モスキート・コースト

劇場公開日:

解説

文明を捨て、自然の中で生きようとする独裁的な男の生き方を描く。製作はジェローム・ヘルマン、エグゼクティヴ・プロデューサーはソウル・ゼインツ。監督は「刑事ジョン・ブック 目撃者」のピーター・ウィアー。ポール・セローの原作を基に、ポール・シュレィダーが脚色。撮影はジョン・シール、音楽はモーリス・ジャールが担当。出演はハリソン・フォード、ヘレン・ミレン、リヴァー・フェニックスほか。

1986年製作/アメリカ
原題:The Mosquito Coast
配給:松竹富士
劇場公開日:1987年2月7日

ストーリー

アメリカのマサチューセッツ州ノース・ハンプトン。この町に住むアリー・フォックス(ハリソン・フォード)は、頑固なまでに自分の人生を貫き通し、何でも屋をしながら細々と生計を立てていた。れっきとした学歴を持ちながら、管理された社会を嫌うアリーは、強い信念に従い、妻(ヘレン・ミレン)、長男チャーリー(リヴァー・フェニックス)、次男ジェリー(ジャドレーン・スティール)、それに可愛い双子の娘エイプリル(ヒラリー・ゴードン)とクローヴァー(レベッカ・ゴードン)の5人家族を連れて、中央アフリカのホンジュラスへと向かった。大自然に包まれた、その地に、アリーは自分の人生と信念を託すのだった。早速、アリーは発明の才を生かし、豊富な木材などを利用して生活必需品を次々と作っていく。総力を尽くして働くアリー一家。ホンジュラスの町で雇った案内人のハディ(コンラッド・ロバーツ)や、ジャングルに住む現地人達も、アリー一家に力を貸していく。アリーはかねてからの夢だった栽培用の種子を保存するための氷を作る、巨大な製氷器を建造する。開拓を続けるアリー一家の前に、ある日、武装した3人の男達が現われた。殺気を感じさせる3人に危機感を抱いたアリーは、彼らを製氷機の中に閉じ込めて凍死させてしまう。その際に爆発した製氷器から多量のアンモニアが流出、ジャングルを汚染する。ショックのあまり自己嫌悪に落ちたアリー一家はジャングルを出て、海岸の掘ったて小屋で暮らしはじめた。しかし、追いうちをかけるかのように嵐が襲い、アリー一家は家もろとも海に投げ出される。アリーは家族の反対を押し切って河を上流へと、破損した家をいかだにして遡っていく。しばらく漂流を続けていると、説教の声が聞こえてきた。岸にいかだを着け、教会の中を覗くと、そこにはビデオの映像と音声が流れていた。それは、ホンジュラスヘ向かう船の中でアリー達と知り合ったスペルグッド(アンドレ・グレゴリー)と名乗る神父の仕業だった。彼にうさんくささを感じていたアリーは教会を破壊、逃げようとするが、スペルグッドに銃で撃たれてしまう。何かに憑かれたかのように一途に自分の道を歩み続ける父に、一時は殺意さえ抱いたチャーリーら家族に見守られて、アーリーは遂に息をひきとった。大河の流れの中で、家族の涙に送られて……。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第44回 ゴールデングローブ賞(1987年)

ノミネート

最優秀主演男優賞(ドラマ) ハリソン・フォード
最優秀作曲賞 モーリス・ジャール
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映画レビュー

4.0ハリソンがカーツ大佐になっちゃった‼️

2023年12月2日
スマートフォンから投稿

悲しい

怖い

難しい

文明を疎み嫌う主人公が文明を捨て、家族で南米のジャングルの奥地に移り住む。そこで製氷機を作り、現地の人々に氷を提供、信頼を得ていくが、ある日、3人の無法者がやって来た事で、すべてが崩壊していく・・・。周りの迷惑も考えず、自分の信念のまま行動するという全く共感出来ない人物を、ハリソンが熱演しています‼️公開当時、同じくピーター・ウィアー監督&ハリソン主演の「刑事ジョン・ブック/目撃者」に心酔していた私は、この作品に同じ感動を求めて面食らった記憶があります‼️でも今改めて観直してみると、人間の信念が別の人間の欲望のために崩壊、全てが無に帰す‼️まるでジョン・ヒューストン監督の「黄金」ですね‼️息子役のリバー・フェニックスから見た父親の姿、リバー・フェニックスの語り、リバー・フェニックスの視点で描かれた作風も印象的な秀作です‼️

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活動写真愛好家

4.0良作ヒューマンドラマ

2023年1月3日
iPhoneアプリから投稿

当時も批判が多く過小評価された映画ですが私はとても好きな映画です。これまでヒーローばかり演じてきたハリソンフォードがあえて堅物の父親役に挑んだヒューマンストーリーだったからです。

結果的にはバカな親父だな、こんな親嫌だな、て感想になると思うのですが、この親父はアフリカ密林地帯に氷を作るという偉業を成し遂げているんですよね。

本来ならこれで成功者となり家族皆裕福な暮らしができるハッピーエンドのはずが、このユートピアに招かれざるものが現れて事態が急変してしまう、言わば自分の欲望のためだけに生きている者によって全て破壊されてしまいます。世の中の不条理さがリアルに描かれていて私はこの映画の醍醐味はここにあるように思います。今我々が暮らしている世界と同じで知性や努力で得た幸せな暮らしをギャングに襲われている光景そのものです。

全てを奪われ喪失感に苛まれまたゼロからのスタートを強いられ家族にも反感を抱かれながら葛藤している父親の苦悩を見事にハリソンフォードが演じていてとても感動しました。本人も間違いであることを感じていながらももう後には引けないどうしようもない焦燥感がなんとも痛々しいヒューマンドラマです。

どうしてもリバーフェニックスが注目されてしまいますが(このリバーフェニックスが一番好きですけど)この映画ではあくまで脇役です。

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black swan

0.5タイトルなし

2020年10月4日
Androidアプリから投稿

ハリソンフォードの演じる反文明社会アメリカの狂信ぶりが描かれるが、何を訴えているのかわからずつまらない。

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KEI

3.5こんなおやじがいたら嫌だ

2018年1月6日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

こんなおやじがいたら嫌だ、というお題のひとつの答え。おやじがアホすぎて腹立つが、それ込みで楽しむ映画、といった感じ。
最初の村を作るところまで順調そのもの。だが、三人の部外者を殺そうとするところから雲行きが怪しくなる。もう、そこからはおやじの大暴走をあきれながら最後まで見守ることとなる。
人殺し、さらに化学薬品をまき散らし、原住民を残し自分たちは下流へ。次の住居も警告に耳も貸さず嵐に流され、また上流へ。そして協会で一騒ぎ(放火もおやじの仕業?)
もう、無茶苦茶。よく付いていくよ、奥さん、息子達も。という映画。

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okaoka0820
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