「スタンド・バイ・ミー」放送記念 ティーンエイジャーの冒険を描いたおすすめ映画5選 【映画.comシネマStyle】

2021年5月28日 20:00


「ミクロキッズ」から「ジュマンジ」、「ぼくらの七日間戦争」まで!
「ミクロキッズ」から「ジュマンジ」、「ぼくらの七日間戦争」まで!

毎週テーマにそったおすすめ映画をご紹介する【映画.comシネマStyle】。

5月28日に映画史に残る青春映画の金字塔「スタンド・バイ・ミー」が、日本テレビ系「金曜ロードショー」で放送されます!

スタンド・バイ・ミー」といえば、10代の少年たち4人のひと夏の冒険が描かれているということで、今週は「スタンド・バイ・ミー」の余韻を楽しみながら見たい「ティーンエイジャーが活躍する冒険映画」5本を集めてみました。(文:蛯谷朋実、ドーナッツかじり)


▽もし体が小さくなったら? 理想と恐怖がいっぱいつまったおもちゃ箱映画
ミクロキッズ」(1989年/93分/ジョー・ジョンストン監督)

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体が小さくなったらやってみたいことってなんですか? 体より大きなお菓子に食らいつきたい。庭を探検してみたい。葉っぱのそりで遊びたい。レゴの中で寝てみたい。そんなことが頭に浮かんではいませんか?

それが映画で体感できると言ったら見たくないですか? 「ジュラシック・パークIII」「キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー」などを手がけたジョー・ジョンストンの初監督作品の本作で、その夢が叶います!

【あらすじ】
 あらゆる物質を260 分の1に縮小してしまうという“電磁物体縮小機”の研究に没頭しているサリンスキー(リック・モラニス)の研究室に、隣家のトンプソン夫妻の次男ロン(ジャレッド・ラッシュトン)の打った野球の球が飛び込み、そのはずみで縮小機が動き出した。そうとは知らないロンと兄のラス(トーマス・ブラウン)は、サリンスキーの娘エミー(エミー・オニール)と弟のニック(ロバート・オリベリ)とともに、球を拾いに研究室にやってきて、縮小機の光を浴び、たちまち4人はミクロ・サイズに縮んでしまう。それに気づかずサリンスキーが子どもたちをゴミとして捨ててしまう。子どもたちは無事家にたどり着き、元の大きさに戻れるのか!?

ただ、体が小さくなることは楽しいだけではないのです。アリが自分よりも大きかったり、ちょっとした水たまりがまるで湖のように広く感じたり、スプリンクラーの水しぶきが命取りになったり、小さな庭が前人未到のジャングルのようだったり……。子どもたちにありとあらゆる困難が待っています。なんて言ったって、人に踏まれようものならひとたまりもない大きさです。

しかしなぜでしょうか? この映画を見ると、小さくなるという想像には、恐怖よりも興奮が高まってしまいます。自分のよく知っている庭が冒険フィールドになる、筆者は初めて見たときから、ことあるごとにその想像をしてワクワクしていました。

覚えている方もいると思いますが、東京ディズニーランドにはこの映画をもとにした「ミクロアドベンチャー」というアトラクションがあり(今の「スティッチ・エンカウンター」がある場所)、筆者にとっては大好きな映画の追体験をさせてくれるお気に入りのアトラクションでした。

「自分が小さくなったら何をしたい?」という話をしながら、ぜひご家族で鑑賞してほしい作品です。さらに続編の「ジャイアント・ベビー」では、反対に巨大化して巻き起こる騒動も面白いので、合わせてチェックしてみてください。


▽ゲームの出来事が現実になる! 魅力的世界観で“成功確定”の名作アドベンチャー
ジュマンジ」(1996年/104分/ジョー・ジョンストン監督)

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スター・ウォーズ」シリーズで視覚効果の美術監督を務め、「ミクロキッズ」を手がけたジョー・ジョンストン監督が、童話作家クリス・ヴァン・オールズバーグの同名絵本をもとに作り上げた本作。サイコロを振り、ゲームに浮かび上がる内容が現実になる不思議なゲーム盤「ジュマンジ」をめぐる、ファンタスティックなSFXアドベンチャー。名優ロビン・ウィリアムズが主演を務め、ボニー・ハント、幼い頃のキルステン・ダンストが共演しています。

