神木隆之介&門脇麦「太陽」で入江悠とタッグ!劇団イキウメの人気舞台を映画化
2015年2月11日 05:00

[映画.com ニュース] 気鋭の映画監督・入江悠が、読売演劇大賞ほか多くの演劇賞に輝く劇作家・前川知大率いる「劇団イキウメの舞台「太陽」を映画化することが決まった。夜にしか生きられない新人類と、太陽の下で貧しく暮らす旧人類の間で起こる対立と融和を通し、生きることの意味を問う近未来ストーリーにダブル主演として挑むのは、若手実力派の神木隆之介と門脇麦だ。
「SR サイタマノラッパー」シリーズ、「ジョーカー・ゲーム」などを手がけてきた入江監督が、神木、門脇という“戦友”を得て、2011年に公演されて熱狂的な支持を得た人気舞台の映画化に着手した。同作は、昨年7~8月には前川が脚本を書き直し、蜷川幸雄演出により「太陽2068」として舞台化。映画版では、入江監督が前川と共同で脚本を執筆している。舞台となるのは、バイオテロで人口が激減した21世紀初頭。ウイルスに感染したものの生き残り、抗体をもった新人類「ノクス」は、若く健康な肉体と高い知能を維持する一方で、紫外線に弱く夜しか活動できない。一方、ウイルスに感染せず生き残った旧人類は「キュリオ」と呼ばれ、ノクスからは差別されていた。
神木が演じるのは、キュリオの貧しい村に生まれ、自分の境遇を呪いながらノクス社会への憧れを隠そうとしない奥寺鉄彦。「桐島、部活やめるってよ」での好演は記憶に新しく、以降も「るろうに剣心」「バクマン。」など話題作への出演が相次ぐなど演技派への道を着実に歩むなか、入江監督とは初タッグ。オファーを受けたときは「とても嬉しかったです。入江監督の作品に参加させて頂けるとのことで、すごく光栄に思った」という。
撮影は既に終えており、「本当に寒かったです。夜の山での撮影が多く、寒さとの戦いでした」と振り返る。自らの役どころについては、「鉄彦の周りの環境は恵まれていなかったり、彼自身、心の中での葛藤があったと思います。ただ、今いる環境からいかに自分で一歩を踏み出し、未来をつくっていくか。という希望感というのを消さずに演じました」と明かす。
一方の門脇は、鉄彦の幼なじみでノクスへの反感を糧に村の復興を担おうとする生田結に息吹を注ぎ込む。劇団イキウメの公演を見ていたそうで、「あの作品を入江さんが映像化するのか! 見てみたい! と非常にワクワクしました」と述懐。神木と同様に、撮影は「夜から明け方に撮影することも多かったですし、とにかく寒かったです」と話す。そして、「彼女の気持ちが揺れ動くことで物語も進んでいくのですが、それ揺れ動く気持ちの底の底では一体何を思っているのかという事は、いつも忘れずにいようと心がけました」と役作りについて説明した。
入江監督は、主演2人に対し「本作は『2種類に分かれてしまった人類とその葛藤』について描かれており、俳優が劇中の人間たちを演じるには高度な知性と日頃の訓練、感性が求められました。同時に、真冬の撮影現場は物理的な過酷さを極めました。このおふたりでなければ乗り越えられなかったと思います」と称賛。さらに、「何もかもが新しく、何もかもが未知の冒険でした。キャスト・スタッフと試行錯誤しながら積み上げていく過程は非常にスリリングで、ものを作る原初的な喜びに満ちていました」とコメントを寄せている。
「太陽」は、2016年に全国で公開。
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