シン・仮面ライダーのレビュー・感想・評価
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中間領域の映像に、いかに説得力を持たせるか
巨大化ではないヒーローを、庵野秀明監督のビジョン、実写とアニメーションの中間領域の「トクサツ」空間でどう描くか、これは大きな挑戦だったと思う。仮面ライダーも元々特撮番組ではあるが、ミニチュアものとは映像のあり方が異なる。『シン・ウルトラマン』は巨大化するので、ユニークな遠近感やミニチュアや合成を駆使して特異な空間の創出にある程度成功していた。
実写映画ではあるけれど、庵野秀明監督の作品は現実の再現を目指さない。トクサツ的リアリティラインの再現を目指そうとする。それゆえに3DCGもキッチュ感をわざわざ強調する(シンプルにリアルの再現よりもセンスが要求されるに違いない)。この美学が等身大ヒーローの場合に上手く調整できるかどうかが難しいポイントだったのでないかと思う。結論的には『シン・ウルトラマン』や『シン・ゴジラ』の時ほど上手くいっていないと思う。
それでも、庵野秀明監督の絵のセンスがいいので、全編飽きずに見れてしまうのはさすが。キャスティングの嗅覚も冴えている。浜辺美波じゃないとあのヒロインは成立しなかったかもしれない。女性キャラクターのリアリティのなさは生身の役者に演じさせると気になる時があるが、浜辺美波はそのリアリティのなさをこなしてみせた。
冷めて内省的な変身ヒーローに、半世紀の隔たりを思う
小学生の頃はテレビ放送の「仮面ライダー」人気が結構大きくて、変身ポーズやライダーキックを皆で真似したり、サイクロン号の人気に便乗?して売り出された電子フラッシャー(電池で光る方向指示器)付きの自転車を比較的裕福な家の子が買ってもらって羨ましがられたりしたことを覚えている。本作の本郷猛はなぜ変身ポーズをとらないのかと鑑賞中は疑問だったが、あとでWikipediaの「仮面ライダー」の項を見たら一文字隼人が登場してから変身ポーズが導入されたと書いてあった。そのあたりもオリジナルのシリーズに忠実だったかと感心した。
脚本・監督を庵野秀明が務めたことも大きいのかもしれないが、池松壮亮が演じる本郷猛は、オリジナルの藤岡弘が演じたキャラクターよりも冷めていて内省的な印象で、高度経済成長期の昭和と震災やコロナ禍を経た令和5年の今、半世紀分の隔たりが反映されてもいるのだろう。柄本佑が演じる一文字隼人の軽妙なノリ、SNS風に「いいね」とサムアップさせるあたりも憎いアップデートだ。
本作、スクリーンでの試写はパスしてしまい配信での視聴となったが、テレビ画面サイズで観るのも悪くないスケール感かなと思う。子供の頃にテレビで元のシリーズを観ていたことが刷り込まれているのかもしれないが。
客層からは漏れていると思うが、惚れ惚れはする。
困っている。庵野秀明というひとが作る以上、度を越したマニアックな要素が入ってくるだろうし、世代的にはちょい後追いなので、その意図をすべて汲めるとは思っていなかったものの、思っていた以上の難物がきた。ライダーの造形、美しいトランポリンアクションなど昭和特撮に馴染んだ身にはたまらない要素が詰め込まれている一方で、ハニメーションを彷彿とさせるアニメ風アクションが混ざってきたりして、作品のバランスが掴めずに翻弄されるのだが、確かにどれもこれも濃厚に庵野秀明であって、強烈な作家性がモロ出しになっている作品だとは思う。
じゃあ面白いかというと、面白くはない。もう庵野的なものの先を見せてほしいというこちらの勝手な気持ちもあれば、予算のせいなのかそもそもオリジナルへのリスペクトからきた意図的なものなのか、にじみ出るチープさに心から乗っかれないもどかしさもある。この映画や物語が、どうしても切羽詰まったなにかに刃を突きつけているようには感じられず、形式や作法がいちいち空虚に思えてしまったからかもしれない(空虚さは庵野作品にはつきものとは思うが)。
