スポットライト 世紀のスクープのレビュー・感想・評価
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●現代版ダビデとゴリアテ。
カトリック教会というゴリアテをボストン・グローブ誌が撃つ。
まさにパンドラの箱。究極のタブー。
719年ぶりとなる、ベネディクト16世の自由意思によるローマ教皇の
生前退位は本件と無関係ではあるまい。
神父による性的虐待。
概要がわかった今となっては、教会の構造的な問題だろうと思う。
禁欲と独身性。
伝統という名の世間知らずさ。
教会の権威と厳格さ。
神父の性的虐待を追う記者。
やがて、それが氷山の一角にすぎないことがわかる。
確率論からすると、想像を絶する数字だ。
一方、グローブ誌は53%をカトリック信者の読者が占める。
それでも信念を貫き、真実を追う。
ターゲットも本丸に定める。
かつて、そのことを訴えていた人たちともう一度、接触する。
変わり者だと思っていたが、それは色眼鏡で見ていたから。
変わり者でなければ、噛みつけない相手だ。
信念を持って戦い続けた彼らと、
多岐にわたる詳細な取材で真実を世に問うた記者たち。
蛇足だが、その取材姿勢がリアルだった。
動揺して泣き出す被害者。
それでも口調は変わらない。
傾聴するが、同情しない。
冷静に、客観的に真実を追い求める。
それだけに、現場記者が感情を爆発させるシーンは刺さった。
スクープが他社に取られるかもってのもあっただろうけど、
いまも続く被害を1日でも早く止めたいという社会正義からだろう。
スクープ当日から電話が鳴り止まない。
電話の主は意外にも。
さらに蛇足だが、若い頃に新聞記者になろうと思ったことを思い出した。
こういう仕事がしてみたかった。
現実はそんなに甘くはないのだろうけど。
アカデミー賞はちゃんとした映画を選んでいる
たしかに大切な映画だと思います。
面白いとも思います。
アカデミー賞に選ばれたことも理解はできます。
ただ僕の好みには合いませんでした。
世界中の注目を浴びるアカデミー賞。
毎年、ちゃんとした映画が選ばれているなあと感心します。
eiga.com/l/fKQM8
渾身の取材
記者としての意地、映画人としての意地が感じられる硬派ないい映画だった。結末は必ずしも、ハリウッド的な爽快感はないけど、けして諦めてはいけないということをしみじみと感じさせるいいおわりだった。
とは言うものの、現実の世界では、事件を揉み消し続けた枢機卿が栄転していると言う、腐敗仕切った教会の風土は変わらないようで、人間の最も汚いところを、これもまたまざまざと見せつけられ、嫌な感じが残る。だけど、これが偽らざる真実であり、そのために今も硬派なジャーナリストやロウヤーたちが、被害者のために尽力してくれていると信じたい。
私になにができるか、そんなことも考えさせられる。
問題点の解決のために、個々の加害者にフォーカスを当てるのではなく、根本的な解決のために、組織としての問題点を浮かび上がらせる、これぞまさにジャーナリズムの真髄。今の日本のマスコミにも是非見てほしい作品だ。
スポットライト
先月観たのにレビューを書くの忘れてた笑
この作品はいろんな映画祭で賞をとって期待があった。映画評論家とかはこれ好きなんだろうなって思うような作品。だからつまらないって思う人もいると思う。とにかく名前が多く出てくるし笑
私的にはすごく興味深い内容だった。この時代は教会を訴えるなんてタブーだろうし、被害にあったのは子供なわけだから親絡みの問題もある。そして被害にあった子供たちは何かしら悩みを抱えてた。大人になってもまだ記憶に残っていて抹消したくても小さい子供のころにこんな体験をしたら忘れられないと思う。クレジットの前の出てきた世界中にそのような牧師がいる教会があんなにあったなんて信じられないと思った。悔しいのはそのうちの1人の牧師が元にいた教会を去り、イタリアの本家の教会に所属したこと。意味がわからない。
見所はラファロの演技。たくさん才能のある役者が出る中で私的にはラファロの演技が素晴らしかったと思う。彼の演技で自然と涙が出てきてしまった。
何度か見返したくなる
史実ベースだしどうなるか分かってるけど、一喜一憂させられる
スクープを抜く時に、ある選択のために実は…になってしまったという現実をキッチリはさみ込むところも、とても誠実
映画館で観られて良かった!
