「小難しく考えずに浸るとよい」車軸 ふくすけさんの映画レビュー(感想・評価)
小難しく考えずに浸るとよい
金持ちの潤と真奈美
二人は苦悩を抱えているが、それがどういうものかは最後まで言語化されない。
しかしお互いに、その苦悩が同じものであることを直感する二人を結ぶものは、美しいだけで凡庸なホストの聖也。
潤が最後、勃起しないのは自分の欲しいものが真奈美の中にあることを理解したからであろうか。
ゲイである潤は真奈美に欲情することはできない。
求めるものとセクシュアリティが乖離するすれ違いが美しい。
二つの車輪を同期させていた車軸は失われたのであろう。
真奈美は親の金を蕩尽し、自分を破壊しようと夢見るが、結局親掛りであることから降りられない。
最後に身体を売ることになるのが清々しいのはバタイユっぽくて好きです。
潤はどうなるのか心配。
劇中劇の朗読劇がずいぶん長いなぁと心配になるが、最後のリフレインで回収されてよかった。
水石亜飛夢は老ナルキソスに続く男娼役、女性に決して不快な想いをさせないという原理だけで深いところには届かない凡庸さがよかった。
真奈美と潤が流す涙が、二人が共有したものと、どうしても超えられない壁を思わせ、絶望と喜びが混じり合い素敵でした。
短歌は良いのだが小説でちゃんと読みたい。
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