みなに幸あれのレビュー・感想・評価
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得体のしれない素人ホラー
得体のしれない恐怖に対峙する村人を描いた素人のホラー風映画。主演の古川琴音以外は素人の集まりで棒読みのセリフが酷過ぎる印象。この作品を上映する勇気はある意味凄い。
2024-39
もっと面白くできたような…
渋谷ヒューマントラストにて鑑賞。
上映している劇場が少ないからかシアターはほぼ満席状態。嫌でも期待が高まった。
しかし、内容はホラーというよりシュルレアリスム的な空想ファンタジーに近い映画だった。怖さは全くない。
設定とあらすじを読んだときは、なかなかJホラーチックで怪談やホラー小説好きな私からすると惹かれるものがあったので期待していたのだが、全くの期待はずれとしかいえない。
初期設定はいいが、話が進むにつれて話が超現実的になっていき、不快な映像とあまり面白くないおそらく笑うべきであろうシーンしか頭に残らなかった。
設定だけは良かっただけに残念。もっと面白くできた気がしてならない。
福岡県赤村で生贄が踊る
2024年映画館鑑賞12作品目
2月26日(月)チネラビィータ
会員デー1200円
下津優太監督作品初鑑賞
脚本は『純平、考え直せ』の角田ルミ
福岡県の片田舎にある父の実家に久々に泊まりに来た主人公
祖父母に異変を感じた主人公は2階の奥の部屋に誰かがいることに気づく
部屋には両目と口を縫われたパンツ一丁の太めの中年男が拘束されていた
ロケ地は福岡県赤村
どうやらこの地域の系統の人々は家に生贄を1人拘束していないと体調が悪化し死に至るようだ
何かの呪いか知らないが
両親と弟はおそらく北九州市にでも住んでいるんだろう
古川琴音の芝居がずば抜けている
他には松大航也くらいでそれ以外は素人芝居
盛岡の文士劇か田舎の公民館などで開催される大衆演芸レベル
主人公の幼少期を演じた子役が古川琴音になんとなく似ていた
昔はこんな配慮はなかったが『いま、会いにゆきます』あたりから変わった気もする
山奥に住む伯母を訪ねる主人公
薪割りを手伝いをするが誤って伯母の頭を割ってしまう案の定の展開
『野性の証明』の高倉健を思い出した
生贄が踊るシーン好き
主人公が自分で自分の目元を縫い始めるシーンはエグすぎる
観覧注意!
説明不足でいろいろとシュールだがホラーだしまあそこはいいだろう
何から何までいちいち説明しないとわからない人たちは放っておけば良い
理屈っぽい奴に限ってそれだ
誰かの不幸の上に人々の幸せが成り立っている
それって文藝春秋のことか?
配役
父の実家に泊まりに来た東京暮らしの看護学生に古川琴音
看護学生の幼馴染に松大航也
看護学生の祖父に有福正志
看護学生の祖母に犬山良子
看護学生の父に西田優史
看護学生の母に吉村志保
生贄に橋本和雄
山奥の小屋に住んでいる伯母に野瀬恵子
幼馴染の父に有馬和博
近所の主婦に河村純子
看護学生の弟に上原渉
看護学生の幼少期に久保留凛
地元の中学生に増永成遥
なんですかこれは
↑は米米クラブの曲名ですが
まあ、なんですかこれは、って作品でした。
幸せを命題として問いたいようでしたが
とっ散らかってて変な映画でした
写真一枚だけ持って山奥に人探しとか、雑すぎます。
不条理やりたいならソレも結構ですけど
ちゃんとしてほしいわ
才能あれど、どっちつかずの惜しさ
もし本作が世にも奇妙な物語などのオムニバス短編だとしたら、
納得いく出来だといえただろう。
ホラーとコメディには境界線があるのだが、本作は若干コメディに寄っており、シュールで奇妙な作風なので、小品としてはぴったりなのだ。
しかし、あくまで長編映画で、2000円とられるとなると、しかもそこに、
新たなJホラーとして期待させるような謳い文句を掲げておいて、
本作を呈示されると、さすがに文句を言いたくもなる。
まずは良かった点を簡潔に述べると、90分に収まる枠ということ、
一部の目を覆いたくなるようなゴア描写やシュールな笑いを誘う演出、
