フェイブルマンズのレビュー・感想・評価
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戸田奈津子先生
どんどん映画に魂を売っていくスピルバーグにドン引きしている妹(メガネの方、ワンハリの天才子役の娘なのね)の反応が笑える
ミシェル・ウィリアムズとポール・ダノ、セス・ローゲンに加え最後はデビッド・リンチ!
ガールフレンド役の娘がぶっ飛んでいて最高!!
スピルバーグ自体は凡人!?
スピルバーグの映画を劇場へ足を運ぶのは小学生の時に観た『フック』以来、今までの作品も『激突!』と『続・激突!カージャック』に『ジョーズ』をここ何年かで、近々にも20年以上前の『プライベート・ライアン』を観たくらいで映画監督として偉大だと理解しながら撮る作品に興味が持てずに。
長尺の上映時間が苦になり始める鑑賞中、ジョン・フォードが登場する終盤戦、これからの展開が気になりながら唐突に終わってしまう感じ、率直な感想はデヴィッド・リンチ版フェイブルマンズが観たい、スコセッシのフェイブルマンズはギャングが登場したり想像するだけでワクワクする、個人的に興味が持てないスピルバーグの幼少期や少年時代は当然ながら興味の対象外だった。
特筆すべきはミシェル・ウィリアムズ演じる母親、彼女の役柄が『ブルーバレンタイン』や『テイク・ディス・ワルツ』で演じた女性像に近いものを感じながら、家族を中心に描く物語は妹たちがお飾りにも自分大好き人間と誤解してしまうスピルバーグの自己満足映画として、裕福で何ら不自由のない子供時代は青春映画として物足りない、家族の歪みや人種差別、そして"映画愛"と何を一番に描きたかったのか、簡単に新作を撮ってしまう印象のスピルバーグとそうはいかないデヴィッド・リンチ、そんな二人が監督と出演者として奇妙に思える関係性と違和感だけが残る!?
《本作は"映画愛"などという一般的な話ではなく"芸事"を職業とする者の"業"を描いた物語でありジョン・フォードの"地平線"はそのことを言っている》
by.某 映画評論家。。。
家族との思い出を映画の物語にした!
幼少期に父親に連れられて見せられた
サーカスの映画がスピルバーグ監督自身が
映画に魅せられるきっかけとなりました。
彼は本を出版していつか家族を物語
「フェイブル亅にした映画を製作したいと書かれたそうですが今回の作品で自伝的映画が
実現されて良かったと思いました。
家族でキャンプに行った先でカメラで撮影したり、列車の模型を激突させた情景を自主映画にした少年時代でした。
父親はエンジニア、母親はピアノを弾く芸術家気質、妹たちがいました。
学校のいじめ、部活、差別的なことを経験しながら転機を迎えた16歳、スピルバーグ監督の映画はすべて家族の思い出が着想に含まれているそうです。
ラストの地平線が上か下かにより、映画の面白さが変わってくることは初めて知りました。
家族愛がつまったストーリーでした。
すべての出来事には意味がある
サミーにとっての初めての映画見物のシーンで、この映画は始まる。暗い映画館に入ることを怖がる幼少期のサミーに「映画とは…」といかにもエンジニアらしい(滑稽な)説明をする父バートに対し、芸術家肌の母親ミッツィは映画の素晴らしさを説き、サミーの恐怖心を解きほぐそうとする。何とも対称的な説明に笑ってしまったが、これがフェイブルマン家の悲劇の伏線になる。
竜巻が起こるや、三人の子供を車に乗せ、その見物に向かう母ミッツィ。その好奇心と行動力には驚かされる。そして「すべての出来事には意味がある」とミッツィは呟く。これから起こるすべてのことが映画監督スピルバーグの未来、作品に繋がるということを示唆しているのだろう。
自分の映した映像を編集する過程で母の浮気に気づいてしまう中学生(?)のサミー。家族を愛しながらも夫の親友との浮気に溺れてしまう母。そしていつしかその事に気づき苦しみながら、結局それを許す父バート。引っ越しの車のなかでのエピソード、飼い始めた猿に夫の親友であり、恋人でもあるベニーの名を付ける母親、離婚してベニーと暮らし始めた母親からの手紙と同封された写真を見てショックを受けながらもサミーの大学退学を許すバート。こうしたすべてのことが映画監督スピルバーグに繋がっている。
サミーの手腕によってヒーローのように編集されたドキュメンタリー映像に「こんな安っぽい人間じゃない」ということなのか「自分の内面と映像とのギャップに衝撃」なのかよくわからないが、ショックを受けて、怒るハイスクールの同級生で、サミーを苛めていたイケメンのローガン。人の心理(サミーもローガンも)の複雑さも興味深いが、面白い映像を作るためなら何でもできると言わんばかりのエピソードでもある。
