劇場公開日 2017年7月22日

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ウィッチのレビュー・感想・評価

全82件中、1~20件目を表示

4.0潔癖主義と抑圧が生み出す“悪魔”

2017年9月30日
PCから投稿

怖い

知的

開拓民の村を離れ、人里離れた荒れ地で暮らす一家が、信仰にすがりつくあまり狂気に陥っていく。いろんな解釈ができるだろうが、自分にはそう受け取れた。

とにかく閉塞感漂う映像の寒々しさが凄まじく、ついアニャ・テイラー・ジョイの美貌をよりどころにしたくなるが、そんな生易しい気持ちはいともたやすく吹き飛ばされる。ほんの少しの猜疑心や悪意が、らせん状に増幅していく様が戦慄を生み、ホラーとサイコスリラーのすき間を縫うように這いまわる。

主人公家族それぞれの主観が入り乱れる作品だが、17世紀当時の裁判記録などをもとに生み出された脚本だという。裏話として監督は幻覚作用のある食物の影響を示唆しており、そんなの映画観てても気づかないよ!と思いつつ、謎解きに挑戦してみたくもなる。

また、生真面目を旨とする人が荒れ地になんか行っちゃいかんよという、いろんな局面に応用できる普遍的な教条話でもある。つくづくストイックはほどほどにした方がいい。

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村山章

4.0かつて明確に語られることが少なかった"魔女の作られ方"

2017年7月28日
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鑑賞方法:試写会

怖い

16世紀のアメリカ東海岸に入植した敬虔なキリスト教信者一家の自給自足生活を活写するために、色彩を落とし、縦横が近い独特のアスペクト比を用いたビジュアルが、まず、強烈。視覚ばかりではない。子供の失踪によって一家の信仰と信頼が脆くも崩れ去っていくプロセスは、特に、長女に魔女の気配を感じ取って以降、誰も静止できないカオスとなって観客をも巻き込んでいく。宗教、歴史、ミステリー、オカルト、スプラッタ等々、あらゆる要素を孕みつつこの映画が行き着く先は、かつて明確に語られることが少なかった"魔女の作られ方"。猜疑心が家族を内側から滅ぼしていく様子は、さらに傷ましい後味を残すのだが。

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清藤秀人

3.5中世の魔女伝説による悲劇

2024年3月27日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

中世ニューイングランドの森の近くの寒々とした土地を舞台に、そこに住む敬虔なキリスト教の一家が、魔女伝説の呪いによって、血みどろの惨劇へと転落していく様を描いたダークホラー・ファンタジー。

ウイリアムとキャサリンは5人の子供と共に、イングランドを追われ、ニューイングランドの荒野に流れ着く。ある日、長女のトマシンが一番下の子供のサムをあやしている最中に、突然、サムを何者かに連れ去られてしまう。その後も、長男のケイレブもトマシンと一緒に森に入った際に、行方不明となってしまう。しばらくして、ケイレブは悪魔に乗り移られたような姿で発見されるが、結局、命を絶ってしまい、一家の心は次第に崩壊していく。

そして、両親や下の双子の妹弟は、これらの事件の原因が「トマシンが魔女である」から考え、トマシンを非難し始める。心身が追い詰められていくトマシン。そんな中で、また新たな悲劇が一家を襲い、トマシンは絶望の中に身を置くことになる。そして…。

ラストは、オカルトチ的な締めくくりだが、終始、不吉な雰囲気が一家の生活の中にまとわりつき、宗教信仰における狂気、魔女狩りの怖さ、当時の貧しい暮らしぶりの中で、家族でありながらも互いに疑心暗鬼となっていく姿が、ダークな色彩と重い雰囲気の中で映し出されていく。

この作品は、何と言ってもトマシンを演じた、若き日のアニヤ・テイラー=ジョイの演技だ。今や、個性的な美しさの女優として、『ザ・メニュー』や『ライト・ナイト・イン。ソーホー』等でもヒロインを務めている。少し目が離れているが、本作では、少女から女へと成長する過程での、真っ白な肌に、凛とした美しさを備えたアニヤの少女時代も、また魅惑的であった。

