流浪の月のレビュー・感想・評価
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二人だけがつながった関係
幼い時に、文に誘拐された更紗。
当時、警察が文を捕らえて更紗は解放された。
それから、月日は流れ更紗は文と再会した。
文は世間では誘拐犯だと言われているが、更紗はそのようなことを思っていなかった。
日に日に、文の想いが強くなってきた更紗は、文と一緒に居たいと思うようになった。
そして、二人は一緒にいるという内容だった。
原作を読んだことがあるのですがとても良かったです。
映画版もよかったですが、原作のほうが、少女がどうなったのかも描かれていて、個人的には原作の方が好きです。
被害者と加害者というレッテルがはられていても事実はそのようなことはないのに誰もわからないというとても悲しい話でした。
世間では、理解できない関係でも当の本人たちがわかってつながっている関係ってすばらしいなと個人的には思いました。
松坂桃李さんの演技がよかったなと思いました。
二人は孤独を補い合っていた。他人は物事の表面のみを見る。
元々小説を読了し実写映画化が決定した際から気になっていましたが残念ながら映画館で鑑賞できず、レンタル開始早々に鑑賞しました。
二人にしか分からないこと。他人から見れば女児誘拐犯。けれど更紗にとって文は狭い箱庭のようなところから自分を救い出してくれた人。
人間はいつだって物事の表面しか見ようとしない。当人同士しか知らぬ真実は覆い隠され、ネットやテレビニュースだけが判断材料となり同調意見が生まれる。
私もその一人かもしれないと思わされた作品です。
私も
多分排除する側に回ったろうなと感じ、心が沈んだ。
だが、沈んだ先でじんわりと温かい光に包まれているような感覚が残った。
アカデミー賞あげて欲しい。
純愛ものと言っていいのだろうか。
広瀬すずの控えめな爛漫さと静かな佇まいが心地良く、心に沁みた。
横浜流星を含め過去にトラウマを抱えた3人の人間模様の描写が見事で、引き込まれた。
映画館で観ていたら涙していただろう。
過去の犯罪、しかも冤罪をいつまでも炙り出し姑息な手段で追い込む人々は醜悪だ。
でも、私も間違いなくその1人。
多様性の尊重を謳いながらも価値観は受け入れられない。
それが小児に対するものならなおのこと。
これはあくまでもフィクション、2人の純粋さに暫し心洗われたい。
真相を知らずに
何事も上手くいかないなって感じながら見た。
文は世間から見たら誘拐犯だけど、更紗にとっては救世主だった。15年も経って、どん底にいた更紗のまた救世主のようだったのに、世間はまた傷つける。
一緒にいることが幸せなのかそうじゃないのかは、他人には分からないけど、昔まわりの人に引き離されて、離れ離れになった2人が大人になって一緒にいることを選ぶことが出来たのは良かったのだと思う。
約2時間半かつセリフがあまり多くない映画ながら 広瀬すず、松坂桃李...
約2時間半かつセリフがあまり多くない映画ながら
広瀬すず、松坂桃李、横浜流星の演技力が素晴らしくのめり込んで観てしまった。
大衆受けする映画ではないが、李相日監督らしい良い映画だった。
生き方の正解を問い続ける
2022年劇場鑑賞33本目 優秀作 72点
2022年上半期の邦画でとりわけ注目度も期待値も高かった本作。
まあある意味期待通りで、そこまでとんでもなく残らなかった印象。
伝えたいことは大いに理解できるし、想像を越えた演出や演技には目を見張るもがありましたが、個人的にはまあそこそこで完結してしまった。
冒頭のブランコの撮り方には流石だなあとため息を吐いて、そこから胸を弾ませて鑑賞していたのを今でも覚えています。(鑑賞から4ヶ月後にレビューしています)
当方予定では今年の劇場鑑賞本数が100本を超える見込みで、近年より洋画やミニシアターも多く鑑賞していることから、例年だったら年間ベスト10入りしてもおかしくない作品だと思います。
是非。
他人と向き合えないのが問題では?