主演女優さんやその祖父母などの役者陣も良かった、
また序盤の家庭内での違和感や不穏な雰囲気にはシャマランの「ヴィジット」や「イットカムズアットナイト」などを彷彿とさせるワクワクを感じた。
さあ、では何故本作が傑作にならず、消化不良で終わったのかという話になる。
これは致命的なのだが、テーマやメッセージ性といった本作のコンセプトこそが、映画の邪魔をした、ということである。
本作のテーマやメッセージはわかりやすいものであって、要するに「他人の不幸の上で私たちの幸福は成り立っている。」というものである。
また、村の因習や村社会の闇も本作のテーマでもあろう。
それらは普遍的なテーマであるのも関わらず、
本作においてその構造は脆く理論は破綻しており、
遠回りして捏ね繰り回したあげく伝わるものも伝わらなくなってしまった、
ということである。
まず、共通したテーマを持つ他作について。
そのようなテーマの作品は枚挙に暇がなく、
幸不幸の対比というテーマにおいては、
傑作フランス映画「幸福」はその代表例であろう。
「幸福」では見事にこのテーマを、
恋愛映画の皮を被ったホラーコメディとして一級品の皮肉映画へと昇華した。
三池監督「オーディション」も前半で平凡な家庭を描き、
見知らぬところで地獄を生きてきた人間との接触が後半の地獄絵図を生む。
「パラサイト」だって例のどんでん返しの場面から幸と不幸の対比と反転による見事な展開があってこそ、傑作を傑作たらしめているのだ。
ジョーカーの救いの無さも似たような質感だ。
上記が我々の胸に迫るのはその切実さや、その残酷さを正確に摘出する的確さ(インテリジェンスとでもいおうか)、があるからである。
村の因習というテーマについてもウィッカーマンしかり犬神家しかり
昨今ではガンニバルしかり沢山の傑作がある。
さらに「鬼太郎誕生」のような大傑作がついこの間まで公開されていたことを忘れてはならない。
「他者の不幸で幸福が成り立つこと」「村の因習」「ホラーミステリー」この3点において、本作と鬼太郎誕生はテーマがかなり相似しているにもかかわらず、いわずもがな、雲泥の差である。
それは記述したとおり、切実さとインテリジェンスの欠如によるものであろう。
では本作の致命的なミスについて。
本作でも止せばいいものを、わざわざ登場人物に長台詞を喋らすことによって、映画の結末を待たずにしてそのテーマは説明されている。
曰く、「屠畜場で喰われるために肥やされ一生を終える豚」の話や、
「発展途上国の南アフリカで餓死寸前の子供達はこの国に住む我々からしてみれば不幸にみえるが、彼らには彼らの尺度があり、幸福なのだ。」ということである。
こんなことを簡単にべちゃくちゃ喋らせるべきではない。
安直であり、的外れであり、その浅はかさに憤りを覚えるレベルだ。
またその深刻なテーマと本作は関係あるようで結局あまりない。
というのも本作の話はもっと荒唐無稽であり、含みを持たせすぎており、
ホラーとしてもミステリーとしても消化不良で何も解決されないまま終わる。
また唯一感情移入できるはずの主人公の行動も荒唐無稽なものばかりで
とても共感できるものではない。
結局、テーマを重視するならガンニバルほどシンプルに振り切るべきで、
コンセプト重視ならシャマランくらいの展開力が必要で、
世界観を重視するならデヴィットリンチくらい振り切って、
意味深なテーマなど排除するべきなのだ。
そのどっちつかずの曖昧さが、本作を駄目な邦画たらしめてしまった。
形から入って外した。
古川琴音だから星2つ。
なんかA24見たいな映画作りたい気持ちは伝わったが、やはり形から入った感ハンパ無し。
表現を日本の村でなぞっただけ。
話自体説得力がない。
ホラーとしても押しや濃厚さが足りない。
メインの2人以外の演技力のバラつき、素人らしさを活かせず、下手さを際立たせてしまった。コメディ方向でまとめたほうが良かったのかもしれない。
村で言われてる「しあわせ」を漠然とさせ、
幸せの絶対量の話に拡大させたのがまずかったかもね。話デカ過ぎてゆるゆる。
説明しない事がA24らしさなのか?
