劇場公開日 2018年2月1日

  • 予告編を見る

「チェス盤の四方向から4人が勝負すると、どうなる? こうなる。」スリー・ビルボード お水汲み当番さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0チェス盤の四方向から4人が勝負すると、どうなる? こうなる。

2020年7月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

「戦いに関してはアマチュア」だが「怒りに関してはプロ中のプロ」である主人公が、惨殺された娘のために、戦いを挑み始めるお話です。

ただ、そもそも敵は誰で、どこに潜んでいるのか、皆目わからない。

とりあえず目の前の敵とおぼしき相手に片端から戦いを挑み始めるので、周囲のほとんど全員が彼女の敵になり、それぞれが思いがけない動きを見せ、なんだかチェスか将棋なのに4人で盤を囲んで四方八方から順番無関係に手が伸びて駒が意表を突いて動きまわる……みたいな、ストーリーの意外性を楽しむ映画なのかなと思いました。

くだくだしい説明を一切省略して、メインテーマに、いきなり観客を引きずり込む手腕はなかなかのもの。

絶対的権力を握るものが、批判されない立場にあると、どうなるか?
その絶望的な閉塞した気持ちは理解できるのですが、心を動かされるためには、ちょっとストーリーの作り込みが浅いかなと感じたのも事実です。

一例ですが、結末部分で、テーマの一番大切な部分を描かずに(描けずに)エンドロールに逃げ込んでしまったシナリオの腕。
かなり落胆しました。

お水汲み当番