劇場公開日 2020年6月26日

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ハニーランド 永遠の谷 : 特集

2020年11月16日更新

映画.com特別オンライン上映会第2回は
今年度アカデミー賞2部門ノミネートの秀作
「ハニーランド 永遠の谷」をピックアップ

映画.com初めての試みとして、10月末に実施した「ビッグ・リトル・ファーム 理想の暮らしのつくり方」のオンライン上映会は大変好評をいただきました。コロナ禍で機会損失してしまった名作映画を、オンラインで有料上映する試みですが、メディアである映画.comが、皆さまに直接映画をお届けできる企画でもあり、とても有意義で楽しい経験となりました。

早速、第2回の作品をお届けします。(構成・文/映画.com編集長 駒井尚文)

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映画.comオンライン上映会、第2回作品は「ハニーランド 永遠の谷」です。

本作は、堂々のオスカー案件です。「ビッグ・リトル・ファーム」は世界中で高い評価を獲得しましたが、残念ながらオスカー(長編ドキュメンタリー賞)にはノミネートされませんでした。それは、同じネイチャー系のジャンルに、この「ハニーランド 永遠の谷」が立ちはだかっていたからです。

舞台は、バルカン半島の北マケドニア。オープニング、雄大な風景と豊かな自然の映像を目の当たりにし、「世界ふしぎ発見!」な気分になります。しかしすぐに、これは「クレイジージャーニー」でもあるという事実が。主人公の女性は、素手でハチの巣を扱っています。ハチがブンブン飛び交い「怖い怖い、痛い痛い……」と見ていてハラハラします。養蜂業を営む女性というよりは、普通のオバさんなんですよ。

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ドキュメンタリーは、リアルな出来事、リアルな人物に関する記録映画です。監督も、意図した振り付けなどなしで、現実に起きているリアルな事柄を映像で伝えます。

この映画でも、人々が喜んだり、つらい目にあったりといった日常が、見事に生き生きと記録されています。しかし、映画の被写体になる人ならば「撮ってほしくない瞬間」もあるはず。特に、他人に怒ったり、口論したりといった場面など「撮影は止めてくれ!」ってなるはずです。なのにこの映画の監督は、かなり緊張感のあるシビアな場面でも、ちゃんとカメラを回しているのが凄い。登場人物たちとの間に、相当な信頼関係を築いた上で撮影を行っていることが分かります。

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驚きました。撮影は3年間、収録した映像は400時間。まさに執念の密着映像です。そこで起こった出来事はドラマ性が高く、「よくこんな場面が撮れたな」と思わされる場面もたびたび。そして本作には、ドキュメンタリー特有のナレーションが一切ありません。文章による状況説明もない。つまり、編集が巧み。本編は1時間25分です。

「ハニーランド 永遠の谷」は個人的に、2020年のベストドキュメンタリー。劇場で見逃した方は、このオンライン上映の機会をお見逃しなく。

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例えば、かたわらにハチミツを用意して、時々舐めながらご鑑賞いただければ雰囲気は最高です。ご自宅ならではの楽しみ方で是非。ご家族での鑑賞にも適しています。

オンライン上映は、11月27日(金) 17:00~11月29日(日) 23:59まで実施。チケットは、11月26日(木)23:59 まで購入可能です。

なお、スケジュールの関係で今回はトークショーは実施できません。その代わり、チケット代を前回より安価な1200円といたしました。是非お楽しみください。


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