説明無しでも怖くないとさ。
説明が無いことが怖くないといかんのではないか?
メタファー(隠喩)として
観ている最中、観終わってしばらくは
意味が理解できなかった。
ただ劇中で、
酷い状況に置かれている描写があって
なんでだろう?と思い、
その酷い状況が解放された時、
酷い状況を強いた側が、
呪いが発動したように、血を流し始める。
なんだこれは?
と思っていたんだけれど、
観終わった翌日、
風呂に浸かっていた時に、
ハッとした。
世の中の幸せの裏側には、
見ないこと見て見ぬ振りをすること
話さない、話すことを禁じられて
堪える人たちが
強要される人たちいるのではないか?
そういった沈黙せざるを得ない
沈黙を強いられる人たちの上に
【幸せ】が積み上がってるのではないか?
誰もが持っている後ろ暗さ、
語られたら終わってしまう秘密、
これらを暴露されたら、
それを強いていた側が、
血を流し、社会的に抹殺される。
自分の幸せを守る側は
それの何が悪いの?
主人公に対して、
「あなたも知ってるくせに知らないフリ?」
と言ってくるのか、と。
とするなら、
かなりパンチの効いた作品だなと。
ホラーというより、
風刺映画に感じた。
不気味すぎる表現が秀逸な新境地Jホラー!
ホラーではないかも、というのが率直な印象。
ただ、不気味すぎる映像表現は秀逸と感じた。
老人役の俳優の演技もセリフ棒読み&感情表現ないところ
が更に不気味さを助長していた。
演出なんだろうけど、下手なのかな?と思うくらいに
棒読みである意味驚いた(笑)
キャラクターの名前がないところも不気味。
家族なのに名前で呼ばないところも違和感。
なんと言っても、伏線というかいろいろやっていることの
回収が全くされないところも驚き。
ここまでくると笑える。
唯一の救いは古川琴音。
彼女が主役でなければきっとここまで観れる作品には
なっていない。
私も古川琴音のポスタービジュアルに惹かれて観た。
Jホラーは嫌いな私だが、
A24とか割と流行っている因習村ホラー的な
位置づけとして鑑賞すると良いと思う。
強烈なメッセージ性のある異色作。説明不足過ぎるのが残念。
強烈なメッセージがある作品でした。
見終わった後にタイトルを見た時に「うわぁ、すっごい皮肉なタイトル…」と思いましたし、キャッチコピーが「地球上の幸せには、限りがある」とのことですが、なるほど、言い得て妙だと納得しました。
世の中には当然のように溢れてるもの、食べ物だったり衣服、電化製品、娯楽もスポーツも。
そういったもので豊かに暮らす一方で、に、地球では、必ず誰かが苦しんでいるもの。
それは家畜だったり、貧困にあえぐ人々、紛争や戦争で犠牲になる人だったり。
そういった存在とは直接関係なくとも、そういった存在がいることを忘れてはいけないし、それを「誰かが犠牲になるなんて間違ってる!」なんて叫ぶのはただの偽善でしかない。
この映画からは、そんな強烈なメッセージを感じました。
これは正直ホラーではありません。
スリルサスペンスに近い感じ。
タイトルの通りですが、残念なのは、とにかく描写不足、説明不足が目立ったことです。
そりゃ制作側はわかってるでしょうが、見る側は何一つ知識がないまま見るわけですから、「怖い。不気味」よりも「どういうこと?」の方が強くなっちゃいます。
もちろん全部を説明しろってわけじゃないけど、あまりにも視聴者側を置き去りにし過ぎかなぁって。
雰囲気に全振りしまくって、ただのカオスな場面も多々ありました。
でもこれまでの霊的ホラーとはまた違う面白さもありました。
新進気鋭の監督の長編ホラー初作品とのことですが、今後とも、この監督には注目したいと思います。
狂ってる。懐かし刺激。そして面白い。
狂ってる。そして懐かしい面白さ。総合プロデュースが清水崇。確かにこの感じは清水崇しかサポートできない、というくらい攻め攻めの映画だった。呪怨のトシオなど、一歩間違えばお笑いでしかないセンを音楽でひっくり返して怖さと面白さに転じさせる感じ。
題材は恐怖の田舎、田舎の恐怖、帰省した町に不安のタネがあり、自分が家と家族と町の恐怖の習わしに支配されてると気づき、脱出しようとするが取り込まれる。何に支配されているか、のディテールがかなりディープで異様な儀式的要素満載。ボディスナッチャー的要素もあるし、悪魔のいけにえ的要素もあるし、特にお金をかけてるでもなさそうなのに、殺風景で嫌になるほどの抜けのあるだだっ広い田園風景に配置される気の狂った町人がとにかく怖いというか、おぞましい。。徹頭徹尾素人臭くバカバカしい家族が最初っから笑える。味噌汁のアップからはじまるデビュー作って。。近年このテイストを観るのは久しぶり。その昔、ハーシェルゴードンルイスのいかがわしい安ホラー見た時の感じというか。とにかく見慣れた日本の風景(特に宅地)に人がいないでテクテク歩いてるのがこんなにグロテスクに見える映画はない。
幸せは犠牲なしでは得られない?