さりとて思い出すのはライダーのカッコいいジャンプだったり宙返りだったり、やたらとカッコいい瞬間ばかりが脳裏に焼き付いている。それは動き、構図、画調といったさまざまな要素が組み合わさっているからで、それはそれでいい映画じゃないかと思えてくる。でも見直したらやはり、面白くはない、と思うんだろうし、それでも魅了される瞬間がときおり表れては、つい惚れ惚れとしてしまうんだろう。
大人向け仮面ライダー。過去の仮面ライダーの整合性を最新に再構築したという点からは評価に値する作品。
本作は冒頭の映像などからPG12と指定されている「大人向け仮面ライダー」となっています。
子供向けな作品であった1971年放送開始の特撮テレビドラマ「仮面ライダー」は、予算や技術の面などからも、いわゆる「子供向けテレビクオリティー」にならざるを得ない面がありました。
それを今回、「シンシリーズ」としてリブート版を作る意義として、キチンと整合性を再構築し、あらゆる事象を論理的に作り上げたという点において本作の意義は十分にありますし、大人の鑑賞に耐えうる作品にしたのは評価に値します。
「仮面ライダークオリティー」を高めたという視点から評価は最高峰として認定できます。
ただ、一般の映画として楽しめるかというと、これはかつての「仮面ライダー」シリーズにどこまで愛着を持っているのかによって変わると思われます。
庵野秀明監督らしく、これまでの「エヴァンゲリオン」などを感じられる背景のシーン等、「らしさ」全開でしたが、これは視点を変えると、今後の展開への「伏線」なのかもしれません。
強いて言えば、戦闘シーンは「実写版」での限界も感じられました。アニメーション映画であれば凄いシーンの連続になったのでしょうが、実写であるが故に動きが必ずしもスムーズではなく魅力が減る部分でもあります。
あくまで、かつての「仮面ライダー」の世界観を踏襲し、それを最大限リアルに仕上げた作品として見るのが正解なのでしょう。
池松壮亮の奮闘ぶりに感嘆 女優陣の振り切った姿も見逃せない
庵野秀明監督作ゆえ、一筋縄ではいかないのは誰もが承知のうえであろう。
シン・仮面ライダーはシン・ゴジラ、シン・ウルトラマンと異なり等身大のキャラクターのため、それゆえの難しさはあったはず。
それにしても、池松壮亮の奮闘ぶりには感嘆せずにはいられなかった。
1フェーズどころか、2フェーズ上がったのではないか…と感じるほどに、痛みの分かる主人公を見事に体現してみせた。
また、女優陣(浜辺美波、西野七瀬ほか)の振り切った姿には、声が漏れそうになる。
私はIMAXで鑑賞したが、個人的にはビッグフォーマットでなくても十分に楽しめたかもしれないということは記述しておく。
シンウルトラマンよりつまらない
シンゴジラが面白かったから期待してシンウルトラマンを見てガッカリして、シン仮面ライダーはこれより下になります。
最初の展開と、仮面ライダー1号、2号同士のバトルは面白かったけどラストで萎える。気分的にはエヴァンオンの最終話を見せられてる気分。
この作品に学ぶことがあるなら、厨二病は現実世界でやるとドン引きするということ。
この作品のターゲット層も謎。仮面ライダーのファン向けという感じでもなく、かと言って大人向けでもない。
シンシリーズはもうダメだと思う。でも山崎監督がゴジラ-1.0で返り咲いたように。日本の歴史的キャラクターに返り咲いて欲しい気持ちはある。
これはもう一つの仮面、真実が分かる時~ そして、バイクの爆音と共に去りぬ!
今日は今話題の「ツソ・仮面ライダー」を観に行きました。
エンディングで 久し振りに聴く 子門真人さんの歌声!!
