オスカー受賞脚本家チャーリー・カウフマンの「脳内」は?

2009年11月13日 18:48


鬼才脚本家の脳ミソについていける?
鬼才脚本家の脳ミソについていける?

[映画.com ニュース] 「マルコヴィッチの穴」(99)、「アダプテーション」(02)、アカデミー賞脚本賞受賞作「エターナル・サンシャイン」(04)で知られる脚本家チャーリー・カウフマンが、初監督に臨んだ「脳内ニューヨーク」(11月14日公開)について電話取材に応じた。「当初はスパイク・ジョーンズが監督する予定だったが、他の作品(『かいじゅうたちのいるところ』)があったので、監督の座が回ってきた。ラッキーだったね。一番良かったのは完成させたこと。撮り終えなければ、“次”はないからね。猶予はわずか45日間。毎日17時間働いて、何とか責任を果たせた」

観客の脳ミソをかき回すような摩訶不思議なファンタジーだ。フィリップ・シーモア・ホフマン演じる主人公の人気劇作家は、ニューヨークの超巨大倉庫に「もうひとつのニューヨーク」を作る空前絶後のプロジェクトに挑む。だが、一向に初日を迎える気配もなく、稽古を始めて17年が経過する事態になる。その長い歳月の間に、主人公の女性関係もめまぐるしい変遷をたどっていく。1人目の妻を演じたのはキャサリン・キーナー、2人目の妻にはミシェル・ウィリアムズ、生涯の恋人に扮したのはサマンサ・モートンだ。

「夢のようなキャストで、誰もが最高の演技を披露してくれた。特に、劇作家ケイデン役のフィリップ・シーモア・ホフマンは素晴らしかった。今回、脚本を書き終えた瞬間、彼の顔が浮かんだんだ。俳優としても大好きだが、彼は人間臭く、実際に存在しているかのような、ごまかしのない演技をする」と起用理由を説明する。だが、モットーとして特定の俳優を想定して脚本をアテ書きすることはないといい、「『マルコヴィッチの穴』のジョン・マルコビッチは例外。特定の俳優でアテ書きすると、登場人物のバックストーリーを狭めるし、物語に“ふくらみ”を盛り込めなくなる」

カウフマン監督は、全米の大学の脚本科で教えるようなハリウッド的脚本術は自分らしくないと語る。「作品ごとに小さなノートを用意し、たくさんのメモ要素をパソコンに入力する。プロットもお構いなしに、ありったけの想像力で物語をふくらませるだけふくらませるんだ」。次回作については、「コメディで、シュールで、現代を描いたものだ。これまでと同じだって? 僕って、あまり芸がないのかも」と笑った。

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