戦狼 ウルフ・オブ・ウォー : インタビュー
アジア歴代No.1ヒット作を生み出した男、ウー・ジンの「命を使って飯を食う」覚悟
※本インタビューは、配給元のAMGエンタテインメントが@REN_gokuh様に許諾を得た上、氏のツイートの内容を一部転載させて頂いております。
中国で1億4000万人超の観客動員数を記録し、全世界興行収入8億7000万ドル超(歴代55位・アジア最高位)の驚異的なヒットをたたき出したミリタリーアクション「戦狼 ウルフ・オブ・ウォー」が、1月12日から拡大公開される。本作の主演・監督を務め、ジャッキー・チェンが「僕とジェット・リーの後継者」と認めた次世代のアクションスター、ウー・ジンが、熱い思いを吐露した。
本作で主演・監督・脚本・製作総指揮を務めたジンは、1974年生まれの現在43歳。幼少期からカンフーを習い、リーと同じ学校で同じ師匠に学んだ弟弟子にあたる。95年に芸能界入りし、これまでにドニー・イェン、サモ・ハンらスターが集結した「SPL/狼よ静かに死ね」、トニー・ジャーと壮絶バトルを繰り広げた「ドラゴン×マッハ!」、ジェット・リーの主演作「ドラゴン・コップス 微笑(ほほえみ)捜査線」など多数のアクション映画で存在感を放ってきた。「僕は武家の名門に生まれ、武状元(武官の最高成績者)を先祖にもち、全国武術大会の優勝者となった」と自身のルーツを語り、学生の頃から厳しいトレーニングを日々自らに課していたという。
特殊兵の役作りのため、10カ月の兵役に服したエピソードも持ち、65キロの丸太を担ぎ100メートル突進、32キロの弾薬箱を背負い400メートル疾走など、過酷な訓練をこなしてきた。現在も日々鍛錬を欠かさないが、すべては「地道に基礎訓練を積むことで、初めて光り輝ける動きを体得する」という思いから。監督としても、本作の前作となる「ウルフ・オブ・ウォー ネイビー・シールズ傭兵部隊 vs PLA特殊部隊」が上海国際映画祭4部門を制覇、大衆映画百花賞最優秀監督賞にノミネートされるなど、手腕を発揮してきた。
満を持して放たれた今作は、中国の特殊部隊“戦狼”の元隊員レン(ウー)が、祖国から遠く離れたアフリカの某国で、テロリストたちと壮絶な死闘を繰り広げる物語だ。レンが肉体1つで反政府軍や戦車に戦いを挑むシーンや、ハリウッド顔負けの大爆破、危険なカースタントシーンが次々と登場する。「アベンジャーズ インフィニティ・ウォー」(4月27日公開)を手がけるルッソ兄弟を作品監修に迎え、「アベンジャーズ」シリーズや「スーサイド・スクワッド」「アトミック・ブロンド」などでスタントコーディネーターを務めたサム・ハーグレイブがアクション監督を務めたことで、スケール感が格段にアップ。見る者の度肝を抜く大迫力のシーンが、これでもかと畳み掛ける。
ジンの体を張った熱演が本作の最大の武器だが、本人は「どこも全部けがだらけだよ。唯一負傷してないのは心だけ。けがを伴わないアクション映画なんてないだろう? 僕は顔で飯を食ってるわけじゃない、命を使って飯を食ってる。より良いシーンを撮影するためなら、たとえどんな代償を払おうと惜しくない」と断言。「映画に殉じる」強い覚悟をあらわにした。
そんなジンの思いに呼応するように、本作は驚異的なヒットを記録。ジン自身、イェン、リーと3大アクションスターが集結する共演作が進行しているほか、シルベスター・スタローン主演のヒットシリーズ「エクスペンダブルズ」の新作のキャスト候補にも名が挙がっているという。これからの活躍に期待が集まるが、「私には退路はなく、ただ必死に前に進むだけ。そんなに偉大なわけではなく、ただこういう性格というだけなんだ」と謙虚な姿勢を崩さない。
それでも、「私の映画は、1つひとつのシーンを命を積み上げるような思いで作り上げている。多すぎるほどの困難に直面したが、もしその過程で私が萎縮したり、後退してしまったら、製作チーム全員の士気が下がってしまう。また、おざなりだったりそこそこのレベルで妥協してしまえば、私自身の基準を満たさないばかりか、観客も納得しないだろう。戦場でまず命を落とすのは、優柔不断な人だ。退路がない以上、チームを引き連れて突進していく、という気持ちで前へ進むだけさ」と強い自負をのぞかせた。