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bunmei21

4.0もっとロバート・エガースの映画が観たい

2023年9月15日
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madu

3.0宗教観や死生観を考えさせられる内容

2023年8月8日
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鑑賞方法:VOD

怖い

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Fate number.9

3.5【17世紀の英国、敬虔なキリスト教徒の一家が魔女の幻影により疑心暗鬼になって行く様を不協和音と共に描き出したダークファンタジー・ホラー作品。流石、A24である。心理的に恐ろしい作品である。】

2023年7月18日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

難しい

ー ご存じの通り、今作の監督・脚本は狂気の二人の船員の姿をモノクロで描いた「ライト・ハウス」のロバート・エガースである。
  冒頭の不協和音溢れるシーンで、この監督の作品ではないかと思った程、作品世界が屹立している。
  更に言えば、今作は敬虔な家族たちから魔女ではないかと疑われたトマシンを演じたアニヤ・テイラー=ジョイの、実質的なデビュー作である。-

◆感想

・序盤から、敬虔なキリスト教徒であるウィリアム一家を、不可思議な出来事が次々に襲う。幼きサムはトマシンがあやしているいる最中に姿を消し、弟のケイレブは”明らかに魔女と思われる”女に誘惑され、姿を消す。

■敬虔なキリスト教徒であるウィリアム一家が犯した禁忌

 1.夫、ウィリアムは罠を買うために、妻が父から引き継いだ銀のコップを妻に言わずに売り渡す。<嘘の罪>

 2.トマシンの双子の娘は根拠なき噂により、姉トマシンを遊びで魔女扱いする。<虚偽の罪>

 3.ケイレブは魔女の誘いに乗り、口づけを交わす。<姦淫の罪>

・故に、夫、ウィリアムは根拠なく、トマシンを魔女ではないかと疑い始め、”裸身”で戻ったケイレブはうなされながら、口から林檎を吐き命耐える。
 - 林檎の意味、分かりますね。禁断の果実である。アダムとイヴね。-

・結果、トマシンは自分を魔女と思い責める母親の首に刃を突き立てるのである。

<そして、トマシンは魔女たちが裸身で踊る怪しげな宴に、自らも裸身になり参加していくのである。魔女になったという事である。
 流石、A24である。実に心理的に恐ろしい作品である。

 アニヤ・テイラー=ジョイを劇場で私が知ったのはシャマラン監督の「スプリット」「ミスター・ガラス」であるが、彼女が存在感を示したのは「ラスト・ナイト・イン・ソーホー」であり、「ザ・メニュー」である。
 彼女は、ダークファンタジー・ホラーでその存在感を発揮している有望な若手女優であるが、更なる分野でも活躍を期待したい女優である。>

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NOBU

3.0魔女誕生秘話を描く!

2023年6月17日
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鑑賞方法:DVD/BD

怖い

難しい

いや~、観ていて辛かった。そして疲れた。が正直な感想かもしれません。常に不安を感じながら鑑賞をしないといけず、一家それぞれの色濃いキャラがあまりにも不気味なのです。一番、正常で健気な長女トマシンの存在自体が一家の中で異教徒のように感じてすしまうほど。

そして一番まともで有っただろう、トマシンもある事をきっかけに何かが弾けてしまった…。

ここに、魔女が誕生したのだ!

今までの映画で魔女が誕生した理由を描いた映画なんてあったんでしょうかね!?まさに、衝撃的な映画です。

ラストシーンがまたとても印象的でありました。、初めて味わうような何とも言えない感覚で、非常に不気味だけど美しい光景を目の当たりにした感覚です。観終わった後は、重く暗いどんよりした感情しか湧いてきませんでした…。

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だいふく

3.5いろんな要素がいっぱい詰まった映画

2023年4月14日
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あま・おと

1.0久しぶりに

2022年7月29日
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時間返してよ映画賞受賞
つまらない

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にゃこ

0.5ストレートに受け入れない方が無難なホラー映画。

2022年4月24日
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鑑賞方法:VOD

アメリカ建国の清教徒たちは、新大陸アメリカで怯えて生活していたのだと理解できた。この偏見が差別を生んで来たと思う。そして、今でもアメリカは怯えている。それをアナクロな表現で語っていると感じたい。

ストレートに受け入れない方が無難なホラー映画。だと思いたい。兎に角アナクロ過ぎると思う。
名作か駄作かは、商業主義を無視したホラー映画に成り下がっていると思い、駄作とする。残念ながら、僕には理解できない。

