劇場公開日 2017年2月11日

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「ただひたすらに演者のアップに引き込まれる」たかが世界の終わり(2016) キース@Keithさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0ただひたすらに演者のアップに引き込まれる

2017年3月24日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

12年ぶりの再会という設定で主人公とそれぞれ家族との距離を表情だけで感じられるように設計されている作品で、その12年という時間の溝が何を指しているのか明確でない分、観る者は役者の演技に引き込まれていくようで面白い作品でした。
なぜそこまで苛立ち、それぞれに葛藤を持っているのかは観る者によって印象が違うだろうと思うが、それには主人公のセリフの少なさだったり、映像がほとんど役者の顔のアップという構図だったり、ストーリーの多くを説明していないところにこの作品の妙があるのだと思う。実感する愛情と己が求める愛との差異が1つ屋根の下で交錯し合うこの脚本は、グザヴィエ・ドランがなせる業と言っていい。

キース@Keith