迫る~ショッカ~地獄の軍団~ 最高ですわ。
” レッツゴー!! ライダーキック ”
少年時代に一気に戻った気にさせてくれる。そこは楽しめたかな。
3曲もラスト流れてて、ど忘れした歌も なんとなく
脳裏の片隅で 有ったなぁってそう思えた懐かしさ。
子供時代は 気が狂ったお子様かと思えるくらい
あちこっちで ガキんちょ達が公園で歌ってたな~。
今作ですが、監督が力み過ぎて? 全編暗さを感じちゃう。
まるで陰キャの集会が漂ってて そこは残念っす。
なぜか苦悩を引きずってる。設定ミスかともとれる。
浜辺さん出てるんで、そこは興味あったかな。
ーーー
(mc)
本郷猛 :池松壮亮さん
緑川ルリ子:浜辺美波さん
一文字隼人:柄本佑さん
(地獄の軍団)
・クモオーグ
・コウモリオーグ
・サソリオーグ
・ハチオーグ /ヒロミ
・カマキリ・カメレオンオーグ
・チョウオーグ
・ケイ
・SHOCKER(持続可能な幸福を目指す愛の秘密結社)
ーーー
(思った事)
・やっぱ、仮面ライダ-1号:本郷猛は 藤岡弘さんが一番。
そして 仮面ライダ-2号:一文字隼人は 佐々木剛さん。
そして 仮面ライダーV3:風見志郎は 宮内洋さん
僕はやっぱりV3が一番スキだったかな。
今作の 柄本さんや、池松さんではイメ-ジ弱いと思うね。
・仮面1号死んで、2号へ引き継ぎ。
ホントは次のV3に興味あったのだが。
彼も登場させて欲しかった。
・ショッカ-出てくるけど 人数少な過ぎじゃないかな。
皆 ” イ- ” って言って無かったぞ。なんでかな。
なんか横一列並びで、コレ違う感あり。整列ってどういう事さ。
・出だしのダンプとバイクのチェイスシーン。
まあまあ良かったが、
なんやろ 崖落ちするダンプが 急にプラモですよと丸見え。
折角の掴みのアクションなのに・・・とっても惜しいよ。
ショボく見えて残念だわ。笑わなしゃ-ないね。
お金かけられ無かったんだね。
・小屋の爆破は めっちゃカッコ良かったで!
爽快な破壊、ふっ飛びが観れて快感。そう思えた。
あんなんスキやわ。ついでにバイクで脱出して欲しかった。
・走行しながらの バイク変身シーン。
いいねぇ 痺れるわ~。軽い脳梗塞に成りそうだよ。
それとバイク集合マフラー、エキパイから出る煙。さすが。
ちょっと出番が多かったけど あの煙出しての疾走は笑えたよ。
※ただ、絵的に右から左にバイク流しすぎ。アングル変えなきゃ。
・どっかの工場敷地内? 2台のバイクが疾走するのを
空撮で撮ってる所ね。あれ、とっても良いよ とってもね。
あの前後 もうちょい 繋がる激しいカット入れて欲しいかな。
・昔 TVでやってたみたいに
セメント袋を爆破してV字に高-く粉塵巻き上げた所を
ライダ-バイクが 割って疾走するのが見たかったかな。
あれ 最高なんやがな。
あんな絵に、工場敷地の疾走を 繋ぐとイイねんけどな。
・緑川ルリ子はどうしても死なせないと駄目なのかな。
最後まで生きてて、1号を見送って欲しかった。
・サソリオーグ の 長澤まさみさん場面が もっと観たかったよ。
意外と行けてたと感じる。
・もっと バイクとショッカ-出して
道路で走りながらの 爆破アクションとか、
観て楽しめる カッコよさ、ヒヤヒヤ感を売りにした方が
成功したと思えるかな。
て言う訳で、
ちょっとハマれん人も多かったと思うけど。
心情描写の暗さが連続してて影響してるんやろなぁ。
長澤さんや、 ハチオーグ の 西野七瀬さん辺りで
もっとセクシ-場面入れて盛り上げたら
めっちゃ楽しめたかもですね。
ライダ-1号の海辺の夕日に重なるシ-ン。
メッチャ綺麗に撮れてたと思う。
監督は こう言うのが撮りたかったんだね。
そう思えた。
今作の変身ベルトって売ってるんかいな。
年甲斐も無く、それ付けて 仕事してみてぇ~。
ソレ付けて営業行ったら 顧客取れそうw
興味ある方は
劇場へ アクセル フヲォ-ン~。
純たる感情の中で交錯するシン・シリーズの新たな回答
仮面ライダー全然知らないけど、こういうのでいいんだよ…!って思えた。シン・ウルトラマン的な難解は無く、純としたストーリーで華より映るものを淀みなく描いている。そんなに悪いかね…?