スピルバーグの映画監督としての才能を垣間見せるエピソードと、彼の映画監督としてのバックボーンとなる幼少期から青年期までの出来事。特に母親ミッツィの存在、父親バートの存在、特に両親の離婚を巡る家族の葛藤、苦しみ、ミッツィとバートの振る舞いはとても興味深い。
ベーグルって食べたことないけど、なんだか食べたくなってきたなぁ。
両親に連れられて初めて観た映画『地上最大のショウ』によって幼い頃から8ミリカメラで映画を撮る楽しさを覚えたサミー少年。機関車模型をプレゼントされるやいなや、早速観た映画のような撮影をする天才。ボーイスカウト時代に仲間たちと自主映画を作るなどして、10代のうちに監督の才能が開花してたんだなぁ~と、スピルバーグファンならば垂涎モノの劇中劇。むしろフィルム編集の方に力を入れていたような気もする。
ユダヤ人にはクリスマスは関係ない!ハヌカ祭りを祝おう♪などとユダヤ人に関する豆知識もいっぱいで、高校時代のユダヤ人差別も描かれています。そんな中でも初恋は「ジーザス命!」といった雰囲気のキリスト教徒の同級生モニカ(クロエ・イースト)が相手。恋愛には宗教も人種も関係ないといったエピソードも。
なんと言ってもこの映画最大の魅力は母親役のミシェル・ウィリアムズ。ピアニストとしての魅力とともに妖艶な踊りも披露してしまう(透け透け度は『バビロン』のマーゴット・ロビーの方が上)。『ジャズ・シンガー』絡みでバビロンとも共通点があるところが面白い。
母親の言葉とか色々と納得する台詞もあったけど、最も印象に残っているのは「Art is a drug」かな。登場人物で言えば、ボリス伯父さん(ジャド・ハーシュ)やジョン・フォード(デビッド・リンチ)のインパクトが凄い。
気になるのがスピルバーグの作品群に影響を与えた体験は何だったのか。祖母の死に立ち会った際に見た頸部の律動なんかは『E.T.』や『ジュラシックパーク』に影響してるし、ペットの猿なんかは『レイダース』に?ほんのワンカットだったけど、サミー少年が手で影絵を作ってるところは『E.T.』その他に見られる手のこだわり。さすがに「おサボり日(ditch day)」のビーチは『ジョーズ』に繋がるかはわかりません・・・
情緒不安定な人が多い気が
本当にスピルバーグの伝記かというほど普通の家族の暮らしを長々と見させられます。
途中一体何を見させられてるのかと思ったら、予測できる展開に。
ある意味落とし所というか、この映画の終着はどこなんだろうと思うほど長い映画でしたが色々名言があります。しかし展開が展開なのであなたに言われても、、と思い入ってこない。
天才・スピルバーグが出来るまで
〈全てのことには意味がある
It shows what the artist is made of.〉
アーティストであることは、家族や人間関係を壊す、とても辛い仕事だと登場人物は繰り返し示唆する。なのに何故、少年はアーティストを目指すのか、映画を撮り続けるのか。
この映画は、自伝でもあり、アーティスト・スピルバーグのマニフェステーションでもある。
天才の作品が、隠れていた人間の本質に光を当てる。その瞬間、平穏な人々の心や日常が、音を立てて崩れていく。優れたアートはそんな諸刃の剣を持つ。
父と母の葛藤は、サイエンティストとアーティストのそれであり、決して交わることなく、相対したまま、頂きを憧憬する山の両裾だった。
天才の子供は、その葛藤を昇華し、山の高みを押し上げる力に変えていく。
「カメラはいつも真実を映す」
何気なく撮った家族の旅の記録映像、そこには母の父への裏切りの証拠が映し出されていた。それが家族を新天地、カリフォルニアへ移住させ、サム(スピルバーグ)に人種差別と虐めの学園生活を強いることになる。
コンピュータ黎明期の発明を担う天才科学者の父の成功、広く美しい新居、誰もが羨む生活。だがサムの映像に映る母の眼は空虚だった、恋人と離れてしまった哀しみで。両親の離婚。華やかな成功と裏腹に家族は不幸だった。
高校最後のプロムスは、常に理想と現実のギャップの想い出として描かれる。恋人とロマンチックなダンスをしながら、サムが愛と真心を言葉にすれば、彼女は嫌悪し、これまでの関係が虚構だったことを浮かび上らせる。
サムが撮った学生生活の一日、カメラがとらえたライバルの美しい勇姿に賞賛が集まる。だが、そのヒーローの映像は、皮肉にも、虚勢を張った弱い自分とのギャップを当人に突きつけ、心を破壊する。
「友達になりたくて撮った」というサムの気持ちと裏腹に、偽物のヒーローは去っていく。
アーティストは、そんな十字架を背負わなければいけない、それでもアーティストになるのか?
