【映画.com編集部座談会】私たちが恋したリバー・フェニックス

2021年5月28日 09:00


永遠に輝き続けるリバー・フェニックス
永遠に輝き続けるリバー・フェニックス

映画.comで働くメンバーには、ハリウッドスターに憧れて現在の仕事に就いたという人も少なくありません。じゃあ、みんなはいったいどの映画を見て“あのスター”のファンになったのか? 世代によってその出会いはさまざまです。

みんなの原点を知るべく、<スターを好きになるきっかけになった映画>をテーマに、座談会を開催してみました。第3回は今なお愛され続ける永遠のスター“リバー・フェニックス”について語り合いました。

<参加メンバー>
A子:40代前半・編集部員
B子:20代半ば・編集部員
C子:30代前半・編集部員
D子:30代前半・編集部員


A子(幹事・40代):第1回がキアヌ・リーブス、第2回がハリソン・フォードと来たら、次はもうリバー・フェニックスを語るしかないでしょう……!

C子(30代前半):キアヌはリバーの親友ですし、ハリソンとは親子役で共演していましたもんね。確かに、過去の座談会を振り返ると、意図的と思えるくらい伏線が張り巡らされてますね!

B子(20代半ば):今週は「リトル・ニキータ」(5月27日に放送済)と「スタンド・バイ・ミー」(5月28日午後9時30分~日テレ「金曜ロードショー」)が続けて地上波で放送されますし、これはもう語るしかないです!

「スタンド・バイ・ミー」
「スタンド・バイ・ミー」

A子:リバーが生きていたら、今は50歳。私は40代だからリバー・フェニックス世代なんだけど、20代のB子はどの作品でリバーを知ったの?

B子:私は王道ですけど、「インディ・ジョーンズ 最後の聖戦」と「スタンド・バイ・ミー」ですね。

D子(30代前半):そうか、B子は「インディ・ジョーンズ」ファンだもんね!

B子:そうなんです。インディの少年時代をリバーが演じていて、美少年だなぁって! この映画が初めて触れたリバー作品でした。

A子:確かに、リバーの出演作の中では一番の大作だから、この作品が入り口になる人は多いかもしれないね。

B子:ただ、「最後の聖戦」は幼い頃に見たので、その時は「リバー・フェニックス」という名前は認識できていませんでした。ある程度、成長してから「スタンド・バイ・ミー」を見て、「あ、この子、あの時の!」って気付きました。

でも、今日オススメしたいのはその2作品じゃなくて、「エクスプロラーズ」なんです。見たことがある方、いますか?

「エクスプロラーズ」
「エクスプロラーズ」

※「エクスプロラーズ」…「グレムリン」のジョー・ダンテ監督が手掛けたSFファンタジー映画。子役時代のイーサン・ホークが主演し、リバー・フェニックスが友人役で出演した。1985年製作。

A子:リバーの映画デビュー作! 王道のジュブナイル映画だよね。40代の私が子どもの頃に見た映画なのに、20代のB子がオススメ作品に選ぶなんて、意外!

B子:「スタンド・バイ・ミー」を見て、「リバー、めっちゃ良いなあ!」「他の作品も見たい!」っていう衝動に駆られまして(笑)。レンタルショップで出演作を漁って、見つけ出しました。

A子:デビュー作まで遡ったんだね!

B子:イーサン・ホークも出ていたので、1度で2度おいしい感じがして(笑)。「これはチェックしよう!」ってなりました。

C子:リバーのオススメ映画に、あえてこれを挙げた理由が気になる!

B子:少年3人組(イーサン、リバー、ジェイソン・プレソン)が夢の中で見た設計図をもとに宇宙船を手作りして、冒険に繰り出す物語なんですけど、宇宙に行く計画を立てたり、宇宙船を作ったり、その過程で起こるドタバタぶりがすごく楽しいんです。1985年の作品なので手作り感満載なんですけど、レトロな美術やセットもなんだか新鮮で。

リバーは「スタンド・バイ・ミー」とは真逆のキャラクターで、いじめられっ子でガリ勉の天才少年を演じてるんですけど、白衣&メガネ姿がめちゃくちゃかわいいです!

15歳の頃のリバー・フェニックス
15歳の頃のリバー・フェニックス

D子:私はB子と逆で、イーサン目当てで見ました。そうしたら、リバーが出ていたっていうパターン(笑)。

A子:この映画のイーサン、「発光してんのか!?」っていうくらいキラキラしてたもんね。

D子:そうなんです! イーサンもかわいいし、リバーの美少年ぶりもすごくて。3人ともめちゃくちゃかわいい!