確かにいままでのシンシリーズより興行が悪かったことは知っているし、苦悩が語られるドキュメンタリーの話は幾度となく聞いてきた。それ自体も含め挑戦を感じさせるシーンが多かったし、何よりノスタルジーと新しさを絡めた様な世界観の追求は見応えを持っていた。
また、言われているような画の乏しさはあまり感じず、多用されたカットが疾走感と戦闘シーンのテンポを作り上げる。その充足感が同時に彼らの苦悩を引き立てる。確かに役回りが限られている故に壮大さは欠ける部分があるものの、それでも悪くないと思った。
主演は池松壮亮さん、ヒロインに浜辺美波さん。漂わせる昭和の雰囲気に新しさを感じさせる負の感情。用意周到なキャスティングだが、主要キャストと言うには少ないほど、脇を固める人があっさり消えるのが残念。仕方ないのだけれど。
混沌とした感情を持って作られたなら、その作品に映っているのだから正解だと思う。苦悩の中にある希望が芽生える時、走り出す快さを知るのだから。
TVシリーズと原作漫画へのリスペクトの両立
クモオーグのところまでは100点中100000000点くらいの出来で最高。
ショッカーがパンチで弾けるとことか超人感あって良い。
ライダーキック最高すぎる。ライダージャンプは手の角度が違った為、150回ほど飛んだ後に全て取り直したそう。特報のOP完全再現といい動きや角度にまでこだわりすぎてて目が飛び出る。
バイクで走るだけの変身がここまでカッコよくなるとは。タイフーン(プラーナ強制排出補助機構付初期型)いいね。言いたいだけ。
そこからはエヴァ味を増し難しめの設定が続き、しょぼめのCGでスーツを使ったアクションもほぼ無く、出だしが良かっただけに残念だった。
ただ2回目に観た時はこのあたりはこうゆうものと分かって観たので純粋に楽しめた。シンシリーズの期待値が高すぎたか。
2号の洗脳とか13人のライダーとかは漫画のオマージュらしい。(1号+2号+11人のショッカーライダーで「13人の仮面ライダー」編)
ショッカーライダーは途中で2号が来てダブルライダーになってから数が6人になってTVオマージュに。
大量発生型相変異バッタオーグのマスクの下が化け物なのは気持ち悪くて良い。
スズメバチはバッタの天敵とか、相変異した黒いバッタは群生相になり凶暴だとかの昆虫の性質を設定に入れてるの好き。
1号2号が大量発生型相変異バッタオーグを前に並んで決めポーズを取り目が光り、それに合わせてメインテーマが流れるのは鳥肌もの。
今回は怪人もマスクをしている為、ライダーがショッカーの改造人間であるという統一感もより感じられて良いデザインだった。
また、ショッカー怪人やショッカー戦闘員がちゃんと改造された"人間"と認識しやすかったのも良かった。(ライダーと装飾も似ていて素面があったりキックが背中にめり込んだりと)昭和のはどうしても人間に見えず化け物に見えるからな、。
2号誕生の経緯がちゃんと1号の左足骨折だったのは不謹慎ながら笑ってしまった。(当時1号役の藤岡弘さんが撮影中のバイク事故で左足を骨折した為、代打で2号が生まれた)
一文字隼人のキャラが良い。本郷に合わせて敵を労うため下を向くとことか。「お見せしよう」の台詞とか。
元祖変身ベルトのシャッターを「開閉式安全装置付初期改良型」として安全装置の役割にしてるの上手く設定に落とし込みすぎでは?
マスクの下が化け物なのとか1号が死ぬのとか最後マスクの中に本郷の意識があってこれからは二人で行こうっていう演出も漫画の最終回ネタらしい。
そこにTVシリーズの新1号になる流れも組み込まれてて上手い。(第2号+1号表記なのエヴァ味)
その他の新キャラだと思ってたものは全部石ノ森章太郎作品のキャラみたいで
ケイはロボット刑事K
ジェイはキカイダー
チョウオーグはイナズマン+V3
と聞きなるほど言われてみれば。
庵野さんの愛が僕に伝わらず知識不足を実感しました。
クモオーグ先輩の「しまりました。空中では私の方が圧倒的に、不利ィー」てのドツボにハマってる。
「しまった」の敬語が「しまりました」なの面白すぎるので今後使っていきたい()
長澤まさみで遊ぶな!
