロデューサー殺人事件に絡み、強かに生きる女性達を描く物語。

ミステリー・・・ではなく、ミステリーテイストのコメディです。
着せられた殺人の嫌疑。そんな中で、まだ社会的弱者だった女性達が逆転を狙います。
強かに、しぶとく、狡猾に・・・それでも女性らしく軽やかに。

彼女達の挑戦が軽快で明るく、観ている側も楽しくなってきます。

やや後半失速した印象がありましたが、私的評価4は付けられる佳作だったと思います。

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よし

コメディが主旋律?

2024年10月18日
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鑑賞方法:映画館

 じんわり滲み出る可笑しみと背中合わせにある人生の苦みを巧みに描くフランソワ・オゾン監督の作品です。売れない女優が「たとえ無実の殺人罪を負わされても悲劇の主人公として有名になりたい」と罪を被り、売れない女性弁護士がこの茶番劇で名を挙げようと奮起するお話。しかし、主人公らの捻じれた承認欲求を軽やかに描くクスクスのコメディ的要素が主旋律で、途中から「あれ?これまでと違うぞ」と少し戸惑ってしまいました。ちょっと意外な口当たりです。(2023/12 月 鑑賞)

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La Strada

3.0可愛くてお洒落ですが、他は特にありません

2024年10月3日
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単純

幸せ

出てくる女性がみんな素敵で、衣装も全体の色のトーンも統一されていてとてもお洒落でした。

が、私は違う作風のオゾン作品の方が好きなので、ハッピーエンドの今回は普通でした。

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YOTSUBA

2.5おされでした

2024年9月27日
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単純

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てらちと

3.0ちょっと会話劇すぎたので眠たくなっちゃいました

2024年9月24日
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ちょっと会話劇すぎたので眠たくなっちゃいました

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zzzzz

3.0女性の強さとたくましさ

2024年9月9日
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この時代から女性はたくましく強い。
到底男達がかなうわけがない。

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上みちる

3.5上手いのは誰?

2024年8月8日
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りか

4.0一言「愉快愉快」

2024年7月30日
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1935年、まだ女性の地位が低かった時代を舞台した
「犯罪✖️裁判✖️コメディ」。

売れない女優と友人の弁護士が、注目を浴びるために手を組んで。
「私がやりました」と告白する@大物プロデューサー殺人事件。
えええ? 女優ですから嘘も簡単に言える。

その女性達に振り回される、周囲の男性達だったり。
「実は私がやったのよ、私も注目を浴びたい」と言い始める、
かつての大物女優。ええええ!と忙しい。

ユニークなのが、殺人等の回想シーンは「トーキー」風になってて。
こういう見せ方もあるのねと。

わちゃわちゃのようでいて、随所に笑える箇所もあって。
気楽に見れました。

⭐️今日のマーカーワード⭐️
「まだ誰か殺すの?」

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ゆき@おうちの中の人

3.5裁判官が自ら取り調べを行うなど違和感があったが、1935年のフラン...

2024年7月26日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

裁判官が自ら取り調べを行うなど違和感があったが、1935年のフランスという設定か。
裁判で不適切な発言が飛び交ったり、有名になるためにやってもいない罪を被ったりと、ツッコミどころはあるが、作品自体が軽いノリなので楽しめた。
建築業の男、見るからに好色そうだが意外にも奥さん一筋というのは好感が持てた。

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省二

3.5皮肉たっぷりで笑える

2024年7月24日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

楽しい

知的

 1935年、フランス。大物映画プロデューサーが殺される。新人女優のマドレーヌが容疑者となり、彼女はセクハラから身を守るためと主張。親友で弁護士のポーリーヌと裁判にのぞみ、無罪を勝ち取る。悲劇のヒロインとして有名女優となったマドレーヌと、敏腕弁護士となったポーリーヌ。しかし、往年の大女優オデットが二人に近づき、真犯人は自分だと言う。
 皮肉たっぷりの笑えるコメディ。オデットの大女優っぷりや、アンドレのボケ御曹司も楽しい。
 「シモーヌ フランスに最も愛された政治家」にも出ていた、レベッカ・マルデールが良い。

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sironabe

4.0僕の天職は君を愛する事だ

2024年7月23日
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おされなフランス映画。軽妙洒脱でテンポ良く多種多様な一癖ある人々が一つの殺人事件に振り回される。
俳優陣も魅力的でほんと軽ーい。そんな気分で見たかったのでちょうど良い感じ。で、誰が殺したの?

