ちょっと思い出しただけのレビュー・感想・評価
全254件中、61~80件目を表示
ちょっと伊藤沙莉が好きなだけ
恋人同士が別れた後から始まって、付き合う前までの話がどんどん逆行していくんだけど…
この映画、順行でいいんじゃないかな?
伊藤沙莉と付き合ってみたいと思わせる映画ではある。
失うからこそ、得るもの
名作。こんな自然に仕上がるなんて。
あざとい味付けより、素材のよいものが集まれば、そうなるのでしょうか?秘訣はわかりませんが、僥倖です。
ただ黙って観て、じーんとして、沁みわたるのを感じるだけでいい。いちいち、解説や推測するのもヤボに感じてしまう。
それでもヤボを承知で言えば、この二人は「ちょっと思い出しただけ」ではない。逆です。きっと一生、忘れられない。ことあるごとに思い出すだろう。痛みとともに。でもうんと時間が経てば、優しさとともに。
さりげない、でも代わりのきかない大切なものと、出会って、育てて、失って。でも人生、次の章に進むためにまた大切なものを求めて、生きていく。
それは、俗に言う「勝ち組」にならないと得られない特権、ではない。人間なら誰もが、その種を持っている。種を蒔けるか。育てられるか。愛を。幸せを。「特別じゃない」感を、沙莉さんと池松さんが、絶妙に醸し出しています。
育ってきてもうすぐ収穫の時と思って喜んでいたら、うっかり枯らしてしまう。そんなつもりなかったのに。人生には、一晩の台風や地震みたいな試練が必ずやってきて、試される。
取り返しがつかない、とか思ってしまえば、結果に後悔し執着する。絶望感に、心折れる。
だから、(ちょっと思い出しただけ)と自分にも言い聞かせる。それは痛みをごまかすためだったり、自分で悲しみの重さをディスカウントしているのかもしれません。それとも、悟りか?
いずれにせよ、一歩前に進むために。
本当は、すごく大切なものを失った。
そんなこと、わかっている。
でも、どうしようもない。
相手も大事、でも自分も大切。
その折り合いのつけ方。
世界はすべて、それを繰り返す。
自然にうまくいく時もあれば、どうにも噛み合わなくなってしまう時もある。大きく失敗すれば、戦争にすらなる。
この二人は、大戦争になる前に、終息させられる二人でした。
何事にもタイミングというか、ちょうどいい刻(とき)があり、それが縁を作り、縁を終わらせる。
映画は人生の教科書。と、レジェンド・淀川長治氏が仰っていました。恋愛は、一つの国と一つの国とが同盟を探るみたいなものですね。相手に合わせれば、しばらくは上手くいくけれど、やがて互いの質・望みが白日のもとにさらされる時が来る。摩擦となるズレは点のようでもあり、世界観のような全体でもある。
自分と相手、違う国同士だったんだとお互いが知る。
理解しようと対話を続けるしかない。言葉と言葉以外で。
もうこれ以上は無理と思えば、糸をほどく。
無理に手に入れようと結んだまま引っ張っても、逆に糸は切れてしまう。
お互い幸せになるために、手放すしかない。
だから幸せな人生というジグソーパズルは、誰のも、どこかしらピースが欠けているもの、なのかもしれません。
ちょっと思い出す。失ったピースを。
失いたくて失った訳じゃないけれど、失ったからこそ、思いを馳せるようになる。失ったピースがあった場所に、代わりに思いが芽吹く。
こんな思いのことも、愛と呼ぶのでしょうね。
タイトルが、素晴らしくいい土台になっています。
脚本も、監督が書かれたのですね。役者の皆さんや音楽、それ以外も全ての要素が結晶化されて、天衣無縫の一本になりました。
ちょっと思い出したなあ…
現在があって、
過去に縋り付いて、
なんだか少し申し訳ない気持ちになった。
過去って美化されがち。
そんな夢物語ってほど、キラキラしてたわけでもないのに
現状と比べられるのって
過去だけだから、仕方ないけど、
今は今で美しくしなくちゃいけないよなぁ…
って思った。
これは、予告なしで見た方が良い。
意味ありげな日付、時刻。
小さくなっていくねこ
マスクやオリンピック
この映画の説明をして下さいって
言われて「ちょっと思い出しただけ」という映画です。と答えたらジャームッシュの話とかできるでしょとお叱りを受けました。以上!