私はイーサンもリバーも大人になってからの作品を先に見ていたので、「こんな時代もあったのね」って、エモーショナルな気持ちになりました。「スタンド・バイ・ミー」よりも子どもらしい感じの冒険映画ですよね。

A子:リバーの出演作はシリアスなテイストの作品が多いから、純粋に楽しめる「エクスプロラーズ」は貴重だよね。C子は、どうやってリバーと出会ったの?

C子:実は、私は「グラディエーター」でした。というのも、まず(リバーの弟の)ホアキン・フェニックスから入ったので……。

「グラディエーター」
「グラディエーター」

※「グラディエーター」…巨匠リドリー・スコットが、古代ローマを舞台に復讐に燃える剣闘士の壮絶な闘いを描いた歴史スペクタクル。第73回アカデミー賞で作品賞・主演男優賞など5部門を受賞。ラッセル・クロウ扮する主人公の宿敵をホアキン・フェニックスが演じた。2000年製作。

A子:ホアキンから辿り着くパターンか!

C子:「グラディエーター」は映画館で両親と見たんですけど、母がリバーのファンだったみたいで。母がエンドロールで「フェニックス」という名前を見つけて、帰り道で興奮気味に「あの悪役のお兄さん、すごく美しかったんだよ!」って教えてもらいました。

B子:素敵なエピソード!

C子:母が「スタンド・バイ・ミー」のジャケットを見せながら、「ほら、一番かっこいいでしょ?」って。当時、私は小学生だったので、母が誰のことを言っているのかわからなくて。(「スタンド・バイ・ミー」の4人の中に)「ホアキンに似ている人、いないな~」って思ってましたね。

「スタンド・バイ・ミー」
「スタンド・バイ・ミー」

B子:いい意味で、ふたりは似ていませんよね。実は私も割と長いこと、リバーとホアキンが兄弟だって知りませんでした。

A子:C子は、その後、お母さんから(リバーに関する)英才教育を受けたの?

C子:それが、受けてないんです。その頃から、私はジョニー・デップにハマっていて。母はそんな私を応援してくれました(笑)。ただ、デップもリバーに関わりがあるので、そのあたりは知っていましたね。

A子:リバーが亡くなった場所が、デップのお店(「ザ・ヴァイパー・ルーム」※)だったもんね。このエピソードは避けて通れないけど、もう悲しくなってきた。

※「ザ・ヴァイパー・ルーム」…ウエスト・ハリウッドにあるナイトクラブ。当時、ジョニー・デップが経営していた。ホアキン・フェニックスとともに同店を訪れたリバーは、薬物の過剰摂取によって1993年10月31日に23歳で死去した。

C子:私は我が道を進みましたけど、母はよく「儚い美しさがあるんだよ」って言ってました。私はリバーの出演作はあまり見てきてないのですが、「モスキート・コースト」が好きです。

「モスキート・コースト」
「モスキート・コースト」

※「モスキート・コースト」…ハリソン・フォードが文明を捨て、自然の中で生きようとする独裁的な男を演じた社会派ドラマ。リバー・フェニックスは長男役で出演した。1986年製作。

B子:ハリソン・フォードとの共演作! まだ見たことがないので、見どころを知りたいです。

C子:ハリソンが「こんな父親は嫌だ」を詰め込んだような役を演じてます(笑)。文明を嫌った父親が、妻と子供たちを連れて大自然の中で生きようとするんですけど、リバーがその長男役で出ていて。

A子:この作品もそうだけど、リバーは身勝手な親に振り回される息子役が印象的だよね。リバーの生い立ちと重なって、胸が苦しくなる。

C子:表情に陰があるなって思ってたんですけど、その後、リバーは両親の影響でヒッピー・コミューンや教団で暮らしていた時期があると知って。この陰の部分が、母の言う儚さにも繋がっているんだなって理解しました。

A子:彼の生い立ちを知ってから作品を見直すと、胸がえぐられるよね。顔が整っているだけじゃなくて、彼のまとう雰囲気とか、目から訴えてくるものがあるんだよね。

愁いと力強さを持つ唯一無二の瞳
愁いと力強さを持つ唯一無二の瞳

C子:物憂げな眼差しが、ずっと記憶に残りますよね。

D子:私はほとんどの作品を彼の生い立ちを知ってから見たので、「このときどんな気持ちで……」ってなりました。そういうフィルターを取り払っても、幼い頃から愁いがあるのに意思の強さを感じる美しい目だなって思います。