ぶっちゃけた話、内容がついていけない。
何で今の御時世に家を繁盛させるための人柱的な生贄が必要になる…?家業を成功させるためには、誰かしら犠牲になってもらわねばならないという考えならば、それは相手に対する妬みでしかなく普通に考えたら事件だが、主人公は次第に受け入れる。
家を出た叔母が話す、アフリカの貧困層の話もはっきり言ってあのシーンは必要なのか、甚だ疑問でしかないし、ストーリー全体を通しヒトコワをメインにしたい狙いが強かったのだろうが、要所要所になんで?とツッコミをいれたいシーンがチラホラ。
悪いけど、怖さより話のなぜなぜが多過ぎて、見終えた後はただただ頭が疲れてしまった。怖くはないのであまり期待しないほうが良いかもしれない。
「誰かの不幸の上に、誰かの幸せは成り立っている」というテーマから他...
「誰かの不幸の上に、誰かの幸せは成り立っている」というテーマから他人の不幸が誰かの幸せになるような輪廻が描かれるのかと思ったら全く活かされていない脚本。
前半こそ日本独特の陰鬱とした田舎の雰囲気と何かが起きそうな気味悪さにドキドキしたがシナリオに捻りが無く祖父母の奇行をただ眺めるだけなので段々と飽きてくる。オチも正直ありがちで微妙。
前評判から新感覚村ホラーを期待したが年初からとんだ期待外れとなった。これでは清水崇監督や中田秀夫監督が近年量産している駄作Jホラー群と大差無いかそれ以下である。
と、思ったら清水崇監督が総合プロデュースで参加してるのね…
ネームバリュー的にこの才能の枯渇した御二方が必要なのだろうけどもういい加減に新しい才能を見つけないとJホラーは終わると思う。
古川琴音は凄く良い女優だったのでもう少しマトモな映画で再度観たいところ。
知らぬが仏
近年のJホラーでは観なかった感じのおどろおどろしさに惹かれて鑑賞。観る直前に気付きましたが「ミンナのウタ」の脚本の方が今作でも担当されているみたいで、その方面でも期待値が上がりました。
怖かったというよりもめっちゃ笑えた不思議なJホラーでした。怖いところは怖いし、全体的にきっしょいホラーで何度も顔が引き攣りそうになりましたが、途中途中抜けたところがあって吹き出しそうになりました。
目に入れても痛くないを物理的にやろうとするのは気持ち悪かったですし
設定には意外と穴があって、主人公がなぜ東京に戻らないのかというところは気になりましたし、幸せ平等システムをこの歳まで知らされていなかったのは謎でしたし、どこか宙を見ていたりすることに関しては何も明言されませんでしたし、指フェラは悪寒が走りましたし、結構雰囲気だけで片したシーンが多く見られたのは残念だなと思いました。
役者陣は古川さんが抜けすぎてるのか、他の方々があまり上手じゃないのか、バランスはあまり良くないように思えました。
でも棒読みっぷりが逆に胡散臭さと得体の知れない恐怖に繋がっていたのは良かったです。と思いきや、シンプルにあんま上手じゃないんだろうなとプツッと何かが切れるシーンでは笑ってしまいました。役者ってやっぱ大事だなとは思ってしまいました。
あと結構ホラーをやってるのかと思いきや、急にギャグになるのは狙ってるのかな?と思うところが度々ありました。