【あらすじ】
 1969年、製靴工場を営むニューハンプシャーの名家パリッシュ家のひとり息子で、気の弱い少年アランは、厳格な父サム(ジョナサン・ハイド)にいつも叱られていた。ある日、アランは工事現場から「ジュマンジ」と書かれた古いボードゲームを掘り出し、友人サラ(ローラ・ベル・バンディ)とプレイすることに。しかし「ジュマンジ」の不思議な魔力で、アランはゲーム盤のなかのジャングルへと吸い込まれ消えてしまう。そして26年後、アラン一家が住んでいた屋敷に、伯母ノーラ(ベベ・ニューワース)に連れられ、両親を亡くした姉弟ジュディ(ダンスト)&ピーター(ブラッドリー・ピアース)がやってくる。ふたりは屋根裏部屋で「ジュマンジ」を発見する。

筆者は幼い頃に「日曜洋画劇場」で見ましたが、やはり「ゲームの出来事が現実になる」という、これ以上ないほどワクワクさせてくれる設定で、既に勝利が決まっていた作品だなと感じます。

“この世界の外へ出たい人のゲーム”「ジュマンジ」は、「人生ゲーム」のように山あり谷あり、良いこともあれば悪いこともある……というわけではなく、ハードな出来事が起こり続けます。「あれ? 良い目が出ることもあったような……」と記憶をたどりながら改めて見返したのですが、「この世の悲劇を全てカバーしているのではないか」と被害妄想が膨らんでしまうほど大変な目ばかりなので、「もうやめてくれ! 早く誰かゴールしてくれ!」と、手に汗握りながら見守ってしまいました。

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またCG、アニマトロクス、特殊メイクなどの特殊技術がふんだんに使用され、サイコロを振るたびにめまぐるしく変わっていく世界が生き生きと描かれています。ゲームから次々と飛び出してくる猿、象、サイなどの動物たちや、最後にはまるでジャングルの奥地と化す屋敷のビジュアルにも注目です。

奇想天外な設定や、ゲームがもたらす数々の試練に目を奪われがちですが、ストーリーの中心にあるのは親子の絆。特に26年もの間ジャングルに囚われ、ジュディ&ピーターがゲームを再開したことで現実に戻ってこられたアラン(ウィリアムズ)が、時を経て父の深い愛を知るシーンには涙が溢れます。「怖いものに立ち向かえ」という父の教えを、ピーターに伝えていくアラン。ゲームをプレイする4人の“疑似家族”のような不思議な関係性も含め、家族のあたたかさを感じられる作品です。

「ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ジャングル」
「ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ジャングル」

ちなみにドウェイン・ジョンソン主演でヒットを記録した続編シリーズ「ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ジャングル」「ジュマンジ ネクスト・レベル」も要チェック。居残りをさせられていた、個性がばらばらの高校生4人(「ブレックファスト・クラブ」を彷ふつとさせるような設定ですね)が中心となり、新たな冒険が繰り広げられます。

ゲーム内では、現実の自分とはかけ離れたキャラクターになったり、それぞれのスキルを駆使して戦ったりと、続編ならではの要素も最高。パワーアップした「ジュマンジ」を楽しんでください。


▽なぜ穴を掘らされるのか―穴からつながる世代を越えた数奇な運命
穴 HOLES」(2003年/117分/アンドリュー・デイビス監督)

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一族にかけられた呪いのせいで、何をやるにもうまくいかない。そんな言葉を聞くと、「単なる言い訳では?」と言いたくもなりますが、スタンリー少年にかけられた呪いは相当のもので、彼の不運には同情を禁じえません。

【あらすじ】
 靴泥棒と間違われ逮捕されたスタンリー(シャイア・ラブーフ)は、青少年犯罪者の矯正キャンプに送られてしまう。そこで待っていたのは、炎天下の砂漠のなかでの穴掘り作業。「一族にかけられた呪いのせい」と、不幸を恨み作業を進めるなかで、とある金属の筒を発見する。すると今まで作業に無頓着だった所長(シガニー・ウィーバー)が色めき立った。一体所長の目的とは? スタンリーの運命は?