かつて誘拐の加害者と被害者であった文と更紗が再び再会する話。
撮影監督に『パラサイト』でも撮影担当だった人がやってるのでなんとも韓国映画らしいというか、パラサイトっぽいというか。色んな小道具が意味ありげに出てくるのとか、文の家の中庭の感じとかめっちゃパラサイトだなと思った。
モチーフについては、ガラスとかキラキラしたものが文のイメージになっているっぽくて、それがコーヒー屋の1階に置いてあるグラスに更紗が惹かれてるので表されてるっぽかった。あとは傘も、最初文自身の傘を更紗に差し出してるのに対して今は恋人の傘を持ってるのもなんか意味ありげだなと思った。ただ、この2つ、だから何だ?で終わってしまったのだが(笑)
この文と更紗、ロリコンや誘拐諸々より他人とちゃんと向き合わなかったことが問題なのでは?と思った。でも母親にちゃんと自分を見て貰えなかった文と傷を抱えて孤独だった更紗、お互い初めて自分とちゃんと向き合ってくれたし自分も向き合えた他人だったのに、それはダメな事として世間から否定されたら殻に閉じ込もるしかなかったんだろうな。
でも、そうやって他人と向き合わず閉じ込もるのって結局当人達を置いてロリコンと騒ぎ立てる周囲と同じになっちゃってて、亮だって色々な問題を抱えているが故のあの行動(クソ田舎で勝手に結婚式はこっちで挙げるとか言われてて継ぐ継がないとか圧掛けられてたり)。
付き合う前にちゃんと亮と向き合っていればこの結果にはならなかったのでは?と思う。まぁでもロリコンとDVどっちが悪かって言われたら、罪犯してるDVのが完全に悪いけどな。
暴力をふるうのも、幼い少女をすきになる傾向があるのも必ず何か要因があるはずで、そこを見ずして他人を否定することはやっちゃダメだなと思った。
最後の余韻が重くのしかかった
印象に残った部分は自分を押し殺して生きてきた更紗が文に再会して幼い自分を取り戻していくところ。
亮に殴られ行きつく先はキャリコ
文に見つかりあの顔でフッと出た笑顔にぐっときた
湖でハンバーガーを食べるシーンと文との会話もよかった。松坂桃李さんはじめ広瀬すずさん横浜流星さんの細かい演技に鳥肌がたった
松坂桃李は文だったし、横浜流星も亮を生きていた
2人の子役もとても良かった
新しい横浜流星くんに出会えました
本読んでまずひしひしと私が感じたのは、教育は洗脳だった。
登場人物たちは、とにかく実母の残像に縛られていて、そこから抜け出せないまま大人になってしまっているのだけど、そこに彼らが疑問も怒りもない所が私はとても苦しかった。ただただそれでも母さんに認められたい、母さんが好きなのがしんどい。いっそ嫌いになってしまえば多分違う物語になったと思う。
文と更紗はとても対照的な母に育てられてて、全然違う二人なのにお互いの欠けた部分を奇跡的に埋めあってしまった。二人の友情とも恋愛とも違う愛を、映画では一体どう表現するのかなと思っていたけど、とにかく皆さんの演技力がすごかったよ。
すずちゃん!