パンツおじさんがトラックに撥ねられて吹き飛んでいくシーンなんかギャグ漫画みたいにボヨンボヨン跳ねてましたし、ばあさんが全力ダッシュで驚かせてくるのかと思いきや、そのままドアに突撃しまくってましたし、テーブルの下に隠れてるのに丸見えな状態だったり、夢の中で見てる夢でパンツおじさんのダンスに爺さんのボイパにお父さんの畳すりすり(絶対火傷してる)の悪夢みたいにシーンに、息子が幸せのバランスのせいで目から血が出るまでならまだしも、もうギャグ漫画の飛び出し方をしてたので、思いっきり吹き出してしまいました。もう中盤からはそういうものだと割り切って見るのが正解だなと切り替えたのが功を奏しました。
ラストの婆さんの組体操出産はマジで意味が分からなくて置いてけぼりにされましたが、幼馴染が生贄になって幸せが持続していくラストはおぉと唸らされました。
エピローグでその後の幸せどうたらが語られますが、不意に見せるニターッとした笑顔は「Pearl」を彷彿とさせるものが観れました。なんかそこで不思議な満足感が得れました。
作品のバックボーンには少子高齢化と若者の田舎移住とかがあるんだろうなと思いました。
互いが互いの文化を分かり合えないのはしょうがないと思いますが、介護するのは若者の方ですし負担ばかりかかるから、老人が危惧するんだろうなと思いました。ただ街中であんな意味ありげな事を言う婆さんは中々に怖かったです笑
ジャパニーズA24と言われるのも頷ける不気味さが良かったです。真面目にホラーとして見ると意味不明なところや拍子抜けなところがあるので、そこをどう捉えるかによって評価が変わりそうな作品ですが、コメディとして楽しむのが一番だなと思いました。
ジャンプスケアに頼ることなく、しっかりとホラーで勝負してきてくれた作品なので、そういう作品もっときておくれと思った次第です。
鑑賞日 1/25
鑑賞時間 18:35〜20:10
座席 E-2
パンケーキ食べたい♪
総合プロデューサーのはずなのに、清水崇臭が強すぎる。「犬鳴村」「樹海村」「忌怪島」、「事故物件」「それがいる森」「禁じられた遊び」...。2020年代のJホラーのこの駄作、全て清水崇と中田秀夫の仕業。頼むから、もうホラーには首突っ込まないでくれ。「呪怨」と「リング」の栄光に縋り続けないでくれ。
本作も罪深きプロデューサーの生贄となったのだが、テーマは斬新で素晴らしく、1歩違えばJホラーの新たな傑作だと賞賛されたはず。村ユニバースで飽き飽きしていた村ホラーだが、これは新しい。第1回ホラー映画大賞に選ばれただけある。なのに、要素だけ盛り込んでいて、あまりに中途半端な作品になっている。アイデアはすごくいいのに勿体ない。短編から長編に伸ばすにあたって、ストーリー構成が全然練られていないように思えた。
案の定ホラー的な怖さはなく、怖さよりも気持ち悪さを優先させちゃっている。チープな演出が作品の品質を下げている。いかにもな雰囲気を醸し出しながら、音を大きく荒立てたりしているのに、しょうもない着地をしてしまう。本作の説明不足っぷりは酷く、状況についてろくに話してもくれないのに、「なんで分かってくれないの?」と自ら開き直る極悪スタイル。これにはめちゃくちゃイライラさせられた。要素減らしてでも、ちゃんと話すべきじゃない?