サムは、奇しくも引き合わされたハリウッドの巨匠に、そう質問された。
イエス!
はっきり答えるサムに巨匠は、突然、地平と画角の話をする。画角のアドバイスなのか、深淵な哲学なのか??
色々な?が、投げかけられたまま、最後、サムはハリウッドの撮影村のコンテナの間を満面の笑みでスキップする。
よかった、彼は喜びに満ちていた。だから作るのだ。
なんか普通‥
いや、スピルバーグって事で、何か凄いストーリーを期待してたのが、ちょっと間違いだったかな‥
まあ自伝だし、そんな物凄い事とか、大どんでん返しとかあるわけないんですが。
ただ、やはりこんな凄い実績残してる人は、自主映画撮り始めたりまず動いてるんですよね。その映画作りへの情熱はやはり凄い。
高校の?卒業パーティーで流した、学年全体でのビーチでのレクリエーションを編集した映像とか、自主映画(戦争物)の撮影でのちょっとした工夫とか、スピルバーグ本人が関わってる映画だから、ディテールも正確だと思うんですが、ちょこちょこ才能の片鱗が見えるところは面白かったです。
映画の教育のままにならない関係について。
2022年。スティーブン・スピルバーグ監督。少年期の衝撃的な映画との出会いから映画にハマっていく男の少年期、青年期を描く監督の自伝要素満載といわれる作品。最後はジョン・フォード監督が現れ(しかもデヴィッド・リンチ監督が扮している)、映画スタジオらしき敷地の地面は濡れていて(もちろんフィルム・ノワールに代表される映画手法)、そして「地平線は下に」張り付いている。映画史三昧。
もちろん監督の自伝的な物語なのだろうが、幾重にも描かれるのは映画と教育の関係。主人公は転向した高校でいじめを含む多感な時期を映画をつくることで生き延びるし(教育課程と映画)、映画を見ることや撮ることを通じて人間の無意識を含む心の複雑さを学んでいくし(映画による教育)、この映画自体が映画手法や映画史を教えている(映画の教育)。そしてそのすべてについて、「思い通りにはならないこと」が強調されている。意図せずに写ってしまうもの、思わぬ効果を発揮するもの、つい発見してしまうものこそが映画の精髄なのだ。スピルバーグ監督という偉大な先生が、身をもって教育と映画の「ままにならない」関係を教えているのだ。それが人生賛歌でなくてなんなのか。
原点なんだな。
これがスピルバーグの原点なんだね。
少し以外だった。
家族皆が楽しく、耐えて、励ましあって、生きて、
でも、筋は曲げないというそれぞれの主張を
通していく後半は胸が張り裂けそうになった。
特に母の心の揺らぎが痛いほど伝わってきた。
家族愛、ユダヤ人としての誇り、幼少時観た
映画の記憶…
ここから始まったんだな。
それでも人生は続く
衝突に魅せられて映像撮影をはじめた幼少期
キラキラとしたアルバムのような撮影から
映画という芸術作品を作る青年になっていく成長
役者にも徐々に熱く指示を出し始めた青年は
単なる趣味というには片付けられない
そこに情熱が生まれている明確なシーンだった
映画への愛、監督になる覚悟、その始まり
母親の気持ちに気づくまでは幸せな家族だと思っていた
母親も人間であり女であるということが
それが現実として突きつけられるのがリアルだった
夫婦、愛、幸せ、寂しさ、出会い、別れ、死
家族、友達、猿、いじめ、差別、アイデア
病気、裏切り、優しさ、プレゼント、夢
ヒエラルキー、虚像、孤独、フィルム、映画
地平線が真ん中だとクソほどつまらん
芸術がそうであるように
人生も同じかもしれない
現実は楽しいだけじゃない、辛いこともあるし
心が引き裂かれるようなこともあるし
つまらない人生に思えるかもしれない、だから
色んなアングルから撮った方が面白いに決まっている
面白く思えないと辛い出来事もただ辛いだけ
全ての出来事に意味がある と思いたい
ラストカットは遊び心があって
スピルバーグ監督らしい〜と心地いい脱力でした
監督自身がこの作品を通して
ズタズタになった心を昇華したように思える作品
成長物語と夫婦のお話
あと!ポール・ダノの父親役が最高
優しくて賢くて愛妻家で家族想いで
笑顔が素敵で穏やかな理想の男性
そこに退屈さを感じてしまい
自由奔放な芸術家肌な妻は物足りなくなり、、
全て分かって暮らしていたようで切なかった
妻と親友、幸せな家族を失ってしまう
やっぱりポール・ダノ好きだ
貫禄があって、また新しい顔が見れて嬉しい!