ちょっと思い出してく
この映画の時間軸は現実とは異なる。
でもだからこそ、過去がいかに今に繋がっているのか分かるようになる。
私もたまにちょっと思い出す人がいる。その人のことを思い出すきっかけになる映画だった。
音楽と主演の演技が丁度良くマッチしていて、気がついたら自分も東京のあの場所にいる感覚だった。
この映画はきっとまたちょっと思い出すだろう。
タイミング、そして引きずる
伊藤沙莉さん、池松壮亮くん、そして松尾大悟監督なので、以前からずっと見たかったこの作品。
ゆっくり、噛みしめるように見られました。
主演のお二人はもちろん、他の方々もとても素晴らしかったです。
時間が戻っていく。
そうよね〜。
あぁ、何でそんなことに。
などなど、分かるところが多すぎて、
1日経ってもなんかまだ引きずってしまっています 笑
ラストにはとても驚いたけど、
人生はタイミングなんだなぁ、と。
この作品の良さを言葉にして説明するのはなかなか難しいですが(印象を選べません)見てよかった!
ずっと会話になんて、なってなかったのかもね
池松壮亮さんと伊藤紗里さんを観ているだけでも良かった。
色々な要素があって、ニューヨークの屋敷さんもちょうど良かったし、なんかみんなちょうどよかった。
話の流れもちょうど良かったです。
【追記】
改めて観たら屋敷さんのシーンはちょうど良いではなくて、とても良かったです。
またまた東京テアトル
公開するのを忘れていたので、変な時期のレビューになっちゃった。
お、配給はまた東京テアトルだ。「花束みたいな恋をした」「くれなずめ」「あのこは貴族」、なんか配給会社の路線って感じのものがあるんだね。
主人公の元カレの誕生日7/26を、東京オリンピックの2021年から7年間、主人公の記憶として遡りながら振り返っていく話。それぞれの年は、目覚まし時計の日付曜日表示から始まり、フェードアウトで終わる。そして次々と提示されるエピソードは、21年月曜日、20年日曜日、19年金曜日、18年木曜日、17年水曜日、16年火曜日と年を遡っていき、最後は一転して主人公と元カレの現在の姿で終わる。なかなかいかした作り。
ちょっと思い出しただけの過去の恋を、見ず知らずの人に映画として見せる。そこにはどんなテクニックが必要なのだろうか。観る前の時間にちょっと考えてみた。
① 多くの人の心に「あるある」「そうだったよなあ」といった共感を生み出す内容
② 次のシーンもしくは結末を観たくなる仕掛け
-1 謎を提示して謎解きを観たいと思わせる
-2 よしあし両方の結末が予想される分岐点を見せて、結末を観たいと思わせる
-3 淡々とした空気の中にハッとさせたりほっとさせたりドキッとさせたりと、小さな起伏をちょこちょこ埋め込んで結末まで引っ張り続ける
観終わって、①なのかなあ(俺には該当する部分なかったけど)、それとも②-3 だったのかなあ、という感じ。飽きずに観ていられる、素敵な映画でした。
エンドロールでスペシャルサンクスにジムジャームッシュ監督の名前があるけど、クリープハイプの尾崎世界観が好きな作品「ナイトオンザプラネット」に着想を得て作った曲「Night on the Planet」に松井監督が触発されて作った映画が本作だったのね。たしかに全編通じて、映画好きたちが作った映画って感じが充満してた。俺もそういうの、嫌いじゃない。
