劇場公開日 2023年3月17日 PROMOTION

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コンペティション : 特集

2023年3月13日更新

アホほど仲が悪い俳優2人を兄弟役で共演させたらどう
なる!?しかも監督はイカれまくった天才…「なんでそう
なる?」衝撃的かつ笑撃的な展開みせるクセ強秀逸作!

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人間の薄っぺらさを描く“傑作”だ。

3月17日から公開される映画「コンペティション」は、尖りに尖った“超刺激”を求めてやまない観客に、なんとしても観てほしい一作である。

ポスタービジュアルには3人の男女と、“世界を狙う獣たち”というキャッチコピー。そしてメインビジュアルは、その3人が宙吊りになった巨大な岩の下に佇む……ひと目見て「どういう状況だ」と猛烈に興味を掻き立てられたことだろう。

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描かれるは、華やかな映画業界の舞台裏で繰り広げられる、監督と俳優2人の三つどもえの戦い。物語には“皮肉”という調味料が遠目からもわかるくらいてんこ盛りにぶち込まれており、やがて衝撃的かつ笑撃的な展開へと突入していく――。

本記事では、このクセ強映画の魅力の一部(全部は無理)を解説。少しでも“ピン”ときたなら、万難を排して鑑賞することをおすすめする。損はさせないはずだ。


【予告編】映画業界の見てはならない裏側。

【物語がとんでもなく面白い】数ある話題作から、
絶対に選んでほしい一作…観て“刺さった”5つの要素

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今作は一言でいえば“激烈に面白い”のだが、特に物語が大きなストロングポイント。映画.com編集部が鑑賞してぶっ刺さった要素を、5つ(ストーリー、キャラクター、ラスト、キャスト、滑稽なコメディ)にわけてご紹介していこう。


●物語の面白さ:笑いとワクワク感!
クセ強俳優×クセ強俳優×クセ強監督=なにこの撮影現場!?
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うなるほど金を持っているが、1ミリも尊敬されていない老人がいた。彼は自分のイメージアップをはかるため、映画をつくろうと思い立つ。知識も経験もなく、一方で金と時間は売るほどある。だから、大枚をはたいて傑作小説(読んだことがない)の映画化権を買い、一流の映画監督(作品を観たことがない)を雇い、難なく製作をスタートさせた。

やがて、老人が撮影現場を引っ掻き回す展開に……ならない! 我々観客の予想を当たり前かのように裏切っていくわけだが、なぜなら雇われた監督は、老人をはるかに凌駕する“やべえ女”であり、キャスティングされた2人の主役俳優はさらに“やべえ男たち”だったからだ。

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主役俳優の1人は、世界的な人気を博すが、演技の実力はあまりないスター俳優(アントニオ・バンデラス)。もう1人の主役俳優は、演技の実力はアカデミー賞クラスだが、なにせ華がないベテラン俳優(オスカル・マルティネス)。そして映画監督は、変わり者すぎるがゆえに煙たがられるイカれた天才(ペネロペ・クルス)。

こんな3人で映画を製作する。しかも、世界中の賞レースで評価されるような傑作を、狙って作り出そうというのだ。果たしてうまくいくのか? スムーズにいくわけがない撮影現場を、観客はなかば“神の視点”で覗き見することになる――。


●登場人物が全員やばい:1人残らず“エゴの化け物”でとても良い
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もう少し、物語の面白さを分析していく。作品をグイグイとけん引していったのは、豊かかつ強烈なキャラクターだった。基本、スター俳優、ベテラン俳優、天才監督の3人が中心となるが、1人残らず“絶対にこいつとは仕事をしたくない”と思わされるからすごい。

まずスター俳優は、人気こそ力であり正義だと考えているフシがある。一方でベテラン俳優は、人気はどうでもよく、すべては芝居の質に神が宿ると考えている。両者の信念は当然、平行線をたどり、初共演でアホみたいに仲が悪くなる。桜木花道と流川楓を10倍ギスギスさせたような関係になるが、なんと“兄弟役”で共演するというからさあ大変だ。

