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阿部寛、被災者へ「できることを精いっぱいやりたい」

2011年3月27日 14:03

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沖縄オールロケだっただけに、場内もぎっしり
沖縄オールロケだっただけに、場内もぎっしり

[映画.com ニュース] 俳優の阿部寛が3月27日、開催中の第3回沖縄国際映画祭で特別上映された主演作「天国からのエール」の舞台挨拶に立った。メイン会場となる宜野湾・沖縄コンベンションセンターに、熊澤誓人監督とともに登場した阿部は11日に起こった東日本大震災の翌日から撮影で渡伊したそうで、「現地でもテレビで状況が伝えられたが、被災地へ行ってみないとわからないことがたくさんあるはず。被災された皆さまのために、できることを精いっぱいやりたいと思います」と真しな面持ちで語った。

同作は、沖縄・本部町で小さな弁当屋を経営するかたわら、夢を持つ高校生たちを応援するため、借金をして全てが無料のスタジオ「あじさい音楽村」をつくった故仲宗根陽さんが主人公。原案は、仲宗根さんと若者たちの姿を追って書籍としてまとめた「僕らの歌は弁当屋で生まれた・YELL」。多くの高校生バンドがプロとして巣立とうとするさなか、志半ばで病に倒れ自らの余命を知りながらも、懸命に若者を信じ、愛し続けた仲宗根さんの姿を描く。

映画のモデルとなった故仲宗根さんは、昨年11月に闘病の末に死去。阿部は、「子どもたちに全身でぶつかっていった人だと聞きました。自分にそういう素養があるのかわからず、仲宗根さんのお母さんや奥さんの話を聞き、葛藤(かっとう)しながら演じました」と振り返った。さらに「自分ではなく、まず人のために何ができるのか。そして夢をあきらめるなと言い続けたそうです。少しでも近づけるように頑張りました」と話した。

初メガホンとなる熊澤監督は、「日本で1番早く沖縄の方々に見ていただけることがとてもうれしい」と明かし、深々と頭を下げていた。

阿部と熊澤監督、あじさい音楽村のふたりの学生は、上映終了後に場内のチャリティ会場で募金活動を行った。鑑賞したファンが長い列をつくるなか、阿部はひとりひとりと握手し「ありがとうございます」とニッコリ。約30分間にわたり、ファンの問いかけにも気さくに応じていた。なお、同作の上映には713人が来場。これは、今回の同映画祭の上映作品では最高の動員となる。

天国からのエール」は、10月から全国で公開。

第3回沖縄国際映画祭は、27日まで。

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