更にはおばあちゃんの棒読みのせいで緊張感まるでなし。素人とは言えど、これはあまりにもでしょ。古川琴音の演技力を生かしきれていない周囲の登場人物。あと一人、有名な役者さんが使えればね。作品の引き締めが弱いように感じちゃう。白石晃士だったら、とひたすら妄想する88分間。ピースは良いだけに、これっぽっちも完成されていない脚本にガッカリする。あぁ、なんでこんなことに。。。
なんかなぁ、もうJホラーには期待できないのでしょうか。昨年の個人的ワーストもほとんど日本製のホラーでしたし、ここまで来ると映画館でわざわざ見なくても...と思ってしまう。でも、本作の下津監督には周りに流されず、頑張って頂きたい。どうか、この状況を変えてくれ。
ホラーとして観てしまうと肩透かしになる
幻想ブラックユーモア作品。
全てのモノを1つの村の中で風刺していくスタイル。
恐怖の部分だけ清水監督イズムの動きをする。ただそれを超えてはこない。
祖母役が唯一演技のできない人を配置しているようで(パンフレットによると)、台詞も棒読みなのに過激なことをするというギャップに個人的にやられた。
物語の起伏やオチは想定内で収まった。叔母の顛末は気になったのに、あれを語らせてこうなりましたは、期待外れだった。
ただ弟の演出は面白くて良かったと思います。
またパンフに描かれているこれが新しいJホラーだとは全く思いませんでした。
最近観た中だと「波紋」に近い感じが個人的に。
次作も期待しています。
幸せとは❔
とある田舎出身の看護学生が祖父母の家に
帰省し、家族や周りの人々が異常で奇行を目の当たりにしていく。
彼女が知らなかった、自分が幸せなのは誰かが
不幸せなのだと次第に心と身体を侵食されていく状態に。
多分、身代わりの人が必ず存在する形を表現したかったけど上手に演出が出来てない感じが。
最初から最後まで、おばちゃんの行動が心の奥底から嫌悪感をマックスにする。
また棒読みのセリフが更に。
古川琴音さんの演技は光っていた。
普通と奇行も演じ彼女らしい演技で魅了された。
もう少し底上げ出来る役者さんが居ても良かった気がして勿体無い。
監督さんの作りたい主張が全面的に画面に
出てるのは良いが、映画ワークとしてのバランスを崩していた。変に笑えないシーンは要らないし、遊び心がある笑いなら良かったのでは。効果音の入れ方が不思議。あれだけ床のきしむ音や
ドアの音を綺麗に拾ってるのに。
もう一歩、二歩引いて考える方向性もありかなと思ってしまう。
人は無自覚で他の人から幸せを貰えてる形を示しているのだろうか………。そして身代わりを探しているのだろうか……。
背筋がゾッとする作品。
得体の知れない嫌悪感を感じたい方は
覚悟をして観て下さい。
糾える縄の如し
限られた資源のように幸福を奪い合う、ということらしいが…
どちらかと言うと幸と不幸が同量であり、幸せになるために不幸を増やしているように見えた。
(あるいは、身代わり人形のようなものか)
序盤、横断歩道のおばあちゃんのわざとらしい台詞と、手伝いが不要に見える外見や喋り方に違和感。
その後も脇(特に祖母)の棒読みが気になって仕方がなかった。
まぁあれはあれで独特の不気味さがあるので、わざとなのかもしれないけど。
ドアに突進し続けるなどの奇行は真相と関係ないし、止めない主人公も不自然すぎた。
故意ならまだしも、あれだけ見晴らしのいい農道で轢くというのも、う〜ん…
アフリカだの、0と1だの、他人を見ての幸不幸だのは主題から焦点がブレてしまっていたように思う。
何より、通報するという発想がない時点で有り得ない。
ラストも、直前まで「やめて」と言っていた主人公の心変わりの理由が分からなかった。
祖母の出産も一体何だったんだろ。
心情的なリアルさを感じない反面、物理的なリアルさが強めなのもバランスが悪い。
(祖父母が生贄を2階に運んでたのはおかしいけど)
テーマは良いのだけど、色々と中途半端で恐さも深みも足りなかった印象でした。
説明不足は、脚本の推敲不足か?長尺のため説明カットしたか?。
清水崇が総合プロデューサーという伝奇スリラー。心理ホラーでもあるイヤミス系。特殊な習俗に囚われている山村が舞台。2ちゃんねるのオカルト板にありそうなお話。結末もほぼ予想通り。シチュエーションアイデアは理解できるので、脚本がもう少し整理されていればいいのに、と思う。出産や味噌や糸の意味などの説明が必要だろう。
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