コラム：LiLiCoのHappy eiga ダイニング - 第3回

第3回：中村義洋監督はムチより怖いものを持っている
対談ゲスト：「ゴールデンスランバー」堺雅人、竹内結子

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■ぶっ飛んだ竹内を見てみたい（堺＆リリコ）

リリコ：次に、一番好きな映画を1本だけ教えてください。

竹内：「フライド・グリーン・トマト」です。初めて見たのは小学生くらいだったかな。自分の何かを変えたいっていう女性の辛さや時代背景は当然ながら分からなかったんですが、ものすごくうらやましいって気持ちを持ったんです。「はじけてみたい！」みたいな。今だったら違った視点で見ることになると思うんですが。見るタイミングによって目線が変わる作品だと思います、私にとって。

堺：僕の場合は、こういう仕事をしているのに映画ってあまり見ないんですよ。1本を挙げるとするならば、今撮影している作品（「武士の家計簿」）になるのかな。

竹内：あ、その手があったか！

堺：逃げみたいな答えですみません（笑）。だけど、今の話を聞いていると、ぶっ飛んだ竹内さんを見てみたいなあ。相当エキセントリックで「私を止めて！」みたいな役を見てみたい。

リリコ：私も見てみたい。最初すごくおとなしい方かと思ったら、会うたびに「ワーオ」みたいな印象があるから（笑）

■過去が笑えるようになったらすべて宝物（竹内）

リリコ：そして、自分にとっての宝物は？

竹内：生きていること……。それ、突き詰めすぎかな。過ぎてしまって取り返しのつかないようなこと、全てひっくるめて自分の過去が笑えるようになったら、それがすべて宝物になる気がします。「ああ、あんなことやっちゃったね」と誰かと笑える瞬間がきたら、宝物ですかね。まだまだ最中なんですよ。だって肯定しないと、やっていられないですよ。

堺：僕は宝物といえば1本1本の作品。僕だけではなく、みんなで作り上げていくものだから。僕が死んでも、「青柳って形でここにひとりいたな」みたいな。そうした痕跡を残しながら仕事をしているんじゃないでしょうか。今、いいこと言ったよ（笑）。