52ヘルツのクジラたちのレビュー・感想・評価
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良かったに尽きる
花ちゃんの演技が好き
昔から杉咲花ちゃんの演技が好きで、今回も楽しみにしてました!
あぁこういう役も出来てしまうのか、天才だわ…と花ちゃんの繊細な演技に今回もとても満足( ¯﹀¯ )でした。
内容が重いので、メンタル弱ってる人やHSP気質の方が見ると疲れるかなぁと思いました。
西野七瀬ちゃんの役が放つ言葉が鋭くて痛くて、途中私も目を閉じてしまいました。それぐらいキツいシーンが何度もあります。
あとクジラの声が聞こえるシーンで海の中、結構深いところへ居るような気分になるんですが、あれも登場人物の気持ちとシンクロしすぎるとしんどいかな…私はちょっとしんどくなりました。重い。
メンタル安定してる人にはオススメ。
田舎ならではの暖かさも描かれていて、ラストはとても穏やかで良かった。
原作に問題ありと私は思った。
皆さんのレビュー評価が高いので鑑賞してみた。本屋大賞受賞したこの映画の原作は未読である。読んでいないので、私の発言は「トンデモ発言」だが、正直な感想を綴ることを信条としているので、許して頂きたい。
原作を読了した方のレビューを読むと、ストリー自体は原作通りらしい。とすると安吾はなぜそこまで主人公を助けるのか私には疑問に思えてしまう。ただの恋愛感情だけではないのか。他人のSOSは耳に届くけれど、自分のSOSは発しないのか。正直に私は女性であると告白しないのか。母親は許してくれたのに、密告の手紙を送るなんて、私にはただの嫉妬感情に囚われたとしかみえない。と、原作のアラを探してもこのレビューはお門違いだ。
ただ、映画化に当たって原作を改変することは良く行われている。ならば、家庭内暴力と毒親と同性愛に絞って脚本を作ったならばと思えてしまう。娘に医学部進学を強要した母親の実話の本がある。これこそ映画化にしてほしい。私は毒親の方に関心がある。
他の方も指摘しているように、伴奏音楽を付け過ぎだ。クジラの鳴き声と自然音だけでも作品は成り立つと感じる。
それにしても、最近の杉咲花の演技力は素晴らしい。先日、開催された日本アカデミー賞の主演女優賞を彼女に挙げないのか、私には不思議だ。安藤サクラは既に貰っているのに。
昨日見たリトル・リチャードのように、晩年になってグラミー賞だったかな。与えるなんておかしいと思った。
映画化に当たって、作者に支払われる印税は高額ではないらしい。出版社はそれで本が売れれば、良いらしい。私が今までに観た映画で、原作に匹敵するかそれを超えてしまった映画は、極めて少ない。
私が生涯ベスト5にあげている「ベニスに死す」はそのうちのひとつ。原作を削っているし、付け加えた場面も1つではない。数少ない成功作だ。
映画料金に見合う映画だから、観て損は無いと思う。
刺さる人には、刺さる
飲酒シーンが宣伝に見える
誰かを救う事ができる映画
魂のつがい
52ヘルツって高いの?低いの?と調べてみると、
楽器だとチューバの一番低い音らしい。
でも、他のクジラたちはもっと低く、
シロナガスクジラで10~39ヘルツ、とか。
となると、52ヘルツは確かに高く、
他のクジラたちには聞こえない、ということになる。
観た感想は、というと・・・
児童虐待、ヤングケアラーという重いテーマ、
それを背負った、主人公きなこ(きこ)。
でもそんな苦しい状況にいた、きなこ(きこ)を救ってくれた、
心の声をキャッチしてくれたのは、通りすがりのあんご(あん)。
「家族の呪い」から、きなこ(きこ)を解放してくれた。
そんなあんご(あん)を「魂のつがい」かと思ったが、
実はあんご(あん)は性別不合、そしてトランスジェンダーであり、
きなこ(きこ)の幸せを祈りつつも、自身の苦しんでいる心の声は
残念ながら届かなかった。
そして、それは実の母親にも。。
その後、自身と同じように虐待に苦しむ少年と出会い、
その少年の心の声を聴き、守ろうとする、きなこ(きこ)。
そして、ラストは・・・
かなり心が苦しくなる、重いテーマ連発のストーリー、
でも、明るい未来がやってくるよう、前を向いていこう、
って思えると良いな。
ワンピースのルフィがビビに言う
「お前の声ならおれ達に聞こえてる」
を思い出してしまった。
(シチュエーションとか全然違うけど)
きなこ(きこ)を演じた、杉咲花さん、よかった~、うまかった。
虐待のシーンは可哀そうだったけど。。。
あんさんの志尊淳さん、あごひげを生やしている時点で珍しいな、
と思ったけど、そこで逆に違和感をおぼえ、すぐわかってしまった。
ぼっちゃん専務の宮沢氷魚さん、狂気入ってくると怖い。
昨年観たレジェンド&バタフライの光秀を思い出した笑
心に傷を抱える孤独な人々
彼らの声が誰かに届くことはない。
ごく一部の例外を除いては。
母親に虐待されて声を失った少年と出会ったキコ(杉咲花さん) 。彼女は少年のSOSに気づいた。
キコにも虐待を受けた過去があった。
母親の暴力に支配されてきたキコ。親友のミハル(小野花梨さん)やその友人のアンさん(志尊淳くん)のサポートを受け母親から逃れた。
そう、キコの声はミハルやアンさんに届いた。
それにしてもアンさん。悟ったような前半とボロボロの後半のギャップはいったい?