可愛いだけじゃなかったわ。
原作の自由な更紗はすずちゃんのサラッとした天真爛漫な感じとピッタリでリアル更紗だったし、文は監督が桃李くん以外にあの世代であの透明感だせるの誰が他にいると思います?言うの納得のまんま文だったし。そして推しですが、亮の流星くんはめっっちゃ怖かった。
怖かった、けどね。
流星君の亮はとても可哀想にみえた。亮もまた身勝手な大人の事情に振り回された可哀想な子どもなのを思い出されたよ。
原作の亮はもっとそれでも許せないし怒りが込み上げたけど、流星君の亮は彼の目を見てたら可哀想になってきてヨシヨシしてあげたくなった。
亮の弱さを流星君は絶妙に演じてたと思う。
以下、トークショーの備忘録です。
流星君は原作にすごく惚れ込んでたらしいのだけど、監督は本当は流星くんは亮じゃなくて文をやりたかったんじゃないのかな、けど話してみればみるほど、あの昭和な感じが亮にしか見えなくなってきて、と昨日話しておられたの笑。思わず吹き出してしまった。昭和。笑。わかる🤣
監督はイケメン俳優からの脱却という点で、私のこれまた大好きなまあきゅん(岡田将生)もかつて同じように悩んでてた時期に、悪人でこれまでの王子キャラとは違う役を演じて、という話をされていました。流星くんの今回の役も同じように、これまでの彼の役柄のイメージを覆す新しい彼が見られることを期待してください。
これじゃあ、、、
文にとっての更紗は疫病神でしかないという印象。
警察での取り調べで失敗したと、タカヒロの事が言えなかったと。そこじゃないだろ?
大人になって再会して、色々な人から文との関係を言われる度、うろたえて目がキョロキョロするだけで、「あれは誤解だった。何もされていない。」と何故言えないのか?文に償わなくてはというくらいなのだから、自分の事よりもそのくらいの事は言えるだろ、と。
更に一番に言わなくてはならないDVリョウくんにも、「私、可哀想な子じゃない」とかわざと曖昧な事ばかり。更紗のキャラが事態を混乱させる微妙な話だった。
松坂桃李は好きです。
感動しました。
感動しました。
人間の宿命、運命、縁を深く感じさせられた。
過去に少女誘拐事件で逮捕された文と少女更紗が、15年後に再会する。
そして、二人はまた一緒になるというのは、偶然ではなくて、必然、運命である。
お互いに、少年少女時代のトラウマに苦しみながら、乗り越えてきた。
更紗は、誘拐されたのではなくて、叔父からセクハラを受けて、家に帰りたくないので、
助けをもとめて文のところに行ったことを、警察にうまく説明できなかったことに、後悔をしていた。
死んでお詫びをしたいさえ考えていた。
しかし、文に会ってそのことを話したら、「生きていたから会えた」と言う文の言葉に感動した。
またしても救われた更紗は、文に恋をする。
文は、中学性から、ロリコンで悩んでいた。普通ではなく異常である。人間として、
「はずれ」であると感じていた。母に相談したが、理解してくれなかった。
人生に絶望した文に生きる希望を与えたのは、更紗であつた。
お互いに、喪失と再生を繰り返して生きる、その姿に感動しました。
最後に、文が僕といると「ずっと追われていく」と言うと、更紗は「そうしたら、またどこかに
流れていけばよい」という言葉にまた感動しました。
1回目よりも2回目のほうが、よく意味がわかりました。
是非見て感動してください。
現実を受け止め、変化しようとする人の想いを描いた深い映画です。
「流浪の月」には、「水」に関するシーンがたくさん出てきます。
「水」に関する場面の共通点は、「人生をリセットしたい」という心情を描いてるのではないかと思います。
清らかなイメージである「水」に関するシーンでは、登場人物の「人生をリセットしたい」という想いが投影されているのではないかなと思います。
そんな思いを抱きながらも、束縛されることなく、自由に空を彷徨う月に憧れている様を描いてるのだと感じました。
いろいろな意味で、「大人に成りきれていない子供」同士が、互いに自立しようと与えあい、「大人になっていく」というテーマが描かれていたように思います。
ラストシーンでは、メンタルだけではなく、「フィジカル的な大人」への憧れまでも描いていたんだなと奥の深さを感じました。
最後まで見ると、すべてがつながる映画です。
バカラグラス、谷さんの後ろ姿、等々