ネイティブアメリカン達が、元気よく楽しく生活していた森を、悪魔が住む森と表現して、奪い取っていった。その事実をホラーな寓話で表現するのは全く共感出来ない。
しかし、彼らが教会から波紋されたのは、原住民と商売をしたからと匂わせていたのは少し理解できた。

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マサシ

4.0卓越した美学で描く少女受難の反・宗教画

2021年11月27日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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徒然草枕

3.0いないいないバァと、あやしてる間に本当にいなくなった赤ん坊

2021年7月21日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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kossy

3.0不穏、不気味、不道徳と美少女

2021年7月21日
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楽しんだ。
不穏、不気味、不道徳だがこれにつり合ってしまう絶世の美少女と下世話なエンタメ精神が上手く機能した。
手本と思しきシャイニングの軽妙さから逸れる重くて野暮なラストは好かぬが。
同監督の公開中某作は美少女とエンタメ精神が無いから格段につまらない。

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きねまっきい

3.5『ライトハウス』の予習のつもり

2021年7月11日
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鑑賞方法:DVD/BD
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なお

3.5妄信と家族崩壊

2021年7月7日
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鑑賞方法:映画館

 『ライトハウス』公開記念リバイバル上映にて鑑賞。

 これが初監督とは思えない仕上がりで、数多くの賞を取ったというのも納得。ただ、キリスト教徒じゃないと、ほんとの意味で恐さは感じないんじゃないかな。自分なんか悪魔に対する恐怖がほとんどないもの。

 敬虔な、もとい妄信的なキリスト教徒の一家が、村を指導する教会に逆らってしまい、村はずれでの生活を余儀なくされる。一家の長であるウィリアムは、不幸な事が起きるたびに、信心が足りない事に置き換えてしまう。

 徐々に家族が崩壊していく様子が、家族それぞれを起点として描かれているので、精神的にきつい。特に双子とトマシンの関係性がそう。結局は悪魔は、人間の心に潜んでいると言うことかな。

 ケイレブは、思春期を迎える男の子らしく、トマシンの胸の膨らみを意識してしまうが、このシーンが後になって悲劇を加速させる要素になっている。こういった、巧みなシナリオが随所に見られるのだが、そんなに怖くないことがこの作品の欠点かな。これで身震いするくらいの恐怖があったら、大傑作なんだけど。

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bion

3.5内容はイマイチ分かっていない アニャテイラージョイが美しい

2021年6月21日
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怖い

知的

難しい

内容はイマイチ分かっていない
アニャテイラージョイが美しい

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ちゃんろー22

4.0魔女は存在する?

2021年5月12日
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鑑賞方法:VOD

怖い

難しい

.
村を追い出された敬虔なキリスト教一家の末っ子赤ちゃんが行方不明になったことから魔女をめぐって揺れ動く家族の話。
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魔女は実際にいなくても、魔女や悪魔というものを知っていれば人はいないものを憶測や想像で作り出してしまえて、そういう意味で私は魔女は存在していると思う。
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でも想像で魔女を作り出した時、その時はその人がもう魔女なり悪魔になっている。なのでわりとこの映画のラストには納得。
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結構いろんな宗教的モチーフが散りばめられてそう。
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せつこん

4.0不気味な映画だ・・・

2020年10月29日
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怖い

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映画は生き甲斐

1.0よくわからない

2020年6月5日
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鑑賞方法:VOD

難しい

わかりやすい映画が好きというわけではないのですが、それでも私にとって他の人のレビューを見ないとわからない系の映画。全般的に暗く見づらいところもなんだかなあという感じ。

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mojimizu

3.0家庭崩壊

2020年2月18日
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鑑賞方法:VOD

怖い

興奮

萌える

頼りにならないダメ親父、ヒステリックな奥さん、クソ生意気なタチの悪い双子、ギョロ目のうさぎ。

魔女は全裸で焚き火を囲む、あるあるシーン!?

不確かな存在、神や罪に恐れ、ソレを不遇な状況の理由にしているようで、悪魔と契約したらギターが巧くなる十字路しか知らない!?

ジワジワと進む物語に興味の持続力は保たれ、魔女だったのか?魔女になってしまったのか?悪魔が存在していたのか?

彼女の最後は、ハッピーエンド!??

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万年 東一