ウィッチ

劇場公開日:

ウィッチ

解説

「魔女」をテーマに、赤子をさらわれた家族が次第に狂気の淵へと転落していく姿を描き、第31回サンダンス映画祭で監督賞に輝いたファンタジーホラー。1630年、ニューイングランド。ウィリアムとキャサリンの夫婦は、敬けんなキリスト教生活を送るために5人の子どもたちと森の近くにある荒地へとやって来た。しかし、赤ん坊のサムが何者かに連れ去られ、行方不明となってしまう。家族が悲しみに沈む中、父ウィリアムは、娘のトマシンが魔女ではないかとの疑いを抱き、疑心暗鬼となった家族は、狂気の淵へと転がり落ちていく。第70回英国アカデミー賞で新人賞にあたるライジングスター賞にノミネートされ、M・ナイト・シャマランの「スプリット」でもヒロインを務めたアニヤ・テイラー=ジョイが、家族から魔女と疑われるトマシン役を演じた。監督はホラー映画の古典的名作「吸血鬼ノスフェラトゥ」(1922)のリメイク版監督に抜てきされ、本作が初メガホンとなるロバート・エガース。

2015年製作/93分/G/アメリカ
原題:The Witch
配給:インターフィルム
劇場公開日:2017年7月22日

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(C)2015 Witch Movie,LLC.All Right Reserved.

映画レビュー

4.0潔癖主義と抑圧が生み出す“悪魔”

2017年9月30日
PCから投稿

怖い

知的

開拓民の村を離れ、人里離れた荒れ地で暮らす一家が、信仰にすがりつくあまり狂気に陥っていく。いろんな解釈ができるだろうが、自分にはそう受け取れた。

とにかく閉塞感漂う映像の寒々しさが凄まじく、ついアニャ・テイラー・ジョイの美貌をよりどころにしたくなるが、そんな生易しい気持ちはいともたやすく吹き飛ばされる。ほんの少しの猜疑心や悪意が、らせん状に増幅していく様が戦慄を生み、ホラーとサイコスリラーのすき間を縫うように這いまわる。

主人公家族それぞれの主観が入り乱れる作品だが、17世紀当時の裁判記録などをもとに生み出された脚本だという。裏話として監督は幻覚作用のある食物の影響を示唆しており、そんなの映画観てても気づかないよ!と思いつつ、謎解きに挑戦してみたくもなる。

また、生真面目を旨とする人が荒れ地になんか行っちゃいかんよという、いろんな局面に応用できる普遍的な教条話でもある。つくづくストイックはほどほどにした方がいい。

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村山章

4.0かつて明確に語られることが少なかった"魔女の作られ方"

2017年7月28日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

怖い

16世紀のアメリカ東海岸に入植した敬虔なキリスト教信者一家の自給自足生活を活写するために、色彩を落とし、縦横が近い独特のアスペクト比を用いたビジュアルが、まず、強烈。視覚ばかりではない。子供の失踪によって一家の信仰と信頼が脆くも崩れ去っていくプロセスは、特に、長女に魔女の気配を感じ取って以降、誰も静止できないカオスとなって観客をも巻き込んでいく。宗教、歴史、ミステリー、オカルト、スプラッタ等々、あらゆる要素を孕みつつこの映画が行き着く先は、かつて明確に語られることが少なかった"魔女の作られ方"。猜疑心が家族を内側から滅ぼしていく様子は、さらに傷ましい後味を残すのだが。

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清藤秀人

3.5中世の魔女伝説による悲劇

2024年3月27日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

中世ニューイングランドの森の近くの寒々とした土地を舞台に、そこに住む敬虔なキリスト教の一家が、魔女伝説の呪いによって、血みどろの惨劇へと転落していく様を描いたダークホラー・ファンタジー。

ウイリアムとキャサリンは5人の子供と共に、イングランドを追われ、ニューイングランドの荒野に流れ着く。ある日、長女のトマシンが一番下の子供のサムをあやしている最中に、突然、サムを何者かに連れ去られてしまう。その後も、長男のケイレブもトマシンと一緒に森に入った際に、行方不明となってしまう。しばらくして、ケイレブは悪魔に乗り移られたような姿で発見されるが、結局、命を絶ってしまい、一家の心は次第に崩壊していく。

そして、両親や下の双子の妹弟は、これらの事件の原因が「トマシンが魔女である」から考え、トマシンを非難し始める。心身が追い詰められていくトマシン。そんな中で、また新たな悲劇が一家を襲い、トマシンは絶望の中に身を置くことになる。そして…。

ラストは、オカルトチ的な締めくくりだが、終始、不吉な雰囲気が一家の生活の中にまとわりつき、宗教信仰における狂気、魔女狩りの怖さ、当時の貧しい暮らしぶりの中で、家族でありながらも互いに疑心暗鬼となっていく姿が、ダークな色彩と重い雰囲気の中で映し出されていく。

この作品は、何と言ってもトマシンを演じた、若き日のアニヤ・テイラー=ジョイの演技だ。今や、個性的な美しさの女優として、『ザ・メニュー』や『ライト・ナイト・イン。ソーホー』等でもヒロインを務めている。少し目が離れているが、本作では、少女から女へと成長する過程での、真っ白な肌に、凛とした美しさを備えたアニヤの少女時代も、また魅惑的であった。

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bunmei21

4.0もっとロバート・エガースの映画が観たい

2023年9月15日
iPhoneアプリから投稿
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madu
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