重いテーマに足が向かず、ようやく配信で観ることができました。 未公開シーンの説明付き。唐突だと思われたシーンが繋がったので、劇場で観るより良かったかもしれません。
撮ったうえで切り取り、残したシーンでその気配を匂わせる。…分かりますが、切り取ったシーンが半端ない。上映時間という制約があるから、多くを切らざるを得なかったようです。
「説明セリフ」の違和感が多く省かれていてよかったのですが、骨董品屋さん、谷さんの位置づけは、もう少し欲しかったかな。
観終わったあと「流浪の月 病気」でググってみました…
そこに至る経緯とそこから至る経緯
現代においては許されない犯罪だが、そこに至るそしてそこから至る経緯を繊細に染み入るように描く。リアリティを感じる。松坂桃李と広瀬すずがいいです。
ですが「秘密」にあぜんとしました。(原作は知らず)あれがなければもっと良かったと思う。
今、この時の松坂桃李でしか撮れなかった一作。
『孤狼の血 LEVEL2』(2021)で強面の刑事を演じた松坂桃李が、今回は打って変わって線が細く内向的な青年役で主演。劇中の時間軸に数年間の幅があるので、彼は若者からやや年を経た青年までを演じています。そこはさすがの演技力で、どの年代の彼であっても、全く自然だけどある程度の経年変化をきっちり感じさせてくれます。
広瀬すず演じる更紗が白鳥玉季と二役で演じていることを考えると(少女時代と成人後の役なんで当然なんだけど)、この対応可能幅は驚異的です。そして結末に明かされるある真相も、他にどんな演技巧者が演じていたら、松坂桃李以上に説得力を持たせることができるのか、と考えましたが、ちょっと思いつきませんでした。
いくつか大きな事件は起きるものの、映像、演出、音楽のいずれも、それほど煽情的ではなく、むしろ静謐ですらあります。雨や湖面など、「水」が印象的な映像は、撮影監督ホン・ギョンピョの手によるものとのことで、やはりそこかしこで『パラサイト』(2020)を連想させる映像が見られました。
原作は未読なんだけど、もしかしたら多部未華子演じる看護師・谷とかもうちょっと出番があったのではー?と思う所もあったり、150分とやや長めの映画なんだけど、もっと細部が見たいなー、と思わせてくれる作品でした。
胸を打つ150分の心の旅
「俺ははずれだから…」
文が裸になり振り返りながら更紗に苦悩を打ち明けるシーン。
ぽとぽとと落ち続ける文の涙の重さは
更紗には痛いほどだっただろう。
咄嗟に駆け寄り文を抱きしめようとする更紗。
更紗が近くにいるほど怖かったと打ち明け、払い除ける文。
長年、向き合ってもらうことができなかった肉親との関わりや身体へのコンプレックスは文のこころに高く険しい壁を築いていた。
しかし怯まず文に向かう更紗。
彼女自身も心にのしかかっていた過去からの闇を突き抜ける瞬間だった。
慟哭が吹き荒れたあとの静寂。
疲れ果て目を閉じ眠る文と
それをみつめる深くやわらかな更紗の眼差しは
かつて更紗を助けた時にみせた文のそれとおなじ温もりだった。
衝撃的な告白は、行き場を失うような切なさで
観るものの心までも切りつけてきたが
すべての過去を受け入れ成長した更紗がそこにいたことで地面にたたきつけられるぎりぎりのところでふわりと舞う一枚の羽に助けられたかのように展開した。
自分といればまた。。。と、
更紗を大切に思うからこそ臆病になる儚げな文に更紗は言う。
「その時はまた流れていけばいいよ。」
この覚悟ある更紗の言葉の力は
安らぎと強さをもって沁み渡る一筋の光。
文にも、私たちにも。
生きづらさを感じる魂はそこかしこにあることを胸に置く。
同時に、そこに手を添えられるのも私たちであることを伝える。
すこしの希望とたくさんの不安を纏いつつ歩み出した二人の強い絆。
これこそが 紺色の夜を彷徨うときにも淡くやさしく照らして包む流浪の月なのだろう。
原作を読んでからの鑑賞。
原作と映画ではすこし描き方はかわる部分もある。
すべての事象は偶然でなく、必然であることを改めておもう。
心ある人として生きるとき忘れてはいけないものを。
俳優陣の内面から湧き上がる感情の細やかな心の表現に見入る長くて短い150分でした。
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