出オチ感のあるサソリオーグに笑ってしまった笑
意外とエヴァ感はない
微妙にチープな怪人たちがいいね
なにげに怪人たちが豪華でなおかつこの尺でよくあれだけ出したと褒めたいです。
ただ、肝心の話が面白くない、スケールでかいんだか小さいんだかわからないけど駆け足で終わった感があります。
2代目ライダーの存在はよかったね、超善人の主人公より人間性が面白い
画面ライダーもあまりみてこなかったがこんな自由に仮面取ったりはずしたりするもんなの?笑
なんなら他人に被せてみたり笑
変身の意味あるの?って気になりました笑
あとは無理に当時の曲や演出?いれたりしてチグハグな印象でした。それが味なのかもしれないけど
まあ、そこそこ楽しめました
思ったよりマシだった。
特に 最初の15分くらいはめっちゃ面白かった。面倒くさくて脚本的に難しい 前置きを省略して 見せ場から始めちゃったのは良かった。 その後もさほどトーンダウンをせずにクライマックスまで持っていけたのは良かった。 ただ クライマックスはひどい。 ここは 思いっきり予算をかけて最高の CG 見せる場面である。が、 思いっきり予算をケチってただのプロレスになっている。日本映画 死ねと言いたくなった。脚本も冴えておらず ドラマがチープで子供騙しでいけない。ファミリー ドラマにするというのも 安直すぎる。もしかしたら映画 会社から要望があったのか?もうちょっと頑張って欲しかった。
一番 褒めてやれるのはカメラだな。 おそらく 所々でフィルムカメラを使っている。 フィルムじゃないかもしれんがカメラの選択が良くてとても綺麗な絵が撮れていた。あと トンネルのシーンのCG がかっこよかった。・・・CM で使う部分だけ金をかけたのだな・・・・・もっと 優れた脚本家を書き、資本家がもっとお金をかけて勝負に出る気にならないと日本映画を見に行く気にはなれないなあ。
結構好きです
公開前からそれほど惹かれることもなく期待値は全然高くなかったけど、結構好きかも。
話は単純だし、戦闘シーンがなんか楽しかった。
事前に知らされていたキャストより、実際はもっと豪華な俳優さんがたくさん出ていたのでビックリ。どの役なのか気づかなかったの多いけど。
戦うだけがヒーローではない
本郷猛が消滅する展開は衝撃的だけれど、その思いを一文字隼人が引き継ぐラストは良かった。
戦闘シーンも印象深いけれど本郷猛の行動は世の中に対する絶望、そういう事に対する答えなのかなと思う
追記、いろんな人の考え(間違った思想、迷い)を変え正しい方向に導く、それがヒーローなのかなと思った。
変なシーンの釈明も兼ねる考察的なレビュー。
どうしてそこにいるの?と思うような場所で戦う。
どうやってそこに行ったの?と思うような場所に集まって会話をする。
人のいないロケ地ばかり、それは優しい本郷猛が被害を最小限に抑えるためだろう。
対向車が来ない道路は、ショッカーがトラックでふさいでるからだ。
速度違反の取締りに出くわさない理由は、ショッカーが周囲の警察をやっつけちゃったからだと思う。
舞台となる時代は1971年かと思いきや近未来っぽい。レトロ車と今時風な車が混在している。
人口削減や疫病感染などに言及している。ショッカーの世界征服の詳細な計画。
「Let's 世直し!」「Ecstasy! Ecstasy! スーパーecstasy! 」の長澤長澤まさみさん演じるサソリオーグがインパクトが大きかったので、登場シーンの尺が長くなくて良かった。
仮面ライダーの変身システムや生態についての詳細な設定。改造人間はプラーナにより生命を維持できるので食事をしない、らしい。説得力を持たせるためにシチュエーションも交えて映像化してほしかった。
浜辺美波演じる緑川ルリ子が、もし仮面ライダーアマゾンに登場した少年の姉である岡村りつ子のような人だったら、本郷猛はもっとカッコよく見えただろう。緑川ルリ子の見た目は綾波レイだけど、敵陣に堂々と降伏勧告したりして主役よりカッコいい。
終盤、硬派な本郷猛と軟派な一文字隼人のタッグ戦に興奮。
今更ながらエヴァンゲリオンの弐号機や零号機が、仮面ライダーのオマージュだったことに氣付く。
庵野監督らしいカメラアングル、構図に拘った引きの映像が随所にある。
藤岡弘さんの時の仮面ライダーが好きなら是非!