秩序がもたらす混沌
神の御使を糾弾した愚かな人間の話。
…と、書いても違和感がないほど「教会」は浸透しキリストの威光は絶大なのである。
驚いた。
2002年の話しである。
もっと昔の話かと思ってた。
携帯もインターネットも普及している。
で、その時の責任者はさらなる強大で強固な城へ匿われたと本作品は告げる。
目からウロコなのは、絶大なカリスマ性を維持していること。
神に従事している人間、または組織に間違いがあってはならない。もしくは、間違ってるはずがない。
そんな体裁を保つために隠蔽され続けてきた。
どうやら個人は糾弾できたものの、その組織ぐるみの隠蔽工作にまでは及んでいないようだ。つまりは…現在もまだ進行中の話しなのである。
作品は、終わりに近づく程ヒートアップしていった。取材者それぞれに異なる正義…いや、信念かな?そんなものがあり必ずしも同じ価値観ではない。だけれども、目標は一つ、そして揺るがない。どちらに神の意志が作用していたのかと思うほどだ。
センセーショナルな作品だった。
取材している記者達でさえ、盲目的に教会を崇めてた。だからこそ、裏切られたと思うのであろう…。
「教会はなんでもできる」
このシーンの後に911を引き合いに出したのは、やり過ぎかとも思うが…どうやら、その案件のために足止めをくらったのは確かなようだった。
派手ではないが、引き込まれるストーリー
事実に基づくストーリーのため派手な展開はないが引き込まれるストーリーで、最後までしっかりと楽しめた。
ただスクープのために事件の真相を暴くのではなく、各々の正義感に従って行動していくうえでの様々な葛藤がとても上手く表現されている。
この事件が一部の神父や教会だけでなく、カトリック教会全体の問題であるという事実が怖いと思う。
ノンフィクション
期待して見に行ったら期待をうわまった!淡々とストーリーが流れていくんだけど、どんどん引き込まれていく。記者たちの色々な葛藤が描かれていて感情移入できる。ただ特ダネをスクープしたいだけじゃなくこの誰もが目を瞑ってきた事実を世の中に伝えたいとう気持ちが伝わる!最後の電話が鳴っているシーンはすごく良い。あと終わったあとの字幕がズシーンと心にくる。レイチェルマクアダムスは恋愛映画でしか見たことなかったけどこの人なんでも演じれるんだな!ますます好きになった。マークラファロは天才
飽くまでも実話を基にした社会派映画
特段、派手なシーンとかはありませんが、
真実に向き合って、正しい側へ進むのは
難しいけど、信念を持って貫き通した記者達の
努力は報われたんだと思う。
隠蔽した枢機卿が昇格して異動したという
最後の一文に衝撃を受けたものの…
パンフレット購入してみたら、カトリックの神父の職を剥奪等の処分をしたり、色々と改革したあとローマ法王が辞職(7年も経ってからだけど)したりと波紋は広がっていっているようで、少し安心した。
正義の実現に関する葛藤が面白い。 ただし、日本人の私には教会権力の...
