52ヘルツのクジラたちのレビュー・感想・評価
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他者を愛することは自己愛につながる
自己愛を持てない人がいる。
他者を愛することは自己愛につながるのではということを感じさせてくれる作品だった。
回想シーンへの繋がりが唐突、ファンタジー要素への繋がりが強引だと少し感じてしまった。
原作未読だが、小説なら適切な構成でも、映画になると、映画に適切な構成があるのではないかと少し感じてしまった。
ただ役者の演技にはしっかりと心を動かされた。
私にとって、市子以来の杉咲花さんだったこともあり、彼女がただ笑うだけで、必要以上に幸せな気持ちになってしまう。
52Hzの声は他のクジラも聞き取れる...だからこそもっとキツイ
杉咲花を愛でる映画としては見処満載。御曹司の本性やアンさんの苦しみに気づけず、毒母から救ってくれた恩人の自死を防げない展開は切ない。
ただ、どうしても指摘したい点が2つあり、以下に詳細を記す。
1. 悪役が典型的過ぎ問題
2. 52Hzの声は他のクジラも聞こえる問題
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1. 悪役が典型的過ぎ問題
ヒロインは、21歳頃までは毒母、就職後に独りよがりな御曹司、大分移住後は少年をネグレクトする毒母に遭遇。悪役の頻出でヒロインの人生は起伏に富む。ただ悪役の描写が、MCUのヴィラン並みに典型的過ぎないか? 一方で味方は、アンさんも幼馴染もヒロインに一途に尽くす。ヒロイン自身も被害者としてのみ描かれ、彼女や味方については邪悪さは描かれない。アンさんに拠る実家へのタレコミはやり過ぎにも感じるが、御曹司のヒロインに対する暴力で、アンさんの先見性が際立たされる。
善良なヒロインが巷の悪人に苦しめられる噺は、勧善懲悪の時代劇的で分かり易い。ただ自身を含め、どんな人間も多かれ少なかれ、清さと邪悪さが混在している。毒母自身も幼少期にネグレクトを経験しているとか、元アイドルも夫に筆舌に尽くし難い仕打ちを受けた等の描写があった方が、人間描写に深みを感じたかもしれない。
🐳
2. 52Hzの声は他のクジラも聞こえる問題
本作の主題は52Hzで鳴くクジラ。シロナガスクジラ(blue whale)は一般的に10-39Hz鳴くので、52Hzはかなり高めの声であり、鳴き声の主は「52 blue」と呼称される。視認こそされてはいないが、音声の追跡から他の個体とは独立に行動していると類推され、最も孤独な個体とも呼ばれる。ただその原因が、他のクジラに「52 blue」の声が聞こえていないというのは、科学的には考えにくい。クジラの可聴範囲は様々な方法で推定されているが、シロナガスクジラは200Hzまで普通に聞こえると考えられる。
そもそも、発声器官(喉など)と聴覚器官(耳など)は別物なので、出せるから聞こえるとか、聞こえないから出せない訳じゃない。無論、種内コミニュケーション(会話など)に用いる声は、出せるし聞こえないと役に立たない。ただ、天敵が発する音を聞き取れれば、捕食を避けられる。実際、一部の蛾は会話には用いないので超音波を発生できないが、捕食を防ぐ為にコウモリの超音波は聞き取れる。天敵以外も、餌生物が出す音が聞こえれば採餌に役立つし、天変地異の音が聞こえれば防災に役立つ。なので、52Hzで歌わないクジラが、52Hzの歌を聞き取れても何の不思議もない。MISAのホイッスルボイスを真似できない人間が大半だが、彼女のホイッスルボイスは問題なく聞き取れるのと同じである。
なので「52 blue」が実際に孤独な個体ならば、それは他の個体に声が聞こえないからではなく、聞き取った上で無視されているからかもしれない。正直、聞こえないよりも無視しハブられている方がキツイ。
誰にも聞こえる事の無い52ヘルツで叫ぶ人達の苦悩を描いた作品。 本年度ベスト。
杉咲花さんがメインの作品と思いきや、色んな人達が悩んでいる姿を表現していた作品だった。
親の介護に疲れ命を断とうとしたキナ子。
そのキナ子を救った志尊淳さん演じるアン。
この二人を軸にしたストーリーに加え、色んな人が悩んでいる姿を表現していたけど、愛情が連鎖して行く感じが素晴らしかった。
杉咲花さん演じるキナ子が泣くシーンが多め。
場面毎の泣き方の違いで、その時の感情を表している感じに引き込まれる。
本当に素晴らしい役者さん。
西野七瀬さんも登場。
今まで見たことも無いキャラクターで迫真の演技が凄かった。
最近、話題の人となった宮沢氷魚さん。
最低なキャラクターの設定なんだけど、役にハマっていた感じ(笑)
キナ子に親身になって救おうとしたアンが優しすぎるけど、彼も心の中で52ヘルツで叫んでいた事に泣ける。
人間って、ひとりでは生きていけない事を表現していた感じの素晴らしい作品だった印象。
観賞後、磯丸水産に行きたくなったのは自分だけではないバズ( ´∀`)
軽々しく「見に行って!」とは言えない。
苦しい、悲しい、でもそれ以上に得たものは大きいです。
たとえちゃんと聴こえなくても聴こうとすること、理解できなくても寄り添おうとすること、すごく大事なことを教えてもらいました。
賛否両論はきっとある。でも何もしないで通りすぎるよりはきっとその先の景色は美しい。
孤独との闘いの行方ですが・・・。
この映画の主役は、私は安吾さん”あんさん”です。原作を読んだ時から安さんです。
もちろん、キコ、キナコも素晴らしいですが、志尊淳さんが演じた安さん、安吾さんが
最高でした。久々に号泣しました。愛する人と出会った時、自分はどの路を選ぶのか?
