コラム:映画.comシネマStyle - 第1回
2021年7月30日更新
「ミッドサマー」「ワイルド・スピード ICE BREAK」暑い夏を乗り切る! 涼しさを感じられる映画5選
毎週テーマにそったおすすめ映画をご紹介する【映画.comシネマStyle】。
7月上~中旬頃に梅雨明けが発表され、同23日に開幕したオリンピックの熱気もあり、今年は例年以上に熱い夏がやってきました。外出時は激しい陽気に汗が止まらず、家でもクーラーをつけっぱなしという方も多いのではないでしょうか。そこで今週は、「涼しさを感じられる映画」をご紹介。「映画を見て、効率的に体調管理をしよう!」という、「映画.comシネマStyle」からの提案です。
今回も映画.comの公式Twitterで読者の皆様から候補作を募集。頂いた意見を参考に、身も凍るようなホラー系から、雪山や海が舞台の作品まで、涼を得られそうな映画5本を集めてみました。
▽明るいことが、おそろしいという“究極の恐怖”
「ミッドサマー」(2019年/147分/アリ・アスター監督)
※「シネマ映画.com」で配信中!
長編デビュー作「ヘレディタリー 継承」で高い評価を得たアリ・アスター監督の第2作。暗闇とは真逆の明るい祝祭を舞台に描き、見る者を魅惑する極彩色の映像美が一体となって、映画の恐怖の歴史を覆した前代未聞の“フェスティバル・スリラー”です。「ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語」で第92回アカデミー助演女優賞にノミネートされたフローレンス・ピューが主演しています。(執筆:和田隆)
【あらすじ】
不慮の事故によって家族を失ったダニー(ピュー)は、大学で民俗学を研究する恋人や友人たち5人でスウェーデンを訪れる。彼らの目的は奥地の村で開催される「90年に一度の祝祭」への参加だった。太陽が沈むことがないその村は、美しい花々が咲き誇り、やさしい住人たちが陽気に歌い踊る、楽園としか形容できない幸福な場のように思えた。だが、そんな楽園の雰囲気に満ちた村に不穏な空気が次第に漂いはじめ、妄想やトラウマ、不安、そして恐怖により、ダニーの心はかき乱されていく……それは想像を絶する悪夢の始まりだった。
公開されている場面写真は明るい昼間の場面ばかりで、花畑で踊る女性たち、白を基調とした色鮮やかな衣装など、それだけで判断すれば美しいファンタジー映画と思っても不思議ではありません。ポスタービジュアルは花冠を付けた女性の泣き顔で、うれし泣きのようにも見えます。
しかし、この映画は見ていくうちに、次第に何かがおかしいと感じはじめ、それは主人公の女性ダニーの深層心理にリンクしていくようです。これまでのホラーやスリラー映画でイメージする夜、暗闇、影、雨、陰鬱な景色といったものとは真逆の舞台でも恐怖を描くことが可能であることを、この映画は提示します。
最も恐ろしいのは人間であると。そして集団心理や、ある種のカルト宗教的な思想や伝統が、いわゆる一般常識を覆していくのです。恐ろしい人間の内側、隔絶されたコミュニティや思想にのみ込まれて、気がついた時には逃げられない不安と恐怖。幽霊や宇宙人といった未知なるものとの遭遇とはまた違った恐ろしさを体験すると、鳥肌が立ち、背筋が凍ることでしょう。
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・利用可能期間は8月6日(23時59分)までで、期間内であれば繰り返し利用でき、購入から48時間視聴可能です。
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▽氷上のカーチェイス! 寒々しい景色のなか、こんなにも熱くなるのはなぜ!?
「ワイルド・スピード ICE BREAK」(2017年/136分/ F・ゲイリー・グレイ監督)
シリーズ新作「ワイルド・スピード ジェットブレイク」の公開が待ち遠しい“ワイスピ”シリーズから、極寒のロシアでのカーチェイスシーンが涼しさ(?)をくれる本作をご紹介。シリーズを未見の人でも、心の底から楽しめる作品です。
【あらすじ】
犯罪のエキスパートにして天才ドライバー・ドミニク(ビン・ディーゼル)は、愛するレティ(ミシェル・ロドリゲス)とキューバでのバカンスを楽しんでいた。そんなある日、彼の前にサイファー(シャーリーズ・セロン)という謎の美女が現れる。彼女はドミニクたちが以前対峙した天才ハッカーだった。サイファーはドミニクにとある写真を見せて、無理やり仕事を依頼する。ドミニクは、いつもの仲間であるファミリーたちを率いてベルリンに向かうも、ファミリーを裏切り大量破壊兵器とみなされる電磁パルス砲(EMP)を奪って逃げる。ファミリーはドミニクを追うが、彼は仲間に銃を向ける。
ワイスピといったら熱い、いや“暑すぎる”カーアクションが魅力。本作も、キューバでの炎上しながらのカーバトルや、ベルリンでの、もはや車というよりロボットバトルでも見ているんじゃないかと錯覚する大規模な戦いが繰り広げられます。ただタイトルの通り、最終的には極寒のロシアの地での氷上バトルが大きな見どころ。基本タンクトップのイメージの強いファミリーのメンバーが、厚着をして車に乗り込む姿は必要以上に涼しさを感じさせてくれるはず!
