あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。

劇場公開日:

あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。

解説

SNSを中心に話題を集めた汐見夏衛の同名ベストセラー小説を映画化し、戦時中の日本にタイムスリップした現代の女子高生と特攻隊員の青年の切ない恋の行方を描いたラブストーリー。

親にも学校にも不満を抱える高校生の百合は、進路をめぐって母親とケンカになり、家を飛び出して近所の防空壕跡で一夜を過ごす。翌朝、百合が目を覚ますと、そこは1945年6月の日本だった。通りがかりの青年・彰に助けられ、軍の指定食堂に連れて行かれた百合は、そこで女将のツルや勤労学生の千代、彰と同じ隊の石丸、板倉、寺岡、加藤らと出会う。彰の誠実さや優しさにひかれていく百合だったが、彼は特攻隊員で、間もなく命懸けで出撃する運命にあった。

NHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」の福原遥が百合役、「死刑にいたる病」の水上恒司が彰役で主演を務める。「光を追いかけて」の成田洋一が監督を務め、福山雅治が主題歌を担当。

2023年製作/127分/G/日本
配給:松竹
劇場公開日:2023年12月8日

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

監督
原作
汐見夏衛
脚本
山浦雅大
成田洋一
エグゼクティブプロデューサー
吉田繁暁
企画
新垣弘隆
西麻美
プロデューサー
西麻美
撮影
小林拓
Bカメ
成田伸二
照明
岸本秀一
録音
鈴木健太郎
美術
丸尾知行
中川理仁
装飾
佐々木博崇
山本直輝
衣装
早川奈緒美
白井恵
ヘアメイク
永江三千子
ポスプロスーパーバイザー
佐藤正晃
VFXプロデューサー
山口幸治
ポスプロコーディネーター
朝海清史
編集
岩間徳裕
音響効果
渋谷圭介
音楽プロデューサー
茂木英興
主題歌
福山雅治
監督補
高明
制作担当
村山亜希子
アシスタントプロデューサー
田中裕章
インプロデューサー
湊谷恭史
全てのスタッフ・キャストを見る

受賞歴

第47回 日本アカデミー賞(2024年)

ノミネート

最優秀監督賞 成田洋一
最優秀脚本賞 山浦雅大 成田洋一
最優秀主演男優賞 水上恒司
最優秀助演男優賞 伊藤健太郎
最優秀助演女優賞 松坂慶子
最優秀録音賞 鈴木健太郎
最優秀編集賞 岩間徳裕
新人俳優賞 福原遥
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(C)2023「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」製作委員会

映画レビュー

1.58月だから戦争映画を!って、あれ?違いますか。

2024年8月31日
PCから投稿

去年2023年「ゴジラ-1.0」、「ゲゲゲの謎」と同じような戦後期の映画がほぼ同時期に公開され、話題。テーマ、ターゲットも全く被らないわけではないので、偶然、ということになるんだろうが、ゴジラはさておき、「ゲゲゲ」も本作も予想外のヒットということとなった。

特に本作は興行収入45億円とのことで、すごいヒット。本作のプロデューサーはSNSで人気の原作の映画化を企画し、映画もSNSでバズって、ここまでのヒットになったのだろう。

まずは、ヒットさせることの企画とその成果に対して、素晴らしいと思う。

だが、メンドクサイおっさんが、目くじらを立てて、ああだこうだ言う映画ではない前提を重々承知したうえで言うが、これを「戦争映画」のジャンル分けや本作の原作含め、製作の思いを、「若い人に戦争の虚しさを伝えたい」というにはちょっと辛いものがあるのも事実。

「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」




とりあえず、繰り返しにはなるが、いい企画ではある。

「異世界転生」、「タイムスリップ」、「女子高校生」、「ちょっと重い舞台」、「わかりやすい登場人物」、「主人公の成長」。途中に盛り上がりをちょいと入れれば完成ではある。企画上、主人公はどこまでも、キレイでないといけないし、どうであろうと、ラストは成長して終わり。いいと思う。

だから、おっさんはハナから「戦争映画」として見ることを放棄。

でもね、タイムスリップを描くのであれば、もうちょい見る者を驚かせる、までは言わないけれど、そこをある程度納得させるものとして描いてほしかったなあ、と。

主人公を終戦手前の時代にタイムスリップさせたのが、「何らかの力」であるならば、帰すのも「何らかの力」が何らかの事情、作用、結果が働くことに映画的興奮がある。

「行く」のは、自己を犠牲に、他人の子供を救って死んだ父親を否定している主人公への戒め、とするならば、あの場所である理由も必要性もなく、「帰って」くるのもあそこで消える、というのも、そもそもみんなの目の前で消えちゃイカンでしょ。

所詮、映画なんで、タイムパラドックスとかなんとか言っても仕方がないことなんだけど、資料館で彰の手紙がおかれていると同時に、其処にいた女の子がいきなり消えたとかという記録が在って、ラスト「ニヤっ」てなエピソードがあったら、おっさんはとても嬉しくなったんですけど、そうはならない。