まずは、空から降ってきたスニーカーから物語はスタートします。たまたま彼の頭上に落ちてきたスニーカーをキャッチすると、聞こえるサイレンの音。条件反射的に逃げ出したスタンリーはパトカーに勝てるわけもなく、捕まってしまいます。そのスニーカーは、近くの養護施設から盗み出された有名選手が寄付した靴。スタンリーはあえなく、砂漠の青少年矯正キャンプへと送られてしまうことになります。

そんなことが起こっているのに、スタンリーの父と祖父はどこかしょうがないという顔。イェルナッツの男は、先祖が豚を盗んだせいで末代まで呪われているというので、「こんなトラブルしょうがない」とあきらめムードなのです。

そこからスタンリーは毎日毎日、キャンプにいる個性豊かなメンバーとともに直径150センチ、深さ150センチの穴を掘らされる毎日。その理由もわからないまま、灼熱の砂漠で作業を続けることになります。でも不思議なのは、このキャンプの少年たち、大変な毎日を送っているはずなのに、どこか楽しげでほほ笑ましさすら感じるのです。そんな愉快なメンバーとともに、ひとつの金属の筒を発見したことで、物語は怒涛の展開へと向かっていきます。

穴、呪い、靴泥棒、幸せの親指、女強盗……、その全てが次々と繋がっていく爽快感がたまりません! きっと結末には、誰もがほほ笑まずにはいられなくなるはず!


▽“ひと夏の思い出”が、一生忘れることのできない出来事へと変わる 80年代ジュブナイル映画へのオマージュ満載
サマー・オブ・84」(2019年/106分/R15+/フランソワ・シマール監督、アヌーク・ウィッセル監督、ヨアン=カール・ウィッセル監督)

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思春期真っ只中のオタク少年たちが、思いがけない恐怖に直面するさまを描いた青春ホラー。

【あらすじ】
 84年の夏、アメリカ郊外の住宅街で暮らす15歳のデイビー(グラハム・バーチャー)は、エイリアン、幽霊、猟奇殺人などの記事を収集する、好奇心旺盛な少年。彼は向かいの家に暮らす警察官マッキーが、近隣を賑わせている子どもの連続殺人事件の犯人ではないかと疑い、親友のイーツ(ジュダ・ルイス)、ウッディ(ケイレブ・エメリー)、ファラディ(コリー・グルーター=アンドリュー)とともに調査を開始する。しかし、そんな彼らの行く手に、想像を超えた恐ろしい現実が待ち受けていた。

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カナダの映像制作ユニット「ROADKILL SUPERSTARS(RKSS)」が手がけた本作は、80年代のスラッシャー映画やホラー、サスペンス、青春映画にオマージュが捧げられています。

秘密基地に集う少年たちの仲良しグループ、平和な街で起きた衝撃的な事件と独自の捜査、デイビーが思いを寄せる少女ニッキー(ティエラ・スコビー)などの設定はもちろん、自転車、双眼鏡、トランシーバーなどのアイテムに至るまで、ジュブナイル映画おなじみの要素がちりばめられています。

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なかでも4人組のキャラクターが、どこか「スタンド・バイ・ミー」的なんですよね。一見ひ弱そうだけれど、絶対に「犯人を追いつめる」という信念を曲げないデイビー、ワイルドなイーツ、ぽっちゃりしたウッディ、女の子に興味津々な眼鏡のファラディ。彼らが知恵をしぼり、様々な作戦を駆使してマッキーの身辺調査をしていく過程が、生き生きと切り取られています。

ですが、そんな少年たちの「ひと夏の冒険」をノスタルジックな気分で眺めていると、ある大きな落とし穴がぽっかりと口を空け、見る者を「一生忘れることのできない結末」へと誘います。筆者にとってはジュブナイル映画史上、最も衝撃を受けた作品になりました。くれぐれも油断せず、結末を見届けてください。