安さん・・・その道だけは選んで欲しく無かったです。でもあなたの優しさが、皆に伝道しています。52メガヘルツの悲しい声が伝道しているのですよ。安さん♪
🐳たちのたちは?
海の52ヘルツのクジラはひとりぼっち🐋?
さて本作の🐳は?
志尊淳くんのひげは?
魂のパートナーって?
是非ご覧いただき解明してください。
この作品は最近活躍がめざましい杉咲花ちゃんの渾身の演技力が光る代表作となる事でしょう👏難しい役柄を演じた志尊淳くんのある写真が登場しますがある意味注目です。私的には悪女を好演した西野七瀬ちゃんも萌えポイントでした🐣
是非映画館で🎦
25
原作の再現度がかなり高い!
杉咲花さんはじめキャストの演技が素晴らしかったです。原作が好きで映画も楽しみにしていましたが、よく2時間にまとめられたなぁと思うと同時に、映像の色合いや雰囲気がかなり解釈と一致していました。難しい問題を取り扱うからこそ、制作陣が様々な努力をしたことが伝わってきました。今後の作品も一般的な取り組みになることを祈ります。
そこかしこの微妙さ
小説既読。
小野花梨は大好きだけど、才能あるけど、今作の役には“うるさい”と感じた。
愛情余ってのこととは分かる。可愛さ余って憎さ百倍という言葉もある。だが。
あんなになるまで追い詰められた過去のある元被虐待児に対して痛くない程度とはいえ手を上げるのは、本当の追いやりある友情と言えるのか?
そういう細かい引っ掛かりをずーっと感じながらの視聴が辛かった。
そこをマイナスした点数です。
杉咲花さんの破壊力
「市子」と同様に、とても厳しい家庭環境に育った女性を、再び、杉咲花さんが演じるとあって、大変期待を持って観に行きました。まだ続くのか~と唸りたくなるぐらい悲しい出来事の連続で、途中からは、不覚にも涙が止まらなくなってしまいました。
偶然、助けられ、そして、助けてくれた大切な人を失い、2度死に損ねた主人公を演じる、杉咲花さん。事情はともあれ、とんでもなく怖い人を演じきった「市子」の時と違って、今回は、いい人の役で良かったです。死にきれず、様々な運命に翻弄されながら、必死で生きていく今回の役ですが、場面場面で、様々な心情の違いを見事に演じ切っていました。とんでもない破壊力を持った女優さんと思います。
ストーリー的には、2度目に死に損なって、故郷に戻った主人公が、あの少年に出会っていなかったら、大切な人を失ったことへの自負の念から、毎日昼間から、ビールを飲んで、心が死んだままの生活を送ることのなっていたかも・・・とか、仕事してないって、あのクズ男から、慰謝料をふんだんに奪い取ったのかな?・・・とか、少年を引き取るのは、そりゃ大変なことだ・・・とか、ちょっと冷静に感じてしまうところもありましたが、それでも涙は止まらず、最後は、主人公が、故郷の皆さんにも溶け込んでいる姿を観て、いろいろあったけど、3度目の人生では、本当に幸せになって欲しいと願っていました。いいエンディングで良かったです。
孤独に彷徨うクジラたちが出会うとき
原作を読んだ状態で鑑賞。
小説ではキナコには同情をするが、恩人のアンさんへの後悔の念があまりないと感じてキナコ側に感情移入上手くできなくてあまり感動できなかった。
しかし本作では主人公を演じる杉咲花が見事にキナコの感情を表現してくれたおかげで、とにかく感動できた。
アンはキナコの幸せをただ祈ってたから謝る必要なんてないんだよなぁと映画を観てちゃんと理解できた。
志尊淳も穏やかな表情の中に慈しみと悲しみを見事に表現していた気がする。てか綺麗すぎ!