主人公と尾崎さんの最初と最後の会話。「どこかで会いましたよね」もいかしている。
「ナイトオンザプラネット」は未見だけれど、今度観てみよう。観ていたらこの映画、2倍楽しめそうだったから。ただ、同監督作品の「パターソン」リスペクトなのはわかるなあ。毎年、出かける際に講演で座っているジュンさんにあいさつし、地蔵を拝む。その繰り返しだが、そのシーンの中にちゃんと揺れがある。同じことが繰り返されるだけにみえる毎日に、詩があることを映像で見事に紡ぎ出したジャームッシュ監督へのリスペクトだね。
映画好きとして、かなり楽しかったです。
「コロナ禍」以前を振り返ったなら…
【鑑賞のきっかけ】
劇場鑑賞を逃していた一作。
動画配信での鑑賞が可能となっていたので、早速、鑑賞開始。
【率直な感想】
<2021年7月26日月曜日から物語は始まる>
本作品は、照生という劇場で照明係を行っている男性と、葉というタクシードライバーの女性のラブストーリーです。
趣向として面白いのは、やはり、照生の誕生日である7月26日を1年ずつ遡るという形式で描いていくところです。
さて、この7月26日月曜日というのは、照生の住む家のカレンダーに表示されていることで特定されます。
そして、2021年というのは、葉が乗っているタクシーに東京オリンピックのロゴが書かれているのと、冒頭、彼女が乗客との会話で「東京オリンピックやるとは思わなかったですね」と話していることから。もちろん、この年の7月26日は実際に「月曜日」でした。
しかも、東京オリンピックの開催は、2021年7月23日から8月8日まで。
つまり、この作品の「第1日目」は、正に東京オリンピックの開催真っ只中。
日本中が、新型コロナウィルス感染者数が増加するのでは、と懸念を感じていた時。
フィクションでありながら、年月日が特定されるというのは、珍しいです。
でも、この作品は、ラブストーリーではあるけれど、「コロナ禍」の前を振り返ることが大きなテーマなので、こういう設定になっているのでしょう。
<冒頭の1日は最重要>
2021年7月26日から1年ずつ遡るという展開上、冒頭15分くらいの「第1日目」の内容はとても重要です。
そこで描かれていることの本当の意味が、後の物語展開の中で分かる部分が多く盛り込まれているからです。
今回、劇場鑑賞は逃しましたが、動画配信で良かったことは、作品を観終わった後に、もう一度、冒頭の部分を鑑賞できたことです。
これにより、私は、この作品の物語がかなり緻密に出来ていることがよく分かりました。
<設定にも緻密さがある>
物語展開は、どう書いてもネタバレになるので触れませんが、ここでは、「コロナ禍」という点で、リアリティを感じさせる部分がありますので、お話します。
冒頭の「第1日目」の中で、照生が勤めている劇場で公演が行われ、彼が舞台の照明を手掛けます。
ここで行われている演劇なのですが、セリフや歌が一切なしのダンス(BGMは流れます)。
観客たちは、もちろんマスクを着用しています。
では、何故、演者は全く無言なのか。
それは、新型コロナウィルス感染症対策のため、と思われます。
演者が大声で歌ったりした場合、飛沫感染はしないのか?
