コラム:Celeb☆Graphy セレブ☆グラフィー - 第70回

2017年12月19日更新

Celeb☆Graphy セレブ☆グラフィー

【vol.70】激震!2017年ハリウッドを揺るがした3大不祥事

2017年も終わりに近づいてきました。皆さんにとってどんな1年でしたか? 今年は洋画が豊作でしたが、ハリウッドではトラブルが続出。今回は、2017年ハリウッドを揺るがした3大不祥事を振り返ってみましょう。

その1:前代未聞!アカデミー賞授賞式でまさかの発表ミス
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映画界最大の祭典、アカデミー賞。ハリウッドの頂点ともいえる晴れ舞台で、発表ミスというまさかのハプニング。授賞式のクライマックス、作品賞受賞作として名前を呼ばれたのは「ラ・ラ・ランド」。キャスト・スタッフがステージに上がり、喜びのスピーチが始まったのですが……。

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突然、プロデューサーのジョーダン・ホロウィッツが封筒を掲げて、「ムーンライト」が受賞作であると訂正したんです。「えっ、ウソでしょ!?」とテレビ中継を見ながら大パニック。こんな肝心なとこ間違えるなんて信じられない!!!

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前代未聞のミスは、舞台袖にいた担当者がTwitterに興じていて、プレゼンターのウォーレン・ベイティに誤った受賞結果のアタッシュケースを渡したのが原因。しっかりしてよね。大失態をしでかした担当者はもちろん出禁になったそう。この一件、来年の授賞式ではギャグのネタになりそうな予感。

その2:繰り返される悲しみ…相次いだ撮影中の死亡事故

夏には悲しい事故のニュースが連続して飛び込んできました。7月、人気サバイバルドラマ「ウォーキング・デッド」撮影現場で、建物の屋上からダイブしたスタントマンが、着地位置が悪かったために命を落としてしまいました。米Deadlineによれば、アメリカ国内でスタント事故による死亡者が出たのは17年ぶりだそう。翌8月には、異色のヒーロー映画「デッドプール2(仮題)」で、バイクのスタントに挑んだ女性レーサーが建物に衝突して帰らぬ人に……。本当に残念です。

手に汗握る迫力満点のアクションは大好きだけど、多くの人を楽しませる映画やドラマだからこそ、痛ましい事故とは無縁でいてほしいと願うばかりです。

その3:相次いだセクハラ・性犯罪の告発
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そして、2017年ハリウッドをもっとも揺るがしたのは、相次いだセクハラ・性的暴行の告発。大物プロデューサーのハーベイ・ワインスタインの過去30年以上にわたるセクハラ行為をニューヨーク・タイムズ紙が暴露したのをきっかけに、大勢の女優や映画関係者たちが自分たちの体験談を次々に告白。その数、なんと80人以上! 傍若無人なふるまいが明らかになり失脚したワインスタインですが、セクハラ等の事実は認めておらず反省の色はなし。往生際が悪いったらありゃしない。

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それにしても、出るわ出るわ。ピクサーの創設者ジョン・ラセターに、オスカー俳優のケビン・スペイシーダスティン・ホフマンらビッグネームが次々と挙がり、「えっ、あの人もなの!?」と毎日のようにビックリしっぱなし。テレビ界でも大物キャスターや名物司会者がセクハラ疑惑で続々と退場。退任に追い込まれたスタジオ幹部も、1人や2人ではありません。ハリウッドが男性優位社会であることは以前から問題視されていましたが、ここまで女性軽視が横行していたなんて、怒りを通り越して悲しくなってしまいます。

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性犯罪に対する抗議運動は、ショウビズ界にとどまらず一気にヒートアップ。SNSでは「#MeToo」のハッシュタグをつけた体験談であふれかえりました。そして、米タイム誌の恒例企画「今年の人」で選出されたのは「沈黙を破った人々」。ワインスタインの告発記事から2カ月あまりで、セクハラ問題が社会問題として認識されるまでになったのは、葛藤(かっとう)や偏見を乗り越えて声を上げた女性たちの勇気の賜物でしょう。

今回のセクハラ騒動でわかったのは、年齢・性別・職業に関わらず、不快な体験を我慢してきた人たちがこんなにも大勢いるということ。ハリウッドがこの問題をどのように改善していくのか。世界への発信力をもつ映画人たちの対応から目が離せません。

2018年はハッピーで楽しい話題をたくさんお届けできますように。それでは皆さん、よいお年をお迎えください。



筆者紹介

映画.com編集部のコラム

政氏裕香(まさうじゆか)。アメコミ系やジャンル系映画を中心に美男美女探しに夢中。最近にやけ顔がとまらないのは、「君の名前で僕を呼んで」のティモシー・シャラメと「ブラックパンサー」のマイケル・B・ジョーダン。

 飯田沙野(いいださや)。映画と海外ドラマ漬けの日々を送る映画.com編集部員。コテコテの恋愛映画を愛する絶望的なロマンティスト。

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