「映画「52ヘルツのクジラ」は虐待と愛の物語だった」52ヘルツのクジラたち 稲浦悠馬 いなうらゆうまさんの映画レビュー(感想・評価)
映画「52ヘルツのクジラ」は虐待と愛の物語だった
途中は役者陣がミスキャストなのではないかと思えたが、最後まで観ると、観て良かった映画だと思った。
途中、会場からはすすり泣く声が聞こえた。
・52ヘルツのクジラとは
孤独の象徴。
52ヘルツの鳴き声を出すクジラがおり、その声は他のクジラたちには全く聞こえないらしい。
誰に何を伝えよっとしても全く届かないのだ。
・愛のつがい
お互いがお互いを必要とし、愛し合いされること。だが人や状況によってはそのような関係を作ることが難しく、絶望的な場合だってある。
DVや虐待のように暴力が愛を偽装することもある。
・主人公 キコ
映画「市子」に続いての主演。こんな短期間に主演作品が続くとかすごいスパンだ。
場面によって可愛くなったり、髪がボサボサで可哀想なぐらいになったり、千変万化する。
子供の頃、母親から虐待を受けており、大人になってからも家の牢獄の中で暮らしていた。
・ひろゆきみたいな男
美形になったひろゆきみたいな男が出てくる。なんだそのチョビ髭は?っていう。
なんかキャラクターも喋り方も好きになれないんだよな。いかにも「私は善人です」みたいたノリで出会ったばかりのキコに綺麗事を言いまくる。
これはミスキャストなんじゃないだろうか…と最初はそう思った。
だが後半になるにつれ彼の秘密が明らかになり、まさかチョビ髭にまでちゃんと理由があることが分かるなんて思いもよらなかった、
前半後半でここまで印象が変わる役も珍しい。
・女友達
主人公をめちゃくちゃ好いている親友。
だけど何故こんなに仲が良いのかという背景が描かれていないので、なんとなく二人が友達って感じがしない。
なんか空回りしてるような気はした。
・専務
偶然をきっかけにキコに近づく男。
どうせクソみたいな遊び人なんだろう?と思わせておきつつ、意外とちゃんとした関係が始まる。
・52
言葉を失った少年。
・スタッフロール
「方言指導」とかいう役割があった。
リアリティのためには監督指導!