正義の実現に関する葛藤が面白い。
ただし、日本人の私には教会権力の絶大さを想像するしかなく、その辺が分かればもっと楽しめるかもしれない。
緊迫感は無かったが
予想外に露骨な取材妨害がなく、拍子抜けはした。地道な取材、これまで培ってきた信頼、信念、生まれ育った街への愛情など、淡々としたドラマだった。
事件を追いかけるよう指示したユダヤ人の新任編集局長、スポットライトの4人、それぞれの立場で関わる弁護士たち、どこにも悪役はおらず正義の味方もいない。
ラスト近く、これまで誰もこの事件に注目して大きく記事として取り上げた記者はおらず、主人公さえもかつて埋め草的記事として扱ったこと、それを主人公が認識した時の表情が印象的であった。
アカデミー賞という宣伝文句
レビューを読んで、今でもアカデミー賞受賞作という言葉で観に行く人がこんなにもいるのか、と驚いています。とはいえ、それにつられてこの作品を観た人がこれだけいるというならば、その価値は大いにあった、というべきでしょう。
この作品は感動作ではないし大人気俳優が出ているわけでもないし派手なアクションも美しい景色も衝撃的な映像もない。ですので、宣伝文句やトレーラーを作るのは大変だったことでしょう。原題の「スポットライト」だけでサブタイトルの「世紀のスクープ」がなければ新聞の話だというのもわかりません。演劇の話かな?と思ってもおかしくない。反対派も最近よくみかけますが、このサブタイトルはそんな中少しでも多くの人が観てくれればという苦労の跡でしょう。
宗教に馴染みがないから、などと興味もないと思っている人でも、しっかり観れば引き込まれる作りになっています。
衝撃的な映像もないので、年齢制限もかかっていません。
少しでも多くの人に観てもらい、一人でも気に入ってもらえたら嬉しい、と思える作品でした。
観に行きましょうよ、アカデミー賞ですよ?(笑)
見せ場なし
カトリック教会の神父、枢機卿たちによる児童への性的虐待を告白するまでの新聞記者達の奮闘を描いた作品だか、全体的に漫然として緩急がなく、見せ場が無かった。このスクープは当時話題になってニュースドキュメンタリーでみたが、
本物の報道に勝るものなし。残念。
知っとくべきこと、映画であること
アカデミー賞作品賞受賞作の「スポットライト」悪くはないし、アメリカのカトリック教会の恥部を曝け出したメディアの様子を淡々と描いている。世に広く知られるべきことであるという意味で映画にした意味はある。しかし、映画としてはどうなのだろう。実話に基づくアカデミー作品として思い浮かぶのは「シンドラーのリスト」。こちらは今回の作品より胸に響いた。実話に基づく話は難しい面もあると思うが、人間ドラマや映像美など何か映画で伝えやすい要素が無いと、満足感は得にくいと思う。
教会の歴史は何百年?
2016年アカデミー賞作品賞受賞作である。
ボストングローブ紙のスクープにまつわる話である。
トム・マッカーシー監督の演出はドラマチックに見せようというような、いわゆる演出めいたことはせず、淡々と事実を積み上げていくそんな風に見えた。
象徴的だったのは、サーシャ(レイチェル・マクアダムス)が当の神父にぶち当たったときの神父の受け答えである。たいへんなことを告白しているのに、画面はあまり動揺を表さない。サーシャが衝撃を受けているのはわかるが。
被害者の告白などがもっとあるかと思ったが、ほとんどが記者の伝聞という形で我々に伝えられる。心理療法士が神父の6%が小児性愛者というのだが、彼は電話でしか出てこない。
ボストングローブ紙は端緒をつけただけで、最後の字幕で全世界で神父の虐待があったことを示す。
この記事が出たときのボストンの枢機卿は、ローマの最高機関に移ったとも。
最初の記事が出て、信者のデモがあると予想していた記者たちだったが、その反響は。
恐ろしい話である。
難しいが考えさせられる。不屈の精神が暴いた驚愕の真実。
【賛否両論チェック】
賛:強大な権威の下で隠されてきた虐待を、不屈のジャーナリズム精神で暴いていった記者達の根性に、本当の正しさについて考えさせられる。
否:難しい内容の話が多いので、理解出来なかったり興味がなかったりすると、退屈すること必至。性的な単語も結構出てくるので、人によっては好き嫌いが分かれそう。
地元に深く根付き、信仰者も多数を占めるカトリック教会の不祥事とあって、誰もが薄々感づきながらも見て見ぬふりをしてきた事件を、記者生命を賭けて暴いた主人公達の不屈の姿勢が、淡々とした描写の中で、現実感たっぷりに描かれていきます。変に脚色感があまりないところが、かえって事件の不気味さや底知れなさを際立たせているようです。
反面、どうしても法律上の手続きの話が分かりにくかったり、同じような取材のシーンが続いたりするので、興味がない人にとってはかなり退屈で、参ってしまうと思います。
時に逆風にさらされる中でもめげずに、自らが信じる道を進み続けた者達の真実の姿を、是非観てみて下さい。
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