そして監督も監督で、2人を仲良くさせようなどとは微塵も思っていない。むしろ“Bien!(良い!)”とすら思っている感じがある。だから芸術的に“泳がせる”わけだが、撮影できないくらい2人が醜く争い始めるとブチギレたりする。自分の作品がぶち壊しになるのが我慢ならないからだ。

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といった具合に三者三様でぶっ飛んだ奴らだが、共通していることがひとつある。それは“エゴイスティックなプロであること”。プロの誇りと誇りがぶつかり合い、しかし相手への敬意はあまりないため、各々が各々の誇りをはからずも踏み躙っていき、地獄みたいな空気が洒落た稽古場に充満していく! でも不思議と不快感は一切なく、逆にカラッとした爽やかさすらあり、このギャップに腹を抱えて笑える、やみつきになる、目が離せなくなる……!

コメディの本質は“ボタンの掛け違い”だとよく言われる。掛け違いが大きければ大きいほど、かつ“あり得そう”であればあるほど、笑いも大きくなっていく。その点、今作の3人が引き起こすボタンの掛け違いは、100点満点で120点がおくられるほど見事だった。


●キャストと演出が素晴らしい:物語の面白さを支える演技に、映画を観る醍醐味を感じた
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さらに登場人物を深掘りし、キャストに言及していこう。キャラの設定も見事だが、俳優陣がため息ものの芝居をみせているからこそ、今作は繊細かつ強靭な煌めきを放っているのだ。

天才監督役のペネロペ・クルスは女神的なパブリックイメージをぶち壊すような“変態性(もちろんいい意味で)”を見せており、改めてすさまじい存在だと痛感させられる。スター俳優役のアントニオ・バンデラスは“バカっぽさ(もちろんいい意味で)”が絶妙で、ベテラン俳優役のオスカル・マルティネス)の“小物っぷり(もちろんいい意味で)”が映画になくてはならないラストピースとなっている。キャストそれぞれが映画ファンのハートをくすぐってやまない、好きにならずにいられないのだ。

そして重要なことは、キャストも、今作メガホンをとったガストン・ドゥプラット&マリアノ・コーン両監督も、決して滑稽に描出しようとはしていない点である。

あくまでも劇中の彼らは真剣そのものであり、命がけで映画に挑むがゆえに、結果的に滑稽に見えてしまう、そんな“映画の負のマジック”を映し出す。そこに生半可ではない熱や強度が織り込まれているゆえ、物語やシーンの面白さ・笑いが2倍、3倍と膨れ上がっていく……こここそが、「コンペティション」が超良作だと断言できる一番の理由だと考えている。


●ここが他作品と違う:滑稽すぎる、けどリアルな撮影現場を目撃し、黒い笑いがこみ上げる
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今作は映画製作のフロー――顔合わせがあり、本読みがあり、ワークショップがあり、出資者向けのパーティーがありetc…――を細かく描き出すゆえ、「映画はこうして作られるのか」という学びも多い。

一方で、内幕ものとしては“あまり観たことのないタイプの興味深さ”もバリバリだった。劇中のオーソドックスな映画製作フローのなかに、明らかに変だとわかる独特すぎるメソッドが組み込まれているからだ。たとえばこんなシーン↓

・最初の本読みで、本番レベルの芝居を求める…普通は棒読みでもOKなのに!?・主役俳優2人をラップ的な素材でグルグル巻き・ミイラ状態に…なんのために!?・クレーンで吊るした巨大な岩の真下でリハーサル…恐怖と緊張を骨身に刻むため、とのこと

これらのシーン(あくまでも劇中の一部だが)は、人の愚かさを観る意地悪な“黒い笑い”がこみ上げてくる……が、今作が本当にすごいのはここからだ。描かれる数々の撮影メソッドは一見、無茶苦茶。しかし実のところ、映画業界に身を置いていると「似たような話を聞いたことがある」ものばかりだったりするのだ。