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GAB I

3.5ポーリーヌあれさ

2024年6月9日
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オシャレでキッチュで色々誤魔化されるが、ちょっと「いいのか?」という気持ちにもなる。

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mikyo

3.5想像の倍面白かった!

Kさん
2024年5月4日
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舞台は1930年代のフランス。
街並みとファッションの美しさに釘付け。
女性蔑視問題をコメディタッチで描いているのでライトに鑑賞できる作品。女性は賢く強い!最後、男達の失脚ぶりといったら…。おまぬけさん達の集まりでツッコミどころ満載ですが、大事な男女の社会問題にしっかりと触れています。
昨年の作品ですがやっと観ることができました。まさかこんなに面白いとは!

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K

4.0主役2人の女優が実に魅力的なクライム・コメディ

2024年4月7日
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楽しかったです。
初めから、タイトルも音楽も、いかにも古ーい映画と見せかけて、
中身はとっても現代的。
『22年目の告白-私が殺人犯ですー』の題名の映画もありますが、
似てるのは真犯人ではない所だけで、またぜんぜん違うアプローチ。

はじめにも書きましたが、新人女優のマドレーヌと親友の弁護士の
ボーリーヌ役の2人がフレッシュで美しくて大満足。
二転三転するストーリーに目を白黒させて見入りました。

半ばでやっと大御所イザベル・ユペールが登場。
近年、お上品な役も多い彼女が、毒々しい化粧と衣装で現れて、
「殺したのは私よ!何さ、あんたたちだけいい思いして・・・」と、
乱入してきて、ますます複雑になります。

終わってみれば、女性の地位の低さを痛烈に批判してるし、
知恵と話術や才能で運命を切り開く、
溜飲下がる映画でした。

フランソワーズ・オゾン監督の多才さ‼️
一つとして同じテイストの映画はありません。
大満足の一本でした。

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琥珀糖

3.5新聞に載っちゃうよ

2024年2月19日
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笑える

楽しい

TOHOシネマズシャンテでフランス映画「私がやりました」を。

1935年を舞台にしたコメディ!想像のパートをモノクロにしたり、真犯人が後から現れてバタバタしたり、ひねりが効いていてなかなか面白かった。現代なら弾道検査で犯行に使われた銃かどうかはすぐ判るもんね。
内容はネタバレになるから控えるが、このヒゲオヤジは見たコトがあるよなと思っていたら「パリタクシー」のドライバーだったダニー・ブーンで、主演女優は「悪なき殺人」のナディアでした。年を取ったせいか最近の仏俳優(フランスだけではない)の名前と顔が覚えられない。覚えられないだけではなく、昔の俳優の名前が出て来ないのは困ったもんだ。
クレジットでアメグラ風に出演者たちのその後が新聞で出る。文字でこうなりましたと出るのはよくあるが、新聞記事なのが面白い。

余談だが、フランス映画なのに字幕が松浦美奈だったのにビックリ。フランス語もやるんだ!

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Mr.C.B.2

1.0オゾン監督

2024年2月12日
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って時々ふざけて観客馬鹿にしてると思う

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michi

3.5倫理観の違い?

2024年1月29日
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楽しい

おしゃれでユーモアがある。
女たちのたくましさも痛快でした。
セクハラを逆手にとって、のしあがるとは大したものです。
殺人をかえせという往年の女優が出てくるのは意外な展開で、その濃いキャラクターも面白かったです。
女優さんたちは皆美しく、迫力もありました。ただ、一応ろくでなしとはいえ人が殺されたのに、それをネタにみんながハッピーエンドになるという展開にいまいちのりきれませんでした。
フランス映画のコメディって、うーん、これ笑っていいのか?というモードになる時がありますが、このときもそうでした。
面白いけど、倫理観がちょっと違うのか、手放しで笑えなかったです。

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ナイト