コラム:FROM HOLLYWOOD CAFE - 第193回

2012年8月14日更新

FROM HOLLYWOOD CAFE

第193回:チャリティ活動にいそしむハリウッドスターたち

映画保存の重要性を訴えるスピルバーグ監督
映画保存の重要性を訴えるスピルバーグ監督

今夏も「トップ・シェフ:マスターズ」が放送開始となった。同番組は、若手シェフがレストランの開業資金を巡って争うコンペティション系のリアリティテレビ「トップ・シェフ」の“お兄さん版”とも呼べるスピンオフで、アメリカの人気シェフが料理に関するさまざまな対決をしながら、優勝を目指すというもの。シーズン4となる今回は、シアトルのフレンチの名店のシェフ、ティエリ・ロートゥロー氏やオプラ・ウィンフリーの個人シェフとして知られるアート・スミス氏、日本人シェフの柳橋隆氏などカラフルな顔ぶれが参加していて、見ていてとても楽しい。

「ハンガー・ゲーム」でブレイクした ジェニファー・ローレンス
「ハンガー・ゲーム」でブレイクした ジェニファー・ローレンス

実は、「トップ・シェフ:マスターズ」がスタートしたとき、有名シェフたちがどうして出演を了承したのか首を傾げたものだ。知名度をあげたい新人シェフならともかく、彼らはすでにそれなりの富と名声を得ているベテラン料理人だ。テレビで失態を演じれば、店の売上げにも響きかねない。

それでも、ベテランシェフたちがこぞって出演を了承したのは、番組側が用意した仕掛けのためだ。優勝者にはもちろん、毎回行われるコンペの勝利者に賞金が提供されるのは「トップ・シェフ」と同じだが、受取人はシェフ本人ではなく、シェフが指定するチャリティになっているのだ。料理人たちは富や名声のためではなく、自らが支援するチャリティ団体のために番組に参加しているのである。募金活動とあれば番組出演への大義名分が立つし、たとえ勝負で負けても「チャリティマッチだから」という言い訳が立つ。有名シェフをリアリティ番組に引きずり出すために、番組サイドもよく考えたものだと思う。

記念写真を撮りあうジャック・ブラックとダスティン・ホフマン
記念写真を撮りあうジャック・ブラックとダスティン・ホフマン

このカラクリを知って驚いたのは、有名スポーツ選手やハリウッドスターだけでなく、一般の料理人であっても、チャリティ活動を積極的に行っているという事実だ。実際、アメリカ人の平均寄付額は、日本人よりもはるかに多いと聞く。このあたりは国民性の違い、あるいは文化の違いかもしれない。

チャリティと言えば、先週ビバリーヒルズ・ホテルで、スティーブン・スピルバーグ監督やダスティン・ホフマンジョン・トラボルタジャック・ブラックなど豪華スターが集まった昼食会が行われた。正式名称を“HFPA Grants & Installation Luncheon”といって、僕が去年入会したハリウッド外国人記者クラブ(HFPA)主催の昼食会だ。毎年HFPAは、映画学校や映画関係の非営利団体に助成金を出していて、各団体の代表に授与を行うのがこの会合の一番の目的だ。

歓談するジョン・トラボルタとブラッドリー・クーパー
歓談するジョン・トラボルタとブラッドリー・クーパー

スピルバーグ監督は、スコセッシ監督らが立ち上げた映画保存の非営利団体“The Film Foundation”の代表として出席、ジョン・トラボルタはAFIやNYU、UCLAといった映画学校の代表として助成金を受け取った。ジェニファー・ローレンスはサンダンス・インスティテュート、ジャック・ブラックは複数の青少年向けの非営利団体の代表として出席した。

いずれもハリウッドの人気者だから相当忙しいはずなのに、涼しい顔をしてチャリティのために駆けつける姿はとても格好良い。自分も出来る範囲で何かしなきゃと思わされた。

筆者紹介

小西未来のコラム

小西未来(こにし・みらい)。1971年生まれ。ゴールデングローブ賞を運営するゴールデングローブ協会に所属する、米LA在住のフィルムメイカー/映画ジャーナリスト。「ガール・クレイジー」(ジェン・バンブリィ著)、「ウォールフラワー」(スティーブン・チョボウスキー著)、「ピクサー流マネジメント術 天才集団はいかにしてヒットを生み出してきたのか」(エド・キャットマル著)などの翻訳を担当。2015年に日本酒ドキュメンタリー「カンパイ!世界が恋する日本酒」を監督、16年7月に日本公開された。ブログ「STOLEN MOMENTS」では、最新のハリウッド映画やお気に入りの海外ドラマ、取材の裏話などを紹介。

Twitter:@miraikonishi

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