ゆえに筆者は、今作を観ながら笑いつつ、同時に奇妙なリアリティと、心根を見透かされたような言いようのない恐ろしさに襲われ、背筋がひんやりするのも感じていた。滑稽さを極限まで濃縮したらスリラーになる。そんな切実な気づきも得られ、他作品とはとことん一線を画す映像体験に畏怖すら感じ入った次第だ。


●ラストが衝撃:ネタバレ厳禁とかじゃないけど、ぜひ映画館で観るべきタイプの映像
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波ひとつない静謐な湖にボートが漕ぎ出した、みたいな滑り出しから、30分を超えたあたりからギアが変わったようにグイグイと盛り上がっていく……ひとたび口があんぐりと開けば、上映終了まで閉じることはないだろう。

物語は常に驚きをはらみ、ラストシーンに最大のショックが待ち受けている。もちろん皆様の楽しみを奪わないために詳述しないが、まさに映画館の密閉空間、大スクリーン、良質な音響で、目を逸らさずに観てほしい。

“あの瞬間”を映画館で味わったならば、もしかしたら人生観や映画観すら変わるかもしれない……。「配信を待とう」は、あまりにももったいない選択であることを強調しておこう。必見だ。(映画.com編集部)


【すでに絶賛の嵐】ロッテン96%、ベネチアで喝采…
結論:映画ファンなら“観ない理由がない“映画!

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さて、短めに「この映画を褒めてるのは映画.comだけじゃないですよ」と証拠を示して、特集を締めくくっていく。


●超良作保証①:辛口のロッテントマトが高評価
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映画ファンが信頼を置く辛口批評サイト「ロッテントマト」も、今作には高い評価を与えている。その支持率、なんと96%(批評家支持/3月7日時点)! 90%以上の評価は歴史的傑作など、よほどの良作にしか与えられないことを考えれば、今作の力量が如実にわかるだろう。


●超良作保証②:“世界三大映画祭”ベネチアに出品→喝采
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世界三大映画祭のひとつであるベネチア国際映画祭に出品。目が肥えすぎた観客や審査員からも盛大な喝采を浴び、劇中のテーマのひとつでもある「映画祭や賞レースを席巻する」が達成された形だ。なお今作監督コンビ(ガストン・ドゥプラット&マリアノ・コーン)による「笑う故郷」も、ベネチア国際映画祭で高く評価されていたりする。


●超良作保証③:衝撃に海外メディアや国内著名人が激賞、困惑、そして…
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上記に加え、ローリング・ストーン誌が“2022年のベストムービー22”に今作を選出するなど、海外では軒並み称賛された今作。日本国内の著名人にも衝撃を与えており、以下のようなコメントが多数寄せられている。

★黒木瞳(女優/映画監督)

こんな映画見たことない!
俳優陣の最高のパフォーマンスが、クオリティの高い脚本演出に見事な華を咲かせている。業種が同じだけに、何度、にやけたことか、、、。


★大森立嗣(映画監督)

映画人が情けなくて、カッコ悪くて、笑っていたんだけど、やっぱり日本映画にも思い当たる節が多々あって、最後はズドーンとくらいました。おもしろっ!


★堀未央奈(女優)

作品を作っていくスピード感が心地よく、共感する部分や逆に笑ってしまうくらいにぶっとんだシーンもあり、時間があっという間でした!


★森迫永依(女優)

本当にこんなことがあったらどうしよう?と見ているこちらが気まずくなるような、笑えないのに笑ってしまう空間。
主演陣の人間臭さ溢れる演技に脱帽です。


……ここまで激賞される「コンペティション」を、あなたは果たして“目撃”しなくていいのだろうか? 映画.comからの切なる願いは、可能な限り早く映画館で鑑賞してもらうこと、ただこれだけである。

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