そういう劇場側の配慮と考えられます。
実際、当時、国内の劇場のいくつかで、公演中止となったケースがありました。
そして、対照的なのが、このシーンの後、葉のタクシーが一人の男性客を拾うのですが、その男性が、「今日は、本当はライブだった」と語ります。
つまり、男性はバンドの一員で、舞台で生演奏をして歌う予定だった。
それが、飛沫感染を恐れた劇場側の配慮で中止になったと考えられるのです。
こうした部分のリアリティは、作品づくりの巧みさが窺えるところです。
なお、この2つのシーンは、ある部分で、後の展開の中で重要な点を含んでいるのですが、その部分はネタバレになるので、触れません。
【全体評価】
本作品は、ラブストーリーであり、確かに恋愛模様を楽しむという要素があります。
しかし、先述のとおり、「コロナ禍」から遡ることで、「コロナ禍」の前と後では、観客自身の日常も大きく変わってしまったことに気づかされる、そんな作品であったと感じています。
ただ、いくら「コロナ禍」以前を懐かしがっても、人生は後戻りできない。
だから、「ちょっと思い出しただけ」と控えめに表現しているのでしょう。
今は、過去の先に滲む前向きな夜明から
ジャームッシュへの敬愛と、閉塞感漂う社会の空気も閉じ込めて。心理描写に合わせながら変化させた時系列を物語として紡ぐ。好きなテイストの構成であり、監督のセンスも光る。暮らしの中の対話、姿勢。小さな一つ一つの瞬間が、明日への心の糧となっていく。この作品は、そうした日常の普遍をスクリーンの中で切取り示す事で、私達にそっと“ちっぽけではない”存在なのだと教えてくれていたのだ。都市の中で、二人の様な関係性が今日も生まれ、そして終わっていく…星の煌めきの如く、それは美しいいとなみなのだ。
若者の喪失感と再生
池松壮亮主演なので鑑賞。喪失感を持つ若者が再生を求めて、日常生活の中でもがく‼
バー「とまり木」のマスター・【中井戸:國村隼】の存在感が光る。現代の若者の振る舞いも人間関係もよう分からん❓ チケット購入した際に渡されたポストカードは何やろ❓
こういう意味か! 2度の観劇の末!
題名 ちょっと思い出しただけ ⇒ ちょっとではなかったですね!
最後の最後に意味が分かりました。なるほどですね。わかると話の筋が理解できます。
こういう終わり方ですか!新鮮ですね!
池松壮亮君を初めて知ったのは「砂時計」の大吾の子役でした。良い役者さんになりましたね!
伊藤沙莉さん、映画で観るのは初めてです。はまり役ですね!池松君の個性に負けることなく、素敵でした。できればもう一度、劇場で拝見したいです!!!
ー-------------------------------------
翌日、2度目の観劇を挙行しました。
1度目のテンポの良さ、主役の自然な演技に強く惹かれました。
2度目は実はほろ苦いストーリーでしたね。ラストシーン改めて深かった。葉の『ケーキ』、今日でなく明日、感じるものがありました。
監督、役者、スタッフ、その他各所(映画館等」)のスタッフの皆さま、ありがとうございます。
素敵な4時間を過ごせました。
この劇場の最終日最終回が2回目のため残念ですが3回目はありません。DVDそれも購入し、新たな発見をしたいものです。
18歳。彼氏が欲しくなった。
やーよかった。カレンダーの意味を知ってから伏線回収にむかって進んでいく感じとか、ラスト…本当にちょっと思い出しただけだったんだなって思った。最後の最後、彼が泣いていたことから、彼も思い出していたのか、世界観にあったからなのか、タクシーに彼女が乗ってたのが見えたのか、分からないけど、ぐっときた。
人を愛すのって簡単そうで簡単じゃない。
例えこの人との恋がハッピーエンドじゃなかったとしても、この人と出会えてよかった、恋をしてよかった、そんな相手と出会って2人で過ごせる、幸せですね。
彼氏が欲しいです。
コロナの前の世界が懐かしい。
彼の誕生日を基軸として淡々と描かれる日常のお話。
コロナの現在から遡っていくちょっと前の世界が懐かしい。登場人物一人一人の、温かく、ときにしんどい、ささやかな日常を応援したくなりました。
池松壮亮と伊藤沙莉の演技も、自然で良かった。ニューヨーク屋敷も意外と良かった笑
見ている途中で、あれ?これなんてタイトルの映画だったっけ?って思って、タイトルクレジットが出てきて、あー、そうだった、そうだった、と思った次第。
ちょっと思い出しただけ。
ふと、みんな、あの時の、誰かを思い出すこと、あるよなぁー。
わたしのことも、思い出してくれること、あるかな。
全254件中、61~80件目を表示