アンさんが理解できなかった。
あの流れで何故閉じたのか理解できなかった。
そう、アンさんの声は誰にも届かなかった。
アンさんこそが52ヘルツのクジラだった。
ちなみに演出過多か感情が入り過ぎたのか、志尊くんと宮沢くんはエモーショナル過ぎやしないか。
孤独と絶望
原作がかなり話題になって、自分がリスペクトする方々がことごとく傑作と言っておられたので、ずっと気になってて、読もう読もうと思っている内に、先に映画が公開になった。
公開一週間で上映時間がグンと減り、見逃していけないと慌てて劇場へ。
くらった。
素晴らしい映画だった。
どんなに孤独を感じても、絶望しようとも、逃げても良い、生きる事を諦めてはいけない、と訴えてくる。
主演の杉咲花さん、「市子」に続き、素晴らしかった。他の演者の方々も、脇に至るまで素晴らしい。
多少、映画ならではの過剰な部分はあれど、ラストに向かう為に必要であり、気にならなくなる。
見終わって、益々原作が読みたくなった。
余談ですが、エンディングは原作にインスパイアされてつくられた、うぴ子さんの「52ヘルツの唄」なら完璧だったなぁ。
原作もキャストもいいのに...
久々に、心が震えました。
観終わった今は、現代的な課題をよくあれだけ入れて、お話をまとめたなあと、感心しています。
イヤフォンで52ヘルツのクジラの声を聴くだけで、脳内にクジラが雄大に泳ぐ姿がイメージできたので、最後の迷いクジラの出現は不要だったかな。
今作で一番不思議な人物、あんさん。
きこさんへの接し方や、紡ぐ言葉は、すごく優しい。
きっと壮絶な人生を過ごしたんだろうなとは想像できました。
反面、なぜこんな中途半端かつ似合わないひげを生やしているのか、あんさんの表情や言葉、態度に強い違和感を抱くのか、分からなくてもやもやしました。
きこさんの過去の話の方に強く惹かれてどんどん映画の中に没入していきました。
中盤、あんさんの過去が分かった時のカタルシス。
中学生の時に、アガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」で体験した初カタルシス以来のスッキリでした。
なるほど、だからかと、非常に納得しました。
この部分だけでも、ホントに観てよかったと心から思いました。
本当に欲しいものを手に入れたいなら、失うかもしれないというリスクを冒す必要がある。
きこさんもあんさんも、本心を伝えあっていたら、ハッピーエンドになっていたかもね。
「女でも男でも、生きていて欲しかった」
「心からあなたの幸せを祈ります」
まさしくこれらは、子を持つ親の気持ちです。
私も、生きているわが子に、ちゃんと直接伝えなきゃ。
実の親から、こういう言葉をもらえない子どもたちの支援をしている身の上としては、気が引き締まる思いです。
この気持ちを忘れないように、ブルーレイを買って、何度も何度も、この映画を観賞しようと思いました。
要素過多なのに内容散らかってなく見やすい
ステレオタイプをなぞらせる理由は何なのか
杉咲花の熱演、志尊淳の支え、小野花梨の友情、子役の子のたたずまい、西野七瀬の豹変、池谷のぶえや倍賞美津子の味わい等々、トンデモ男の宮澤氷魚であっても、アパート玄関口でのシーンなど、良いところは山ほどあり、語りたいところもいっぱいあった。
なのに、トータルで自分はのれなかった。
なぜなのかを考えると、「演出が自分には合わなかった」というところに尽きる。
<以下はグチなので、読みたくない方はスルーして下さい>
一つは、様々な場面で「ほら、ここは感情を昂らせるところですよ」とささやいてくる(叫んでくる)かのような、大げさなストリングスがやたらと耳についたこと。
二つ目は、ラスト近くの杉咲花と少年の場面のように胸を打つセリフがあってグッときているところで、まさかの過剰演出でアレが登場…。盛り上げようとされればされるほど、気持ちが冷めてしまった。
そして三つ目は、登場人物の抱えている問題が、とことんステレオタイプにわかりやすく処理されていて、薄っぺらく見えてしまったこと。
原作は未読なのだが、その世界観を大事にした演出だったのだろうかと疑問に思った。
虐待やDVや性自認の問題に対して、観る側のステレオタイプな見方をなぞるかのような演出は、前日に観た「アメリカンフィクション」の中に出てくる、主人公モンクがヤケになって書いた小説と重なるが、それをよしと考えてわざわざやっているように見えるところが、自分には受け入れがたいのだと思う。
志尊淳演じる安吾は、杉咲花演じる貴瑚を救うにあたって、単に言葉だけでなく具体的な支援プランを探るところを丁寧に描くなど、雰囲気だけの話とは一線を画していてハッとさせられるし、虐待している母にかける言葉なども、本当に深い。
それらを、過剰な演出なしに、淡々と描き重ねるのは、日本の商業映画としては成立しないのだろうか。
と書いて投稿し、読み返してみたら、そここそが「夜明けのすべて」との違いなんだとわかった気がした。ちゃんと商業映画として、成立している作品もあるのにな。
(追記)
原作を読んだところ、52の支援について納得できる形で具体的に描かれているし、映画ではカットされているが、支援者の距離感についての重要な人物(美音子)も登場している。映画の尺や登場人物の精選という事情もあったのだろうが、そのせいもあって情緒的な押し出しが強く、違和感を感じてしまった面があるなと思った。
アレも、原作では大げさではなかったし…。
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