何年か前、リバーが亡くなった「ザ・ヴァイパー・ルーム」の数ブロック先のホテルに泊まったことがあるんです。でも、行けませんでした。うまく言えないんですけど、そういう場所には、心から悼む気持ちでしか行ってはいけない気がして。

ザ・ヴァイパー・ルーム
ザ・ヴァイパー・ルーム

A子:いつか訪れたい場所ではあるけど、観光気分では行けない気持ち、わかるな。

D子:ホテルのボーイさんと立ち話をしてるときに、「ここから近いよ」って教えてもらって。「ああ、観光地化してるんだな」って少し切ない気持ちになりました。

その時はもう代表作をそれなりに見ていて、幼少期の辛い経験なども知っていたので、ホテルで全く別件の原稿を書きながら、リバーを偲んで泣くっていう夜を過ごしました。

A子:私は雑誌の追悼特集でリバーを知ったんだけど、亡くなって1、2年が経った頃だったかな。当時、中学生だったんだけど、映画のポストカードを集めるのにハマっていて。通っていたお店でリバーのモノクロ写真を使ったポストカードを見つけて、誰かわからないのに一目惚れしました。

B子:1枚のポストカードが出会いだったなんて、ロマンティック! 誰かわからないのに惹かれるって、すごい引力ですね!

A子:昔っからイケメンには目がなくて(笑)。ポストカードを買って間もなく、雑誌の追悼特集を読んで、名前を知りました。もうこの世にはいないってわかって、すごく悲しかった。レンタルショップで出演作を探したんだけど、当時はあんまり作品もなくて、寂しかったなぁ。

B子:「新作がもう増えない」って辛いですよね。

A子:亡くなってだいぶ経ってから、遺作が劇場公開されたり、未公開作がDVD化されたりして増えたけどね。

B子:幻の遺作「ダーク・ブラッド」も、2014年に上映されましたよね。メガホンをとったジョルジュ・シュルイツァー監督がいろんな困難を乗り越えて完成させて、公開までこぎつけて。

「ダーク・ブラッド」
「ダーク・ブラッド」

※「ダーク・ブラッド」…撮影中にリバーが亡くなり、未完成のままお蔵入りとなっていた。大病で余命宣告を受けたシュルイツァー監督が、撮影できなかった部分をナレーションで補うなどして完成させた。2012年製作。

A子:実は私、この作品はまだ見てないんだよね。亡くなった後の作品に、ちょっと抵抗があって。見たい気持ちもあるから、対極の気持ちで揺れ動いているうちに、時間だけが過ぎちゃった。そろそろ勇気を出して見てみようかな……。

私がリバーの出演作で最も衝撃を受けたのは、「マイ・プライベート・アイダホ」。キアヌの座談会でも語ったけど、思春期には衝撃だった!

「マイ・プライベート・アイダホ」
「マイ・プライベート・アイダホ」

※「マイ・プライベート・アイダホ」…リバーとキアヌ・リーブスが男娼として身を売る青年を演じた青春映画。キアヌとは「殺したいほどアイ・ラブ・ユー」でも共演している。1991年製作。

B子:この映画で、ナルコレプシー(時間や場所に関係なく、突然強い眠気に襲われる病気)を知りました!

A子:当時、中学か高校生だったから、同性愛を扱った映画をあまり見たことがなかったし、男娼という設定も衝撃的で。同時期に「バナナ・フィッシュ」のマンガを友達に借りて読んで、主人公のアッシュがリバーと重なるなぁって思ったら、モデルだったっていう。

D子:「マイ・プライベート・アイダホ」のリバーと、「バナナ・フィッシュ」のアッシュはめちゃくちゃリンクしますよね。他にオススメの出演作ってありますか?

A子:私が好きなのは、代表作の「旅立ちの時」と「恋のドッグファイト」!

「旅立ちの時」
「旅立ちの時」

旅立ちの時」は彼の生い立ちと重なる部分があって切なくなるけど、見終わったあと、爽やかで前向きな気持ちになる。「恋のドッグファイト」はタイトルで損してる気がするけど、すごくかわいくてキュンとするラブストーリーだからぜひ見てほしい! ラスト近くで、朝焼けの中、リバーが坂道を駆けていくシーンがあるんだけど、その後ろ姿が本人と重なって、忘れられない。

今は、配信で気軽に古い映画も見られるようになったから、「スタンド・バイ・ミー」や「インディ・ジョーンズ」をきっかけにリバーを知った若い世代の人が、他の作品にも触れてくれたらうれしいな。

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