「二部作併せて、今年の“絶対”の一本」デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
二部作併せて、今年の“絶対”の一本
さあ、後編。
アニメでこれほどのインパクトと衝撃は『まどマギ』以来。
謎、伏線、そしてどう展開していくのか。
U-NEXTで独占見放題なのが有り難い。
大学生になった門出やおんたんたち。
石川県から上京してきたふたばやマコト(前編ラストに登場した二人)と出会い、仲良くなる。ふたばは熱心な侵略者擁護派。
オカルト研究部に入部。部長の尾城ら個性的な面々。
一方で門出は高校時代の担任・渡良瀬と交際中。前編でのやり取り、マジだったのか…!
和気あいあいな日常は変わらず。
しかし、その上空には…。
都内で侵略者の目撃・出没が相次ぐ。侵略者たちのコミュニティも発見。
自衛隊が駆除。前編ラストで攻撃を受けたおびただしい数の侵略者が落下していく様は衝撃だったが、無抵抗の侵略者たちが次々撃たれ、緑の血を流して殺される様も残酷。これは、正義なのか…?
来る万博に向けて造られた新国立競技場。その内部で蠢く政府の陰謀…。“方舟”とは…?
小比類巻をリーダーとする“青共闘”が侵略者狩りを。情けナシの残忍さで、政府転覆も狙う過激派グループ。
平凡な日常の中で、非日常の事件も続いていた。
そんなある日、母艦から煙が立ち登り…。
登場人物が増えた…と言うより、前編では顔出し程度だったキャラが本格的に物語に絡むように。
ふたばやマコトらとの交流。政府の陰謀。小比類巻の暗躍。侵略者側のドラマも。より群像劇スタイルに。
中でもキーとなる人物が。
前編にも登場した謎の少年。突然おんたんの部屋に。
8・31で消息不明になった門出がファンだったアイドルグループの大葉そっくり。
大葉本人ではなかった。重体の侵略者が同じく重体の大葉の身体に“移植”。くしゃみをすると顔がズレる。
おんたんの部屋に居候。見た目がそうなので“大葉”と呼ぶ事に。
穏やかな性格で自然と打ち解ける大葉。部長やマコトも知るようになる。やはり侵略者は悪い奴ではないのか…?
敵視しているのは一部の、政府などの大人たちや小比類巻ら過激派。
侵略者を感知するアプリ。コロナでもそんなのあったような…。
おんたんと交流を深めていく大葉。母艦の煙や来訪の目的も教える。
母艦の煙。母艦の動力源が低下し制御不能となり、やがて落下。大爆発を起こす。その時の被害は予想も付かない…。
何故侵略者は地球に…? かつて地球は侵略者のものだった。今は人間が…。『ウルトラセブン』の「ノンマルトの使者」みたい。
それはまんざら嘘ではないようだ。
大葉が小比類巻から助けた侵略者。割れたヘルメットから見えた顔は人間そっくり。
その侵略者から託される。母艦の爆発を止められるのはお前だ、と…。
ある道具でおんたんの“過去”を見る。あの小学生時代の門出とおんたん…。
大葉は確信する。おんたんは…。
部の夏合宿。そこは小学生時代、門出とおんたんが友達となり、侵略者と出会った海辺の町。
夕暮れの海辺を、おんたんと大葉二人で。
二人の間に芽生える…。
おんたんが夜居なくなる。記憶が甦ったのか…?
マコトと共におんたんを探す。マコトにも“過去”を見せる。
いや、正確には“過去”ではない。おんたんは、別の時間軸から来た人物だった…!
まるで『魔法少女まどか☆マギカ』のほむら。ほむらはまどかの運命を変える為だったが、おんたんは門出を救う為。
あの時、門出は飛び下りて死んだ。
侵略者の能力でも死者を生き返らす事は出来ない。時を戻す事も出来ない。
が、別の時間軸に移動する事は出来る。
それによって移動した時間軸で何か起きるかもしれない。それを受け入れる覚悟はあるか…?
それでも…。
事情を知った(まだ痩せてた)おんたん兄が背中を押す。運命を変えろ。
そしておんたんはこの時間軸にやって来た。
門出からの出会いからやり直し。死なずに、共に高校~大学。高校時代の担任と恋してる。
また門出と出会えるなら…。門出が幸せなら…。
門出はおんたんの絶対。
おんたんは門出の絶対。
門出は渡良瀬が好き。門出はおんたんが好き。
おんたんは門出が好き。おんたんは大葉が好き。
大葉はおんたんが好き。
守る為に、大葉は決心する…。
母艦の爆発を防ぐ。
爆発したら、東京~日本どころか、地球が壊滅状態に。
しかし、敢えてそれをしようとする異常者が。小比類巻。
侵略者だけじゃなく、邪魔な人間も殺し、政府らも手玉に。世界が壊滅した後、新たな世界の支配者になる。
世界中の上空にワームホールのような穴が開き、そこから巨大な手が…! 『エヴァ』のような黙示録的光景…。
その“手”の影響か、世界中に謎の泡が降り注ぐ。それに触れると、即死。
人類終了のカウントダウン。
政府の一部の者は“方舟”に搭乗。総理も見捨てられた。偉そうにしているクソ野郎どもに。
立ち塞がる小比類巻。
大葉は間に合い、阻止する事が出来るのか…?
門出やおんたんたちは…?
女子高生たちの日常と上空に巨大宇宙船が浮かぶ非日常がコミカルかつシュールに並行する世界観から、スケールも展開もスリルも危機もとんでもない事態に…!
こういうクライマックスを迎えようとは…! 全く予想付かなかった。
これはこれで圧倒的で衝撃的。前編は『ドラえもん』だったが、後編は先述通り『まどマギ』『エヴァ』『セブン』を彷彿させる要素。好きなものばかり!
だが、前編の超期待から、大満足・納得したかと言うと…。
人類終了。幾田りらとあのの軽快な歌に乗せて、東京が壊滅するシーンは圧巻であり、異様な高揚感。
が、母艦は大爆発を起こしたが、ギリギリ大葉が防ぎ、最小限に留めたという事…?
しかし哀れ、渡良瀬やおんたん兄たちは…。
満身創痍になりながらも、大葉はおんたんの元へ。そこで終幕。
何か急に大葉が主人公に。門出とおんたんの話ではなかったの…??
生き残った皆や侵略者たちは…? 小比類巻も生き残ったし…。
ちと消化不良や釈然としない部分もあったが、間違いなく今年見たアニメでは“クソヤバイ”ほど“絶対”。
EDの幾田りらとあのの主題歌も余韻に浸れる。
このアニメ映画と原作では結末が違うとか。
Netflixで配信されているアニメシリーズも見てみようかな。
何だかんだ、ハマってしまった。
共感どうもです。
今、配信されている18話バージョンは0話と17話が映画版では全くありません。(0と17話だけ全く違うと言うので配信で見ました)。私が疑問に思っていた門出のパパが登場します。これが有るとラストの意味が変わってしまうのですが、あった法が納得がいくかな。
映画では前・後章併せて4時間しかなかったのに6時間もあるので時間があるときに18話全話観ようかと思っています。