原作と違う箇所があって映画の方が感動しまくりで涙が止まらなかった。ただ、原作の方が終盤感動に加えて痛快感もあったから、原作も読んでほしい!
見終わったあとの余韻がすごい
この映画では、ヤングケアラーや虐待、DV、性的マイノリティーなど今問題となっている事がリアルに描かれていて場面によっては目を覆いたくなる場面もあるかもしれないが、それも含めしっかり届けようとしているのが分かる。見てよかったと思った。
役者の迫力も凄まじく、登場人物をしっかりと演じていてストーリーにより引き込まれた。
もう一度みたいな!
シンプルに非常に良い作品だった。脚本のところで、正直少しだけ??の...
シンプルに非常に良い作品だった。脚本のところで、正直少しだけ??の部分もあったが、心の中の波が何回も起こって、最後はなんだか少し明るくなれる、記憶に残る作品となった。杉崎さんは今回も熱演で良かった。
声なき声を聴くとは?
本屋大賞は、自分のなかでは、数ある文芸賞の中でもその評価の納得性が高い賞。この作品も知っていたが、重いテーマを扱っているらしいということで、読むことを避けていた。感動した小説の映画化作品を観てガッカリした経験が何度もあるので、映画を先に、と決心して観た次第(2024年映画館鑑賞8作目)。
虐待、育児放棄、介護、トランスジェンダー、DV、自傷行為・・・。現代的な重い問題の数々が2時間ちょっとの時間に盛り込まれている。しかし、それほど重苦しく感じないのは、個々の問題を深く掘り下げていないというだけではなく、こうした問題を扱うニュースに慣れてしまって感度が鈍くなっているせいなのか。もはや、私自身も(恐らく大多数の日本人も)当事者達の叫び声を「聴きとる耳」を持っていないのかもしれない。
貴瑚(杉咲花)の「声」を聴き、救った安吾(志尊淳)。ムシ(愛)(桑名桃李)の「声」を聴きたいと言った貴瑚。それぞれ傷を抱えた者どうしだから、その姿を見て、わかり合いたい、救いたいと思ったのだろうか?
傷ついた者同士しか、声なき声を聴くことはできないのか?そんなことを考えてしまった。
杉咲花の演技はさすがで、表情と眼に引き込まれ、彼女が泣くと涙腺が緩む。この難しいテーマの映画を最後まで破綻なく支えているのは、紛れもなく、彼女の演技力だと思う。
原作小説を読んでみよう。
障がいやなか
うーん思っていた以上に感情が動かず…なんだろう…
杉咲花さんは「市子」に続き、代表作になるのではという好演、熱演でした。以前はキャンキャンうるさい印象しかなかったですが、完全に主演女優の雰囲気、佇まいになりましたね(すいません上から目線で(~_~;))
説明過多のセリフ回し、男性陣の叫びのシーンがちょっと…
それにしてもこの世の中には52ヘルツのクジラの声は溢れている。その声はまだまだ届いていない。社会の仕組みが世間の関心が、意識がまだまだ届いていない。ヤングケアラー、介護、ネグレクト、虐待、シングルマザー、DV、トランスジェンダーなどなどこの作品でも描かれている社会問題はこれからもっともっと深刻化していくことがだろう。そしてまた新たな問題も…社会を一変なさせることは難しい。でも少しずつでも意識を関心を高めていくことはできるのではないだろう。そう言った意味では多くの方に観てほしいですね。
④ F-8
魂のつがいを求めて
『2021年本屋大賞』を受賞した町田そのこの原作は、発売当時に既読。これを、人間味漂う作品を得意とする成島出監督が、感情移入できる演出で見事に映画化。トランス・ジェンダー問題や育児放棄からの児童虐待などの社会問題をテーマに、生への渇望を描いたヒューマン・ドラマとして、心を揺り動かされる作品。
毒親から虐待を受けた子供達が、頻繁にメディアで取り上げられるが、仕事柄、そうした子供達を児童相談所と連携して、保護してもらったこともある。虐待に耐え忍んで生きてきた子供達は、マインドコントロールによって、自己肯定感が劣化し、人を信頼することができなくなっている。そんな境遇の中にあった主人公・貴湖と、今まさに親から見捨てられた少年・通称52との心の支え合いが、胸に痛く染み渡る。
また一方で、生まれながらのトランスジェンダーによるマイノリティーとしての苦悩や葛藤の中で、愛する人を大切にするというのは、どんなことなのかも訴えかけてくる。
