コラム:FROM HOLLYWOOD CAFE - 第211回
2013年1月11日更新
第211回:今年は運動不足解消!自宅でできるフィットネス“Nike+ Kinect Training”
ゴールデン・グローブ賞の投票という重責を果たし、ようやく仕事が一段落したので、怠けきった体を鍛えなきゃいけないと切実に感じている。でも、スポーツクラブに通うのは億劫だし、フィットネスDVDが長続きするとも思えない。物ぐさな僕にも長続きできそうなものはないかと探して、Nike+ Kinect Trainingにたどり着いた。
これは、X BOX 360向けのフィットネスゲームだ。一昔前に流行ったWii Fitと似ているけれど、こちらはKinectセンサーに対応しているので、動作をより正確に計測してくれる。いくつかのトレーニングメニューが用意されていて、自分の目標に合わせて選択すれば、あとは指示通りにプログラムをこなしていくだけだ。リアルタイムでインストラクターが指示してくれたり、励ましてくれるので、まるで自宅にトレーナーがやってきてくれたような気分になる。ただし、ゲーム性はほとんどなく、内容はかなりハードだ。僕は週3日、1回あたり25分間程度の初心者コースを選んだのだけれど、5分もすると汗がにじみ、15分で息が上がる。終了するころには汗が噴きだし、翌日は筋肉痛に悩まされることになる。部活に励んでいる学生さんにはたいしたことないかもしれないけれど、1日座って仕事をしている40オーバーの自分には、スパルタ以外のなにものでもない。
それでもなんとか続けられるかもしれないと思えるのは、このソフトがNike+と連動しているからだ。Nike+とは、ワークアウトのデータを一括管理するナイキのオンラインサービスだ。もともとは、Nike+iPodという、iPodを利用したランナー向けに立ちあげられたサービスだが、今ではさまざまなデバイスに対応した総合ワークアウトサイトに成長している。僕はランニングデータを記録するiPhoneアプリNike+Runnningと、1日の活動量を計測するFuelbandのデータを同期しているのだが、さらにKinect Trainingでのトレーニング記録が加わることになった。Nike+を利用するようになってからすでに6年以上が経過するけれど、つくづくユーザーをその気にさせるのが上手だと思う。体に良いことが誰にもわかっていながら、多くの人が運動を続けることができないのは、モチベーションの維持が難しいからだ。現代生活は忙しく、エクササイズはたいてい単調で孤独だから、強い意志を持っていないと挫折してしまう。でもNike+は、日々のトレーニング結果をログすることでユーザーに成果を実感させてくれるばかりか、一大コミュニティを形成することで仲間意識を芽生えさせてくれる。さらに記録を更新するごとにメダルをもらえたり、ナイキ所属の有名スポーツ選手が直々に励ましの言葉をくれたりと、三日坊主にならないための工夫が散りばめられているのだ。
Nike+ Kinect Trainingに関しても、トレーニングを受けるためには、Fitness Challengeという名の身体能力テストを受けなくてはならない。結果は、Fuel Pointsという独自の数値で出るのだが、これを1カ月ごとに受けることになる。先日、はじめて1カ月後に受けたら、ちゃんと数値が上がっていてうれしくなった。このソフトを利用するために、わざわざX BOX 360とKinectのセットを購入しなくてはならなかったけれど、今のところは満足している。ダイエットや運動不足の解消を新年の抱負にした人には、ぜひともおすすめしたい。
筆者紹介
小西未来(こにし・みらい)。1971年生まれ。ゴールデングローブ賞を運営するゴールデングローブ協会に所属する、米LA在住のフィルムメイカー/映画ジャーナリスト。「ガール・クレイジー」(ジェン・バンブリィ著)、「ウォールフラワー」(スティーブン・チョボウスキー著)、「ピクサー流マネジメント術 天才集団はいかにしてヒットを生み出してきたのか」(エド・キャットマル著)などの翻訳を担当。2015年に日本酒ドキュメンタリー「カンパイ!世界が恋する日本酒」を監督、16年7月に日本公開された。ブログ「STOLEN MOMENTS」では、最新のハリウッド映画やお気に入りの海外ドラマ、取材の裏話などを紹介。
Twitter:@miraikonishi