今日たまたま芸術作品に対して批判している人が
目の前にいて、その場面に出くわして、、
作品を観る前の出来事で効いた気がする
この出来事に意味があったかもしれない、、
人生と地平線
スピルバーグの自伝的作品ということですが、基本的には、サミーのパパとママの話とサミーの高校生の頃の話を軸に物語は進んでいきます。
最後の絵の地平線の話が面白いですね。最後の映画関係者の上司は、絵の地平線が上か下にあるのは面白いが、真ん中にあるのは面白くないと言っています。個人的な解釈ですが、これは今までのサミーの山あり谷ありの人生とリンクします。
つまり、中庸な人生は面白くなく、人生は上下するから生き甲斐のある人生を送れるんだよという意味と感じました。
もう少し感動があれば満点にしましたが、上品で心地良い作品でした。
青春デンデケデケデケ。
青春デンデケな素材と画調ゆえ、
スピは大林だな、
大林の方がスピよりスピ的だなと改めて感じた。
世界は映画で出来ている、と私も感じている節がある。
静かで強く隙が無くて優しい、そして怖い一本。
セルフパロと映画史パロの混入量の正しさ。
私的年テン入り。
重要作。
映画の申し子なんだなぁ
サミー少年が映画に傾倒していく様子から目が離せなかった。
当然事実と異なる脚色はあるだろうけど、よくできた話だった。
6歳の子供に映画館に入ることを説得するシーン、実直な父と芸術肌の母、観ていて自分自身のようで苦笑いした。
地平線(明日)はどっちだ?
世間の評判が△△△の親でも、
子どもにとっては世界一の親。
反対に、
世間の評判が世界一の親でも、
子どもにとっては◯◯◯の親。
地平線のように、
どちらかに振り切れ!
と、
言わんばかりに、
振り切る親、子、友人、
振り切られる親、子、友人、
の気持ちを立体的に巧みに描写していた。
ハラハラドキドキの演出は世界一だけど、
気持ちの機微を細かく描写することは、避けがち?の、
スピルバーグにしては珍しい、
驚いた。
ちょっと脱線。
母親のセリフ、
「あなたはCRASHに魅了されている」
『DUEL』に激突、しかも!を、
名付けた高橋さん、
その慧眼に改めて驚く。
無名時代のスピルバーグ作品、
チキチキマシーンシリーズの買付け、
あざーす!
ちなみに、
ゴレンジャーの産みの親だそうです。
ライオン丸の刀の鎖を考案した人、
コンドールマンの中に入ってた人、
ライダーの◯◯◯、
そんな人たちとたまに出会ったり、
話しを聞いたりします。
戻る。
カミンスキーの心の眼のような、
カメラフレームの切り方、
ワークにはため息の連続。
ステディ、ドリーのワークのお手本。
下手なステディ、移動、手持ち、ドローンが、
多すぎる昨今、最低限の事はやってほしい。
USJよりも、凄い映画体験‼(超個人的です)
久々にとあるシーンで映画館で爆笑🤣🎵
スピルバーグ監督の笑顔のように、優しく温かく深いうねりを感じました✨🎬彼の作品の温もりで育った幼少期を誇りに思います✨
➡上映後、劇場最前列ど真ん中で暫く余韻に浸り、帰ろうとすると、後ろの方の真ん中の座席で、
“赤いコート”の女性が広い場内で一人だけ(❗)身支度をしていて、“あの”映画と繋がったようで、スピルバーグの凄い魔法の中にいたようで、本当に幸せになりました☇
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