劇場公開日 2017年1月21日

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「原作に忠実だが・・・。」沈黙 サイレンス 堂島先生さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0原作に忠実だが・・・。

2017年2月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

原作は随分昔に読んだ。遠藤周作はクリスチャンで、彼自身も日本人としてキリスト教の教えに対する葛藤があったのでしょう。他の作品にもそれは見られます。これはどの宗教にも通じるもので、テーマとしては逸材かと思うし、遠藤先生がそのテーマを素晴らしい作品に作り上げています。
原作は衝撃的で、本作もほぼ忠実に作られていますが、最後は余計な時計だったように思えます。
ただ気になるのは、この史実の前後を描かずに、この部分だけを切り取ってしまっては、日本が異宗教を何故弾圧したかが分からない。キリスト教の教えは素晴らしいが、これほど政治に利用され、結果的に人々の争いの道具になった宗教も珍しい。当時の日本のキリスト教の排除は正解だと思うし、あれが太平洋戦争の序章になったことは教科書には載っていないが周知の事実なのだから。

堂島先生