ストーリーが昭和の1号・2号ライダーに基づいている部分が多くてにやりとさせられた。
普通に4人の怪人と1人ずつ闘うところとか、やられた時の泡とか。
とても楽しめました!!
特撮女優浜辺美波
この映画は昭和40年代後半の石ノ森章太郎原作の特撮や萬画を知らないと分かりにくいだろう。ハチオーグの台詞が「人造人間キカイダー」のプロフェッサー・ギルのそれを下敷きにしているのに気がつかなかったのを除くと、このネタはここで使っていると観ていて楽しかった。
この映画の最大の見ものは「用意周到」な緑川ルリ子役の浜辺美波の仏頂面のようでいて豊かな表情と演技。浜辺美波は表情が豊かなのは分かっていたが死ぬシーン以外では感情の起伏を感じさせないのに。こんな演技を見るのは初めてだ。後で観た映画で1時間ほど嫌になるほど仏頂面で演技をしている朝ドラヒロインの先輩清原果耶を観ると余計にそう思う。
緑川ルリ子は藤岡弘の自動車事故による一時的な降板で一文字隼人に切り替わる時に役どころが煮詰まっていないまま終わりなので「仮面ライダーSPIRITS」でも色々と盛り込めるのだろう。まるで無から生まれた新キャラだ。もし藤岡弘の事故がなかったら継続して登場しただろうから無理だろう。
浜辺美波もチョイ役で出ていたNHKのドラマの主人公が池松壮亮なので蓄膿症の犬役のオダギリジョーも仮面ライダーとして出て来るのでは?と思ってしまったが「原作版」の本郷猛と一文字隼人の交代劇までを扱っていると気がつくとないな、と。
次に魅力的なのは西野七瀬が演じるハチオーグ。元々蜂女自体がショッカーお初の女性怪人であり低予算を逆手に取ったかのような着ぐるみで十分に蠱惑的なキャラだがハチオーグはその進化形だ。「仮面ライダー」では魅力的でも一話限りの「切られ役」なので、それほど深く人物像は設定されていないようだが、ここでは裏切り者のルリルリを「SHOCKERに生まれし者はSHOCKERに帰れ」と執拗に誘惑するシーンがすごい。
「原作版」では仲間の流れ弾で偶然、洗脳から解放される一文字隼人は緑川ルリ子のプログラムによって解放されるとは設定を時代の流れに合わせる意味を感じさせる。
緑川ルリ子が本郷猛と一文字隼人に赤いマフラーを巻くシーンが「らんまん」でバッタの顔のどアップに続いて槙野綾が幸吉に赤い襟巻きを巻くシーンの元ネタ?
浜辺美波がヒロインという点は共通している「ゴジラ-1.0」と「シン・仮面ライダー」は逆の順序で公開した方がよかっただろう。山田裕貴と西野七瀬の件は「シン・仮面ライダー」公開の時点では明るみにはなっていなかった。「ゴジラ-1.0」を観ながら本来は敵であるはずの一文字隼人とハチオーグが「用意周到」に大石典子の為に一時的に共闘したのか、と思ってしまったぐらいだ。
多分「原作版」の本郷猛が脳以外は機械化して「復活」するまでに当たる続編は制作されるだろうが「らんまん」は終わっても今度は「光る君へ」での出番の収録が終わるまで柄本佑のスケジュールに余裕がないだろう。それにしても「シン・仮面ライダー」では柄本佑、「らんまん」では奥田瑛二、「ゴジラ-1.0」では安藤サクラという具合に特定の家族と浜辺美波が1年を通して共演するものだ。
浜辺美波が美しい
ドルビーアトモス版。
評判から覚悟してたが、癖の強い映画だ。
敵味方問わず仮面のデザインはカッコいいし、浜辺美波の佇まいはやはり良い。
ただバトルシーンが見づらかったりセリフ回しも独特でそこまで乗れず、浜辺美波が退場してからは集中力が切れてしまった。
あと音源が悪いのか箱が悪いのか知らんが、ドルビーアトモスの恩恵はあまり感じられなかったな。
この後観たデヴィッド・ボウイ映画のIMAX版はIMAXの恩恵をしっかりと感じられたが(ドルビーアトモス自体が微妙なのかもしれん)
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