しかし、氷上でも、どんなに厚着をして寒がっていても、やはり熱いバトルに発展してしまうのが“ワイスピ”。個性豊かなメンバーが自由に選んだ多種多様な車が氷上を走り回ります。もはや車が生き物のように感じるほど、縦横無尽にスクリーンを駆け巡っていくのです。筆者は気づいたら興奮で手に汗を握っていました。
シリーズ未見の方も、ファミリーメンバーの小気味よい会話や、常識度外視の戦闘能力に虜になること間違いなし! ディーゼルやドウェイン・ジョンソン、ジェイソン・ステイサム、セロンら超ド級のハリウッドスターの競演というだけでも、一度は見る価値があります。キンキンに冷やした部屋で寒空の下のバトルに心を熱くする、そんな真夏の夜をお楽しみください。
▽エルサが氷の城を作り上げる清涼感&爽快感たっぷりの「Let It Go」シーン
「アナと雪の女王」(2013年/102分/クリス・バック監督、ジェニファー・リー監督)
世界中で大ヒットを記録し、社会現象となったディズニーアニメーション。童話作家アンデルセンの「雪の女王」にインスピレーションを得て、運命に引き裂かれたアレンデール王家の姉妹が、凍てついた世界を救うために繰り広げる冒険を描きました。
【あらすじ】
触れたものを凍らせる秘密の力を持ったエルサは、その力で妹アナを傷付けることを恐れ、城の部屋に閉じこもって暮らしてきた。やがて成長したエルサは女王の座に就くこととなり、戴冠式のために人々の前に姿を現すが、ふとしたきっかけで力が暴走。王国を真冬の世界に変えてしまう。耐えきれず逃げ出したエルサは、雪山の奥で自らの力を解放し、ありのままの自分でいられることに喜びを見出す。一方、アナは姉と王国を救うため、山男のクリストフとその相棒のトナカイのスヴェン、夏にあこがれる雪だるまのオラフとともに、雪山へと向かう。
やはり「涼しさを感じられる映画」というテーマで、「アナ雪」を外すことはできません! 特に清涼感とともに爽快感も感じさせるのは、王国を飛び出したエルサが、雪山の奥で力を解き放つ「Let It Go」のシーン。リミッターを外し、氷の城を建造していく過程は独創的で美しく、存分に涼を得ることができます。またエルサが戴冠式のフォーマルな服装から、世界中の子どもたちが憧れた雪の女王ルックに変身するのも、この場面なのです。本作の公開前、劇場ではこのシーンだけを切り取った映像が流れていましたが、ストーリーを知らない状態で見ても、楽曲と映像の強度に圧倒された記憶があります。
映像美や素晴らしい楽曲の数々はもちろん、様々なディズニーアニメの“お約束”におさまらないストーリーやヒロイン像も見どころ。予想をことごとく裏切られ、詳細は書けませんが“肝が冷える”展開もあり、そういった意味でも涼しさ(!?)を感じられるかもしれません。
現在東京では、「劇団四季」のミュージカル「アナと雪の女王」の公演が行われています。また東京ディズニーシーには、2023年に「アナと雪の女王」「塔の上のラプンツェル」「ピーター・パン」をモチーフにした新エリア「ファンタジースプリングス」がオープン予定。「アナ雪」パートには、美しい雪山とアレンデール城が作られるようで、期待が高まります。まだまだホットなニュースが続く「アナ雪」、この夏はシリーズ2作を復習してみてはいかがでしょうか。
▽巨額の製作費が投入された海上都市アトール 水しぶきがかかりそうなアクションにも注目
「ウォーターワールド」(1995年/135分/ケビン・レイノルズ監督)
地球温暖化の影響で、全ての陸地が水没した未来の世界を舞台に、海賊たちと戦う一匹狼の戦士の活躍を描いた海洋アドベンチャーアクション。総製作費に1億7000万ドルを費やし、海に浮かぶ都市アトールを作り上げました。
【あらすじ】
一匹狼の戦士マリナー(ケビン・コスナー)はある日、伝説の陸地「ドライランド」の存在を信じる謎の少女エノーラ(ティナ・マジョリーノ)と母親代わりのヘレン(ジーン・トリプルホーン)が住むアトールにやってくる。やがて3人は、ディーコン(デニス・ホッパー)率いる凶悪な海賊集団「スモーカーズ」との戦いに巻きこまれていく。