つまり、本作の最も重要視される「ラブストーリー」には「タイムスリップ」におけるスリル、ドラマ、伏線回収は全く必要ないという、潔い製作者側の意志が見える。

と良いように解釈すれば、なんだけど、いくつもの戦争映画を見てきたメンドクサイおっさんにとっては、本作鑑賞中の一番の楽しみは、「どうやって帰るか」になってしまったから、こればっかりはオレが悪い。

追記

主人公のお顔が立派すぎて、どうしてもお化粧しているようにしか見えず、作り手の意図したものなんだろうから、若い子らを呼ぶ「ラブストーリー」として、徹底している。

追記2

彰の最後まで自己犠牲を美談としない、感情的にならないところはよかったね。

と締めたかったのだけれど、本作の原作はこの続きがあって、彰の生まれ変わり、らしい。ありゃ、オレがいいなと思ったのはどうも見当違いだったらしい。読むつもりは全くないですけど、「タイムスリップ」の伏線回収があればいいね。

そういうことなんで、やっぱりおっさんが見る映画じゃなかったということで。

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しんざん

4.0タイムスリップという魔法

2024年3月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

タイムスリップという設定のおかげで、過去を追体験している気分になれるから不思議です。戦時中の特攻隊という、そこまで珍しくは無い話ですが、アイテムの一つ一つまで興味深く観察してしまう。現代なら下手すると放置されかねない(若い女の子だと尚更触れるのも怖い)行き倒れのヒロインをちゃんと介抱する彰さんの格好良さ。ヒロインの百合さんも現代風の女の子でありながら、言うべき事は真っ直ぐに主張する強さが素敵。
 お話自体は予測可能で驚きは無いけど、その分、安心して見れる内容だったと思います。特攻隊という話はまあ、時代考証とか難しいのでよく判りません。昔の人は偉かったと言いますが、そういう時代だからこそ偉くならざるを得なかったのでしょう。百合さんが本物の空襲を味わったからこそ思わず口から出た「お母さん、助けて」という台詞が印象的でした。本物の空襲、本物の炎の熱さ、本物の命の危険に居合わせたらあの場面でどれだけの人が強く振る舞えるものかどうか。
 とはいえ、今時の若者だって偉いんです。みんなスタバか何処かで身を寄せ合いながらも一生懸命勉強したりしてます。皆それぞれ時代時代で頑張っている。ヒロイン百合さんの決意表明がその表れでしょうか。そして締めくくりのスタッフロールに福山さんの歌声、素敵でした。

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猿田猿太郎

3.5生まれる時代は選べないから

2024年2月20日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

この映画での出来事は、夢や絵空事ではない。今からほんの80年ほど前、この日本の地で実際にあった出来事です。特攻隊とは、「特別攻撃隊」の略称で、決死の任務を行う部隊のことです。太平洋戦争末期に日本軍が組織的に行った決して生きて帰ることのないこの戦い方は、多くの若者の命を奪いました。昭和初期の戦時中においては、「お国のために戦争におもむくのは当然、戦場で命を散らすのは名誉なことだ」という価値観の中で人は生きてきました。
この映画の中にも、たくさんの未来ある若者が、特攻隊として登場し、己の任務に向き合い悩みながらもその日を迎えています。特筆すべきは、タイムスリップ系恋愛ファンタジーとしたことで、重苦しい戦争映画にとどまらず、若者たちにも受け入れやすいエンターテイメントになっていること。戦争を教科書の中だけの他人事で終わらせず、より身近な史実として受け止める機会になっていることだと思います。

もし自分がこの時代に生まれていたとしたらどうだろう?この映画をただの恋愛ファンタジーとして、映画館で鑑賞していられる今の自分は幸せ者だと受け止めるべきなのだろうか?この映画を観て、素直に泣けない今の自分の感性は、少し歪んでいるのだろうか?

今も世界のどこかでは、戦争が行われている。
突然の天変地異に襲われて、不自由な暮らしを強いられている人たちもいる。

人は生まれる時代や場所を選べないから、置かれた場所で精一杯咲くしかない。

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ななやお

3.5逃げ出す特攻兵のエピソード

2024年2月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

戦争を描く態度はどうあるべきか、という観点でSNS上では物議を醸していた作品だが、戦争を美化しているかといえば別にしていなかった。戦意高揚的な側面はなく、むしろ主人公の女子校生に「無駄死に」というキーワードを頻繁に言わせて、特攻を美化するような視点で描かれているとは思わなかった。
むしろ、特攻に選ばれた若い兵隊の一人が脱走しようとするのを、みんなで見逃すエピソードが心に残った。田舎に愛する人がいるから見逃してほしいという彼の願いをみんなで聞き入れる。その彼が現代の特攻博物館で、病気で出撃できなかったことにされていた。当時、本当のことは誰も報告できなかっただろうし、上層部的にも都合が悪かったんだろう。博物館に真相が書かれていない、つまり、歴史の記述には嘘があるということを踏まえている作品でもあった。
タイムスリップものは歴史改変に接続されやすいが、この主人公は過去を変えることは全くできず、たまたま当時の若者を愛し、理不尽に奪われる体験をする。大きな歴史のうねりに巻き込まれる無力な個人として主人公は設定されている。若い観客に「戦争は嫌だな」と思わせる力を持った作品ではないかと思う。

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杉本穂高