▽理不尽な大人とルールに宣戦布告! 中学生が仕掛ける本気の戦い
ぼくらの七日間戦争」(1988年/94分/菅原比呂志監督)

理不尽な校則に反発し廃工場に立てこもった中学生と、教師や親など大人たちとの戦いを描く物語。菅原比呂志監督が宗田理氏の同名小説を映画化し、宮沢りえ(当時からめちゃくちゃかわいらしい……!)が華々しい銀幕デビューを飾りました。

なお2019年には、アニメ映画版「ぼくらの7日間戦争」が製作されています。2020年の北海道を舞台にしており、北村匠海芳根京子が声の出演を果たしているほか、劇中にはひとみが30年後の姿で登場し、宮沢が再び同役を担当しています。

【あらすじ】
 ある日、厳しい校則に耐えかねた青葉中学1年の男子生徒8人が失跡。彼らは町外れにある廃工場に立てこもり、やがて中山ひとみ(宮沢)ら女子3人も加わり、11人の生活が始まった。しかしやがて、教師や親に居場所がばれてしまう。説得にやってきた大人たちを撃退した子どもたちは、バリケードをつくり武装化し、工場の地下で眠っていた戦車までも動かす。一方の学校側は機動隊の出動を要請し、「子どもVS大人」の本格的なバトルが始まろうとしていた。

子どもたちが活躍する邦画と聞いて思い浮かぶのは、やはり本作でしょう。立てこもり(レベルは全く違いますが、小中学生の頃のお泊まり会を懐かしく思い出しました)のために家から荷物を持ってきたり、食料を買いこんだりと、準備だけでもワクワクさせてくれますし、廃工場での生活描写も見どころです。

アニメ「ぼくらの7日間戦争」
アニメ「ぼくらの7日間戦争」

本作で描かれるのは、ファンタジックな冒険ではなく、抑圧的な大人たちに仕掛ける“戦争”。暗い廃工場で、懐中電灯を手に子どもたちがずらりと並ぶカットは、しびれるほどのかっこよさです。

また子どもたちの容赦ない&えげつない武力攻撃は、「ホーム・アローン」に負けず劣らず爽快感たっぷり。突入する機動隊員たちを、天井から吊られた巨大タイヤが襲う「SASUKE」的展開やセメント爆弾、そして何といっても戦車が登場し、「ありえないだろ!」とツッコミながら見るのも楽しいのです。

子どもたちを立てこもりへと駆り立てるのは、パーマをあてた髪を無理矢理水道で洗わせたり、伸びた前髪をハサミで切ったり、スカート丈を定規で測ったりと、教師たちが執拗に押しつける厳格なルール。そうしたブラック校則や体罰はもちろん、両親の不仲やネグレクトなど、現代に通じる社会問題も織り交ぜられています。

アニメ「ぼくらの7日間戦争」
アニメ「ぼくらの7日間戦争」

特に、両思い同士の相原徹(工藤正貴)と橋口純子(五十嵐美穂)が屋上で語り合うシーンが印象に残っています。

「俺さ、時々飛べるんじゃないかなって思うことがあるんだ。このまま宙に浮くっていうかさ、いつか飛べるんじゃないかと思ってるんだ(中略)」「相原くん、私も一緒に飛びたい」――。

「大人たちは何もわかっていない」というモヤモヤを抱えながらも、どこまでも飛んでいけそうな、何者にでもなれそうな気がしていた、最強の子ども時代を思い出させてくれる。いま見返してみると眩しすぎて、胸がきゅっと締めつけられるシーンです。


「ティーンエイジャーが活躍する冒険映画」セレクト、いかがだったでしょうか。いままさに青春を満喫しているという方、「スタンド・バイ・ミー」を見て子ども時代を思い出したという方は、映画を通して、新たな冒険の旅に出かけてみてください。本記事がそのガイド役としてお役に立てば幸いです。

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