本作はそうした弱者にスポットライトを当て、声なき叫びを『52ヘルツのクジラ』に擬えて、生々しく描いている。その一方で、その声を聞き届け、地獄から這い上がるために、手を差し伸べてくれる人もいるが、日常を当たり前に生きている私達には、容易に聞き届けることはできない声なのかもしれない。
母親の再婚によって、親の愛情を受けることなく虐待され続け、大人になっても義父の介護で人生を棒に振ってきた貴湖。そんな中で、貴湖に手を差し伸べ、ようやくその呪縛から逃れさせてくれた安吾。貴湖は、次第に安吾に魅かれていくが、安吾は貴湖の気持ちを受け入れようとはしない。そんな時に貴湖が務める会社の御曹司が、貴湖の前現れ、恋に落ちるのだが…。
全編、暗いムードが漂い、社会の底辺を這いずりながらの展開に、心も沈んでいくのだが、最後に僅かな光明が差し込み、次への第一歩を後押ししてくれる、町田そのこらしさが溢れた作品となっている。
いつかみんなに聞こえる声になればいいな
本屋大賞を受賞した作品が原作だけあってストーリーもしっかりしていて、また花ちゃんを始めとした演者さんの表現力も素晴らしく、とても良い作品だと思います。それが故に辛く悲しい展開に戸惑ってしまったのも又事実です。人はそれぞれ、決して自分が原因では無い事でも、育った環境や生まれ持ったもので生き方が変わってしまうもの。辛い思いでも、みんなに理解してもらえる訳でもない。いや、そんな声さえ届いていない。そこへ追い込んでしまうのも人であれば、そこから救い出そうとするのも又人。目の前の映像を見ながら切なさが込み上げました。ラストで倍賞美津子さんが出てきたあたりから、明日への希望が見えて来たので救われました。あと一つ、キコに親友美晴がいて良かったのでした。
どんなに傷つき合っても、人は人を求める
映画館告知結構やっていて興味が出たので珍しく映画見る前に原作を読みました
まずタイトルがいいなと思った
クジラも人間と同じ社会的な生物でコミュニケーションを通じて群れを形成し、協力して生活している。だから孤独は自然な状態ではない その中で異なる周波数で声を上げ続けるクジラは何を求めているのか・・・
ヤングケアラー 介護 ネグレクト LGBTなど現代の社会問題となるものを結構入れ込んできますが、その問題に対する向き合い方というのがモヤるかも・・
入れ込み過ぎと思うがストーリー上仕方ないか
全体的に原作読んでないと分かりづらいのでは?と思ってしまった
原作読んだから説明薄くてもまぁ理解できたので自分は満足しましたが…
キナコが引っ越してきた辺りの町の描写無かったし…
これは今どの時間軸の話なんだろうって少し思ったりしました
ただ最後アンさんに話しかけるシーン感動したなぁ🥹
Saucy Dogの曲凄い良かったです
主役二人が良かったなぁ
杉咲花さんは最近ずっと難しい役ばっかりなのに演じきって凄いと思います
殆ど辛い場面だけど居酒屋で笑顔になるシーンは際立って良かったです😀
志尊淳くんは中性的な感じだからのキャスティングかー?と思いましたが優しい語りがアンさんとあってたと思います
内に秘める苦しさも悲しさもいい感じで現れたと思います
宮沢氷魚くんと西野七瀬さんはイヤーな奴の役をしっかり演じてたと思います🫰
最初の方で優しい麦茶出てきていやーな予感しましたが案の定…
気になるからあんまり露骨に出してほしくないです…最後のワイワイシーンでカメラ目線のなっちゃんで感動も薄れたわ…
人と人とは永遠にわかり合えない
だが人は、人無しでは生きていけない
どんなに傷つき合っても、人は人を求める
それを苦しみと言うのなら、だれもが苦しんでる
苦しみの中で、必死にもがき続けている
子供はペットや無いんやで
想像力の欠如や無知がどれ程ひとを傷つけるか、想像力豊かな人がどれ程傷つき易いか、共感という過程を省略して善意(だと思い込んでるもの)や幸福観を押し付ける事が相手をどれ程追い詰めるか、観ていて胸が苦しくなる。
杉咲花の役へのハマり具合は凄みすら感じさせるし、発語できないという設定のお陰で子役に長台詞を当てずに済んで緊張感が途切れなかったのもいい。
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