壮大な世界観を備えた物語の見どころは、アトールや船の上で繰り広げられる海上アクション。特に中盤で「スモーカーズ」がアトールを襲撃する場面では、見ているこちらにも水しぶきがかかってきそうな息をのむシーンが、次々と畳みかけられます。また、マリナーが意のままに操り、様々な仕掛け(あるものを濾過して飲み水に変える機械など……)を施した船が、光り輝く海を進んでいく姿も美しい。陸地がなく、人々が漂流する世界を描いているので、ほぼ全編が海のシーンとなり、暑い夏にこそ見たい1本です。
また、土や植物が高値で取引されたり、人間と魚のミュータントが存在していたりと、ディストピアならではの“常識”にも注目。ツッコミどころもありますが、海上で暮らす人々の生活の細部、巨額の製作費で完成させたアトールなど、目を凝らすと、ユニークな世界観を楽しむことができます。
映画は見たことがないけれど、大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパンにある本作のアトラクションなら知っているという方もいらっしゃるかもしれません。アトールを舞台に、座る席によってはずぶ濡れになってしまうほど水しぶきがかかる、迫力満点のショーを楽しむことができます。ストーリーを知っていれば、さらに盛り上がること間違いなし! ですので、お出かけの前には是非、映画もチェックしてみてください。
▽もうずっと夏でいいかも…! 怖くてスキーリフトに乗れなくなるシチュエーションスリラー
「フローズン」(2010年/93分/アダム・グリーン監督)
「もし今このリフトが止まったら、ここから飛び降りられるのか?」――スキー場のリフトの上でこんな考えを持ったことがある人も多いはず。例えばさらに、下には野生の狼が待ち構えているとしたら……。そんな最悪な状況が描かれるのが、本作です。
【あらすじ】
週末だけオープンしているスキー場を訪れた、親友同士のダン(ケビン・ゼガーズ)とジョー(ショーン・アシュモア)、そしてダンの彼女のパーカー(エマ・ベル)の3人。係員に無理を言って、終了直後のリフトに乗せてもらい最後の滑走に向かった。しかし、不運が重なり、彼らの乗ったリフトが山頂に着く前に、リフトの営業が終了してしまう。週末だけのオープンだが、彼らが乗ったのは日曜の夜。つまり翌週の金曜日まで、3人はリフトの中腹で取り残されてしまう……。どうにか助けを呼ぶため、ダンが意を決してリフトから飛び降りるも、その高さは彼らの想像を超えていた……。
この作品、以前スノーボードをしに友人たちとリフトに乗っている最中に勧められた作品でした。正直あらすじを読んだ時点で、「あーもうこの状況しんどすぎる!」と思って、なかなか手を出すことができなかったのですが、真夏の今だからこそ、ちょっとした距離感をもって楽しめる作品です。
彼らが取り残されたのは、スキー場といっても、林の上のリフト。気軽に誰かが通りそうもない場所で、食べ物も携帯もなく、もちろんトイレにだって行くことができません。下を見れば到底降りられる高さではない上に、スキーのオンシーズン、冷たい雪や雹が無情にも3人に降り注ぎます。
数時間いるだけで顔に凍傷ができるような寒さのなか、ダンが助けを呼ぶために意を決して飛び降りるのですが……。とりあえず見終わった後、すぐに「高所 安全な飛び降り方」と検索しました……。雪山の恐怖を考えると、しばらくはこの暑さにすらありがたみを感じる、そんなすっと背筋が凍る映画体験をどうぞ。
「涼しさを感じられる映画」セレクト、いかがだったでしょうか。心理的にも物理的にも、涼を得られる作品のパワーを借りて、暑い夏を乗り切りましょう!
「ミッドサマー」 配信中!
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